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    <description>Mobius Battle Royale @ ウィキ</description>

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    <title>◆r4HwcKQwNE</title>
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    <description>
      **◆r4HwcKQwNE

***投下した作品
|No.|タイトル|登場人物|
|004|[[君のためなら殺せる！]]|霧雨魔理沙、橘万里花、シリカ|



***登場キャラ
1回
霧雨魔理沙、橘万里花、シリカ    </description>
    <dc:date>2014-05-19T22:08:21+09:00</dc:date>
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    <title>◆0.dTEX/1/6</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/33.html</link>
    <description>
      **◆0.dTEX/1/6

***投下した作品
|No.|タイトル|登場人物|
|002|[[セイギノミカタ]]|衛宮士郎、美樹さやか、Ｌ|
|005|[[ソードフェイク・オフライン 顔晒し編]]|前原圭一、一条楽、キリト|


***登場回数

一回
衛宮士郎、美樹さやか、Ｌ、前原圭一、一条楽、キリト    </description>
    <dc:date>2014-05-19T22:06:32+09:00</dc:date>
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    <title>◆fCzACa4Eto</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/32.html</link>
    <description>
      **◆fCzACa4Eto

***投下した作品
|No.|タイトル|登場人物|
|001|[[そらのむこう]]|田無美代子、インキュベーター、夜神粧裕、間桐慎二|
|003|[[青い幸福]]|衛宮切嗣、フリアグネ、小野寺小咲|
|046|[[クルセイダース]]|空条承太郎、夜神総一郎|

***登場回数

一回
田無美代子、インキュベーター、夜神粧裕、間桐慎二、衛宮切嗣、フリアグネ、小野寺小咲、空条承太郎、夜神総一郎    </description>
    <dc:date>2014-05-19T22:03:59+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/booksring/pages/31.html">
    <title>書き手別ＳＳ纏め</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/31.html</link>
    <description>
      |投下SS数|作者名（敬称略）|
|3|[[◆fCzACa4Eto]]||
|2|[[◆0.dTEX/1/6]]|
|1|[[◆r4HwcKQwNE]]|    </description>
    <dc:date>2014-05-19T22:00:53+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/booksring/pages/18.html">
    <title>第一回放送までの死亡者リスト</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/18.html</link>
    <description>
      *&amp;color(red){第一回放送までの死亡者リスト}

|時間|死亡者|殺害者|死亡作品|死因|凶器|
|深夜|シリカ|橘万里花|003:[[君のためなら殺せる！]]|毒殺|青酸カリ|
|~|||:[[]]|||
|~|||:[[]]|||
|~|||:[[]]|||
|~|||:[[]]|||


&amp;color(red){以上１名、【残り６０人】}


おまけ
|名前|最期の言葉|
|シリカ|「だ、誰か仲間になってくれる人を探さないと……!!」|
|||
|||
|||
|||

殺害数
|順位|該当者|人数|被害者|生存状況|スタンス|
|１位|橘万里花|１人|シリカ|○|奉仕|
|~||~||||


----    </description>
    <dc:date>2014-05-19T21:58:22+09:00</dc:date>
    <utime>1400504302</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/booksring/pages/21.html">
    <title>参加者名簿（死者表示）</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/21.html</link>
    <description>
      【ひぐらしのなく頃に】6/6 
○前原圭一／○竜宮レナ／○園崎魅音／○園崎詩音／○北条沙都子／○富竹ジロウ

【魔法少女まどか☆マギカ】5/5 
○鹿目まどか／○暁美ほむら／○巴マミ／○美樹さやか／○佐倉杏子

【Fate】5/5 
○衛宮士郎／○衛宮切嗣／○セイバー／○アーチャー／○ギルガメッシュ

【東方Project】5/5 
○博麗霊夢／○霧雨魔理沙／○十六夜咲夜／○藤原妹紅／○伊吹萃香

【ジョジョの奇妙な冒険】5/5 
○空条承太郎／○ＤＩＯ／○Ｊ・Ｐ・ポルナレフ／○ジョセフ・ジョースター／○ワムウ

【ニセコイ】5/5 
○一条楽／○桐崎千棘／○小野寺小咲／○橘万里花／○鶫誠士郎

【ソードアート・オンライン】4/5 
○キリト／○アスナ／&amp;color(red){●}シリカ／○リズベット／○クラディール

【とある魔術の禁書目録】5/5 
○上条当麻／○一方通行／○土御門元春／○ステイル=マグヌス／○神裂火織

【空の境界】5/5 
○両儀式／○黒桐幹也／○荒耶宗蓮／○浅上藤乃／○白純里緒

【灼眼のシャナ】5/5 
○シャナ／○坂井悠二／○吉田一美／○フリアグネ／○ダンタリオン

【DEATH NOTE】5/5 
○夜神月／○Ｌ／○松田桃太／○弥海砂／○夜神総一郎

【るろうに剣心】5/5 
○緋村剣心／○志々雄真実／○明神弥彦／○斉藤一／○雪代縁

60/61


見せしめ
【Fate】
&amp;color(red){●}間桐慎二

【DEATH NOTE】
&amp;color(red){●}夜神粧裕


主催者
【ひぐらしのなく頃に】
○田無美代子

【魔法少女まどか☆マギカ】
○インキュベーター    </description>
    <dc:date>2014-05-19T21:56:11+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/booksring/pages/30.html">
    <title>クルセイダース</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/30.html</link>
    <description>
      「……やれやれ。面倒なことになったもんだ」

　溜め息と共に紫煙を吐き出して、青年は手元の名簿に記された二名の知り合いと、そして倒すべき宿敵の名前を交互に見つめる。
　青年の名は空条承太郎。その外見たるや古風な不良といった様子だが、事実そういった認識は間違っていない。彼は素行不良児。ただ、世間一般のそれらよりもクールで物静かな荒々しさを持つ男だ。
　やや使い込まれたお気に入りの学ランに嫌味なほどの凄みを醸させる筋肉質な長身もまた特徴か。
　この成りで高校生とは末恐ろしいものがあったが、承太郎の真髄は腕っぷしの強さに留まらない。
　彼の背後より具現する、人型のオーラ。
　傍に立つ者――通称『スタンド』。言ってしまえば超能力の類に分類されよう。

　承太郎は自らのスタンド『星の白金（スタープラチナ）』の指でもって首の後ろ側をそっとなぞる。すると、ほんの少しではあったが違和感を覚えた。
　成る程、確かに己の身体にも魔女の口づけなる悪趣味な細工は施されているらしい。
　
「あのガキ……子供のイタズラにしてもやり過ぎたな。拳骨程度で済むとは思わない方がいいぜ」

　今まで戦ってきたスタンド使い達の中にも、どうしようもない野郎は数ほどいた。
　ラバーソール、スティーリー・ダン、J・ガイル。
　皆この手で、或いは仲間の手できっちりぶちのめしてやったが……今回の敵、あの金髪の少女のやったことはその中でも間違いなく頭ひとつ抜けている。
　群衆を静める為だけに何の罪もない女の首を穿ち、悲痛な叫びをあげる男をわざわざ見せ付けるようなやり方で処刑した――最早アレを邪悪と断ずるのにこれ以上の根拠は不要だろう。

　幸い参加者の中にはポルナレフ、そして祖父ジョセフの名が確認できた。
　彼らと合流出来れば万々歳だが、何しろこの島だって狭くはない。最低でも夜明け……第一回放送、遅ければ一日中歩き回っても出会えない可能性だってある。十分に考慮して行動する必要がありそうだ。

　しかし、承太郎の最大の懸念はそこではない。
　空条承太郎という男は『やる男』だ。
　いざとなれば一人でだって戦う覚悟はあるし、それで自分が遅れを取るなど有り得ないとすら思っている。過信でなく、事実として自分の力量を把握している。――その彼をしても、危惧せねばならない事項があった。軽視すれば大変なことになる確信があった。

「ＤＩＯ……！」

　ＤＩＯ。
　ジョースターの血筋と深く忌まわしい因縁の糸で結ばれた、まだ見ぬ邪悪の化身。
　実際に邂逅したことこそないが、それでも奴がどれほどの存在かは風聞で知っている。 

