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新人指導のすすめ(ビョーク) - (2013/06/08 (土) 00:15:27) の最新版との変更点

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<h3>まずはじめに</h3> <p> 私は新人さんと戦うことが好きだ。そして、新人さんにアドバイスをし、稽古をつけ、そして、その新人さんが上手くなっていく様子を観察することが好きだ。そのせいか、見慣れない名前のプレイヤーがbotや他の常連さんと戦っているのをスパーログで確認し、喜び勇んでスパ天に入室したものの、お目当てのプレイヤーは既に退出済みで待っているのはbotだけという無慈悲な現実に天を仰ぐことも度々である。さらにヒマな時は、スパ天に入りっぱなしになり、まだ見ぬ若き(?)才能を求めて網を張ることもある。(もはやストーカーの域w)</p> <p> さて、そんなストーカーまがいのこともしつつ戦いを繰り広げた、新人さんの人数(半引退状態から復帰した今年の1月からの人数。その前からの人数はセーブデータ消滅のため数えられずw)を数えてみると、約55人といったところだった。(1年ごとに換算すると約130人ペース)ここまで新人さんと戦うプレーヤーは、さすがにスパ天広しと言えどもそうそういないだろうと自負している。(「スパ天一の新人マニア」と名乗ってもいいんじゃないかとたまに思ったりしますが、「お前なんかよりもっと新人と戦っとるわ!」という方がいましたら名乗りでていただけると嬉しいですw)</p> <p> そうして戦ってきた新人さんの中には、実ボクの楽しさに目覚め、常連になってくれた人もいれば、スパ天のレベルの高さや雰囲気に馴染めず、いわゆる「bot専」(botとばかり戦っている人のことを私はそう呼ぶことにしている。)になってしまった人もいる。また、勝利の味を知らないまま心が折れて引退してしまった人や、これはごくわずかだが、他のネトゲ等の流儀をそのまま持ち込んで傍若無人を働き、出入り禁止になった不届き者もいる。このようにスパ天には様々な人が訪れるわけだが、そういった人たちと戦うことで感じたこと、考えたことは多くある。その考えたことをおぼろげながらでも形に残すため、このコラムを書かせていただくことにした。もしかしたら、攻略という側面とはあまり結びつかないかもしれないが、新人指導に興味のある方はここから先も読んでいただけると幸いである。</p> <p> </p> <h3>新人さんと戦う意味</h3> <p> 「新人って弱い奴ばっかだし、そんな奴らとスパーしたって意味ないだろ」と思う人ももしかしたらいるかもしれないが、そういう考え方は大間違いであるとあらかじめ言っておきたい。理由はいくつかあるので、以下に箇条書きでまとめておく。</p> <ol><li><strong>「新人には負けられない」というプレッシャーの中戦うことになり、メンタル面が鍛えられる。</strong></li> <li> <strong>予備情報のない初見の相手と戦うことになるので、観察力・アドリブ力が鍛えられ、ディフェンスの重要性も再認識できる。</strong></li> <li><strong>新人さんにアドバイスを行なっていく中で、システム・技術・戦術等への理解が深まる。</strong></li> <li><strong>スパ天の裾野が広がり、スパ天全体のレベルアップにつながる。</strong></li> </ol><p>そして、それぞれの理由について、私なりの考えを書いていきたい。</p> <h4>1.について</h4> <p> これに関しては、常連としてのプライドの問題だと思うし、レベルランキングの問題(新人さんはLv.1かそれに準じるレベル。そしてそんな相手にKO負けしたときに起こることは、これを読んでいる常連の皆様ならすぐお分かりいただけるだろう。)でもある。特に、タイトル挑戦圏内ギリギリの順位のプレーヤーからしてみれば、KO負けでのレベルの大幅ダウンはなんとしても避けなければならない。初見の新人さんと戦うということは、多かれ少なかれそういうプレッシャーと戦うことでもあるから、決して楽なことではないのである。