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Excuse Me!考え中 - (2007/06/26 (火) 21:14:58) のソース

私達が最初にいた「靴のムカデ屋」からここまで距離と、我々の歩調から逆算してみます。 
現在時刻はおそらく午前7時45分過ぎでしょう。 
右手には「カフェ・ドゥ・マゴ」、左手には「ぶどうヶ丘銀行」がございます。 
私達の現在地は【E-3】でしょうか。 
さすれば目の前の広場の先にある建物は「杜王駅」と判断できます。とてもとても大きな建造物です。 
誰かが休息をとったり隠れたりするのにはもってこいの場に違いありません。 
そして……今しがたあの建物から人影らしきものを一つか二つ認識したのでございます。 

おそらくは現在のだんな様、空条承太郎氏が見たという集団の一派でございましょう。 
主催者である荒木が支給した『紙』から私が出てくるのと、入り違いに目の前から去っていったそうです。 
彼らは快活なスピードで馬を走らせていたそうですから、馬の体調も考慮して休憩をとっているとも考えられます。 
これで本当にその集団が杜王駅にいればこの上なく良いのですが。 

ここだけの話……だんな様は本当はその集団を追うつもりはなかったのです。 
彼らは見るからに危険な雰囲気を持ち合わせていたそうで、「モメ事に巻き込まれそうだ」と逆方向に行こうとしておられました。 
逆方向に進んで、その先で出会う者とあわよくば共闘する算段をたてていたのです。 
しかし「人は見かけによらない」という諺もございます。 
私にようにおぞましい姿形でありながら、だんな様の助けとなる者もこの世界では存在しているわけで。 
もし、件の集団が味方として我々を出迎えてくれるのならば、だんな様の「仲間を探す」という目的が果たされます。 
そして私達のように「道路にずっと続いていた血痕」を辿ってくる人間ともいずれ接触できるでしょう。 

彼らを敵か味方を判断するのは、実際に接触してからでも遅くはないとアドバイスさせていただきました。 
だんな様はいぶかしげな顔をしていましたが、「やれやれだぜ」とつぶやくと快く私の助言を受け入れてくれました。 
と、ここまで哀れな下僕である私、ヨーヨーマッが今まで起こった経緯を頭の中で反芻してみましたが、正直不安です。 
私が視認した人影のことをだんな様に話してよいものでしょうか。 
うっかり発言して結果見間違いだったら、まただんな様の「スタープラチナ」でヒドイことをされそうです。 
別にヒドイことをされるのはいいのです(というかモットシテ)。だんな様の足を引っ張るのが嫌なのです。 
この見るからに不良のレッテルを貼られていそうなアホ丸出しの空条承太郎……氏は今の私の主人なのですから。

あれ? でも……かつてのだんな様『DアンG』はえーと……どこにいるんだっけ? 荒木に囚われているん……でしたっけ? 
あれ? そうなんだっけ? というか本当に捕まっているんだっけ?  
荒木には「『DアンG』に『能力を使うな』と命令されました」と言えって命令されたよーなされないよーな……。 
そもそも私の本体は本当にこの杜王町にいたのか? 気づいたらこの私、ヨーヨーマッだけがここにいたんじゃなかったっけ? 
いや、それだとオレが存在できるはずがねーし……どうなったんだっけ? 



あれ? 



……えーとそんなことはどうでもいいんだ。オレが……私が話さねばならないのはそんなことじゃない。 
『駅の入り口から人影が見えたこと』を話すかどうか迷っていたんだ。そうだ、思い出した。 
この際ボコボコにされてもいいや。今しか話すチャンスはないだろうし…… 
早速だんな様にこの事を告げようと思います。 

※    ※    ※ 

「だんな様、あの駅から人影らしきものが見えました。接触を試みますか? 」 
「……問題は『仲間になるかどうか』だ。オレたちが一番気をつけなくちゃあならないのはそこだぜ……。 
それに『戦力になるかどうか』も重要っちゃあ重要だ。 
別に見捨てるつもりはないが後々面倒なことになりそうだしな……そこらへんもしっかり見極めなくちゃあならない」 

