鬼神軍の第十一回WBR > 序章

震災からの復興を祈願して行われた、第十回WBR
鬼神軍は島田真北、中原脩の2大スターを投入するも、
片や予選落ち、もう片や決勝でわずか8点しか取れずと、振るわなかった。

2012年5月、前回より1年ほど間が空き、銀髪猫74氏による公示のもと、
ついに第十一回WBRが開催されようとしている。

鬼神軍本部では、いつものように首脳陣による会議が行われていた。

「さて今回は誰を出場させるか」
「うむ。黄金バットなんてどうかね」
「ダメだ、あんなのが出たら舐めプしかしない」
「ならばボブなんてどうだ」
「工事のおっさんか・・・」
「ダメダメ、服装がスペランカーっぽいし、イメージ悪い」
「なんでや、スペランカー関係ないやろ」
「如月千早なんてどうです?」
「千早か・・・大した案だな」

如月千早、一見すればただのアイドル候補生の少女である。
しかし、ひとたび彼女にPC枕木をもたせると、相手をタコ殴りにするほどの凶暴なパワーを
見せつけるのである。

対する工事作業員のボブは、仕事道具のスパナとハンマーで相手を叩き、
ストライカーとして車両を送り込んでは、相手に大ダメージを与える。

会議の結果、候補選手はボブと如月千早の2名に絞られた。
本来なら2名ともを出すつもりであったが、前回、成績が低迷した鬼神軍に2選手出場させるだけの優先度はない。
では、どうふるいをかければいいのか。前回のような技量審査では効果が薄いし、めんどくさい。
鬼神監督含め首脳陣が出した結論は、ファンによる直接選挙だった。
ファンは、千早を支持し、千早はボブに大差をつけて、代表に当選した。

千早に票が集まった要因としては2つある。
一つは名声、彼女はかの有名な765プロのアイドル候補生で、なかでも更に有名な部類に入っている。
そしてもう一つは、前回、女王・朧月夜が予選落ちするなど、歴史的大敗に終わった女性陣の復権への期待がかけられたのである。

今回、定員は27人に拡張したが、予選通過ラインは各組上位4名と変わらずである。つまり今まで以上に厳しい戦いが課せられるのである。
千早の入った予選B組には、あの強豪サタンがいるなど、決して楽に予選通過できるとはいえない。
他の組に目を向けると、A組には朧月夜、C組にはシェゾがいた。特にシェゾにいたっては予選制導入以来毎回C組に属している。
その他にも、手山三郎や500系のぞみといった古参組またはWBRでも歴戦の戦士のほか、巴マミなど、最近現れた選手も参加する。

かくて、27人による王座争いは、幕を開けたのであった。

予選A組が終了した。
首位で通過したのは朧月夜で、83点を稼ぎ、他者を寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけた。
2位には初出場のブロリー(EDF)が入り、3位に巴マミ、4位のマルディアまでが予選通過となった。
WBR史上初の9名での予選となったが、予選通過最低点も35と前回とほぼ同じ水準にとどまった。
頭数が増えたが、競争レベルの上昇には繋がらなかった。

予選A組終了を前に、トレーニングを終えた千早と、真北教練部長が会見に臨んだ。
「目指すべき目標とは」と、記者は訊くと
「まずは予選を通過することです。」と、千早は答えた。
「警戒する選手は?」
「サタン選手はもちろんですし、経験豊富なラムダ選手とフウキン選手あたりが警戒すべき相手だと思います。」
「予選を通過する自信の程は?」
「6割か7割ぐらいですね・・・」
「島田コーチにお聞きします。千早選手を擁立した理由とは?」
「彼女にはスター性がありますし、戦闘素質もあります。WBRに出すには十分な適性を持っていたからです」
「千早選手への期待の度合いは?」
「彼女はまだ鬼神軍に入って間もないし、環境にもまだ適応しきれていない部分もあるので、予選を通過できれば及第でしょう。」

会見が終わり、予選B組が始まろうとしている。如月千早の戦いの幕が、今開く。
最終更新:2012年05月16日 22:06
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