(そして、「しめしめ、新人だ、カモに出来るぞ」といった驕り高ぶった考えを持っている時ほど、新人さんにしてやられるのである。)</p> <h4>2.について</h4> <p> 新人さんとは文字通り「新しく来た人」であるから、予備情報は全くない相手である。つまり、何をしてくるのかわからないということである。そういう相手に勝つには、守りを固め、相手のスタイルをきちんと観察することが必要となる。また、新人さんは、言い方が悪いかもしれないが、「何も考えずに」動いたり、パンチを打ってきたりすることが往々にある。そのことに由来するスタイルは一見厄介に見えるかもしれないし、実際よくわからないタイミングでパンチを食らってピンチに陥ることも多々あるかもしれない。しかし、そういうピンチでもパニックに陥ることなく落ち着いて対処すれば、しっかり勝てるケースが大半である。(いわゆる「初見殺し」というやつである。)また、そういった状況に対し、今までの経験や積み重ねてきた技術をもとに突破口を開いていく経験は、スパ天のトッププレーヤーと戦って素晴らしいテクニックを味わう経験に匹敵する「修行」の1つだと私は考えている。だから、私は初見の相手となるべく多く戦うようにしているのである。</p> <h4>3.について</h4> <p> 新人さんと戦っているうちに、「どうすれば強くなれますか?」と聞かれることも多々あるだろう。そのとき、説得力のあるアドバイスをするには、実ボクのシステム・技術・戦術への理解は不可欠となる。(「みんなこうしているからこうしろ」では説得力は正直ないと思う。)また、新人さんの質問にうまく答えられなくて調べているうちに実ボクの知識がついて、実戦に生かせることもあるかもしれない。教え合うことでお互いレベルアップできるのである。</p> <h4>4.について</h4> <p> どんな世界でも、若い才能や新しい人が来なければ進歩はないし、それどころか衰退を迎えていくことになる。実ボクも一緒で、新たなユーザーを発掘し、スパ天に定着させるための努力を続けなければ、進歩発展はない。また、どんな常連の方も、最初のうちはスパ天で苦しみ、先達の指導を受けているはずである。常連同士でワイワイ戦って楽しむのももちろん大事なことだが、先達から指導を受けた経験や今のスパ天の良い所を新たな世代にも受け継いでいくことも、常連の使命ではないだろうか。そして、成長した新人さんが新たなアイデアを出したり、新たな戦術を考案したりようになれば、実ボクの世界はもっと豊かになり、スパ天での戦いももっとハイレベルなものになるのではないだろうか。</p> <p> </p> <h3>まず、マナーについて</h3> <p> ここの常連さんなら知っていると思うが、実ボク、そしてスパ天には「西沢ボクシングジムの延長線上」という側面がある。それが、スパ天で挨拶やマナーが重要視される理由の1つであると私は考えている。(ボクシングジムにいる時、何も言わずにリングに上がるか?スパーに付き合ってくれた相手に何も言わなかったり、暴言を吐いたりするか?何も言わずに家に帰ろうとするか?そういうところは、ボクシングの強さ以前の問題。)また、私自身の考えとしても、「スパ天がジムの延長なら、『実ボクそのものが弱くてもいい、紳士的であれ』という考えもあっていいし、そういう方向で指導するというのもアリなんじゃないか」という所もある。</p> <p> そのため、入室時・スパー終了後・退室時の挨拶や態度について「おかしいな」と思ったら、ごく早い段階で指導するべきであり、それに対し何度言っても従わないようなら掲示板およびメールでの報告もやむを得ないと思う。</p> <p> </p> <h3>新人さんあるある</h3> <p> 2つ前の項で、「新人さんは何をしてくるかわからない」と書いたが、高い確率で共通する特徴はいくつか存在する。そういった特徴を頭の片隅に留めておくと、比較的楽に戦えるだろう。(ただし、ほとんど当てはまらないケースもあるので過信は禁物)</p> <h4>①アッパーやBフックを振り回してくる</h4> <p style="margin-left:40px;"> 大昔に書いた、「ビョークのスパ天講座」(近日改訂予定)でも軽く触れた所だが、たいていの新人さんは何の脈絡もなくアッパーやBフックを打ちまくってくる。