　そして、『肉の芽』。善良な人間だろうと奴の走狗へ瞬く間に変え、おまけに自分のスタープラチナ程の精密動作が出来なければ取り外すことさえままならないという非道な能力……目下最大の問題がこれだ。
　花京院やポルナレフの例を見るに、あれはこの殺し合いでまず間違いなく猛威を振るうに違いない。
　
　危険は伴うが、どっちらけだ。
　いつか討たねばならない相手なら、此処でケリをつけてやる。
　大分短くなってきた煙草をそれでも吸い続ける承太郎の瞳に恐怖や臆病風に吹かれた様子は皆無。
　鋼のごとく重厚な『覚悟』の光が、夜空に瞬く星々さながらに爛々と照り輝いていた。

　――承太郎は、そこで不意に振り返る。
　なんということもない。単に地を踏み締める足音が聞こえたから、確認のため身を翻しただけのこと。
　如何にスタンド使いとはいえ、撃たれれば死ぬ。銃弾など容易くスタープラチナは掴み取るだろうが、こんなゲームを考え付くような奴のことだ。何かとんでもない兵器を持たせていたって不思議ではない。
　話が通じそうならそれでいい。
　もしも殺し合いに乗った奴なら――適度に打ちのめして、無力化させて貰おう。
　そんな、やや物騒なことを考えつつ他の参加者との初めての顔合わせに臨んだ承太郎。しかしながら、彼は少しばかりの拍子抜けを余儀なくされた。
　
　第一印象は、くたびれた男。
　スーツに身を包んだ姿は如何にも糞真面目なそれなのに、顔色は窶れて今にも命が尽き果てそうだ。
　最初は殺し合いの恐怖にあてられておかしくなってしまったのかと思ったが、どうも違うらしい。
　中年男性は承太郎の存在を視認すると、どう声を掛けるか迷うような素振りを見せた後、覇気のない声色で口を開いた。どこか自虐的ですらある空の笑顔と共に、喪失した者の哀愁をありありと漂わせて。

「……未成年の喫煙は、褒められたものではないな」
「警察か。どうも苦手な人種だぜ」

　菊の紋を見て、軽口を叩く承太郎。
　札付きの不良として恐れられる彼へこうして指図してくる人間と会うのは久し振りだったが、よもやこんなところで『久し振り』を味わうことになるとは思ってもいなかった。
　言っても眼前の男だって、そんな教科書通りの[[ルール]]をこんな場所でまで押し付けてくるつもりはないらしく。ふう、と溜め息を吐き空を見上げ――なにか、とても遠いところにあるものを見ようとしているような。不可思議な視線を虚空へ送っていた。 

　どのくらいの時間が経ったろうか。承太郎が二本目の煙草を吸い終え、足で吸い殻を揉み消した。
　一服は終い。大体これからどうするかについても頭の中で纏まったし、後はもう行動あるのみだ。
　
「……娘が、殺されたんだ」

　独り言のように、唐突に男性が呟いた。
　承太郎はいざ歩き出さんとしていた足を止める。
　赤の他人の身の上話になど然程興味はなかったが、承太郎には彼の言う『娘』が誰で、そしてどのようにして殺されたのか――心当たりがあったのだ。
　
「あんた――あの女の父親か」
「……ああ。私は夜神総一郎。あいつ……夜神粧裕の、父だ」

　夜神粧裕という名前は知らない。
　ただ、承太郎は粧裕の死ぬ瞬間を確かに見ていた。
　首の刻印が一瞬瞬き、次の瞬間にはその首筋に大穴が開いてスプリンクラーのように真っ赤な血潮を噴き出し、虚ろに目を見開いたまま血の海に沈んだ屍。見せしめにする意図もなかったのだろう。彼女は単に喧騒を静めるための道具として命を使い潰された。
　犠牲者と縁のない承太郎ですら、あの蛮行には静かな怒りが沸いてくるのを禁じ得なかったのだ。
　それが肉親であったなら……どれほどの悲しみとやるせなさかは、想像に難くない。

「ここには私の息子もいる。正義感の強い男だ、きっと今頃は妹の仇を討つと言って行動を起こしていることだろう……我ながら頼もしい息子だ。こんなところでしか自慢できないのが、皮肉だが……」
「……それで？　あんたはどうするんだ」

　が。
　総一郎に対する承太郎の返応はあくまで冷たい。
　元々沈着な質なことを踏まえても、少なくとも肉親を失ったばかりの人間相手には辛すぎる態度だ。
　むろん、彼とて理由はある。それは至極単純に、失望を禁じ得なかったからだ。

「悪いが今のあんたからは、ちっとも『闘志』ってやつが感じられねえ……警察サマ相手となりゃ不謹慎だの何だのと説教されそうなもんだが、これから首を括ろうと考えてる自殺志願者ってのはきっと、今のあんたみてえな顔をしてるんだろうな……と思うぜ」
「…………」
「俺はあのガキをぶちのめし、ついでに倒さなきゃならねえ敵もぶっ倒して此処を出る。――が、どの道あんたは生き残れねえだろうな。なんとなく、俺には分かるぜ。じゃあな」

　主催者は許せないと思う。
　下らない理由で殺された奴は気の毒だとも思う。
　だが、その『気の毒な出来事』をいつまでも引きずって、燻っている奴に用はない。
　端的に言って足手纏いにしかならないからだ。爺の愚痴に付き合うくらいなら、件の優秀な息子とやらを探し頼った方がどれほど堅実か。 

　ざくざく草木を踏み締めて、一人で遠ざかっていく学ランの背中。
　暫し無言でそれを見送っていた総一郎だったが、やがて悲痛な声をあげた。

「……なら！　君がもしも私と同じ境遇に置かれた時、どうする……！」
「――、―――」

　総一郎は情けないと現在の自分の醜態を自覚し、自嘲していた。
　だが頭で理解できるのと、実際に行動へ移してみるのとではてんで訳が違う。
　あと一歩、踏ん切りがつかない。
　期待する総一郎に対し、承太郎は深く嘆息した。
　てめー、これじゃあ本当に落第点だぜ……とでも言いたげに半身を翻すと、彼は鋭い眼光により力を強く込める。

　
「この手で、必ず仇をぶちのめして『裁く』。誰に何と言われようともな……そうやって、『納得』させて貰うぜ」

　そうして返ってきた言葉は、真実夜神総一郎が最も欲していた『解答』に他ならなかった。
　なくしたものは帰らない。どれだけ嘆き、哀しみに暮れ、錯乱したとしても、また愛娘があの愛らしい笑顔で微笑むことは絶対にないのだ。彼女は死んでしまったのだから。総一郎も、その死体を見た。
　本来承太郎のような人間を取り締まるのが使命の身、故に決して褒められたものではなかったが、今の彼に必要なのはまさしくこういう教科書の規範を外れた『荒々しさ』であった。
　バトル・ロワイアルは必ず破壊する。
　それでもって、娘の仇たるあの少女を必ず捕らえ、しっかりと警察に突き出してやる……！

「ま……待ってくれ！　私も君に同行させてほしいッ」
「頼んでないぜ、引率なんてもんは」
「私は刑事だ。たとえ君が拒もうとも、私には君を守る義務がある」
「……チッ、やっぱり鬱陶しい野郎だぜ」

　悪態をつきながら、しかしあくまで自分のペースは崩さずこの森を抜けるべく歩を進める。
　後からついてくる夜神総一郎の顔を一度だけ見たが――完全ではないにしろ、ある程度迷いは振り切ったらしい。スタンド使いでもない一般人を、目の前で死なせてしまうのは寝覚めが悪い。
　乗り掛かった船だ。第一あの餓鬼の望み通りに事が運ぶというのも癪である。
　聊か鬱陶しいのは事実だが、当面の同行者として一応宜しくしなければならないようだ。

「……やれやれだぜ――」

　学ランの青年とスーツの中年、なんともアンバランスな二人が夜の闇を往く。


【F-1/森/一日目-深夜】 
【空条承太郎＠ジョジョの奇妙な冒険】 
[状態]：健康
[装備]：マイルドセブン（煙草）＠現実
[道具]：基本支給品、不明支給品1~2
[思考-状況] 
基本：主催者を倒し、このゲームを終わらせる
１：不本意だが夜神総一郎と行動。
２：ポルナレフ、ジョセフとの合流は出来たらでいい。但し、ＤＩＯに出会った場合は覚悟を決める
[備考] 
※参戦時期はＤＩＯの館に突入する前です


【夜神総一郎＠DEATH NOTE】 
[状態]：健康
[装備]：なし
[道具]：基本支給品、不明支給品1~3
[思考-状況] 
基本：主催者の逮捕。殺し合いの解体。
１：承太郎と行動。
２：月、及びLと合流する
[備考] 
※参戦時期は少なくともL死亡よりも前です 


