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    <title>世紀末バトルロワイアル</title>
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    <description>世紀末バトルロワイアル</description>

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    <title>WATCHER</title>
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    <description>
      　

夜にとけ込みそうで、少し目立つ真っ赤なスーツ。
相反するように夜に輝く真っ白な銀髪。
透けているはずなのに、奥の目を見ることが出来ないように感じるメガネ。
彼の身を縛り付け、そして動かすのに欠かせない車椅子。
ある一人の少年の運命を変えたとも言える、伝説の大破壊を生き延びた男は、ゆっくりと夜空を見上げる。
「……大胆な策に、出たな」
誰もいない空に向かい、男は呟く。
この殺し合いを開いた男、ルイ・サイファー。
何を企んでいるのかを察するのは、そこまで難しいことではない。
しかし、予想が当たっているとすれば。
ルイはなぜこんな七面倒なことをしているのか、それが分からなかった。
そう、こんな殺し合いを開く力があるのならば。
彼の望みなど、一瞬で叶えられるであろうに。
「何かがある、と見た方が良さそうだね」
ただの余興ではない、真の目的が何かある。
ルイという男は、愚かではない。
こんな酔狂なマネをするほどの、何かが必ずある。
それを、彼は知っているからだ。
「……しかし、まあ、分かったところで」
そこまで言ったところで、言葉に詰まる。
男には戦う力など、微塵もない。
椅子から動かなくても魔法が放てるという訳でもない。
腕を振るうだけで空間を断裂できる訳でもない。
見てくれ通り、ただの車いすの男。
戦うことはおろか、自由に動くことさえままならない。
それは、揺るぎようのない事実。
「&quot;彼&quot;を見届けた先の世界も気になってはいたけれど、ね」
ある意味、彼が運命を託したと言っても過言ではない一人の少年。
彼は何に頼るでもない純粋な破壊の道を、選んだ。
神も、魔王も、全てを破壊した。
存在を超越した存在、と言ってもいいだろう。
彼がこの場にいるかどうかは分からないが、いるならいるで、また何かしら選択をするのだろう。
「……今度は、&quot;人々&quot;を見ることにしようか」
だから、今度はフォーカスを絞らない。
この殺し合いという一見意味のないように見える儀式の犠牲者たちが、どう選択していくのか。
「殺し合いという理不尽な暴力の中で、彼らはどう動くのか」
かつて、一人の少年が己の道を自分で選んだように。
この場にいるたくさんの存在もまた、道を選ぶのだろう。
一つの道ではなく、複数の道の行く先、今度はそれを見届けることにした。

「……それまで、これでもいじって待っていることにしよう」

そうして、取り出したのは一台のハンドベルトコンピュータ。
かつて彼が一人の少年に託し、そしてその少年が世界を破壊するのに使った&quot;神器&quot;とも呼べる装置。
これが手元に回ってくると言うのは、何の因果か。
フッ、と笑いながら、カチャカチャと器用にコンピュータをいじっていく。
今度は、誰がこれを使って&quot;選択&quot;するのか。

それは、誰も分からない。

【中央区/一日目・深夜】
【車椅子の男＠真・女神転生】
[状態]：健康
[装備]：車椅子＠真・女神転生、ハンドベルトコンピュータ＠真・女神転生、工具一式
[道具]：基本支給品*1、不明支給品0～1
[思考・状況]
基本行動方針：傍観
[備考]
※銀子同様、車椅子は支給品外のアイテムのようです。

*時系列順で読む
Back:[[六人砦]]　Next:[[弱者]]

*投下順で読む
Back:[[六人砦]]　Next:[[弱者]]

|&amp;color(blue){ゲームスタート}|車椅子の男|[[]]|    </description>
    <dc:date>2013-06-13T23:50:12+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/36.html">
    <title>弱者</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/36.html</link>
    <description>
      　

その視界に広がる光景は凄惨なものだった。
チーズのように穴を開けたビルとひび割れたコンクリートの地面、そのヒビからは雑草が生い茂っている。
その雑草もしんなりと頭を垂れて、もはやこの廃都市が死んでしまったことを無言で伝えていた。