そのため、この2つを最初から警戒しておけば、カウンターで仕留めるなり、空振りさせてスタミナを奪うなりして、有利に戦うことが出来るだろう。</p> <h4>②パンチの当たる間合いでガードを空ける(または、ジャブの打ち終わりのガードが出来ていない)</h4> <p style="margin-left:40px;"> 動くこと、攻めることに夢中になりすぎて、ストレートやジャブが当たる間合いでも平気でガードを開けていることが多い。また、ジャブの刺し合いに慣れていない段階では、ジャブをむやみやたらに連打するだけで、打ち終わりのガードがいい加減な場合もある。新人さんと戦う時は引いて守るのが基本だが、そういう時は踏み込みストレートや飛び込みフックを打ち込むのも悪くないだろう。</p> <h4>③ペース配分が出来ていない(その結果、へロストも平気で打つ)</h4> <p style="margin-left:40px;"> ①,②(特に後半)にも少しつながっている所だが、疲労ゲージにあっさり蓄積ダメージを作る新人さんは本当に多い。また、疲労が溜まっているのにストレートを打って、へロストを出してしまうケースもかなりある。そこは相手のミスなので、カウンターは苦手とか言わずにきっちりカウンターを合わせてあげよう。(ヘロストは、ガードに届くまでの時間はかなり長いので、ガード出来れば余裕を持って打てるはず)</p> <p> </p> <h3>私の指導方針</h3> <p> ここからは私の新人指導についての基本的な考え方について述べていきたい。(ただし、マナー面に関しては2つ前の項で書いたので、主に技術面について)各プレーヤーのボクシング観もいろいろあると思うので、いろいろなアプローチの仕方があると思うが、そのアプローチの仕方を考える参考になれば幸いである。</p> <h4>①聞かれない限り教えない</h4> <p style="margin-left:40px;"> 「え?」と思う方もいるかもしれないが、最初から手取り足取り教えるよりは、まず最初に壁にぶち当たってもらって、聞く必要を感じて聞いてもらったほうが身につくかな、という私自身の考えからである。(あと、相手が求めてないのにアドバイスしても、ウザがられて終わるだけな可能性があるし、何より「新人だから教えてもらって当然」みたいな考えが生まれてしまうのが正直怖い。ただし、マナー面に関しては、気づいた時点で有無を言わさず叩きこむようにしている。)</p> <p style="margin-left:40px;"> 具体的には、新人さんが「強い…。」とか「勝てる気しねぇ…。」とか、チャットで発言した時初めて、アドバイスをするようにしている。(要するに、「どうすればいいですか?」と直接言ってくれた時だけではなくて、相手が弱音を吐いた時が教え時かな、と。なので、私としてはチャットでどんどん感想を言ってくれる人の方が教えやすかったりするし、そういう新人さんが増えてくれればすごくありがたい♪)</p> <h4>②守備構築とペース配分の確立が最優先</h4> <p style="margin-left:40px;"> どちらかというと私自身はアタッカーだと思っているが、攻めというのは最低限の防御があってこそ出来ることだと考えている。そのため、新人さんにはなるべく「つまらないけど負けないスタイル」を教えるようにしている。(それが最近、顔面中心のアタッカータイプが激減した理由の1つなのかもしれないがw)</p> <p style="margin-left:40px;"> 具体的な内容としては、「アッパーやBフックは自分から打つな、ジャブとストレートを中心に攻めろ」、「ストレートが当たる間合いからしっかりガード上げろ」、「ジャブを打った後の防御動作をしっかりやれ」、「スタミナは半分以上残せ」、「ボディは早めに腹筋でケアしろ」などといった感じである。(攻撃面に関しては、フック削りやアッパーに対するストレートカウンターがメインかな?)とにかく、最低限のディフェンスとペース配分を構築してスタートラインに立たせることを最優先にしている。