ここは、現実世界の前世と次元が離れた、後世世界の日本。
時は平盛16年5月
とある日本列島の真ん中、滋賀県にある一人の活発な自衛官がいた。
「てッ」
どうやら射撃訓練中のようだ。しかも標的がやや遠い。
バンッ!バンッ!バンッ!
3発中、3発が標的のど真ん中に。
そしてその自衛官は立ち上がった。
「(今日もいつもの調子だな)」
彼こそが、島田真北、屈強な体を持つ男。
遠距離射撃においては誰にもひけをとらない。
「見事だな」と上官が島田に話しかける。
「はい」と島田が返事をする。
翌日
この日は行軍訓練のようだ。比叡の山を完全軍装で頂上まで往復するというものである。
最初は全員が難なくこなしたが、中間点を通過したあとはばてる者もいた。
「おいこら!しっかりせんかっ!」と上官の怒鳴り声が響く。
だが、この男だけは違った。
上官は言う。「なんだあいつ、これだけハードな行軍を難なくこなすとは」
そう、この男も島田である。彼は体力にも定評があるという。
そのまた翌日
この日は戦闘訓練のようだ。赤軍と白軍の2チームに分かれてダミーの銃や銃剣、そして軍刀や手裏剣を使い敵陣の旗を奪う模擬戦闘である。
開始からずっと膠着状態が続いていたが。ある男の見事な戦闘で赤軍が圧勝した。
「おい、手裏剣はねぇだろ」
「手裏剣があんだけ使えるとは」
どうやら有事の際には実践的ではなく、他の隊員ではとても扱いきれない手裏剣も使えるらしい。
そして豪快な刀の振り回しで白軍はたちまちひるみ、後退。そのまま白い旗を取った。
その男も島田。彼は戦闘力も抜群である。
こうして数ヶ月が過ぎ、彼らは短いながら休暇を迎えた・・・
続く。
最終更新:2008年11月21日 17:57