真北の大冒険 > 第29話 爆弾発言!攻撃目標・日本

ガロイン侵攻に失敗し、しばらくは軍事行動を休止したデイン。だが、平盛17年10月、再び動き出し、韓国を攻め落としてしまう。

そして翌11月、アシュナードは国民の前に姿を現し、演説を行った。
「我がデイン帝国の優秀な民どもに告ぐ、我がデイン帝国陸海空軍は先日、次なる作戦行動を行うことを合意した。一つ、デイン帝国軍は日本を攻撃目標とし、日本の優秀な科学技術を獲得する。」
なんと、アシュナードの口から日本を攻撃目標とすることが出た。
アシュナードは演説を終えると、すぐに王城に戻り、ブラックアイヌ団の司令長ジェフ・アンダーソンを呼び出し、早速、日本侵攻についての詳しい話をした。
「ふむふむ」アンダーソンはうなづく。
「どうだ、成功すれば日本が極秘としている軍事技術やその他軍事転用できそうな民生技術と、日本の高品質なコメの栽培技術を根こそぎもっていき、さらには我が海軍が太平洋に進出するための制海権を得られるんだ、そしてガロインを陸海から取り囲み、さらなる脅威を与えることができる。」と、アシュナードは日本征伐の必要性をアンダーソンに述べる。
「でもバックには中国が」
「ふん、たかが極東なんたら中華共和国ごときにデイン帝国は屈するものか、大体建国して何ヶ月だと思ってる。」
たしかに新生中国は怖い。民主化したとはいえ、枦哲治の支持率は9割以上。軍の団結力は凄い。しかし、所詮は建国8ヶ月の国、だから軍の中ではみな新兵のようなものだ。
「中国人と朝鮮人のミックスだ、中国語と朝鮮語の両方がしゃべれれば問題ないが、コミュニケーションの面で絶対つまづいてる。それが決定的な欠点さ、今の中国には、下手すりゃ烏合の衆にもなりかねん」
進駐した旧北朝鮮軍の兵士の中には、統一朝鮮には戻らずそのまま新生中国軍に編入された者もいる。どの基地のどの連隊にも5人はかならず朝鮮人がいる。
「てことは、我が軍のほうが完全に有利じゃないか」
「ああ、言語という一つの壁がなければ逆に我々が不利になるんだがな」
「さて、本題の日本侵攻についてだが」
「ああ、来月あたりがいいね」
「ってことは来月でいいのか」
「もちろんいいとも」
「明日にも陸海空軍総司令部を訪れてだな・・・」

一方、日本ではアシュナードのあの一言によって混乱に陥っていた。むろん、あの軍国主義国が攻めてくればひとたまりもないのである。
自宅でそのニュースを知り、凍り付く真北。
「ついに来てしまったか・・・・」
真北はひたすら思いこみに浸っていた。落ちてゆく爆弾、鳴り響くデインの砲弾、墜ちていくのは自衛隊のF-15、全く歯が立たない自衛隊と米軍、燃えて焼け野原になろうとする大津の街、殺される家族、そして縄で縛られデイン軍に連れ去られていく自分、見るだけ、いや考えるだけで恐ろしいこれらのことが現実になるのも時間の問題である。

そして時は過ぎ、12月、師走だけあって真北は勤務に追われる。そのせいか訓練もまともにできず、本当に日本が心配でたまらなかった。

12月3日、出勤前の自宅でニュースを見た真北。
「デイン帝国は先ほど、我が日本に対して宣戦布告を行いました。」
それは青天の霹靂だった。真北は一瞬、凍り付いた。

続く
最終更新:2008年12月26日 13:52
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