(戦術的には、引いて守ってカウンター一閃のいわゆる「つまらない」ボクシングだが、技術面で課題の多い新人さんでもそれなりに戦えるスタイルはこれかなと。で、それなりに勝てるようになった時にこのスタイルの限界に気づいて、自分からの攻め方をいろいろ研究するようになれば理想。)</p> <p style="margin-left:40px;"> なお、これは余談だが、距離を調節しながらガード主体で守り、強打には正確にストレートカウンターを合わせるという、オリンピックさんの堅守のスタイルは、新人さんにとって最高のお手本だと思っている。もし新人さんで、オリンピックさんとスパー出来る機会があったら、リプレイを全部保存して動き方を何度も見て研究すると良いだろう。</p> <h4> ③スパーする時は基本的に赤グラブを使う</h4> <p style="margin-left:40px;"> 新人さんはたいていフリー版から入るので、赤グラブしか使えないケースが多い。そのため、新人さんがマネできるよう、新人さんとやる時は、基本的に赤グラブを使うようにしている。ただし、新人さんと最後にスパーする時は普段使っている白グラブを使って、「スパ天の猛者のレベル」をちょっとだけ見せるようにしている。(そういう未来の目標みたいなものを見せといたほうが、モチベーションになるかなと。)また、新人さんが100スパー達成した場合、または実力で私に1勝した場合(わかりづらい基準だが、ラッキーパンチ連発での勝利じゃなくて、狙いを感じさせるボクシングで勝ってくれた時といった感じかな?)は見習い卒業ということで、常連さん相手の時と同様、白を使ってスパーすることにしている。</p> <h4> ④良かった所に関しては褒める</h4> <p style="margin-left:40px;"> 叩きのめされ、注意されるばかりでは新人さんの心が折れてしまう。狙いの良かった攻撃(当たっても当たらなくても)や必死のディフェンス、そして最後まで諦めずに戦う姿勢、そういう所はきちんと覚えておいてスパーの後にどんどん褒めるようにすると良いだろう。どんな人も褒められればやっぱり嬉しいはずだし、褒められたことは次の機会へのモチベーションにつながると、私は信じている。</p> <h3>あとがき(っぽいもの)</h3> <p>硬い書き方を続けるのもさすがに疲れるので、ここからは話し言葉で書きます。(笑)</p> <p> 始めに書いた通り、僕は新人さんとスパーするのが大好きです。初めのうちはブンブン丸だった新人さんが、カウンターやボディアタックで叩きのめされるうちに、少しずつジャブワークやディフェンスの重要性を理解していく過程を見るのが大好きです。僕や他の常連さんに勝つためにいろいろ考えて、自分なりのフェイントやコンビネーションを磨いたり、カウンターを狙うようになったりするのを見るのが大好きです。そして、その新人さんが工夫した技を食らって負け、「してやられた!」と思う瞬間が大好きです。(もっとも、その後は「出る杭は打ってしまえ」と言わんばかりに、その新人さんを叩き潰すための方策を練る訳ですがw)さらに、その新人さんがいつしか常連の仲間入りをして、大会の上位争いやタイトル争いに参加するようになるのを見るのが大好きです。</p> <p> ただ悲しいかな、2回3回負けて心が折れ、そのままbot専もしくは引退ということになってしまう新人さん、マナーがなっておらずトラブルを起こしてしまう新人さんというのが多くいるのも事実です。そういう新人さんを1人でも減らし、常連になってもらうために、我々常連は何が出来るか。その問いへの答えの1つとして、「新人さんとできるだけ多くスパーして、いろいろ教え合う風土を作る」ということがあるかな、と。教え合う内容に関しては、人によって、様々なボクシング観(というか、実ボク観?)があると思うのでまちまちだと思いますが、このコラムが「新人さんに何を伝えていくか」ということについて考えるきっかけになってくれればこれ程嬉しいことはありません。それでは、駄文乱文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。</p>
