咲夜、中原、真北、チルノの四人は中原の車で餃子の王将へ向かおうとしていた。
その車内にて
「なぜ、幻想郷から日本に連れて来られたのだろうか」と、真北
「正直、私には何もわかっていません。紅魔館の地下室で拉致されて、気がついたら横浜でいたもので」と、咲夜
餃子の王将の駐車場に車を停めようとすると、車止めの後ろに射命丸文がいきなり現れた。
「あ、あなたは・・・」と、中原、バックミラーで文の姿を認める。
「やっは〜!」と、文が咲夜寄りのドアを叩く。
「文、なぜここに?」と、咲夜。
「みなさんどうもご無事のようですね」と、文
「まさか射命丸さんまで・・・日本に」と、中原
「はい、私もひょんなことに日本に連れてこられてしまいまして・・・」
「どうやら幻想郷から一部の人たちが拉致されたようね・・・」と、咲夜
「うん、現時点で確認できたのが、咲夜さん、チルノちゃん、そして射命丸さん・・・」と、中原
「はい、どうやら私たち3人のほかに、それぞれ別の小屋で監禁されている2人を見ました。ただ、どこにいるのか今ひとつわかりません・・・」と、文
「あっ、そうだ、GPS渡すから、調べてくれませんか?」と、中原はGPS発信器を文に渡す。
「え?これで?」
「で、見つけたら、しばらくそこで止まっていてください。30秒ほどしたら帰ってきていいですよ。」
「わかりました。」
というと文は、すぐさま2人のいる位置に向かい、帰ってきた。
「ただいま戻ってきました。」
「わかった。2人とも広島近郊ですね。」と、中原は受信機で位置を確認。
「広島?」と、咲夜
「ああ、ここから西にある都市で、遠い昔の世界大戦でこれはこれは恐ろしい原子爆弾を落とされ、焼け野原になったところだ。」
「原子爆弾・・・」と、チルノ
「ああ、これくらい、洗濯機並の大きさの爆弾1個で、街を軽く滅ぼす程度の威力があるという。」と、真北
「なにやら恐ろしい爆弾で、爆風で焼かれるだけじゃなくて、放射能という目に見えないモノで生き物を冒すらしいね。」と、咲夜。
「まあ、幸い、今では広島は焼け野原ではなく、殆ど回復できていますけど。」
「うーん、なら行ってみます?」と、文
「ああ、行きましょう。」と、中原
「だが俺は勘弁してくれ。」と、真北
「真北、なんで行かないの?」と、チルノ
「悪い、ちょっと用事があってな。」と、真北
「仕方がないよ。とりあえず、この4人で行きましょう」と、中原
翌日、中原、咲夜、文、チルノの4人は広島へ向かった。
「も〜しも〜 も〜しも〜 ひ〜ろ〜し〜ま〜に〜♪」と、中原、どうやらローカルな歌を歌っている。
「中原さん、これ何の歌ですか?」と、咲夜は訊く。
「ああ、これは『もしも・ひろしまに』という曲で、広島のとあるテレビ局のテーマソングだったそうです。」
「なるほどね。」
「さて、早速向かいましょう。」と、中原の運転する車は高速道路を走っており、広島近郊のインターチェンジで一般道に降り立ち、幻想郷の人が閉じこめられている小屋へと向かっていった。
高速を降りて30分程して、ようやくその小屋の周辺までたどり着いた。すると2人の軍人のような装備をした男がうろついている。なにやら怪しいようだ。
「ここか・・・ていうかあの服は・・・」
その男2人は、あのキーアと同じようなカーキ色の服を着ていた。
「まさか・・・例の『解放軍』?」
「そうみたいだな・・・・」
果たして、その小屋とその周辺で、これから何が起こるのか?
続く
最終更新:2009年11月05日 17:11