どうやらだんな様は駅に入るつもりのようです。人影が見えていたのでしょうか? 
毅然と歩くだんな様の後を私はコバンザメのよーにへこへことついて行くことにしました。 

広場の池を尻目に、駅の改札口を通過します。 
杜王駅は中も思ったより広く、私自身がとてもちっぽけな虫けらに感じます。 
それもそのはずです。駅の中には恐ろしく巨大な化け物が潜んでいたのですから。 
その格好は全身に甲冑をつけた兵士のようです。手には長い鎖を持っていて、鋭い視線と覇気が渦巻いています。 



「何者だ」 

甲冑男が問いかけてきます。野太い声から生まれる重圧は並み大抵のものではありません。 
さっきまで渦巻いていた覇気がこちらに飛んできたような気がします。 
しかしだんな様は冷静に軽い自己紹介をし、自分達は無駄な争いをするつもりはないと説明しました。 
相当な肝っ玉の持ち主ですね、だんな様。 
すると相手も名を名乗りました。「タルカス」という騎士だそうです。 
私もつられて自己紹介をしてしまいました。別にだんな様以外の奴なんかに名乗る必要は無いのですが。 
男は私が『意志のある支給品』であることに驚いていましたが、すぐさま話題を変えます。 

「貴様らがこの鎖を盗もうとしていた輩なのか? 」 

一体全体どういうことでしょう。あの怪物の私物を盗もうと普通だれが考えるでしょうか。 
だんな様、私共々彼の誤解を解くために身の潔白を説明しようとしますが、なかなか信じてもらえません。 
タルカスにしてみれば、よほど鎖が大事なのか、かなり疑り深くなっているのかもしれませんね。 
だんな様は諦めたらしく、「この場も去るし、その鎖をとることもしない」と約束した上で、 
荒木を倒そうと思っているかどうかの旨を聞く質問をしました。これに対し、タルカスは少し考えてこう答えました。 

「わしはあのお方のように戦いを楽しむだけ。荒木がどうであろうと知ったことではない。 
どの道わしが生き残る可能性は万に一つもないのだからな。貴様達で勝手にやっていろ。 
だがもし仮に……荒木が我々の邪魔をすることがあるのならば、そのときは容赦なく叩き潰すだろう」 

だんな様はそれを聞くと帽子を深くかぶり、また「やれやれだぜ」とつぶやくと黙ってしまいました。 
本当にこれでいいのでしょうか……? 


※  ※  ※ 



あああ~~~何ということでしょうかッ! あなたが来てくれるなんて私は実に運がいいッ! 
このヌ・ミキタカゾ・シン、もう二度とこのまま一生を終えるものだと思ってました。 
でもそれももう終わりです。私のSOSの「血痕」を追ってくれたんですね? 承太郎さん! 
大丈夫です。タルカスはあなたが偶然ここに来たものだとすっかり騙されていますよ! 
助けに来てくれてありがとうございます……もうなんてお礼を言えばいいのやら。 
あなたがここに来たということはブチャラティさんや形兆さんもいずれここにくるということッ! 
これはコーラを飲んだらゲップが出るくらい確実なことです。 
あとはタルカスに気づかれないようにいかにに伝えるかが問題ですが、 
隙を見て鎖の一部分を元の状態に戻して承太郎さんだけにこっそりと見せればいいでしょう。 
後は承太郎さんが多少強引にでもなんとかしてくれると思います。 
ワムウが駅を探検にいっている今ならそれがチャンスッ! 
タルカスを仕留めることが出来るはずです。今なら日も照っていますからね。 
それにしても……ヨーヨーマッさんでしたっけ? 『意志のある支給品』だなんて変わっています。 
ポケットティッシュやフォーク、馬……荒木は一体なんの意図があってこれらを支給品として皆に配ったのでしょう? 
実に奇妙なことです。私の星の光線銃や飛行船も誰かに支給されているのならありがたいのですが……。 