<h3>まずはじめに</h3> <p> 私は新人さんと戦うことが好きだ。そして、新人さんにアドバイスをし、稽古をつけ、そして、その新人さんが上手くなっていく様子を観察することが好きだ。そのせいか、見慣れない名前のプレイヤーがbotや他の常連さんと戦っているのをスパーログで確認し、喜び勇んでスパ天に入室したものの、お目当てのプレイヤーは既に退出済みで待っているのはbotだけという無慈悲な現実に天を仰ぐことも度々である。さらにヒマな時は、スパ天に入りっぱなしになり、まだ見ぬ若き(?)才能を求めて網を張ることもある。(もはやストーカーの域w)</p> <p> さて、そんなストーカーまがいのこともしつつ戦いを繰り広げた、新人さんの人数(半引退状態から復帰した今年の1月からの人数。その前からの人数はセーブデータ消滅のため数えられずw)を数えてみると、約55人といったところだった。(1年ごとに換算すると約130人ペース)ここまで新人さんと戦うプレーヤーは、さすがにスパ天広しと言えどもそうそういないだろうと自負している。(「スパ天一の新人マニア」と名乗ってもいいんじゃないかとたまに思ったりしますが、「お前なんかよりもっと新人と戦っとるわ!」という方がいましたら名乗りでていただけると嬉しいですw)</p> <p> そうして戦ってきた新人さんの中には、実ボクの楽しさに目覚め、常連になってくれた人もいれば、スパ天のレベルの高さや雰囲気に馴染めず、いわゆる「bot専」(botとばかり戦っている人のことを私はそう呼ぶことにしている。)になってしまった人もいる。また、勝利の味を知らないまま心が折れて引退してしまった人や、これはごくわずかだが、他のネトゲ等の流儀をそのまま持ち込んで傍若無人を働き、出入り禁止になった不届き者もいる。このようにスパ天には様々な人が訪れるわけだが、そういった人たちと戦うことで感じたこと、考えたことは多くある。その考えたことをおぼろげながらでも形に残すため、このコラムを書かせていただくことにした。もしかしたら、攻略という側面とはあまり結びつかないかもしれないが、新人指導に興味のある方はここから先も読んでいただけると幸いである。</p> <p> </p> <h3>新人さんと戦う意味</h3> <p> 「新人って弱い奴ばっかだし、そんな奴らとスパーしたって意味ないだろ」と思う人ももしかしたらいるかもしれないが、そういう考え方は大間違いであるとあらかじめ言っておきたい。理由はいくつかあるので、以下に箇条書きでまとめておく。</p> <ol><li><strong>「新人には負けられない」というプレッシャーの中戦うことになり、メンタル面が鍛えられる。</strong></li> <li> <strong>予備情報のない初見の相手と戦うことになるので、観察力・アドリブ力が鍛えられ、ディフェンスの重要性も再認識できる。</strong></li> <li><strong>新人さんにアドバイスを行なっていく中で、システム・技術・戦術等への理解が深まる。</strong></li> <li><strong>スパ天の裾野が広がり、スパ天全体のレベルアップにつながる。</strong></li> </ol><p>そして、それぞれの理由について、私なりの考えを書いていきたい。</p> <h4>1.について</h4> <p> これに関しては、常連としてのプライドの問題だと思うし、レベルランキングの問題(新人さんはLv.1かそれに準じるレベル。そしてそんな相手にKO負けしたときに起こることは、これを読んでいる常連の皆様ならすぐお分かりいただけるだろう。)でもある。特に、タイトル挑戦圏内ギリギリの順位のプレーヤーからしてみれば、KO負けでのレベルの大幅ダウンはなんとしても避けなければならない。初見の新人さんと戦うということは、多かれ少なかれそういうプレッシャーと戦うことでもあるから、決して楽なことではないのである。(そして、「しめしめ、新人だ、カモに出来るぞ」といった驕り高ぶった考えを持っている時ほど、新人さんにしてやられるのである。)</p> <h4>2.について</h4> <p> 新人さんとは文字通り「新しく来た人」であるから、予備情報は全くない相手である。つまり、何をしてくるのかわからないということである。そういう相手に勝つには、守りを固め、相手のスタイルをきちんと観察することが必要となる。