----

　時系列順に読む
前：[[ソードフェイク・オフライン 顔晒し編]] 次：[[]]

空条承太郎　次：[[]]
夜神総一郎　次：[[]]    </description>
    <dc:date>2014-05-19T21:54:56+09:00</dc:date>
    <utime>1400504096</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/booksring/pages/29.html">
    <title>ソードフェイク・オフライン 顔晒し編</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/29.html</link>
    <description>
      「……」

　黒衣をはためかせながら、キリトこと桐ヶ谷和人は背中に下げられた一対の剣を深く収めながら歩いていた。
　地図を見る限り現在位置は南西の砂浜。このような目立つ場所を歩いているなど、狙ってくれと言わんばかりのものだが――むしろ、それで好都合。人殺し（レッドプレイヤー）を誘き出すには、こうして白い背景に黒い服装の自分はいい餌だろう。

（俺はヒースクリフと相打ちになったはず……でも、こうして生きている。――そして生きて、また別のデスゲームに参加させられている、ってわけか。それは、アスナも……）

　純白の少女剣士を思い返す。
　ＳＡＯ（ソードアート・オンライン）と呼ばれるゲーム内での死亡イコールリアルワールドでの死という過酷なゲームの中で二年間、自分は生き抜いた。
　そしてこのゲームの主催者と同じくとんだ悪趣味な箱庭の主（ヒースクリフ）と対決し、自分は確かにあの男に打ち勝ち、同じくして敗北したはずだ。――つまり、死んでいなければおかしいということだ。
　それは同じく名簿に記載された“クラディール”の名前にも共通している。
　奴は自分がこの手で確かに仕留めたはず。キリトはそう思い返し、強く歯噛みした。

「まったく。俺はこういったゲームにとことん縁があるらしいな……」

　苦々しい表情で未だに釣れぬ“魚”を待ち受けながら、キリトは一人で愚痴をこぼした。
　どうやらここはＳＡＯでできたことはほとんどが可能であるらしい。残念ながらここではログアウトどころかメインウィンドウを開くことすらできないが、ソードスキルは問題なく発動できるということは既に実験済みだ。
　頬を抓る。――痛みもある。それと同時に、ここが夢ではない、そして“ゲームの中でもない”と理解する。ＳＡＯの中ではこうした抓るということをされている自覚こそ生まれるが、決してこんな鋭い痛みは走らない。
　黒の剣士としての力を持ったまま、桐ヶ谷和人の体がそのままここへ放り出された。
　俄かには信じがたいことだが、キリトはそう考えることしかできなかった。
　幸いにもゲームの中で取得していた“暗視”と呼ばれる視力を強化して暗闇の中でも対象を視認する、視力強化スキルや“体術”と呼ばれる肉弾戦専用のスキルもここでは活きている。いざとなればソードスキルだけに頼らず、自分のセンスで闘うことが必要だろう。
　恐らくこれほど激痛が走る以上、ゲーム内のように体の一部を切り落とされても数時間後に復活する、などということはさすがに期待できない。今までのように二刀流で防御を捨てたインファイト的な戦闘を行うことは厳しい。――こうした命のやり取りに対する分析に慣れてきてしまっている自分には辟易するが、今回ばかりは幸運だったと流すしかあるまい。

（ここには誰もいないか……ん？）

　キリトが片方の剣――“エリュシデータ”と呼ばれる奇抜な柄を持つ漆黒の剣を抜いて構える。
　いま、確かに少年の叫ぶ声がした。
　耳を澄ます。
　純白の砂浜に打たれる漣の音。確かに美しくはあるが、いまはそんなものはただのノイズだ。もっと奥深くに隠れる音を聞こうと、静かに目を瞑った。

「……だ！　……棘、……小野……」

　誰かを探しているのか。
　キリトは咄嗟に目を開き、音の聞こえる方向で走り始める。
　ゲームのアバターのステータスがそのまま採用された身体能力を持っていて良かったと本当に思う。仮に生身の桐ヶ谷和人がここへやって来ていた場合、病院のベッドの上で衰弱した高校生がよたよたと無様な姿を晒す羽目になっていただろう。
　不幸中の幸いに感謝しながら、キリトは走る。
　あのクラディールのように他人を殺害することを善しとするような殺人者（マーダー）ならば気は進まないがＰＫ（プレイヤーキル）と同じ手法で倒すのみ。そしてもし、自分と同じくこのゲームに乗り気ではない者がいるとすれば……早急に保護する必要がある。
　以前は自分と友人一人だけを守ろうと、友人の仲間を見捨てて逃げ出したキリトだが。今は、決してそんなことはしない。
　いまの自分には力がある。二刀流と呼ばれる全プレイヤー中最高の反応速度を持つ者にのみ与えられる、規格外の力……。それがどこまでこのゲームで通用するかはわからないが、確実に誰かを守れるはずだ。
　期待を胸に抱きながら、彼は地図でいう“Ｃ－７”と銘打たれた場所へと突入した。 

◇

「千棘！　小野寺！　橘！　どこだあああっ！」
「落ち着けよ楽、そんなに大声を出したら危険な奴に見つかるかもしれないだろっ」
「……っ、悪ぃ、圭一。でも……もう一人のヤツならともかく、他のヤツはこんなところじゃ絶対にマズいんだよ……っ！」

　青いジャージを着込んだ黒っぽい青髪の少年と、赤い上着を着た少年。どちらも年齢に大差は見られない、仮にこんな殺伐とした殺し合いの場でもなければ、間違いなく友人として和気藹々と接することのできたであろう両者が、自分の知り合いを探して走り回っていた。
　青髪の少年の名は“一条楽”。既に想い人を殺され、存在の代替物とされたことにすら気づくことのできぬ哀れな少年。
　もう片方は“前原圭一”。同じく仲間をこの場に召喚され、仲間を救うべく奮闘しているのであった。――“炎”とまで呼ばれた燃える心は、間違いなくこのゲームを頓挫させるということに傾いていた。
　圭一は楽を落ち着かせて一度、適当な木陰に姿を隠しながら物思いに耽る。
　自分はあの惨劇の夜――確かにあの鷹野に撃たれたはず。仲間を逃がすことはできただろうか……？　そう思って絶大な苦しみを体に受けながら目を瞑ると――気づいたら、ここにいたのだ。
　同じく楽も思い返す。鶫や橘という友人や千棘という仮初の恋人、そして小野寺という想い人と共に学生生活を謳歌していた。そんな他愛のない一日を過ごし家に帰り、いつも通り食事をし、いつも通り睡眠に入った……そのはずだ。
　目を覚ませば、見渡す限りの地獄。
　極道やヤの字や警察上層部のイカつい連中に囲まれているため、そのあたりは一般人よりは比較的こうした状況に適応こそできるが、そんなものは自分だけだ。あんなＳＦじみたことは起きなかった圭一や楽の世界に住んでいた、彼らの友人のことを思うととても胸が痛む。
　ゆえに、許せない。
　この催しを開いたあの少女が。一度どついて説教の一つでもかましてやらねばならない。そして然るべき場所に身柄を渡し、罪を償わせるのだ。
　そのためにも、まずは自分達の仲間が安全であることを把握し、自分達と志を共にする者達を集める必要があるのだ。
　自分達にはあんな途轍もない力はない。しかしその精神は、間違いなく不屈のモノだ。こんな意味不明にして理解不能な地獄へ叩き落されようとも、必ず生還してやる……彼らは固く、そう誓っていた。
　そんな時だ。

「そいつの言う通りだ。少し落ち着いた方がいいぜ」

　目の前に、ファンタジーチックな真っ黒な格好をした少年が現れた。
　背丈は中学生高学年ほどか。圭一や楽と大差のない年齢であろう彼は、しかし一種の“強者の闘気”を身に纏い、絶対の余裕を持って彼らの前に姿を現した。

「誰だ！」
「……圭一も落ち着け。俺達を殺す気なら、最初から助言なんてきっとしない」
「そういうこと。――ちょっと、話があるんだ。適当な隠れ場所を知らないか」

　圭一を手で制する楽を見て、キリトは一度だけ頷いた。
　経験則からしてこうしたところでは大抵女の子が困っていたのだが、久々に普通の男友達との会話になりそうだ――なんて不謹慎なことを頭の隅で考えるキリト。
　彼の脳裏に浮かぶ思い出を知ることもその必要もなく、圭一と楽は顔を見合わせて頷き、楽が口を開く。