かつての栄華を失った滅びの街、東京。
それが彼女――成瀬茨が強制的に連れて来られた殺し合いの会場だった。

無数の墓標めいて並ぶビル群は茨の死を待ち構えているようだった。
殺し合いというあまりにも悪趣味な催しと、人間の匂いを感じさせない死都となった東京に不快感が込み上がる。
しかし、その不快感を押さえつけて支給されたデイパックの中から一丁の銃を取り出した。
茨に支給された武器は突撃銃であるHK50だ。
人を殺すことに関しては、非常に使い勝手の良い銃である。

「……こんなもん、使いたくないんやけどな」

肩にかかるほどの黒髪を風に揺らしながら、茨は『関西なまり』の言葉を発する。
殺し合いに乗ったわけではない。
『人を殺す』ということは彼女の本質を考えるとあり得ない選択肢なのだから。
しかし、茨は無手で動きまわれるほど命知らずでもない。
あくまでこのHK50は自己防衛と威嚇用のものだ。

「しかし、東京とは。悪趣味やな……うちら以外は生きられへん街やぞ」

かつて東京は大地震に襲われ、壊れるはずがないとされていた原子力発電所が破壊された。
関東以北が放射能に汚染される脅威の事故。
日本と日本国民が被ったダメージは計り知れない惨劇だ。
そして、二十年近く経った今もなお東京は放射能に汚染されている。

そして、その放射能に汚染された街でも動き回れる特殊な人造の人間が作られた。
彼らは防護服がなくとも放射能の影響を考えずに動きまわることが出来る。
死都となった東京に取り残された人々を助けるための人に非ざる人形。
それこそが彼女たちコッペリオンなのだ。

「……なんや？」

茨はHK50を持って身構える、響いた物音を確かに感じ取ったのだ。
周囲を警戒しながら、慎重に歩を進ませる。

「ちょ、待て待てって！　そんな物騒なもの構えるなよ！」

ビルの中から声が響く。
茨が視線を上げると、ビルの窓から布のようなものが垂れ下がっていた。
警戒しながらの交渉か、それとも罠に嵌めるための囮か。
茨は前者であることを祈りながらも、後者であった場合の対応を模索しながらビルの中へと足を踏み入れる。
すぐに発砲できるよう銃の引き金に指をかけながら、ビルの内部を歩いて行く。

「銃を下ろせって、そんなんじゃ話も出来やしねえじゃねえか」

二階から声が響き、茨は素早くHK50の銃口を階段部へと向ける。
その姿を見せた瞬間に銃口から火を噴くだろう。

「階段の手前まで銃を投げてくれねえかな」

響く声は高いが、その声質は女性のものと言うよりも少年のものであった。
茨はしばらくの間HK50を構えていたが、それ以上の反応が返ってこいないと銃口を下げる。
そして、備えつけられたマガジンを取り外し、階段へと目掛けて投げつけた。

「ヘヘ、とんだアマちゃんだな。本当に入ってくるなんてよ。
　まっ、そっちのほうがこっちにはありがたいけどな」

瞬間、今まで途絶えていた反応が即座に返ってきた。
コツコツと床を叩く音が響き、声の主がその姿を見せてくる。
銃弾がなくなった以上、茨に対抗手段は薄い。
柱を背にして隠れるようにしながら、声の主の姿を伺った。

「まっ、こっちの武器はナイフ一本だ。そう警戒するなよ。
　俺はバットだ、よろしくな」

現れた姿は声の調子から推測したとおり、少年のものだった。
ボサボサの髪にボロの衣装を身にまとい、ゴーグルを額に供えた少年。
その名をバットと言った。

「……生身、かい」

しかし、バットを前にして茨の口からこぼれた言葉はその『装備』に対する疑問だった。
先も述べたとおり、茨にとっての東京とは放射能に汚染された死の街。
人が生きることを許されない、穢された大地。
その大地に、バットは防護服もなしに立っていた。

