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その女の闇 - (2007/06/10 (日) 14:30:58) の1つ前との変更点
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ハァ・・・ハァ・・・・・・・・ハァ・・・・・・・・ハァ・・・・・・・・・・
闇の中を一人の女性が走っている。
彼女は誰にも追われているわけではない。
彼女はこの世界に飛ばされてから誰とも会ってはいない。
なのに、何故彼女は走っているのか。
その答えは――『恐怖』
「そんな・・・・・・どうしてなの・・・?何で・・・・・・あいつがいるの!?」
全て終わったはずだった…
先ほどから走っている女性、トリッシュ・ウナは先ほどまで教会の中で「彼」 の姿があったことに
目を疑わずにいられなかった。
あの時、ジョルノのゴールド・エクスペリエンスのラッシュが炸裂し、
「彼」 がティレベ川の中へ真っ逆さまに落ちていったのを確かにこの目で見た。
私は死体は見なかったものの、ジョルノはその必要はないと言ってた。
「彼」はもう『真実』には辿り着けないって・・・
でも、あの薄暗い教会の中で私は「彼」・・・私の父さんのディアボロの『もう一人の姿』のドッピオをこの目で見た。
彼はあの戦いの後、生きていたのであろうか・・・
まさか・・・ジョルノが私とミスタに嘘を・・・いいえ、考えられない。
彼がもし、あいつを逃したとしたらその後も徹底的に探し出すはず・・・
じゃあ、あのドッピオは・・・?彼は・・・ディアボロは一体・・・。
トリッシュは走りながら頭の中で数々の考えを巡らす。
しかし、いくら考えても答えは出なかった。
とにかくここにいてはいけない。移動しなければ・・・・・・
という思いだけがトリッシュの頭の中を永遠と巡っていた。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ちょっと、走りすぎたみたい・・・・・・」
トリッシュは足をとめ、その場で小休止をする。
息は荒く、顔には汗が滝のように流れていた。
胸の辺りも走りすぎで痛む。
どこまで移動しただろうか?広がるのは川辺と民家のみ――
トリッシュはその場に座り、デイバックの中の支給品を確認してみた。
中には主な支給品と、白い皿にのせられたプリンが入っていた。
「これは・・・・・・プリン?食料かしら?もしもの時のために取っておくべきね」
次にトリッシュは名簿を見て、知っている人物がいるかどうか確認することにした。
それを見た彼女は自分の知っている意外な人物がこのゲームにいることに気づいたのだ。
「・・・・・・ブチャラティ!ナランチャ!それにポルナレフさんッ!暗殺チームに、セッコもいるわッ!
確か、ナランチャ、暗殺チーム、セッコは死んだはずじゃ・・・・・・」
トリッシュは思考を巡らす。
死んだ者は魂を戻さない限り生き返らない。
私の場合、ジョルノのゴールド・エスクペリエンス・レクイエムが発動したから元に戻れたけど、
彼らの魂は、もう体から完全に抜けて戻らないはず。となると・・・・・・
彼女の頭の中にあの教会内の奥にいたモナ・リザのような顔が浮かび上がる。
あいつ、アラキ・・・・・・イロイコ・・・って言ってたけ?まさか、彼の「能力」で
ナランチャ達の魂を連れ戻した、ってこと?
あいつの今までの有り得ない「力」を考えれば、不可能なことじゃあないわね。
いずれにせよ暗殺チームとディアボロ達は、私を血眼になって捜しているッ!
この闘いは私達組織の問題・・・。組織の外の人たちを巻きこむわけにはいかないわッ!
そうと決まれば早く、ジョルノたちと合流しないと・・・!
そう思ったトリッシュは立ち上がり、走り始めようとした時――
「シニョリーナ、こんな夜道にどこへ行こうというんだい?」
トリッシュの背後にバンダナをつけた男が立っていた。
「誰なの?もしかして、このゲームに乗ってるってわけ?」
トリッシュは振り向き、突然の来訪者を警戒する。
「まさか!もし、俺がゲームに乗っていたとしたら君に声をかけずにそのまま襲ってるさ。
ま、最も俺は女には手を上げるなんていうゲス野郎みたいな行動はもってのほかだと思っているがな。
それで、シニョリーナ。君は走り出そうとしているように見えたんだが・・・こんな暗い夜道君一人じゃあ危険だ
俺も一緒に行こう。君の力になりたい」
「気持ちは嬉しいけど・・・その気持ちだけ受け取っておくわ。私一人で大丈夫よ。
自分の身を守る術を持っているし、これ以上足手まといは必要無いわ」
トリッシュは彼を軽くあしらおうとする。しかし、男は諦めるどころかさらにトリッシュに説得を続けようとした。
「俺が足手まといだって!?そりゃあないぜ。シニョリーナ!だが仮に俺が君の足手まといになったとしても
君を見捨てることは絶対にしたくないんだッ!
このまま君を見捨てたとしたら俺は、自分の魂を汚してしまうこととなるッ!