「あっちにちょっとほらあながある。そこに隠れようぜ」
「了解。案内してくれ」

　不躾なキリトの態度に引っかかることがあったのか、歩きながら楽は圭一に耳打ちをする。

「こんな時に言うのも難だけどよ、あいつ、俺達より年下だよな……？」
「……細かいコトに突っ込まない方がいいぞ。俺、自分が中学生なのか高校生なのか時々わからなくなるぐらいだからな」
「どういうことだよそれ……」

　キリトを殿（しんがり）にして楽と圭一が前に出て歩き続ける。
　それからしばらくして十分ほど。圭一達はようやく当面の目的地であるほらあなにたどり着いた。それを指差す楽に従い、残る二人もその中へ入っていく。
　草だらけの場所にしては珍しい。まるで防空壕のようなほらあなに気味の悪さを覚えながらも、彼らはやむをえず奥へ奥へと進んでいく。ごつごつとした足場はところどころヒカリゴケでぬめりとした光を放ちながら彼らの視界を手助けしていた。
　最深部にたどり着いた彼らは乾燥した岩場に腰掛ける。 


「キリトだ。とりあえず仲間を探しながら、このゲームを脱出する方法を探してる」
「一条楽。……キリトと同じだぜ、こっちの――」
「俺、前原圭一もな」

　三人はとりあえず自分以外の二人が“こちら側”であることを再確認し、安堵する。
　気を利かせた圭一がディパックから[[参加者名簿]]を取り出し、その中にある“竜宮レナ”“北条沙都子”“園崎魅音”“園崎詩音”“富竹ジロウ”を示して言う。

「こいつらが俺の仲間だ。茶髪の白い服と帽子を被った女の子と、金髪の……これぐらいの女の子と、緑色の長髪の姉妹だ。敬語のほうが詩音で、ガサツな方が魅音。メガネと帽子のカメラマンがトミー……じゃなくて、富竹さん」
「おまえの知り合い女の子ばっかだな……男の友達いないのか？」

　最後に楽が突っ込んだ。
　すると圭一は頭をがしがしと掻いて、

「……否定できん。楽の知り合いはどいつだ？」

　ちゃっかりソウルブラザーズのことがなかったことにされた。
　いや、飽くまでも彼らは血のつながらぬ兄弟。友達以上の関係であり、この質問には当てはまらないのだ。

「ええっと……こいつら。金髪と茶髪が二人と黒髪」
「性別は？」
「……全員女」
「おまえも人のこと言えないだろ！？」

　楽の言い放った“全員女”という発言に圭一は目を丸くしてから憤慨する。キリトはそんな二人を見て、おいおい……と言った様子で見守る。
　これは知り合いの名前と特徴を教えあって……そして最後に見た名簿の中にあった名前を思い出す。……ああ、これは逃げられないな、とキリトは静かに覚悟した。

「キリト！　おまえのは！」

　と圭一。

「……アスナ、シリカ、リズベット。栗色の髪が一人、茶髪が一人、ピンク色の髪したのが一人」
「おまえもか！！　おまえもなのかキリト！！　仲間だな！　おまえも男友達がいないんだな！」
「……いや、一応年が離れてるし、このゲーム内にはいないけど、二人ほど」
「この裏切り者ぉおおお！！」

　圭一が目を輝かせたが、キリトの発言で全てがぶち壊された瞬間である。
　鬼気迫る形相で黒衣の剣士の両肩を掴んでガクガクと揺さぶると、キリトはやがて目をバツの字にして倒れこんでしまった。

「お、おい！？　キリトが倒れたぞ！　何してんだ圭一！」
「うっ、うるせえ！　こんな簡単に倒れるとは思わなかったんだよ！」

　ちなみに。
　キリトは気絶したように見せかけて決してそんなことはない。岩肌に頬を突かれて不快を覚えながら、狸寝入りを決め込んでいる。

（落ち着くまで、ちょっと寝たフリしてるか……） 

◇

　そんなこんなで早一時間。
　キリトは目を覚まし――たように見せかけて狸寝入りをやめて――再び会議をし、終えた。
　具体的な方針としてはどこぞの正義チームと似たものだ。取る戦法はだいぶ変わるが、とにかく仲間を集めるという点では共通している。しかし闘うことができるのはキリト、そして若干ではあるが圭一のみという明かされた事実に楽は愕然し、夜の目立たぬ時間になるまでここで暇潰しをした後、情報収集を再開するということになった。
　ちなみにこれは圭一の案である。キリトの仲間達であれば相応の戦闘力を持っていて当然と判断し、仲間達も仲間達なりに自分よりも世渡り上手であることを考え、……ついでに、知人をずっと心配してやまない楽を落ち着かせるための休憩時間を取るための案でもあった。
　さて。
　それではいまは清涼剤代わりとして、そんな彼らの無駄話の一部を公開するとしよう。

「で、俺達はこういう風に部活を楽しんでたんだ」
「へえ。ゲーム部、って感じなんだな。でもテーブルゲームやアウトドアばかりだな……ネットゲームはやらないのか？」

　キリトは素直に疑問に思ったので聞いた。
　VRMMORPGという実際にゲーム内のことを体感できる素晴らしいオンラインゲームのカテゴリが成立しているのがキリトたちの世界だ。その世界のものさしで図った場合、圭一たちのレトロな遊びは興味をそそると同時に、ある意味奇異の目線を向けざるを得ないものだったのである。
　だが対する圭一はきょとんとした表情だ。

「……ネットゲームってなんだ？」
「！？　知らないのか！？　あんなに有名だろう……」
「いや、待て、キリト。……圭一、Ｖｉ○ａとか３Ｄ○とかは知ってるか？」
「だからなんだよそれ」

　まったく知らない。
　そんな表情を見せた圭一に対して目を丸くした楽だが、キリトは今度は楽に対して不自然だな、と言いたげな表情を向けてきた。

「楽、それって確か……十年近く前のゲームハードだろ、なんでそんなものの名前を出すんだ？」
「はぁ！？　十年前って……いまかなりメジャーな携帯ゲーム機だろ……おまえ何言ってるんだ」

　互いに噛み合わない会話を繋ぎ合わせた結果。
　圭一は静かに立ち上がり、大きく頷いた。

「察した。察したぞ、楽、キリト！　おまえら！　いまは西暦何年だ！」
「二〇二四年」
「二○一×年」
「やっぱりか……」

　キリトと楽は互いに口に出した西暦を聞いて顔を見合わせ、圭一は大きく溜息を吐き――楽とキリトに掴みかかった。

「俺は昭和に生きてるぞ！　おまえらは！？」
「えっと、俺は平成」
「……俺は、なんだったっけなあ……」

　圭一は心底悔しそうな顔をして二人を睨み、睨まれている二人もようやく合点がいったようではっとなる。
　――既にお察しの通り。
　彼らは産まれた世界どころか、その“住んでいる時代”すらもまるで異なるのだ。それぞれ一回りずつ離れた年代であることを考えれば、圭一がキリトの時代まで生きていた場合、もはや中年を通り越してボケ始めてもおかしくはない。それほどにまで広がった年代の差があれば、当然ゲームハードもかなり進歩していることだろう。
　遊び好きな部活メンバーに所属する圭一は、そんな格差に悔し涙すら流す。 



「ずるいぞおまえら！　なんだよその携帯ゲーム機！　どんなことができるんだ、楽！」
「ええっと……画面に触ったり、ゲーム機に息や声をかけてそれがゲームに反映されたり……後は、３Ｄで表示されたりするな……」
「っ……キリト、おまえは！！」
「ふっ。聞いて驚くなよ……俺達の時代なら、ゲームの中に入れる！！　ゲーム内でしか食べられなさそうなウマい食べ物も、味と満腹感だけなら楽しめる！」
「「な、なんだってー！？」」

　二人して驚愕の表情を浮かべる。
　まさか、と。圭一は数十年でそこまで変わるのかと大声を張り上げる。
　――そして。彼らは同時にこうも思う。
　ここがこのような“ゲーム”でなかったならば、と。こうしてゲームの会話を進めているうちに、どうしてもこのように考えてしまう。
　彼らそれぞれが自分の世界であった出来事や友人のことを想起した。――本当に、何もかも懐かしい。つい昨日までは当たり前だと思っていた出来事が、全てモノクロ色の写真へ変わっていく……。