また、新人さんは、言い方が悪いかもしれないが、「何も考えずに」動いたり、パンチを打ってきたりすることが往々にある。そのことに由来するスタイルは一見厄介に見えるかもしれないし、実際よくわからないタイミングでパンチを食らってピンチに陥ることも多々あるかもしれない。しかし、そういうピンチでもパニックに陥ることなく落ち着いて対処すれば、しっかり勝てるケースが大半である。(いわゆる「初見殺し」というやつである。)また、そういった状況に対し、今までの経験や積み重ねてきた技術をもとに突破口を開いていく経験は、スパ天のトッププレーヤーと戦って素晴らしいテクニックを味わう経験に匹敵する「修行」の1つだと私は考えている。だから、私は初見の相手となるべく多く戦うようにしているのである。</p> <h4>3.について</h4> <p> 新人さんと戦っているうちに、「どうすれば強くなれますか?」と聞かれることも多々あるだろう。そのとき、説得力のあるアドバイスをするには、実ボクのシステム・技術・戦術への理解は不可欠となる。(「みんなこうしているからこうしろ」では説得力は正直ないと思う。)また、新人さんの質問にうまく答えられなくて調べているうちに実ボクの知識がついて、実戦に生かせることもあるかもしれない。教え合うことでお互いレベルアップできるのである。</p> <h4>4.について</h4> <p> どんな世界でも、若い才能や新しい人が来なければ進歩はないし、それどころか衰退を迎えていくことになる。実ボクも一緒で、新たなユーザーを発掘し、スパ天に定着させるための努力を続けなければ、進歩発展はない。また、どんな常連の方も、最初のうちはスパ天で苦しみ、先達の指導を受けているはずである。常連同士でワイワイ戦って楽しむのももちろん大事なことだが、先達から指導を受けた経験や今のスパ天の良い所を新たな世代にも受け継いでいくことも、常連の使命ではないだろうか。そして、成長した新人さんが新たなアイデアを出したり、新たな戦術を考案したりようになれば、実ボクの世界はもっと豊かになり、スパ天での戦いももっとハイレベルなものになるのではないだろうか。</p> <p> </p> <h3>まず、マナーについて</h3> <p> ここの常連さんなら知っていると思うが、実ボク、そしてスパ天には「西沢ボクシングジムの延長線上」という側面がある。それが、スパ天で挨拶やマナーが重要視される理由の1つであると私は考えている。(ボクシングジムにいる時、何も言わずにリングに上がるか?スパーに付き合ってくれた相手に何も言わなかったり、暴言を吐いたりするか?何も言わずに家に帰ろうとするか?そういうところは、ボクシングの強さ以前の問題。)また、私自身の考えとしても、「スパ天がジムの延長なら、『実ボクそのものが弱くてもいい、紳士的であれ』という考えもあっていいし、そういう方向で指導するというのもアリなんじゃないか」という所もある。</p> <p> そのため、入室時・スパー終了後・退室時の挨拶や態度について「おかしいな」と思ったら、ごく早い段階で指導するべきであり、それに対し何度言っても従わないようなら掲示板およびメールでの報告もやむを得ないと思う。</p> <p> </p> <h3>新人さんあるある</h3> <p> 2つ前の項で、「新人さんは何をしてくるかわからない」と書いたが、高い確率で共通する特徴はいくつか存在する。そういった特徴を頭の片隅に留めておくと、比較的楽に戦えるだろう。(ただし、ほとんど当てはまらないケースもあるので過信は禁物)</p> <h4>①アッパーやBフックを振り回してくる</h4> <p style="margin-left:40px;"> 大昔に書いた、「ビョークのスパ天講座」(近日改訂予定)でも軽く触れた所だが、たいていの新人さんは何の脈絡もなくアッパーやBフックを打ちまくってくる。そのため、この2つを最初から警戒しておけば、カウンターで仕留めるなり、空振りさせてスタミナを奪うなりして、有利に戦うことが出来るだろう。</p> <h4>②パンチの当たる間合いでガードを空ける(または、ジャブの打ち終わりのガードが出来ていない)</h4> <p style="margin-left:40px;"> 動くこと、攻めることに夢中になりすぎて、ストレートやジャブが当たる間合いでも平気でガードを開けていることが多い。