俺のやり方に反しているんだッ!だから、シニョリーナ!君に嫌われようとも
自分の筋を通して、君を守ってやりたいんだッ!」
・・・妙な男ね。このまま断っても絶対に諦めてくれなさそうね。
ジョルノたちと一刻でも早く会わないといけないし・・・。
ここは一緒に行動しかなさそうね。
「・・・・・・仕方が無いわね。そんなに着いていきたかったら勝手にすれば?」
「ということはオーケーってことだな、シニョリーナ・・・おっと!
君の名前をまだ聞いてないな。教えてくれるかい?」
「・・・トリッシュ。トリッシュ・ウナよ」
「トリッシュか。いい名前だ。俺の名はシーザー。シーザー・アントニオ・ツェペリだッ!」
「とりあえず、地図に書いてある東の方の橋を渡って真ん中の街を目指すわ」
「分かったよ、トリッシュ。」
――トリッシュは知る由もなかった。自分の仲間の一人が『闇』に向かおうとしていることを
――シーザーもまた知る由もなかった。彼女を、トリッシュを包み込もうとする『闇』の深さを
果たして、シーザーは彼女を照らす光となるのであろうか。
答えは依然、闇の中・・・・・・・・・
【エッレ・イタリアーノ シニョーラ エ シニョリーナ】
【川沿いの道(J-05))/一日目/深夜】
【トリッシュ・ウナ】
[スタンド]:『スパイスガール』
[時間軸]:ディアボロ撃破時
[状態]:軽度の疲労、心に不安
[装備]:なし
[道具]: 支給品一式、トニオのプリン
[思考・状況]
1)ジョルノ、ブチャラティ、ナランチャと合流(ジョルノにはディアボロの一件の真相を聞こうと思っている)
2)ジョルノ達と合流した後、ゲームから脱出
3)シーザーを自分の組織の抗争に巻き込んでしまわないか心配
【シーザー・アントニオ・ツェペリ】
[能力]: 波紋法
[時間軸]:ゲスラーのホテルへ突入直後
[状態]:女性と話したことで少し興奮、それ以外は健康
[装備]:なし
[道具]: 支給品一式(ランダムアイテムはまだ未確認)
[思考・状況]
1)トリッシュを守る
2)ワムウと決着をつける
3)ジョセフ、リサリサと合流する
(でも、ホテルに突入したことについての口論が再発しそうなのであんまり会いたくない)
4)ゲームからの脱出
*投下順で読む
[[前へ>虹村億泰の長い夜]] [[戻る>1日目 第1回放送まで]] [[次へ>賢者の真実、愚者の嘘]]
*時系列順で読む
[[前へ>虹村億泰の長い夜]] [[戻る>1日目(時系列順)]] [[次へ>賢者の真実、愚者の嘘]]
*キャラを追って読む
|トリッシュ・ウナ|44:[[ブラックホールによろしく]]|
|シーザー・アントニオ・ツェペリ|44:[[ブラックホールによろしく]]|
ハァ・・・ハァ・・・・・・・・ハァ・・・・・・・・ハァ・・・・・・・・・・
闇の中を一人の女性が走っている。
彼女は誰にも追われているわけではない。
彼女はこの世界に飛ばされてから誰とも会ってはいない。
なのに、何故彼女は走っているのか。
その答えは――『恐怖』
「そんな・・・・・・どうしてなの・・・?何で・・・・・・あいつがいるの!?」
全て終わったはずだった…
先ほどから走っている女性、トリッシュ・ウナは先ほどまで教会の中で「彼」 の姿があったことに
目を疑わずにいられなかった。
あの時、ジョルノのゴールド・エクスペリエンスのラッシュが炸裂し、
「彼」 がティレベ川の中へ真っ逆さまに落ちていったのを確かにこの目で見た。
私は死体は見なかったものの、ジョルノはその必要はないと言ってた。
「彼」はもう『真実』には辿り着けないって・・・
でも、あの薄暗い教会の中で私は「彼」・・・私の父さんのディアボロの『もう一人の姿』のドッピオをこの目で見た。
彼はあの戦いの後、生きていたのであろうか・・・
まさか・・・ジョルノが私とミスタに嘘を・・・いいえ、考えられない。
彼がもし、あいつを逃したとしたらその後も徹底的に探し出すはず・・・
じゃあ、あのドッピオは・・・?彼は・・・ディアボロは一体・・・。
トリッシュは走りながら頭の中で数々の考えを巡らす。
しかし、いくら考えても答えは出なかった。
とにかくここにいてはいけない。移動しなければ・・・・・・
という思いだけがトリッシュの頭の中を永遠と巡っていた。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ちょっと、走りすぎたみたい・・・・・・」
トリッシュは足をとめ、その場で小休止をする。
息は荒く、顔には汗が滝のように流れていた。
胸の辺りも走りすぎで痛む。
どこまで移動しただろうか?広がるのは川辺と民家のみ――
トリッシュはその場に座り、デイバックの中の支給品を確認してみた。
中には主な支給品と、白い皿にのせられたプリンが入っていた。
「これは・・・・・・プリン?食料かしら?もしもの時のために取っておくべきね」
次にトリッシュは名簿を見て、知っている人物がいるかどうか確認することにした。
それを見た彼女は自分の知っている意外な人物がこのゲームにいることに気づいたのだ。
「・・・・・・ブチャラティ!ナランチャ!それにポルナレフさんッ!暗殺チームに、セッコもいるわッ!
