■第一階層 -光届かぬ世界へ 風雨で磨耗した石造りの階段を降りれば。入り口からの光は遠く、そこは一寸の闇である。 湿った土と所々に突き出した岩、壁には古い壁画が認められ、明らかに人の手が加えられた石材が見受けられた。 -通路 壁沿いに少し歩けば、やがて壁面に暗い穴がぱっくりと口を開けている。穴は、明らかに人の手が加わったものであった。 天井部は歪な形だが、側面はなだらかに研磨され、地面は階段状の段差が下へと続いている。 時おり流れてくる風――それは奥が行き止まりでない事を意味していた。 通路は真っ直ぐではなく、下りつつ曲がっている。横幅は人三人が並んでも余裕があるが、天井は飛び回るには低い。 下層から吹き込む風。それは低く――まるで地底から唸る様に――響くのだった‥‥。