「ちょっとよろしいでしょうかだんな様、この『タルカス』ですが……」 

おや? ヨーヨーマッさんが何か聞きたそうにこっちを見ていますね。  

「本当に強いのでしょうか? 」 

………………えええええええええええええええええええええええッ!? 
ちょっと、アナタ何を言ってるんですかァーッ!? 冗談じゃあありまセンッ! 
恐らく今全員の時間が止まったような気がします。そりゃあそうですよ。 
せっかく穏便に済みそうだったのに……火に油を注ぐようなことを言ってしまって。 

「「どういうことだ」」 

あああ、タルカスと承太郎さんの返答ががさりげなくあっているじゃあないですか。 
ヨーヨーマッさん、あなたは一体何のつもりでこんなことを痛たたたたたたたたた。 
タルカスやめてください、私に八つ当たりして鎖を引っ張ったりしないでくださいィ……。 


※  ※  ※ 



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………… 

まず……一つ言えることはこの目の前にいる『タルカス』が間違いなくプッツンしかけている点だ。 
やれやれ、この哀れな下僕のせいで厄介なことになっちまったぜ。 
どーでもいいことで足をひっぱりやがる。 

「だんな様、私は思うのです。このタルカスという男は見るからに大きな体です。だんな様よりもずっと大きい。 
しかし……それだけではこの男の実力ははかれません。ひょっとしたら見掛け倒しの可能性もあります。 
第一、戦うことが好きだといってるわりには、いずれ敵として立ちはだかる荒木にはそっけない態度です。 
本来ならば嬉々として暴力の限りを尽くしながら、この町にいる者や荒木と戦いに明け暮れているはず。 
しかしこんな駅の日陰でこそこそしています。 
休憩中だったのかもしれませんが……本人はどのみち優勝はできないとはっきり言い切っていますし」 
「貴様……何が言いたい」 
「私とだんな様はあなたが『仲間として協力してくれるかどうか』、『荒木を倒す戦力になるか』をしっかり見極めたいのです。 
弱者はいずれ勝手に死んでいきます。その場で肉塊(ミンチ)になって終わりです。 
別にあなたを見捨てるつもりはありませんが、足手まといは後々面倒ですしね……重要っちゃあ重要なんです」 

この野郎……オレの言葉をまんま受け売りしやがったな。 
正直ここまでくると哀れさを通り越して何も言えねぇ。 
あくまでオレの言ったことを忠実に実行するつもりなのか……それとも全て狙ってやってんのか? 

「だんな様……だんな様が見かけた者は『集団』だったのは間違いないのでございましょう? 
『集団』というものは何かと『上下関係』がございます。そして『下位』の者ほど自由を許されない……。 
他の方はどこへ行かれたんです? できればその方々の実力も是非見極めさせていただきたいのです」 
「だ……だ ま れ」 
「おいヨーヨーマッ! それ以上喋るんじゃあねェッ!」 
「差し支えなければ教えてください。あなたは集団の中では…… 


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド 





                              雑魚なんですか? 」 
                                       
                                    
                    ド   ン! 



「WRYYYYYYYYYYYYYYYYEEEEEEEEEEEEEAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!!!!!!!!!!!! 」 


やれやれ……ついにプッツンさせちまった。 
例えるなら野球少年が民家に入ったボールを取りに行こうとする途中、その家の番犬の尻尾を踏んじまったってところか。 
早速ご自慢の鎖を思いっきり振り回して威嚇してやがる。 
ま、こいつはとりあえずボコッて眠ってもらうとしてあの下僕との付き合いを考えなきゃな……。 

「貴様らァァァァァ生きて帰れると思うなよォォォォォ! 」   
「すまん。ウチの下僕が悪いことを言ったな」 
「弱者は肉塊(ミンチ)になるとかぬかしてくれたなァァァァァ? 肉塊(ミンチ)になるのはッ……」 
「てめーだろうな……オラァッ! 」 


バグオォォォ――z__ンッ!! 