確か、ナランチャ、暗殺チーム、セッコは死んだはずじゃ・・・・・・」
トリッシュは思考を巡らす。
死んだ者は魂を戻さない限り生き返らない。
私の場合、ジョルノのゴールド・エスクペリエンス・レクイエムが発動したから元に戻れたけど、
彼らの魂は、もう体から完全に抜けて戻らないはず。となると・・・・・・
彼女の頭の中にあの教会内の奥にいたモナ・リザのような顔が浮かび上がる。
あいつ、アラキ・・・・・・イロイコ・・・って言ってたけ?まさか、彼の「能力」で
ナランチャ達の魂を連れ戻した、ってこと?
あいつの今までの有り得ない「力」を考えれば、不可能なことじゃあないわね。
いずれにせよ暗殺チームとディアボロ達は、私を血眼になって捜しているッ!
この闘いは私達組織の問題・・・。組織の外の人たちを巻きこむわけにはいかないわッ!
そうと決まれば早く、ジョルノたちと合流しないと・・・!
そう思ったトリッシュは立ち上がり、走り始めようとした時――
「シニョリーナ、こんな夜道にどこへ行こうというんだい?」
トリッシュの背後にバンダナをつけた男が立っていた。
「誰なの?もしかして、このゲームに乗ってるってわけ?」
トリッシュは振り向き、突然の来訪者を警戒する。
「まさか!もし、俺がゲームに乗っていたとしたら君に声をかけずにそのまま襲ってるさ。
ま、最も俺は女には手を上げるなんていうゲス野郎みたいな行動はもってのほかだと思っているがな。
それで、シニョリーナ。君は走り出そうとしているように見えたんだが・・・こんな暗い夜道君一人じゃあ危険だ
俺も一緒に行こう。君の力になりたい」
「気持ちは嬉しいけど・・・その気持ちだけ受け取っておくわ。私一人で大丈夫よ。
自分の身を守る術を持っているし、これ以上足手まといは必要無いわ」
トリッシュは彼を軽くあしらおうとする。しかし、男は諦めるどころかさらにトリッシュに説得を続けようとした。
「俺が足手まといだって!?そりゃあないぜ。シニョリーナ!だが仮に俺が君の足手まといになったとしても
君を見捨てることは絶対にしたくないんだッ!
このまま君を見捨てたとしたら俺は、自分の魂を汚してしまうこととなるッ!
俺のやり方に反しているんだッ!だから、シニョリーナ!君に嫌われようとも
自分の筋を通して、君を守ってやりたいんだッ!」
・・・妙な男ね。このまま断っても絶対に諦めてくれなさそうね。
ジョルノたちと一刻でも早く会わないといけないし・・・。
ここは一緒に行動しかなさそうね。
「・・・・・・仕方が無いわね。そんなに着いていきたかったら勝手にすれば?」
「ということはオーケーってことだな、シニョリーナ・・・おっと!
君の名前をまだ聞いてないな。教えてくれるかい?」
「・・・トリッシュ。トリッシュ・ウナよ」
「トリッシュか。いい名前だ。俺の名はシーザー。シーザー・アントニオ・ツェペリだッ!」
「とりあえず、地図に書いてある東の方の橋を渡って真ん中の街を目指すわ」
「分かったよ、トリッシュ。」
――トリッシュは知る由もなかった。自分の仲間の一人が『闇』に向かおうとしていることを
――シーザーもまた知る由もなかった。彼女を、トリッシュを包み込もうとする『闇』の深さを
果たして、シーザーは彼女を照らす光となるのであろうか。
答えは依然、闇の中・・・・・・・・・
【エッレ・イタリアーノ シニョーラ エ シニョリーナ】
【川沿いの道(J-05))/一日目/深夜】
【トリッシュ・ウナ】
[スタンド]:『スパイスガール』
[時間軸]:ディアボロ撃破時
[状態]:軽度の疲労、心に不安
[装備]:なし
[道具]: 支給品一式、トニオのプリン
[思考・状況]
1)ジョルノ、ブチャラティ、ナランチャと合流(ジョルノにはディアボロの一件の真相を聞こうと思っている)
2)ジョルノ達と合流した後、ゲームから脱出
3)シーザーを自分の組織の抗争に巻き込んでしまわないか心配
【シーザー・アントニオ・ツェペリ】
[能力]: 波紋法
[時間軸]:ゲスラーのホテルへ突入直後
[状態]:女性と話したことで少し興奮、それ以外は健康
[装備]:なし
[道具]: 支給品一式(ランダムアイテムはまだ未確認)
[思考・状況]
1)トリッシュを守る
2)ワムウと決着をつける
3)ジョセフ、リサリサと合流する
(でも、ホテルに突入したことについての口論が再発しそうなのであんまり会いたくない)
4)ゲームからの脱出
*投下順で読む
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*時系列順で読む
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*キャラを追って読む
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