鬼神軍の第十一回WBR > 予選編

予選B組最初のシーズンが終わった。アレックスらが順当に点を取る中で、千早とサタンは無得点に終わった。
千早は、凡退が目立ち、デ杯にはわずか1度出たのみだった。
彼女の不調にメディア各紙からは早速不満の声が上がった。
『なぜ鬼神軍は千早を擁立したのか』
『千早、経験不足が浮き彫りに』

これに対し、鬼神監督はノーコメントだった。
鬼神軍内部でも、千早の代表擁立については、経験不足と、話題性のみ、という2点が懸念材料であった。
特に話題性で擁立することに関しては、話題性より実力を優先すべきという批判が相次いでいた。

大津市内のとある公園では、御坂と平沢がブランコに腰をかけながら、話していた。
「ったく、なんなのあの72は。PC枕木を武器にして攻撃力はありそうなのを期待した私が馬鹿だったわ」と、御坂
「一体どうしたんだろう」と、平沢
「どうしたんだろう以前に必然だったのよきっと。」
「そうかなー・・・・」
「どうせ女性を出すんだったら私を出してくれればよかったのに・・・でも汚名返上のときはあのTK軍の野郎に負けたのが悔しかった・・・」
「うんうん」
「あーあ、私も咲夜さんや朧月夜さんのような強豪になりたいー」
「私もー」

つづく予選B組の2シーズン目、ベジータMegamariがトップに立ち、それを1点差でフウキンが追い、さらにその2点差にはアレックスがつけていた。サタンは26点を獲得し、ラムダと並んで4位となった。
千早も、3連勝7勝で13点を稼ぐも、デ杯では勝てず、決勝進出が厳しくなった。

鬼神軍本部のロビーでは恒例のWBRトークが繰り広げられていた。
「千早の奴なにやってんの、山崎好恵という雑魚にも勝てないのかよ」
「またTK軍より下なのは勘弁」
鬼神軍の選手にとって、TK軍の後塵を拝することは不名誉でしかない。しかし、前回のWBR、そして前回の汚名返上WBRでも成績はTK軍の下をいっていた。
「あーあ、やっぱり人選が悪いんだって。」
「だな。話題性で選んだ首脳陣が悪い」

一方の千早は、このシーズンで最低でも13点を獲得しないと予選通過できない状況にある。予選通過ラインにいるサタンと山崎の結果次第では、通常戦だけで稼いで予選を通過するのは困難である。
しかし、千早がD-BR杯で勝てたのは今まで1度きりで、それも会心なしのまぐれでの優勝ともいえる。果たして、千早は予選通過できるのだろうか。


「たった今予選B組が終了しました!アレックスが69点で首位、2位には53点のMegamariの王子、以下、ラムダ、山崎好恵までが予選通過です! 如月千早、サタンは予選通過なりませんでした!」
ラジオから予選B組の終了が告げられる。如月千早はまたも3連勝7勝止まりで26点、予選通過とはならなかった。
が、サタンまでも予選落ちする事態となり、ファンの間では騒然となった。
『サタン、まさかの予選落ち』
『予選通過ライン、過去最高の50点』
『なぜサタンは新鋭にやられたのか』
メディア各紙はサタンの予選落ちを大々的に報じる一方、千早についての言及はわずかなものであった。
鬼神軍の機関紙である「乱戦」は、千早について次のようにコメントした。
「経験不足なのか、人気先行なのか、あるいは組み合わせに恵まれなかったのか、不憫でならなかった。」

ロッカールームで落ち込む千早に、一人の男が声をかけた。
「残念だったな。」
「一体、誰でしょうか」
声をかけたのは、前回大会に出場した中原脩だった。
修行先のスペインから帰国したばかりで、千早とは初対面だった。
「貴方の戦いぶりを、見させてもらいました」
「はい、ありがとうございます」
「俺だって、1年前はこんなザマだった。」
「そうなんですか・・・」
「ああそうだ、予選こそはまだ悪くなかったが、決勝で大コケしてだな・・・」
「でも決勝に出れるなんてまだマシじゃないですか。私なんて・・・」
「なに、心配するな。まだ君はバトロイファイターとして船出したばかりだ。予選通過なんて普通は時期尚早だ。 俺だってここまで来れたのも長年の経験と努力のおかげなんだ。」
「うん・・・」
「とりあえず、今後とも努力を忘れず、実戦を積めば、再び君がWBRの切符を手にすることは十分にありえる。」
「そうですか・・・がんばります。だから応援してください。」
「よし、がんばれ。というわけで俺は今から魔理野のリングに立つ。」

如月千早の戦いは幕を下ろした。だがしかし、もう一人の戦いが、今、幕を開けようとしている。
最終更新:2012年05月22日 13:38
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