「――いいやお前たちだ……」 



※  ※  ※ 

爆音轟く焔。 
灰燼踊らせる風。 
生物を吹き飛ばす衝撃。 

それらを作り出したものはちっぽけな火薬のびっくり箱。 
そのびっくり箱を投じたのは巨躯の生物。 

拠点の散策を終えて、友にも満たぬ“奴隷”のもとへ戻る途中だった“首領”は騒音を聞きつけた。 
長い学ランを着た男と異形の形をしたモノと自分の奴隷が生み出した喧嘩の音。 
仮初の安住地を手に入れた自分の『運』には感謝しているが、無礼な来賓は望んではいない。 
番犬の粛清と、客のお引取りの意を込めて――この男、ワムウは彼らに手榴弾を投げつけた。 
横槍を入れることは自分の主義に少々反するが、これであの男に少しでも近づけるのなら我慢できる。 
既に死んでしまった若き波紋のビート……ジョセフ・ジョースター。 
奴のような抜け目の無さ、シンプルさ、相手の予想の上をいく発想……これが今最も自分が必要とするもの。 
今回はそのシンプルな気持ちに従った。 
テレビの電源をリモコンで切るように……何気なく……それとなく……三発ほど投げ込んだ。 
投げた数は五月蝿い人数にあわせた。 

ただ、それだけだ。 

「さて……タルカスよ、よもや死んではいまいな?」 

腐っても屍生人。 
耐久力だけはいっちょ前なのだから恐らく生きているだろうと判断し、構わず投擲した。 
実際、誰が生き残っていようとそれはワムウにとってどうでもいいこと。 
タルカスがこれで死ねば手ごろな奴隷がいなくなる。だがしかしそれだけのこと。 
むしろこれで全員無事だったらと思うと、期待で胸が膨らむものだ。 
強者どもは、必ず立ち上がって来る、這い上がって来る。それが楽しみでならない。 

また、突き落とすことが出来るのだから――。 



※    ※    ※ 


………………………ルカ………………… 
…………タ…………ル………………ス… 
…………タ…………ルカ……………ス… 

――――タルカス! 


「誰だ……わしを呼ぶのは……」 


フフフ……共に我が身を骨の髄まで王に尽くした旧き戦友の声を忘れるとはな……。 
遂に堕ちるところまで堕ちた先の、どん底まで突き破ったか? 
……私だ。貴様と同じく「77の輝輪」の試練を越えた黒騎士……。 

「ブ、ブラフォード!! まさか……オレは屍生人としての人生、いや“屍生人生”をも遂に終えてしまったのか」 

何を言う。お前はまだ終っちゃあいないぞ。 
お前はまだ彷徨っているだけだ。勿論この世とあの世のことじゃあない。お前自身の信念が、だ。 
あの様はなんだと聞いているのだ。 
騎士道に反する者に怒りを感じたり……なりふりかまわず卑怯な手を使ったり…… 
主となる者を転々と変えたり……私の死に動揺したり……ささいな揶揄に腹を立てたり…… 
貴様のやっていることにはまるで一貫性がないのだ。 
我らが主、メアリーの死を目の当たりにしながらエリザベスを恨んで死んでいく時のあの“迷いの無さ”がない。 
オレが戦った素晴らしき友、ジョナサンにはその“迷いの無さ”がなかったぞ? 