「じゃ、じゃあおまえら！　元の場所では、ほら、恋人とかいなかったのか！　そいつのこととかどうだ！」

　圭一がそんな言葉を漏らした途端、キリトはブッ！！　と吹き出した。

「ほおう、キリトぉ……その反応……ちょっと気になるじゃねえか。どんな感じなんだ？」
「………………（ゲームの中でだけど）結婚してます」
「「はぁ！？　キリト！　おまえさっきっからなんなんだ！！」」

　二人そろって指差してキリトを責め立てる。
　ゲーム関連では悉く自慢され、やや違いこそあるが既婚者ときた。圭一は少しずつ色が漂白されてボロボロと崩れ落ち、楽は元の世界で恋焦がれていた小野寺のことを思い返し――刹那、桐崎千棘の顔が頭を過ぎった。

（くそっ。こんな時にまであいつの顔かよ！　……いや、もちろん心配だけどよ……）
「んで、楽は？」

　と、キリト。 

「えっ」

　小さく声を漏らす。

「ほら言えよ楽！！」

　圭一が肩を掴む。
　キリトは無言の圧力を掛け、ニヤニヤと笑いながらゆっくりと近づく。――駄目だ、逃げられない……楽は冷や汗でたらり、と頬を濡らす。
　溜息を吐いて彼はついに観念して白状した。

「家の事情で許婚みたいなのが一人、あとまた家の事情で演技させられてるのが一人、……好きなヤツが、一人」
「ウッディイ！！」
「どわああっ！？」

　圭一がバットで突きを繰り出した。
　グリップの頭には“悟史”と書かれた銀色の金属バット。それが楽の鳩尾に華麗にヒットし、楽が錐揉み回転をしながら岩肌に叩きつけられた。――出血も怪我もない。
　ゆったりと楽は後頭部を押さえて立ち上がり、圭一をぎろり、と睨む。

「ン何すんだよこのやろっ！」
「うるせえっ、女友達はいても駄フラグばっかな俺のことを笑ってるんだろ！　笑ってるんだろ楽！　そしてキリト！」
「いや俺は別に……」
「あっ、てめ自分だけ逃げるつもりだなキリト！　――圭一、共同戦線だ！」
「おう！　せーのっ、」
「「ウッディ！！」」
「ぐわあああっ！？」

　一瞬。
　キリトの視界の左上に、ＨＰバーが赤く点滅した気がした。――もちろん錯覚である。
　楽とまったく同じ軌道で吹き飛んだキリトだが、彼もまた無傷で立ち上がる。散々ふざけあった彼らは少し気が晴れたか、最初の頃よりは晴れ晴れとした表情であった。
　圭一は言う。

「んで、楽。そいつらはこのゲームには？」
「ああ。来てる……あいつらは絶対に助けるんだ。キリト、おまえの嫁は」
「……もちろん、絶対助ける」

　三人は顔を見合わせ、圭一が手を差し出した。
　手の甲を上にして差し出したそれの上に、キリトは柔らかな笑みを浮かべて右手を重ねる。やや遅れて楽が頷き、手を伸ばす。

「いくぜキリト、楽！　どんな悪魔や趣味の悪ぃ神サマが喜ぶような脚本でも！　運命でも！！　絶対に俺達が、ぶちやぶってやろうじゃねえかッ！」
「「おう！」」

◇

　――運命は回る。
　輪廻する。歯車が噛み合うように。導火線に火が点くように。
　キリトへの支給品が納められたディパックの中に、参加者名簿が“もう一つ”存在していた。しかしそれは“生きている人間”を書き記すモノではなかった。
　それは、既に“死んだ”人間を書き記すモノである。……ちか、ちか、と。学習ノートほどの大きさのそれが点滅し、四人の参加者の名前と、矢印を書き記した。

　橘万里花→シリカ
　フリアグネ→小野寺小咲

【C-7/ほらあな/一日目－夕方】
【キリト＠ソードアート・オンライン】

［状態］:健康
［装備］:エリュシデータ＠ソードアート・オンライン、ダークリパルサー＠ソードアート・オンライン
［道具］:基本支給品、死亡者名簿＠オリジナル（※）
［思考－状況］
基本：対主催
1:もう誰も見捨てない
2:アスナ、シリカ、リズ……無事でいてくれよ……！
3:クラディールに対する警戒
［備考］:作中で第七十五層のボス討伐直後、ヒースクリフ戦の最中に突如として呼び出されています。
いくつかＳＡＯ内部での因縁に清算をつけてはいるので、わりと精神的には安定していますが、他人に対してやや過保護なところが見受けられます。
※死亡した参加者と、「その時にもっとも近くにいた参加者」を名前に記します。またトーチ化された後に消滅したり、死亡した後の死体を操作されその後に破壊された場合は「下手人」の名前が更新されます。

【前原圭一＠ひぐらしのなく頃に】

［状態］:健康
［装備］:悟史のバット＠ひぐらしのなく頃に
［道具］:基本支給品
［思考－状況］
基本：対主催
1:部活メンバーと富竹に対する心配
2:楽のヤツ、思いつめてなきゃいいんだけどな……
3:俺達で運命ってヤツをぶち破る！
［備考］:皆殺し編から登場。皆殺し編と一部の世界での記憶を継承しているため、鬼隠し編のようなことにはめったな事がなければならないでしょう。

【一条楽＠ニセコイ】

［状態］:健康、精神的な焦り
［装備］:ハンドガン＠現実
［道具］:基本支給品
［思考－状況］
基本:対主催
1:キリトも圭一も、そして俺やこいつらの仲間達も全員助ける……！
2:あいつらはいったいどこに……
3:主催の野郎、ゆるせねえ
［備考］:作中で文化祭にて「ロミオとジュリエット」の一件が終わった直後の参戦です。作中人物との関係は全て良好であったため、逆にそれが災いして精神的な焦りを生んでいます。
キリトか圭一といる際には緩和されている模様。 


----

　時系列順に読む
前：[[君のためなら殺せる！]] 次：[[クルセイダース]]

前原圭一　次：[[]]
一条楽　次：[[]]
キリト　次：[[]]    </description>
    <dc:date>2014-05-19T21:53:03+09:00</dc:date>
    <utime>1400503983</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/booksring/pages/28.html">
    <title>君のためなら殺せる！</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/28.html</link>
    <description>
      恋愛とは神聖な狂気である

～ルネサンス期のとある人物の言葉～ 




「ああ、これからどうしましょう」

そう一人呟く少女は、震える手で紅茶の入ったティーカップを持ち上げて口へと近づける。中に入っている暖かい紅茶を口に含んでゆっくりと飲み込みんでから少女はティーソーサーにカップを戻す。震えるカップがソーサーにぶつかってカチャカチャと音をたてるが、少女自身はそれに気づいていないようだった。

ざらざらと、掌の上に明らかに過剰な量の薬剤を取り出して、しかしそれを躊躇なく口の中へ放り込む。カリコリという軽い固さを感じさせる音が鳴り響き、再び口へと近付けられたティーカップの中身と共にそれは飲み込まれていく。

それから三度ほど同じ動作を繰り返して、ティーカップの中身が空になってからようやく少女の動きが止まる

このままここで呑気にお茶を続けていてもどうしようもないということは少女自身も気づいているのだろう。ティーセットを参加者へと配布された鞄の中へしまいこもうとして……震える手は二組目のカップをつかみ損ね、カップは騒々しい音をたてて床にて砕ける。その自分でたてた音に身をすくませて、暴れだす鼓動に急かされるように咄嗟に割れたカップへと手を伸ばす。今拾えば割れたことを無かったことに出来ると、そう信じているように手を伸ばして――

「痛っ……!」

引っ込めた手の先からは赤い色がこぼれ落ち、服にまた一つ赤い染みを増やす。父親の職業柄、衣服に付着した血はそう簡単には落ちないということを知っている彼女はため息を一つ吐いて、いつも身に付けているハンカチを懐から取り出して指に巻き付ける。お気に入りのハンカチに赤い染みが出来たのを見て二度目の息を吐いて、鞄から『道具』を取り出す。

出刃包丁をさらに大きくしたような、お嬢様そのものである少女には酷く不釣り合いな鉈を両手で不格好に構える。そうして目を瞑って思いっきり振り下ろせば、ザクンという小気味の良い音を立てて木製のテーブルに刃が突き刺さる。