また、ジャブの刺し合いに慣れていない段階では、ジャブをむやみやたらに連打するだけで、打ち終わりのガードがいい加減な場合もある。新人さんと戦う時は引いて守るのが基本だが、そういう時は踏み込みストレートや飛び込みフックを打ち込むのも悪くないだろう。</p> <h4>③ペース配分が出来ていない(その結果、へロストも平気で打つ)</h4> <p style="margin-left:40px;"> ①,②(特に後半)にも少しつながっている所だが、疲労ゲージにあっさり蓄積ダメージを作る新人さんは本当に多い。また、疲労が溜まっているのにストレートを打って、へロストを出してしまうケースもかなりある。そこは相手のミスなので、カウンターは苦手とか言わずにきっちりカウンターを合わせてあげよう。(ヘロストは、ガードに届くまでの時間はかなり長いので、ガード出来れば余裕を持って打てるはず)</p> <p> </p> <h3>私の指導方針</h3> <p> ここからは私の新人指導についての基本的な考え方について述べていきたい。(ただし、マナー面に関しては2つ前の項で書いたので、主に技術面について)各プレーヤーのボクシング観もいろいろあると思うので、いろいろなアプローチの仕方があると思うが、そのアプローチの仕方を考える参考になれば幸いである。</p> <h4>①聞かれない限り教えない</h4> <p style="margin-left:40px;"> 「え?」と思う方もいるかもしれないが、最初から手取り足取り教えるよりは、まず最初に壁にぶち当たってもらって、聞く必要を感じて聞いてもらったほうが身につくかな、という私自身の考えからである。(あと、相手が求めてないのにアドバイスしても、ウザがられて終わるだけな可能性があるし、何より「新人だから教えてもらって当然」みたいな考えが生まれてしまうのが正直怖い。ただし、マナー面に関しては、気づいた時点で有無を言わさず叩きこむようにしている。)</p> <p style="margin-left:40px;"> 具体的には、新人さんが「強い…。」とか「勝てる気しねぇ…。」とか、チャットで発言した時初めて、アドバイスをするようにしている。(要するに、「どうすればいいですか?」と直接言ってくれた時だけではなくて、相手が弱音を吐いた時が教え時かな、と。なので、私としてはチャットでどんどん感想を言ってくれる人の方が教えやすかったりするし、そういう新人さんが増えてくれればすごくありがたい♪)</p> <h4>②守備構築とペース配分の確立が最優先</h4> <p style="margin-left:40px;"> どちらかというと私自身はアタッカーだと思っているが、攻めというのは最低限の防御があってこそ出来ることだと考えている。そのため、新人さんにはなるべく「つまらないけど負けないスタイル」を教えるようにしている。(それが最近、顔面中心のアタッカータイプが激減した理由の1つなのかもしれないがw)</p> <p style="margin-left:40px;"> 具体的な内容としては、「アッパーやBフックは自分から打つな、ジャブとストレートを中心に攻めろ」、「ストレートが当たる間合いからしっかりガード上げろ」、「ジャブを打った後の防御動作をしっかりやれ」、「スタミナは半分以上残せ」、「ボディは早めに腹筋でケアしろ」などといった感じである。(攻撃面に関しては、フック削りやアッパーに対するストレートカウンターがメインかな?)とにかく、最低限のディフェンスとペース配分を構築してスタートラインに立たせることを最優先にしている。(戦術的には、引いて守ってカウンター一閃のいわゆる「つまらない」ボクシングだが、技術面で課題の多い新人さんでもそれなりに戦えるスタイルはこれかなと。で、それなりに勝てるようになった時にこのスタイルの限界に気づいて、自分からの攻め方をいろいろ研究するようになれば理想。)</p> <p style="margin-left:40px;"> なお、これは余談だが、距離を調節しながらガード主体で守り、強打には正確にストレートカウンターを合わせるという、オリンピックさんの堅守のスタイルは、新人さんにとって最高のお手本だと思っている。