「き……貴様はDIO様の敵、ジョナサン・ジョースターとこの地で引き分けたのかッ!?」 

……何の話だ?貴様もオレと同じく『屍生人としての二度目の死』を目前にしてあの『モリオーチョー』に招かれたのではないのか? 
ジョナサンとはここでは会わずじまいだ。残念なことにな……まあいい。 
とにかく貴様はもっと純粋になるべきだ。 

「こ………このわしに……迷いが……? 」 



オレはお前の一貫性の無さを責めているんじゃあない。 
いずれはハッキリと己の、タルカス自身としての志を再び掴んでほしいんだ。 

それは川の流れのような清らかなる善の志でもよし!  
それは悪魔の奴隷のような薄汚れた闇の志でもよし!  
それは勇猛戦士として戦に全てをかける志でもよし! 

迷いのせいで道を選べないのなら……今は『その時』ではないのだろう。 
タルカス、大いに悩め。大いに考えろ。普段使わない脳味噌を存分に動かせ。 

さすれば『その時』がやってくる。 

「ブ……ブラフォード……」 

オレが生者として生きていた世界の友人よ。 

オレが自分の剣に刻んでいたあの言葉をおまえに捧げよう 

――――Luck(幸運を)! 

「……ブ……ラ……」 


そしてお前の未来へこれを持って行けッ!  

――――Pluck(勇気をッ)! 

フフ…進め! 誇り高き77の輝輪の試練をのり越えた男よ。 
ジョナサンと共に貴様の行く末を、オレは見守っている―――― 

「フ……ォー……ド…………!」 



※    ※    ※ 

痛た……もう少しで死ぬところでした。 
タルカスが怒り狂った時はもうだめかと思いましたが、まさかいきなり手榴弾が飛んでくるとは想定外でしたね。 
爆発のどさくさで彼の手から脱出できたのは非常にラッキーです。これに乗じて逃げ切れる……はずだったのに。 
今度は爆発のせいで駅の入り口が通れなくなってしまうとは……完全に塞がれちゃってます。 
光が全く見えません。おおお、なんという悲劇……。 
承太郎さんは無事なのでしょうか……まさか生き埋めになっているのでは。 
助けに行きたい……でも私の能力も私自身も瓦礫を動かすようなパワーを持っていませんし……。 
反対側の入り口や、線路をつたって駅からこっそり出ることも出来なくは無いのですが。 
しかしあのワムウを騙しきることができるでしょうか。今度不穏な動きを見られてしまってはいくらなんでもマズイ。 
ああ……やっぱり鎖のまま誤魔化し続けるしかないのでしょうか。 
もっと彼らの裏をかく……それこそ自分を守ってくれるように上手く丸め込めれたらいいのに。 
タルカスは支給品であるヨーヨーマッさんにすら簡単に言い負かされてましたからせめて彼だけでも…………。 

…………………支給品……?……意思のある……支給品………… 

『支給品』ッ!? 

『意思持ちの支給品』…… これは……使えるかもしれないッ!  
私もヨーヨーマッさんのよーに『なりきる』……まるで意思を持っている『鎖』、はたまた変幻自在の『道具』としてッ! 
ようは私の顔や正体が彼らにバレなければいいのですから、役に立つ便利な下僕というフリをすればいいんですッ! 
どうしましょう……タルカスは気絶していますし、今すぐワムウに掛け合ってもいいものか。 
……問題は血痕ですね。あれについての質問をされたらなんて言い訳すれば……しらを切るしかないのでしょうか? 
ワムウ達は血痕の主を必ず見つけ出すつもりでしょうし…… 


ああ~~、ブチャラティさん、形兆さんやっぱり早く助けてください~~。 




※    ※    ※ 

……今、オレは何をやっている。オレは……無事なのか? 
ここは……そうか、駅の外まで吹っ飛ばされたのか。ここから駅に入ることはもう不可能だな。 
体はどうだ……左腕が折れてやがる。全身が痛ェ。体で無くなった箇所は……ねえみてぇだ。 
とっさのこととはいえ、時を止めて完全に逃げ切るつもりだったんだがな……五体満足なだけ充分奇跡か。 

やれやれだぜ。 
まさか人のタイマンにいきなり手榴弾投げつけてくる馬鹿がいるとは……。 
あのタルカスっていう奴が一人で駅に来ていたわけではないということを、すっかり忘れていたぜ。 
チッ……たかが仲間探しのハズが、なんでこんなしょーもねえことになちまったんだ? 