「もしも誰かに襲われたら、これで身を守らなければなりませんし……」

素振りのつもりで傷付けてしまったテーブルに誰とはなしに言い訳を口にしながら刃を引き抜こうとして、その腕がプルプルと震える。余程勢い良く振ったのか、机に突き刺さった鉈は動く素振りを見せない。そのままウンウンと唸りながら少女が悪戦苦闘すること5分、その戦いは抜けた勢いで少女が後ろに倒れこむという結末をみせてようやく終わりをみせた。

一度目の失敗を教訓に、今度は本番とばかりに鉈を振り下ろす。ブツリという音ともに、今度は刃が突き刺さることなくちゃんと断ち斬った。机での失敗が生きたのか、上手くいったことに少し満足そうな笑顔を浮かべた少女は三度刃物を振り下ろす。
そこからはトントン拍子でことが進み、コツを掴んだのか少女の手際も恐る恐るといった様子が抜けてどこか楽しんでいるような節すらある。ブンッと音を立てて勢い良く振り下ろされる鉈の音とブチリ、ブツリという音だけが数分間鳴り響く。

「ふう……」

少し上がった息を整えながら達成感に満ちた笑顔と共に刃物をカーテンで拭い、傍らの椅子へと立て掛ける。予行演習はこれくらいで十分だろう、とバラバラになった『ソレ』には少しの間だけ黙祷をして刃物を掴んで立ち上がる。

「ごめんなさいね……仕方がないの」

抗鬱剤と記された薬を大量に摂取したおかげか、はたまた覚悟が決まったのか、それとも余計に現実味が薄れてしまったのか、いつの間にか身体の震えは止まっていた。初めての殺人という警視総監の娘としてあるまじき行為を諦めでもって受け入れる。私はこうすることに決めましたわ、と脳裏に浮かぶ四人の友人と愛しい人に対して決別する。きっと誰も許してくれないだろうし、許されたいわけでもない。ただ彼を失うくらいならばそうした方がましだと思ってしまっただけの話だ。

シリカと名乗った少女だったモノに一言だけ謝罪して橘万里花はその場を後にした。 

彼への、一条楽へのこの気持ちは愛なのだろうかと、万里花は考える。

そもそも愛とはどこからが愛なのだろうか。

彼を思うとき
ずっと話していたくて堪らなくて……
ずっと一緒にいたくて堪らなくて……
ずっと顔を眺めていたくて堪らなくて……
離れれば会いたくて会いたくて堪らなくなり、一緒にいれば離れたくなくて仕方なくて

寝ても覚めてもその人のことを思い、恋い焦がれてその人以外はなにもいらなくなり、ただその人がいるだけで幸せになる、ああ……それはまさしく狂気なのかもしれない、と万里花は胸の内を焦がすものに苦笑する。

そうして育ち、膨らんでいった想いは、しかし突然の出来事で膿を抱えることになる。

決定的だったのは目の前で人が殺されたときだ、もしも一条楽がそうなってしまったら考えると恐ろしくて堪らなかった。

あなたの為ならば死ねると

あなたの為に生きていきたいと

あなたの為ならばなんでも出来ると

あなたが望まなくともあなたが無事でいてくれるならそれでいいと

そう思ってしまったのだから

「らっくん……うち、決めたばい」

例え愛する人に嫌われ蔑まれ、そして自分が死ぬことになったとしても、彼を生かすために他を捨てようと

大きく育った果実は、少しの衝撃で膿んで腐ってしまう。

それは、シリカという少女に出会う150秒前の出来事 

シリカという少女の話をしよう

彼女は恵まれた子供であった。

日本に生まれ、特に不自由することなく暮らして成長してきた。

とあるデスゲームに巻き込まれるという不運はあったものの、そのゲームの最中も彼女は幸運な部類だった。偶然テイムに成功し、参加者に幼い子供が少なかったことも含めてアイドルへと担ぎ上げられた。その結果相棒を失う危機に見舞われることになるのだが、それも突然現れたヒーローによって窮地を脱することができたのだからやはり恵まれていたのだろう。

だから、彼女はこのゲームに参加させられた時にはこう思ったのだ。そうして私がこんな目に……と

そう、それでも名簿の中に自分がよく知る人物の名前を見たときは無条件に安心したのだ。彼が居てくれたなら、きっと全部を解決して自分を救い出してくれるに違いないと。そう無邪気に安心して、しかし底抜けにお気楽ものというわけではなかったシリカは考えた。もしも殺し合いに乗っている人間が襲いかかってきた場合のことをだ。

元々SAOのプレイヤーの中にもPK(人殺し)を進んでするような正気を疑う人間が少数とはいえ存在した。自分もそんな人間に嵌められて一度は痛い目を見かけたのだからそこまで能天気になることはできなかった。救いがあるとすれば見たところ身体能力はゲーム通りであるということだった。ゲーム通りであるならば少々の傷で即死することはないし、痛みも衝撃も大幅に軽減され、毒の類いでも即死には至らないということだった。それでも、まだ少女の域を出ないシリカにとって殺人者が潜んでいるかもしれない場所にひとりきりというのは避けたい事だったのだろう。

「だ、誰か仲間になってくれる人を探さないと……!!」

言うなればここ全域が圏外であるということなのだから、仲間は一人でも多いにこしたことはないのだから。そうして探し回ること十数分、ぼんやりと宙を見つめる一人の年上の少女に出会ったのだった。これは、警戒しながら近づいて、そして打ち解けて仲良くなって、そして毒入りの紅茶を飲んでしまう、その三十分前の出来事。

シリカの誤算はたった２つ

一つは優しいお姉さんが他を捨てても愛しい人を生かす決意を済ませてしまっていたこと。

もう一つはこの殺し合いの場では耐久力に関してはただの少女になっていたということだ。

シリカは勘違いしてしまったのだ、万里花の笑みに、自分の身体能力の高さに

もう少し注意深く万里花を観察していればその瞳の奥に潜む暗い光に気がつけたかもしれない、一度自分の指の先を小さく傷付けていればもう少し用心したかもしれない。だが、そうはならなかったのだ。


もしも、もしもシリカが後数分早く万里花に会うことが出来ていれば

もしも万里花がバッグの中に入っていた支給品の青酸カリに気づいていなければ

もしもシリカがゲームとは仕様が違うということに気づいていれば

もしも彼女から出された紅茶に僅かにでも疑いを持っていれば

彼女が肉塊になってしまうことはなかっただろう。

結局のところ、彼女は悪意に不馴れで運が悪かっただけなのだ。 

「おいおい、あいつ頭大丈夫か……？」

万里花が出ていった扉からひょっこりと顔を覗かせて室内を見回した白黒の魔法使いは嫌そうに顔をしかめる。一部始終を覗き見していて予想はしていたとはいえ、室内はひどい有り様だった。力任せに断たれた少女のだったモノはまさしくスプラッタな光景を広げていた。

幻想郷において人間の生き死には日常だし、魔理沙自身も何度か人間が妖怪に殺されて食われるところを見たことがある。だからといって、何も感じないというわけではないのだ。

「うぇー……こりゃ暫く肉は食いたくないな」

バラバラになった少女だったものに、ベッドのシーツを引き剥がして覆い被せる。ナンマンダブナンマンダブと適当に唱えてからシリカのバッグの中身を漁り始める。もう死人には必要の無いものだし、有効に活用してもらえる方が道具も喜ぶだろうと言い訳をしながら食料を自分のバックへと移し変えていく。

「ん、なんだこれ?」

シリカの鞄に腕を突っ込んでごそごそと探っていると指に触れた物を取り出す。見た目は黒い卵のような、よくわからない物質で出来たものだが、説明書を読んでみる限り魔法少女の魔女化を防ぐためのものとあるがさっぱりわけがわからない。

「グリーフシード?よくわからんが貰っておくぜ」

そうして貰えるだけの物を貰った魔理沙は診療所を後にする。もう少し早く診療所に辿り着けていればこの惨劇を回避できたかもしれないと、少し申し訳なく思いながら歩き出す。

そして、彼女はまだ知らない。彼女がなんとなくでてに入れたアイテムがとある少女達の生命線になる物だということを。 

&amp;color(red){【シリカ＠ソードアート・オンライン――死亡】}


【Bー6/診療所/一日目ー深夜】
【橘万里花@ニセコイ】

［状態］軽度の躁鬱症
［装備］:レナの大鉈@ひぐらいのなくころに
［道具］:基本支給品、青酸カリ(致死量の青酸カリのカプセル十個がが収められたケース、残り九個)、紅茶セット(四人分)不明支給品1
［思考ー状況］
基本:一条楽以外の殺害
1:次もちゃんと殺さなきゃ……
2:らっくん……無事で
［備考］:薬で症状を抑えている状態です