「ったく、こんなナイフ一本でどうしろってんだよ」

右手に持った備前の短刀を見せつけながらため息をつくバットの言葉に茨の思考が遮られる。
そして、バットは茨の抱えるHK50へと目を移していた。

「姉ちゃんは随分と良い物持ってんじゃん」
「アカン、これじゃ強すぎる。殺すことしか出来ん」

HK50を憎々しげに撫でながら茨が言い放つ。
その茨の言葉に対して、バットは唇を持ち上げて笑いながら言った。

「じゃあ交換するか？」
「はっ？」
「冗談だよ冗談、そう怒るなって」

備前の短刀を手の中で遊ばせながら、バットは茨に背中を向ける。
対する茨は、東京の汚染についてどう尋ねるべきかという事案に手をこまねいていた。
放射能汚染と言えども、直ぐ様に死んでしまうようなわけではない。
しかし、死をゆっくりと近づけていることには違いない。
その宣告を行わなくてはいけない。

「デイバックの中にあったのはこんなナイフと、この機械だけさ。人を殺して回るにはちょっと頼りない」
「ガイガーカウンターか」

その宣告の時間を待っているとバットがポケットの中から取り出した。
バットの肩口から覗きこむように顔を出して、ガイガーカウンターの目盛りに目を通す。

「……なんや、これ？」

茨が目にしたもの。
それは『ガイガーカウンターが指し示す数値が正常である異常』だった。
ここは東京だ。
茨の記憶にある廃墟と同じ光景であるし、ルイ・サイファーもまた『荒廃した東京』であると口にした。
だのに、放射能は姿を消している。

「なんだ、どうしたんだよ？」
「いや、なんでもない……うん、なんでもないんや」

バットからも茨の異常が目に見えたのか、不思議そうな声で尋ねてくる。
その言葉にどう答えたら良いものか、茨は動揺を隠しきれずに窓から空を眺めた。

「……こんな時でも空は綺麗やな、嫌になる」

茨は窓から空を眺めてため息をつく。
人工灯のなくなった東京の街で星の光を隠すものはない。
隠れ場を無くすように星は茨たちを照らしていた。

「さっ、ここらでちょっと聞きたいことが……」

とにかく、今はバットから何かしらの情報を聞き出し、これからの方針を明確に立てよう。
茨がそう考えて、振り向こうとしたその瞬間だった。

「……？」

炎が浴びせられたような高熱を胸から感じ取った。
すっと視線を落とすと、白く美しい輝きが胸に突き刺さっていた。

「これって、ナイフ……？」

胸から生えた白刃を触ると、するりと指から赤い血が滴り落ちる。
それでも現状が理解できない茨は、刃を強く握り締めた。
当然、茨の指が斬り落とされる。
ようやく、背後の人物が刃物で刺突してきたという事実を受け止めた。

「……バット」

バットが自分を殺した。
単純明快な真実を認めつつ、茨は足元から崩れ落ちる。
呼吸すらままならない身体はまるで他人の物のよう。
それでも、視界の外で
バットの顔を染めていたものは、純然な恐怖だった。

「……」

死の恐怖に侵されたバットを眺めながら、茨は死の海へと無言で沈んでいった。

&amp;color(red){【成瀬茨＠コッペリオン　死亡】}


　　　◆　　　◆　　　◆


息を荒く吐きながらバットは眼前の死体を見下ろしていた。
身体の震えは止まらず、茨の胸に刺さった備前の短刀を引き抜く力もない。

「呆気ねえな、おい」

バットは震える身体に叱咤するようにして残酷な言葉を口にする。
悪ぶった言動を取ることで罪悪感を忘れるようにしていた。
しかし、それも長くは続かない。
膝から崩れ落ちて、覚えた吐き気を抑えるために口元へと両手を当てる。
喉元まで迫ってきた吐瀉物を飲み込む。
目の前の死体と呑み込んだ吐瀉物に嫌悪感が広がる。
耐えらないと言わんばかりに、バットは片膝をついて荒く息を吐いた。
バットの胸にあったのは生への執着だけだった。