もし新人さんで、オリンピックさんとスパー出来る機会があったら、リプレイを全部保存して動き方を何度も見て研究すると良いだろう。</p> <h4> ③スパーする時は基本的に赤グラブを使う</h4> <p style="margin-left:40px;"> 新人さんはたいていフリー版から入るので、赤グラブしか使えないケースが多い。そのため、新人さんがマネできるよう、新人さんとやる時は、基本的に赤グラブを使うようにしている。ただし、新人さんと最後にスパーする時は普段使っている白グラブを使って、「スパ天の猛者のレベル」をちょっとだけ見せるようにしている。(そういう未来の目標みたいなものを見せといたほうが、モチベーションになるかなと。)また、新人さんが100スパー達成した場合、または実力で私に1勝した場合(わかりづらい基準だが、ラッキーパンチ連発での勝利じゃなくて、狙いを感じさせるボクシングで勝ってくれた時といった感じかな?)は見習い卒業ということで、常連さん相手の時と同様、白を使ってスパーすることにしている。</p> <h4> ④良かった所やチャレンジする姿勢に関しては褒める</h4> <p style="margin-left:40px;"> 叩きのめされ、注意されるばかりでは新人さんの心が折れてしまう。狙いの良かった攻撃(当たっても当たらなくても)や必死のディフェンス、そして最後まで諦めずに戦う姿勢、そういう所はきちんと覚えておいてスパーの後にどんどん褒めるようにすると良いだろう。どんな人も褒められればやっぱり嬉しいはずだし、褒められたことは次の機会へのモチベーションにつながると、私は信じている。また、新人時代というのはいろいろ試して覚える時期だと思うので、スパー中に「何か試しているな」と思ったら、どんどんそのチャレンジを褒めるようにしたい。(技術的なアドバイスも忘れずに)…まぁ、こういう「良かった探し」や「褒める」というところが一番難しいのだが。(汗)</p> <p style="margin-left:40px;"> </p> <h3>あとがき(っぽいもの)</h3> <p>硬い書き方を続けるのもさすがに疲れるので、ここからは話し言葉で書きます。(笑)</p> <p> 始めに書いた通り、僕は新人さんとスパーするのが大好きです。初めのうちはブンブン丸だった新人さんが、カウンターやボディアタックで叩きのめされるうちに、少しずつジャブワークやディフェンスの重要性を理解していく過程を見るのが大好きです。僕や他の常連さんに勝つためにいろいろ考えて、自分なりのフェイントやコンビネーションを磨いたり、カウンターを狙うようになったりするのを見るのが大好きです。そして、その新人さんが工夫した技を食らって負け、「してやられた!」と思う瞬間が大好きです。(もっとも、その後は「出る杭は打ってしまえ」と言わんばかりに、その新人さんを叩き潰すための方策を練る訳ですがw)さらに、その新人さんがいつしか常連の仲間入りをして、大会の上位争いやタイトル争いに参加するようになるのを見るのが大好きです。</p> <p> ただ悲しいかな、2回3回負けて心が折れ、そのままbot専もしくは引退ということになってしまう新人さん、マナーがなっておらずトラブルを起こしてしまう新人さんというのが多くいるのも事実です。そういう新人さんを1人でも減らし、常連になってもらうために、我々常連は何が出来るか。その問いへの答えの1つとして、「新人さんとできるだけ多くスパーして、いろいろ教え合う風土を作る」ということがあるかな、と。教え合う内容に関しては、人によって、様々なボクシング観(というか、実ボク観?)があると思うのでまちまちだと思いますが、このコラムから僕の新人さんへの愛が伝わり(まぁそれはどうでもいいかw)、そして、このコラムが「新人さんに何を伝えていくか」ということについて考えるきっかけになってくれればこれ程嬉しいことはありません。それでは、駄文乱文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。</p>

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