【霧雨魔理沙@東方】

［状態］:健康
［装備］:箒、ミニ八卦炉@東方
［道具］:基本支給品、グリーフシード、不明支給品2
［思考ー状況］
基本:死なないように適当に生き残る
1:橘万里花に警戒
2:シリカに罪悪感
［備考］:浮遊能力が弱体化しています 
----

　時系列順に読む
前：[[青い幸福]] 次：[[ソードフェイク・オフライン 顔晒し編]]

霧雨魔理沙　次：[[]]
橘万里花　次：[[]]
シリカ　&amp;color(red){GAME OVER}    </description>
    <dc:date>2014-05-19T21:51:01+09:00</dc:date>
    <utime>1400503861</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/booksring/pages/27.html">
    <title>青い幸福</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/booksring/pages/27.html</link>
    <description>
      　――どうして、こんなことになってしまったのだろうか。
　真夜中。灯台の梺で、コンクリートの外壁に背中を預け体育座りをする少女は小野寺小咲といった。

　本来、小野寺はこんなところにいるべき人間ではない。
　悪いこともしていなければ、これといって悲惨な過去も持ってはおらず、強いて言うなら幼馴染の少年と少しばかりドラマチックな幼少時代を過ごしたくらいの……絵に描いたような普通の女の子。

　銃なんて物騒なものは持ったこともない。
　人を手にかけるどころか、喧嘩すらまともにしたことがない。
　個性豊かな、けれど間違いなく『恋敵』に相当するだろう友人達と賑やかに日々を過ごし、そういう当たり障りない毎日の先にゴールインの結末が待っていたらいいなと日々夢想しては恥ずかしくなって悶絶する。
　何度も繰り返してきた日常。
　これからもずっと、永遠繰り返されることを心から願っていた毎日。
　
　当たり前の日々がずっと続くことが何より幸せとは陳腐な文句だと思うが、こうして極限の状況下に置かれれば否応なしにそう思わざるを得なくなることを、小野寺は今日初めて知った。
　
　――知りたく、なかった。
　
　自分の足に顔を埋めて、声を殺してそう漏らす。
　最初は夢だと思った。頬を抓ればいつものベッドで目を覚まし、やがて悪夢を見たことすら忘れていくと思っていた。
　でも、覚めない。これは夢だ、こんな小説みたいなことが実際に起きるなんて有り得ない、信じているのに目が覚めない。
　女の子が死んで、次に男の子が文字通り見せしめと言わんばかりに殺された。
　
　ひどいとも思ったし、許せない、と怒りだって確かに覚えた。
　けれどそれよりも、ずっとずっと確かに――『こわい』と感じた。
　
　小野寺小咲は平凡な少女である。
　没個性とまではいかずとも、価値観、倫理観を含め一般人の域を出ることは決してない。
　主催者たる少女に対し憤激を燃やす。
　生きるために殺し合いに乗る。
　力がないなりに皆を纏め、反乱勢力を確立させる……すべて、彼女のような普通の娘には出来ないことだった。

「一条くん……」

　口を衝いて零れ落ちるのは、胸に秘める片思いの相手。
　身勝手で浅ましい考えだと自己嫌悪にすら陥りたくなるが、小野寺とて年頃の女子。
　白馬の王子様宛らに彼が助けに来てくれたらどんなに良いだろうか。
　きっと涙もどこかへ消え去ってしまうに違いない。
　それから二人で、苦労しながらも少しずつ脱出への糸口を見出していって、最後はハッピーエンド。
　失うものは数あったけど、その分も重さを背負って、未来へふたりで――

「っ……！」

　手を抓る。
　途端、痛み以上の嫌悪感が押し寄せてきた。
　――なにを。なんてことを、私はいま考えてしまったのか。
　白馬の王子様と二人で生き残ってハッピーエンドだなんて、自分勝手にも程がある。
　桐崎千棘、橘万里花、鶫誠士郎……大切な三人のクラスメイトを、今確かに自分は蔑ろにしてはいなかったか。
　
　最低だ。悲痛な自嘲と共に、小野寺小咲は掴みかけていた希望の蜘蛛糸を見失う。
　糸を掴み損ねた罪人の末路は決まっている。
　真っ逆さまに墜落して、それまでだ。
　
　小野寺の傍らには、名簿だけを確認したディパックが無造作に投げ捨てられていた。
　思えば、それがまずいけなかったのかもしれない。
　ひとりだけなら、こんなに思い悩むことはなかったろう。
　一条楽を始めとした、本来心を安らがせる筈の友達の名が名簿に刻まれていた時、小野寺の中の何かが切れてしまったのだ。
　重ねて言うが、小野寺は普通の娘だ。
　勇気よりも先に恐怖が先行するような、ごくごく普通の精神（こころ）の持ち主だ。
　だから、すぐに確信した。
　
　――――この殺し合いを、みんなで生き残ることはできない。

　みんないい子だから、殺し合いには乗らないだろう。
　これは分かる。
　しかし、殺し合いに乗らないことと殺し合いを生き抜けることはイコールでは結ばれない。
　正義が必ず勝つなんて道理のない現実。
　一際凡庸な生い立ちの小野寺の算盤は、きっと誰よりも鮮明にそんな結論を弾き出した。
　
　自分はどうすればいいんだろう。
　誰より早く絶望に辿り着いた少女は悩み、惑う。
　答えをくれる友人はいない。
　小野寺小咲はいま――どうしようもなく。どこまでも、ひとりぼっちだった。


「――やあ。良い夜だね、お嬢さん」

　
　そんな孤独に、突如として優雅な声音が踏み入ってきた。
　びくっと身体を震わせ、小野寺が視線を向けた先には柔和な笑顔で微笑みかける礼装の男性。
　顔立ちはかなり端正な方に部類されよう美形だ。
　甘いマスクと言おうか。この面と声で誘惑されれば、靡く女も数ほど居よう。
　小野寺が抱いた第一印象は、どこかの会社の社長さん、というもの。
　整った外見に気障な台詞が嫌味に聞こえない振る舞いは貴族か上流階級のそれに近い。
　
「その様子だと、このパーティーに適応しかねているようだね。まあ無理もない。きっと適応できる『私達』が異常なのだろう」

　彼が何を言いたいのかは、小野寺には理解しかねたが。
　背筋を悪寒が這い回る感覚が彼女を襲っていた。
　今自分は得体の知れないものを前にしているのだと、半ば本能的な直感が告げる。
　――逃げなきゃ。警鐘は喧しいほどに鳴り響いて、もう不気味な夜風の旋律すら耳に届かない。
　かたかたと震える足でどうにか立ち上がり、じりじりと後退りする。
　距離を離しているはずなのに、まるで逃げられている気がしないのはこの際考えてはならないと感じた。
　怖がるだけなら後でも出来る。でも、生きるか死ぬか、結末を変えられる瞬間は今しかない。

「炎髪灼眼のおちびちゃんに探耽求究……私の知る限りではこのくらいだが、君のような人間では太刀打ち出来ない相手がきっとこの会場にはごまんといる。そいつらに比べれば、私は幾分優しい方だと思うよ」
「ッ――」

　気付けば、男の背後にマネキンが立っていた。
　まるでホラー番組の再現ＶＴＲのように、それは自立駆動している。
　数秒の間が空いて。優男が相も変わらず紳士的な面のまま、小野寺小咲へ死刑宣告を突きつけた。

「だから――ひとつ、私が君を殺してあげよう」

　台詞を聞き終える前に、小野寺は走り出していた。
　なりふり構わず、少しくらい躓いたくらいでは足を止めない。
　いやだ、こわい、死にたくない。
　ひどく原始的な思考に突き動かされ、走る、走る。
　だが、そんな鬼ごっこも長くは続かなかった。否、最初から勝負として成立していなかったのだから無理もない。

