滋賀県のテーマパーク・守山ネズミ王国で開催されるバトルロイヤル大会に出場する島田真北。
いよいよ、彼の第一戦が始まろうとしている。
「只今より、今シーズン第428回目の試合が始まります」
場内アナウンスが鳴り響く。
「まずは前の試合の勝者、青コーナー、播磨の帝王、怪傑播磨王!」
すると青コーナーから、アロハシャツに白いズボン、そしてターバンを巻いてサングラスをした男が現れた。彼が怪傑播磨王だという。そのリングネームは怪傑ハリマオと彼の出身地・播磨をかけた。播磨王も近畿では有名なファイターで、バトロイの常連である。
「赤コーナー、高校時代は柔道部、青木美智夫!」
「黄コーナー、地元守山の製紙工場勤務、松永弘樹!」
この二人は言う甲斐無い郎等にすぎない。
「そして緑コーナー、今回が初参戦の、島田真北!」
真北の名が告げられる。彼は播磨王だけをマークして後の二人はどうでもいいと考え、試合に臨もうとしている。
5分後
「レディ、ファイト!」審判が試合開始を告げる。
すると播磨王は素早く青木にアタック。青木は柔道で培った受け身でダメージを軽減する。そして真北は松永に向かって右ストレート、松永の腹に命中。
「よし、これでも喰らえ」播磨王は攻撃目標を真北に変え、キック。
バコッ、真北の左膝に命中。
「くそっ、播磨王め」真北も反撃に出る。しかし彼の左腕は播磨王にかわされてしまう。
1分後、最初に青木が脱落。続いて松永も脱落。勝負は真北と播磨王の一騎打ちに。
バコバコバコバコバコッ、激しい戦いで観客を魅了していく。
「俺の必殺技だ!零戦パンチ!」真北はこう叫ぶと、ダッシュしながら右手を繰り出して播磨王に殴りかかった。
バコッ 見事命中。播磨王は場外に飛ばされ、審判が真北の勝利を告げる。見事なデビュー初勝利である。
「おお、播磨王を倒した」
「でも強そうな体型だったな」
観客はみな真北のファイティングに釘付けとなっていた。
さて、真北は勝ったため、次の試合にも出られることとなった。二戦目の主な相手は「門番」と呼ばれている警備会社勤務の31歳男性で、とてもがっちりした体格だった。
連闘となった真北は体がなれてないのか、あっさりと倒されてしまった。
それから三戦目、三人から袋だたきにされ、一抜け。四戦目、これまた集中的に狙われて敗退。五戦目、六戦目と星を落とし、いよいよ切符は残り一枚に。
七戦目、再び播磨王との対戦。そして庭園というファイターとも戦うこととなった。造園会社の社長で57歳ながら運動能力は抜群。若いファイターをも打ち負かすパワーもある。この試合で負けると登録抹消が決まる真北。勝たないとD-BR杯には出られない。
試合開始、庭園は真北をにらんでいる。真北も庭園を注視している。しかしそこを播磨王につかまれ、真北はスープレックスをかけられてしまう。
バコッ、体の柔軟性はそれほどない真北、結構痛いダメージ。
それからして一人の言う甲斐無いファイターが脱落し、真北、播磨王、庭園の三つ巴に。
「スーパー明石焼きキック!」播磨王の跳びけりが真北の胸に炸裂。真北、倒れた。
「どうしたの、がんばって!」相本は真北に声援を送る。
「さあ、島田真北、このまま一勝で敗退するのか」実況も真北を見つめている。
審判がカウントを入れるや否や、真北は立ち上がった。「おおっ」と観衆は沸き上がる。すると真北は播磨王にヘッドロックをかけ、そこから背負い投げて場外へと投げ飛ばした。播磨王は脱落。残る敵は庭園のみ。
「わしの実力じゃーっ!」庭園はそう叫ぶと、跳び上がりドロップキックをかけようとする。しかし、真北は庭園の両足をつかむ。
「やっぱり若い者には勝てないはずだ」と言うと、ジャイアントスイングで庭園の体は場外へ。真北、二勝目。D-BR杯への出場権を獲得した。
八戦目は星を落とし、通常戦は二勝という結果で終えた真北。さて、D-BR杯で戦う敵は誰なのか。真北は通常戦の勝利分とD-BR杯出場ボーナス分のファイトマネーを受け取りに行くと共に、D-BR杯の対戦相手は誰なのか係員に訊く。するとまだ真北を含めて2名しか内定していない。一人は真北、一人は米坂というディフェンディングチャンピオンの男で、残り二人はこの後のバトルの進行で決まる。
真北は会場に戻ると、そこには播磨王とあのネズミがいた。今現在、残る二つのD-BR杯出場への椅子はこの二名が今のところ獲得すると予想されている。果たして、播磨王とチュチュネズミが出るのか?
続く
最終更新:2008年12月21日 17:10