「やっちまった……」

茨の身体はぴくりとも動かない。
世紀末の世界で何度となく見かけた、生命の鼓動を止めた人間の姿だ。
それを、バットが創りだしたのだ。
そんなものを作ってでも、バットは生きたいと願ってしまった。

「生きたいんだよ……あんな、あんな世界でも……」

花は枯れ、鳥は空を捨て、しかしそんな大地でもバットは生きていた。
生きる理由がないことは、死を覚悟する理由にはならない。
たとえその先が暗闇でも、バットには生を諦める理由にはならないのだ。

そんな中でバットの脳裏に過ぎったのは一人の漢の姿だった。

（なあ、ケン。俺はこう思ってたんだよ。
　アンタに会えたら、俺は生きられるんじゃないかって。
　アンタみたいに、強く生きられるんじゃないかって。
　アンタと会えたら、人を殺さなくていいんじゃなかって。
　アンタみたいに、正しく生きられるんじゃないかって）

ケンシロウ。
あまりにも鮮やかで、あまりにも強い漢。
バットはその強さに慄くと同時に、憧れてしまった。
あんな漢になりたい、と。

（でも、俺には無理だ。あの時、アンタの強さに小便を漏らしちまったみたいに、俺はビビっちまった。
　アンタは人を救えるかもしれないけど、俺は自分の心も救えない……）

ケンシロウを思い出すたびに自らが惨めに思える。
ケンシロウよりも弱い自分が腹立たしい。
他人を蹴落とすことでしか生きられない自分が、嫌いになる。

「畜生……こんなに弱いのかよ、俺って……」

空は残酷なほど遠くて、バットを責め立てるように輝いていた。


【江東区/一日目・深夜】
【バット＠北斗の拳】
[状態]：健康
[装備]：備前の短刀＠真・女神転生、HK50＠砂ぼうず
[道具]：基本支給品×2、不明支給品0～3、ガイガーカウンター＠コッペリオン
[思考・状況]
基本行動方針：殺し合いに乗る。


*時系列順で読む
Back:[[WATCHER]]　Next:[[]]

*投下順で読む
Back:[[WATCHER]]　Next:[[]]

|&amp;color(blue){ゲームスタート}|成瀬茨|&amp;color(red){GAME OVER}|
|~|バット|[[]]|    </description>
    <dc:date>2013-06-13T23:49:48+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/25.html">
    <title>◆VbeZD7t6Z.</title>
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    <description>
      執筆SS一覧

|話数|タイトル|登場キャラ|
|000|[[Apocalypse Now]]|ルイ・サイファー、飛鳥了、スラムキング|
|001|[[VIOLENCE JACK]]|カオスヒーロー、バイオレンスジャック|
|003|[[南斗に瞬くは愛に殉ずる星]]|揚羽、シン|
|005|[[失楽園]]|キャシャーン、銀子|
|009|[[六人砦]]|アイン、網走菊之助、小泉太湖（小砂）、敷島、深作葵、ロウヒーロー|
|011|[[弱者]]|成瀬茨、バット|

----    </description>
    <dc:date>2013-06-13T23:46:51+09:00</dc:date>
    <utime>1371134811</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/16.html">
    <title>第一回放送までの本編SS</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/16.html</link>
    <description>
      **本編SS目次（時系列順）
|第一回放送まで|[[第二回放送まで&gt;第二回放送までの本編SS]]|[[第三回放送まで&gt;第三回放送までの本編SS]]|[[第四回放送まで&gt;第四回放送までの本編SS]]|[[第五回放送まで&gt;第五回放送までの本編SS]]|

*第一回放送までの本編SS
**【オープニング】――00:00
#divid(table_strip)
|~NO.|~タイトル|~作者|~登場人物|
|000|[[Apocalypse Now]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|ルイ・サイファー、飛鳥了、スラムキング|

