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Excuse Me!考え中 - (2007/04/04 (水) 23:12:37) のソース

私達が最初にいた「靴のムカデ屋」からここまで距離と、我々の歩調から逆算してみます。 
現在時刻はおそらく午前7時45分過ぎでしょう。 
右手には「カフェ・ドゥ・マゴ」、左手には「ぶどうヶ丘銀行」がございます。 
私達の現在地は【E-3】でしょうか。 
さすれば目の前の広場の先にある建物は「杜王駅」と判断できます。とてもとても大きな建造物です。 
誰かが休息をとったり隠れたりするのにはもってこいの場に違いありません。 
そして……今しがたあの建物から人影らしきものを一つか二つ認識したのでございます。 

おそらくは現在のだんな様、空条承太郎氏が見たという集団の一派でございましょう。 
主催者である荒木が支給した『紙』から私が出てくるのと、入り違いに目の前から去っていったそうです。 
彼らは快活なスピードで馬を走らせていたそうですから、馬の体調も考慮して休憩をとっているとも考えられます。 
これで本当にその集団が杜王駅にいればこの上なく良いのですが。 

ここだけの話……だんな様は本当はその集団を追うつもりはなかったのです。 
彼らは見るからに危険な雰囲気を持ち合わせていたそうで、「モメ事に巻き込まれそうだ」と逆方向に行こうとしておられました。 
逆方向に進んで、その先で出会う者とあわよくば共闘する算段をたてていたのです。 
しかし「人は見かけによらない」という諺もございます。 
私にようにおぞましい姿形でありながら、だんな様の助けとなる者もこの世界では存在しているわけで。 
もし、件の集団が味方として我々を出迎えてくれるのならば、だんな様の「仲間を探す」という目的が果たされます。 
そして私達のように「道路にずっと続いていた血痕」を辿ってくる人間ともいずれ接触できるでしょう。 

彼らを敵か味方を判断するのは、実際に接触してからでも遅くはないとアドバイスさせていただきました。 
だんな様はいぶかしげな顔をしていましたが、「やれやれだぜ」とつぶやくと快く私の助言を受け入れてくれました。 
と、ここまで哀れな下僕である私、ヨーヨーマッが今まで起こった経緯を頭の中で反芻してみましたが、正直不安です。 
私が視認した人影のことをだんな様に話してよいものでしょうか。 
うっかり発言して結果見間違いだったら、まただんな様の「スタープラチナ」でヒドイことをされそうです。 
別にヒドイことをされるのはいいのです(というかモットシテ)。だんな様の足を引っ張るのが嫌なのです。 
この見るからに不良のレッテルを貼られていそうなアホ丸出しの空条承太郎……氏は今の私の主人なのですから。