連日大盛況のMarinonet.バトロイ闘技場、今日もまた満員御礼だった。
「只今より、第4253回D-BR杯の選手入場であります」と、場内アナウンスが鳴り響く。
最初に一人の男が場内に姿を現す。すると歓声が沸き上がった。
「赤コーナー、現在V2、島田真北!」
深緑の戦闘服を身にまとった真北、颯爽とリングに上がる。
「いいぞーっ!真北ーっ!」と、客席から仕事帰りのサラリーマンが声援を送る。
「続いて青コーナー、東方projectでお馴染みの、博麗霊夢!」
次に現れたのは東方projectの主人公、博麗霊夢。得意のスペルカードで勝利数を稼いでいったという。
「黄コーナー、バトロイ一筋、チュチュネズミ!」
彼の名前が読み上げられるやいなや、地響きが起こるほどの歓声が上がった。そして場内にいる観客の4割はあの某浦安鼠の譜で、あの元阪神タイガースのとある選手のヒッティングマーチのダンスをしながら、チュチュネズミのテーマソングを歌い出しているのである。
「そして最後に緑コーナー、予想屋の息子、船木徳男!」
と、船木は競艇のジャージで現れた。
霊夢以外は本家時代のベテランファイターで、熱戦が予想されていた。
ピーッ!!
試合開始の笛が鳴る。まず船木とチュチュネズミが真北に攻撃を加える。真北、いずれも軽妙なダメージで切り抜ける。
続いて真北と霊夢が相次いで船木に攻撃をくわえるも、俊敏な船木はいずれもかわしていく。
それから3分後、試合は動いた。
「ボートはないけど、フルスロットルで行くぞっ!」
船木のこの会心の一撃、受けたのは霊夢だった。霊夢はそのままマットに倒れ、ノックアウト。スペルカードは発動しなかった。
船木は会心を与え、気が楽になった。しかし、チュチュネズミはそれを見逃さず、会心の一撃。
バコォーンッ!
チュチュネズミの必殺技・チュチュパンチが船木の左ほおに炸裂。船木は倒れ、審判に3カウント入れられてノックアウト。
「さて、真北よ、次はお前がリングから引きずり落ちる番だぜ」
「わからんよ、お前かもしれんな」
試合は真北とチュチュネズミの一騎打ちになり、観客の応援の熱が急上昇。応援団も片やトランペットで軍歌を演奏し、片や浦安鼠の譜でテーマソングを熱唱する。
「いくぞっ!」真北の攻撃、しかしチュチュネズミはかわした。
「そーれっ!」チュチュネズミは反撃に転じる。
「ぐはぁっ」真北、それを喰らう。素早さで劣る真北、そこで
「これでも喰らえ!」真北、手裏剣をチュチュネズミのすねを狙う。
グサッ! 手裏剣はチュチュネズミの膝に命中。
「ぐわぁっ!!」
チュチュネズミ、倒れる。どうやらこの一撃は戦況に大きな影響を与えたようである。
「さあ、チュチュネズミよ、起て」と、真北が言うと
「油断するなよ!」チュチュネズミは立ち、右ストレート。真北に軽妙なダメージを与える。
「それっ!」負けじと真北も銃床でチュチュネズミの胸を殴る。
しかし、両者共に体力は限界に達しつつあった。
「真北ーっ!早く決めちまえ!」
「チュチュネズミ!そろそろチュチュパンチを出せ!」
観客が次々と両者に声援を送る。場内のボルテージが頂点に達しつつも、2人は黙々と対峙し合い、動かない。
30秒後、チュチュネズミが動き出した。チュチュネズミは右の拳に力を溜め、それを真北に放った。
「チュチュパーンチ!!!」チュチュネズミ、全力で叫ぶ。真北はかわすこともできず、その拳は真北の腹に打撃を与えた。
「ぐわぁっ!・・・・・」真北、マットで仰向けに倒れる。そして審判はカウントを入れる。
「1,2,3,」と、カウントが入ると、審判は試合終了を告げる笛を鳴らした。
ピーッ!!
「試合終了、チュチュネズミ、島田真北のV3を阻止し、見事栄冠に輝きました!」
「やったーっ!チュチュネズミが優勝したぞ!」と、チュチュネズミのサポーターは優勝に酔いしれていた。
「真北!よくやった!チュチュネズミよあっぱれだ!」と、真北のサポーターもチュチュネズミを祝いつつ、真北の健闘をたたえる。
そして真北とチュチュネズミは立ち上がり、互いに握手を交わした。しばらくして、チュチュネズミに優勝杯が授与された。
おまけに続く
最終更新:2009年03月22日 11:49