**【一日目深夜】――00:00～2:00
#divid(table_strip)
|~NO.|~タイトル|~作者|~登場人物|
|001|[[VIOLENCE JACK]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|カオスヒーロー、バイオレンスジャック|
|002|[[覇道の果てに]]|[[◆aWSXUOcrjU]]|ブライキング・ボス、ラオウ|
|003|[[南斗に瞬くは愛に殉ずる星]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|揚羽、シン|
|004|[[中立の人間]]|[[◆P8s2jV35Nw]]|ザ・ヒーロー|
|005|[[失楽園]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|キャシャーン、銀子|
|006|[[前を向く人たち]]|[[◆dPArDKzdqo]]|金田正太郎、菊音|
|007|[[前が見えていない人たち]]|~|甲斐、更紗、ジャギ|
|008|[[何も無いハズの世の中にて]]|~|浅葱、ヒロイン|
|009|[[六人砦]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|アイン、網走菊之助、小泉太湖（小砂）、敷島、深作葵、ロウヒーロー|
|010|[[WATCHER]]|[[◆dPArDKzdqo]]|車椅子の男|
|011|[[弱者]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|成瀬茨、バット|

#left(){&amp;link_up(▲)}

----    </description>
    <dc:date>2013-06-13T23:46:01+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/15.html">
    <title>【000～050】</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/15.html</link>
    <description>
      **本編SS目次（投下列順）
|【000～050】|[[【051～100】]]|[[【101～150】]]|[[【151～200】]]|

**【000～050】
#divid(table_strip)
|~NO.|~タイトル|~作者|~登場人物|
|000|[[Apocalypse Now]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|ルイ・サイファー、飛鳥了、スラムキング|

|~NO.|~タイトル|~作者|~登場人物|
|001|[[VIOLENCE JACK]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|カオスヒーロー、バイオレンスジャック|
|002|[[覇道の果てに]]|[[◆aWSXUOcrjU]]|ブライキング・ボス、ラオウ|
|003|[[南斗に瞬くは愛に殉ずる星]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|揚羽、シン|
|004|[[中立の人間]]|[[◆P8s2jV35Nw]]|ザ・ヒーロー|
|005|[[失楽園]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|キャシャーン、銀子|
|006|[[前を向く人たち]]|[[◆dPArDKzdqo]]|金田正太郎、菊音|
|007|[[前が見えていない人たち]]|~|甲斐、更紗、ジャギ|
|008|[[何も無いハズの世の中にて]]|~|浅葱、ヒロイン|
|009|[[六人砦]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|アイン、網走菊之助、小泉太湖（小砂）、敷島、深作葵、ロウヒーロー|
|010|[[WATCHER]]|[[◆dPArDKzdqo]]|浅葱、ヒロイン|
|011|[[弱者]]|[[◆VbeZD7t6Z.]]|成瀬茨、バット|

----    </description>
    <dc:date>2013-06-13T23:43:24+09:00</dc:date>
    <utime>1371134604</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/34.html">
    <title>六人砦</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/34.html</link>
    <description>
      　


人の手を取ることは、それだけで難しい。

自らの手を取らせることもまた、難しい。

その難事を神は求める。

伽藍堂の瞳で、愚者は従い続ける。


　　　◆　　　◆　　　◆


東京拘置所。
葛飾区は荒川のほとりに隣接する罪人を封じ込める施設。
上空から眺めると『*』の記号を思わせる形状をした拘置所へと向かい、筋骨隆々の男が悠然と歩み寄っていた。
飄々とした様子で、口笛を吹きながら拘置所の入り口へと歩み寄る。
その男を待ち受けるようにして一人の少年が立ち塞がっていた。

「初めまして、ロウヒーローです」

雪原を切り取ったような白い布地に蒼い装飾を施した法衣を纏った少年はロウヒーローと名乗った。
その白い布地と同じように空虚な瞳を向けながら、ロウヒーローは言葉を続ける。

「元は人としての名前もありましたが……今はロウヒーローと、そういう存在になりました。
　そういう存在でありたいと思っていますので、貴方もそう呼んでください。
　今の私は神の下僕、神に選ばれた使徒なのですから」