「あ――」

　首を後ろから捕まれ、引き倒される。
　見下ろすマネキンと、その後方で佇む男性。
　思考が錯乱気味だったとはいえ、結構な距離を駆けた筈なのに汗一つかいていないのはどういうわけか。
　疑問を抱くと同時に小野寺は悟った。
　彼女にだって自分が今この時どうしようもなく詰んでいることは理解できている。
　いや……きっと、もっと前から。
　この男と出会った時点で、自分は終わっていたのだ。
　勝ち目なんて万に一つもない。
　奴自身が口にしたように――真っ当な人間ではどう足掻いても届かない『怪物』が、この世にはどうやら存在するらしい。
　これから死ぬというにしては随分と冷静に。
　藻掻き叫ぶでもなく、ただ静かに瞳から一筋の涙を流して、小野寺小咲は最後の言葉を口にした。

「……だいすきだよ、一条くん」

　そして、小野寺小咲は死んだ。


◇

「……あれ？」

　ぱちりと、地べたに寝転んだ状態で小野寺小咲は目を覚ます。
　起き上がってまずは土埃を払い除け、自分がどうしてこんなところにいるのかを思い出した。
　……いまいち記憶が不確かだったが、此処で今まさに殺し合いのゲームが行われ、自分や友達が参加者として名を連ねていること。すなわち必要最低限の知識だけは頭にあるというわけだ。
　そこにほんの少しだけ安堵して――すぐに、ぶるっ、と身体が震える。
　こわい。全然実感はないけれど、あの女の子の言葉が本当ならとっくのとうに全ては始まっているはず。
　こうしている今もどこかで生命が失われているかもしれない。
　もしかしたら、クラスのみんなや、一条くんも――そこまで考えた時には、もう歩き出していた。
　ダメだ。
　ここでいたずらに止まっていては、必ず後悔することになる。
　どこまでも普通な小野寺に、正義の味方なんて大層なことは出来そうにもなかったけど。

「……無事でいて、みんな……！」

　友達の身を案じ、安否を確認する為に動くことくらいは出来る。
　ディパックに収まっていた小ぶりなナイフを護身用に懐へ仕込んで、おっかなびっくり目指すのはショッピングモール。
　地図を見た限り、この会場で所謂身近な施設は希少だ。
　何か役立つ物品を確保できるかもしれない期待を含め、少し距離は遠いものの行ってみる価値はあると判断する。
　なにか、大切なことを忘れているような気持ち悪さもすっかり忘れて。
　誰よりも普通で、故に誰よりも優しい少女は、バトル・ロワイアルを生き抜こうと決意した。

　きっとその未来には、希望があることだろう。
　彼女の夢想した幸せな未来も、きっと掴めるに違いない。










　―――『紅世の王』に魅入られていなければ、であったが。

「ほんの気紛れだったが……どう転ぶだろうね、彼女は」

　小野寺を木陰から見守っていた礼装の男――『狩人』フリアグネは微笑しその後姿を見送った。
　彼女は確かに死んだ。フリアグネの使役する『燐子』に頚椎を砕かれ、まず間違いなく生命活動を終えた筈だった。
　にも関わらず、彼女は確かに生きて、自分で考え、行動していた。
　何故か。それは至極簡単な話、小野寺小咲は今存在の力のみが残留している人間の代替物、『トーチ』となっているのだ。
　彼女を完全に消滅させなかったのは単なる気紛れ。
　死に際に想い人と思しき名前を口にした時、ふと狩人は彼女を完全には殺さないことを思いついた。
　どの道彼女に先はない。
　トーチとは消えかけの、言ってしまえば残滓のようなものだ。
　遠からぬ内にその存在はかき消え、――人々の記憶から完全に消え去って、最初から『いなかった』ことになる。
　
「泡沫の猶予だ。どう使うも君次第だよ、お嬢さん」

　くつくつと笑い、フリアグネも未だ見ぬ参加者（えもの）を求め踵を返した。
　この後の指針としては、診療所にでも赴いてみるのも悪くないかもしれない。
　怪我人を癒やしに訪れる連中だって居るだろうし、それらを一網打尽に出来たならそれこそ儲け物である。

　紅世の王は未だ健在。
　愛しのマリアンヌの元へ帰るべく、『狩人』は夜闇を馳せる――


【G-7/野原/一日目-深夜】
【小野寺小咲＠ニセコイ】
[状態]：やや記憶混濁、トーチ化
[装備]：詩音のナイフ＠ひぐらしのなく頃に
[道具]：基本支給品、不明支給品１～２
[思考-状況]
基本：殺し合いには反対。一条くん達を探す
１：ショッピングモールへ向かう。
[備考]
※トーチ化しました。２４時間後に消滅し、その存在は最初からいなかったことになります


【フリアグネ＠灼眼のシャナ】
[状態]：健康
[装備]：なし
[道具]：基本支給品、トリガーハッピー＠灼眼のシャナ、ダンスパーティー＠灼眼のシャナ、燐子＠灼眼のシャナ
[思考-状況]
基本：生き残ってこの会場を出る。
１：診療所へ向かい、参加者を減らしていく
２：フレイムヘイズや探耽求究については特に考えていないが、自分の知らない異能者には最大限警戒。
[備考]
※封絶の発動が出来ません。


◆

「行ったか」

　灯台の最上階。
　窓枠にスコープの付いた狙撃銃・ワルサーWA2000をあてがい二人の参加者を監視していた黒衣の男が小さく呟く。
　一先ず二人共去ったことで、此方から追いでもしない限り当分再会は有り得ないだろう。
　殺し合いの中で戦死しない限りは直接手を下すことになろう相手だが、今は様子見に徹さざるを得なかった。
　あれらが真の意味で一般人だったならば二発きっかりで殺害できたものの、生憎とそうではなかったのだ。

「あの男……危険だな。魔術師か、それとも魍魎の類か」

　人形を操る程度の事なら、一定以上の技量を持った魔術師にすれば造作もない。
　だがそれに加え、奴は一度抹殺した筈の少女を蘇らせ、何を思ったかもう一度野に放ったではないか。
　理解の出来ない行動だったが、何らかの細工を施した可能性を考慮はしておくべきだろう。
　直接人数を減らすことこそ叶わなかったものの、片鱗とはいえ能力を確認できただけでも御の字だ。
　そして幸い、あの手の輩は確実に自分にとって相性が良い。
　かのロード・エルメロイほど嵌めやすいかは兎も角、首尾よく事が運んだ暁には確実に狩れると断言しよう。
　僅かな不便さを感じるのは、側に相棒たる存在……久宇舞弥の姿がないからか。
　あの騎士王は、また訳の分からない精神論を説いて正義を気取っているのだろう。
　この際期待は最初からしない。どの道、頼るつもりもなかった。
　衛宮切嗣は、殺し合いに乗っている。
　彼は正義の味方を志す青年だ。
　争いの根絶された世界を目指し、万能の願望器を求めた。
　故に、こんなところで荼毘に臥す訳にはいかない。
　どんな手段を使ってでも、何を犠牲にしてでも――必ず生還する必要がある。

「…………」

　不可解なことが幾つかあるのが、気掛かりではあるが。
　切嗣は手元の[[参加者名簿]]に視線を落とし、眉を顰めた。
　『アーチャー』と『ギルガメッシュ』。
　この記述がまず意味不明。ギルガメッシュはアーチャーのサーヴァントであり、わざわざこうして分ける必要性は皆無だ。この書き方では、さももう一人アーチャークラスに該当するサーヴァントが召喚されているかのようだが……現状、衛宮切嗣にそれを知る術はない。そこについては今後、念入りに調査していかねばなるまい。
　……そして。

「衛宮、士郎――貴様は、何者だ？」

　自分のすぐ隣に刻まれた、四文字の名前。
　それの意味するところだけが、切嗣にはどうしても理解できなかった。　


【G-8/灯台/一日目-深夜】
【衛宮切嗣＠Fate】
[状態]：健康、疑念
[装備]：ワルサーWA2000＠Fate、トンプソン・コンテンダー＠Fate、起源弾＠Fate
[道具]：基本支給品
[思考-状況]
基本：殺し合いに優勝する
１：表には出ず潜伏を続ける。遠距離からの狙撃と起源弾による必殺をメインの戦略とする。
２：衛宮士郎、そして『アーチャー』に強い警戒。
[備考]
※参戦時期は四巻終了後です


----

　時系列順に読む
前：[[セイギノミカタ]] 次：[[君のためなら殺せる！]]

衛宮切嗣　次：[[]]
フリアグネ　次：[[]]
小野寺小咲　次：[[]]    </description>
    <dc:date>2014-05-19T21:48:00+09:00</dc:date>
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