「アガガ……だん゛な゛様……だんな゛様……ご無事でずが? ……返事を゛じでぐだざい」 
「……そうだてめーだ」 

オレはこの哀れな下僕のせいで足を引っ張られちまったんだ。(足は無事だがな) 
冗談じゃあない。もう沢山だぜ。さっさと他の奴らになすりつけちまおう。 
これ以上邪魔をされる位なら……。 

「おお! だんな様……ご無事で! 私が盾となって爆風から身を守ったかいがありました! 
そして飛ばされただんな様を受け止める為に、私がクッションのように下敷きになったのも効果があったようですね! 
どうやら彼らとはもう交渉の余地は無いかと思われます。さっさとここを立ち去るのが良いでしょう」 

……荒木のヤロー、なんて物をオレに送りつけやがる。こいつ……どこまでが本心なんだ? 
どうやってオレを助けた? 本当にオレを助けたのか? 助けたフリをして恩を売ってんのか? 
ただの下僕かと思っていたがツメが甘かったぜ。 
このまま他人になすりつけても、オレが主人でい続けても胸糞の悪さは変わらねーってことか。 
何が起こるかわからない……まさに『恐怖』を身につけてるってのはこうゆうことを言うのかもしれねーな。 
……やれやれだぜ。 

「だんな様……次の命令を私に……早く……私はあなたのお役に立ちたいのです」 





【闇の重戦士チーム 宇宙人添え】 
【杜王駅内部(E-3)1日目 午前】 

【ワムウ】 
[モード]:『風』 
[時間軸]:首だけになり、ジョセフが腕を振り下ろした瞬間 
[状態]:服が少し焦げている 
[装備]:手榴弾×6 
[道具]:支給品一式 
[思考・状況] 
1) 駅の中は調べ終わったので休憩。 
2) 鎖(ミキタカ)を少しだけ怪しく思っている 
3) 戦いを楽しみつつ、優勝を目指す。ただ深追いはしない。 
4) 従者として、しばらくはタルカスを従えておく。(ただし死んでもどうってことはない) 
   爆撃で生き残ってたらちょっと褒めてもいい。 


【タルカス】 
[種族]:屍生人(ゾンビ) 
[時間軸]:ジョナサンたちとの戦いの直前。ディオに呼ばれジョナサンたちと初めて対面する前。 
[状態]:軽い全身火傷。瓦礫による全身打撲。  
[装備]:なし(爆発の拍子にミキタカを手放してしまいました) 
[道具]:支給品一式 
[思考・状況]: 
 1)気絶。 
 2)ワムウへの絶対的な忠誠があったが、自分にとっての志とは一体なんなのか大いに考える。 
 3)ワムウと共に戦って、戦いの愉悦を彼の下で楽しむはずだったが……大いに悩む。 
 4)取り逃した虹村形兆、ブチャラティ、ミキタカへの僅かな執着心(ワムウの命に背いてまで追う気はないが) 



【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】 
[スタンド?]:『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』 
[時間軸]: 鋼田一戦後 
[状態]:【フック付きの長い鎖】に化けた状態。千切られそうになったのと、爆発事故の影響で体全体が痛い。 
[装備]:なし 
[道具]:ポケットティッシュ (支給品一式はブチャラティが持っています) 
[思考]: 
1) タルカスたちには絶対に気付かれたくない。当面はただの鎖のフリを続ける。 
   現在、『意思あり支給品』のフリをするかどうかも検討中。 
2) タルカスたちに気付かれないうちにこっそり逃げ出したい。 
3) 脱出後、ブチャラティたちとの合流を図る 
4) 味方を集めて多くの人を救いたい。 
[備考]:ミキタカは形兆のことを「ゾンビのようなもの」だと思っています。 



[備考]:タルカスもワムウも、タルカスが手にしている鎖がミキタカであることにまだ気付いていません。 
    しかしワムウは怪しいと感じています。 
[備考]:ミキタカは自ら道路に血を垂らし、ブチャラティたちが追う手がかりを残しています。 
    彼らが通った道には、点々と血の跡が続いています。ワムウ達はもう気づいています。 
[備考]:ワムウとタルカスは鎖を盗もうとしている参加者が近くにいると勘違いしています。 
    そして駅につづいている血痕もその参加者のものだと思い込んでいます。 
[備考]:ミキタカの冷や汗は結局気づかれませんでした。 
[備考]:吸血馬1頭+チャリオットは駅の中に置いています。 
[備考]:杜王駅の東入り口は手榴弾の爆撃で起きた瓦礫によって完全に通行止めになりました。 
[備考]:手榴弾の爆撃で起きた衝撃音が【E-3】中にひろがりました。 


【杜王駅東入り口前(E-3)1日目 午前】 

【空条承太郎】 
[スタンド]:スタープラチナ 
[時間軸]:ロードローラーが出てくる直前 
[状態]:左腕骨折。全身に火傷。背中を強く打っている。冷静(荒木、DIOに対しての怒りはある) 
[装備]:なし 
[道具]:デイパッグ 
[思考] 
 1:意識はある。ヨーヨーマッに命令するかどうか迷っている。 
 2:仲間や協力出来そうな参加者を探す 
 3:ヨーヨーマッを利用する(そろそろウザイ) 
 4:荒木を倒す、DIOを殺害する。駅にいた奴ら(ワムウ達)は無視。 
 5:『過去の人物の名』にやや疑問 

承太郎は、アヴドゥル、花京院、イギーがこの世界に生きている謎に気付いていません。 

【ヨーヨーマッ(支給品)】 
[現在の主人]空条承太郎(主人変更の命令があれば主人は変わる。ただし変更対象人物の同意が必要。 
             主人変更の命令をされた時、次の主人候補がヨーヨーマッの視界に入っていなければ命令は無効化される) 
[装備]マスク 
[持ち物]なし 
[任務] 
 1:承太郎を「助ける」。 
[備考] 
・ヨーヨーマッは攻撃できない。能力も完全に封じられている(主人がヨーヨーマッ自体を利用して攻撃というのは可能かもしれない) 
・主人の命令には絶対服従。しかし、命令を曲解して受け取ることもあるかもしれない。(ヨーヨーマッを殺すような命令には従えない) 
・ヨーヨーマッは常に主人の半径20メートル以内にいなければならない 
・ヨーヨーマッの主人が死んだ時又はヨーヨーマッが規則を破ったならヨーヨーマッは消滅(荒木によってDアンGの首輪が爆破される) 
*投下順で読む
[[前へ>ディオ・ブランドー]] [[戻る>1日目 第2回放送まで]] [[次へ>奪われたスタンド]]

*時系列順で読む
[[前へ>逃亡]] [[戻る>1日目(時系列順)]] [[次へ>その者共、同様につき その①]]

*キャラを追って読む
|60:[[スタープラチナは止まらない]]|空条承太郎|82:[[邂逅、曾祖母と曾孫]]|
|68:[[怪物に捕らわれた異星人について]]|ワムウ|93:[[T字砲火、果たして全員無事にいられるかなァ]]|
|68:[[怪物に捕らわれた異星人について]]|タルカス|93:[[T字砲火、果たして全員無事にいられるかなァ]]|
|68:[[怪物に捕らわれた異星人について]]|ヌ・ミキタカゾ・ンシ|93:[[T字砲火、果たして全員無事にいられるかなァ]]|