ロウヒーローはゆっくりと手を差し出した。
そこに敵意はない。
中肉中背、どちらかと言えば痩せ型であるその体と柔らかな物腰は暴力の匂いとはかけ離れていた。
にこやかに話しかけるロウヒーロー。

「そして、それは私だけでなく神の子である人間にも当てはまります。
　だからこそ、ルイ・サイファーなる悪魔に惑わされてはいけません。
　我々は行えばいいだけです、正しき道を……輝かしき道を……神の教えの道を」

神の罰によって崩壊したソドムとゴモラの街を思わせる破壊の街の中でロウヒーローは薄っぺらな言葉を口にする。
だが、この言葉は単なる薄っぺらな言葉ではない。
本気で神の御言を信じている薄っぺらな言葉なのだ。

「貴方の名前を、お教えください」

神に従うだけの法の英雄を前にして、その男は自らの名を名乗った。
隠す必要もない、ただ愛する女のためだけに捧げたその名を。

「アインだ」

そして、己を通すために振るってきた自慢の拳を掲げ、小指を立てる。

「こいつのためにも早く帰りたいんでね。襲って来るも協力するもいいが、とにかくよろしく頼むぜ」


　　　◆　　　◆　　　◆


その名はアイン。

固めた拳は彼の我を押し通す。

荒野をひょうひょうと渡る風の様に、アインは生き続ける。

全ては愛する女のために。


　　　◆　　　◆　　　◆


アインは口笛を吹きながら荒廃した東京を歩いていた。
飄々とした性格がその立ち振舞からも想像できる。
星条旗を思わせるデザインの服で包んだ、筋骨隆々と呼ぶにふさわしい肉体。
そして、セットした髪やにこやかにしながらもどこかキツメの目つき。
以上のことから、アインがならず者であることは察せられた。

「さぁて」

アインはポキポキと指の関節を鳴らしながら小さくつぶやく。
満天の星空の下、この殺し合いに連れて来られた割りには比較的動揺が少ないように見える。
しかし、アインはその実焦っていた。
自らを拉致したということは、つまり元の場所に自分が居ないということ。
自分が居ないということは、愛する女は一人だけだということ。


アインが何者をも優先する女、自らの娘、アスカはただ一人になっているということ。


「ひとまずは人と会わないとな」

殺し合いに乗るにしても、人と会わなければ殺せない
殺し合いに反るにしても、人と会わなければ脱出方法が思いつかない。
何をするにしても一人ではお話にならない。

現時点でアインはという明確な目的はあったが、方法については考えていなかった。
ただ、最初に目の前へと現れた人間の反応で決めてもいいと思っていた。
ほとんどコインを弾いて占うように、そう考えていた。
そして、辿り着いた場所が東京拘置所。
賞金稼ぎを生業としていたアインには多少なりとも縁のある場所だった。

「……おぉい！　誰か居るかぁ！」

アインは声を荒げる。
その体躯にふさわしい野太い声だった。
そして、一人の男が応じた。
全身を、顔色すらも白く染めた法の英雄。
純然たる神の僕と、アインは対峙した。

そのアインから離れてたっぷり数百メートル。

「……不味いな」

アインの姿を見て、刑務所内の敷島は思わず言葉を漏らした。



　　　◆　　　◆　　　◆


守らなくてはならない。

この東京を。

破壊の後から築いたのは、再び破壊させるためではない。


　　　◆　　　◆　　　◆


巨人によってなぎ倒されたかのように背を低くした無数のビル。
そのために、ネオ東京では見えなかった星々を眺めることが出来た。
人間の愚かさを具現化したかのような。
人間が神に見放された存在であることを証明しているかのような。

あまりにもネガティブな感情を湧き起こす、そんな廃都の中で敷島は夜空を眺めていた。
星空へと視点を移し替えて、まず情報を整理する。

一つ目、これは【殺し合い】である。
ルイ・サイファーは人を殺すことに躊躇いがない。
それは『人犬』と呼んだ無残な姿の少年を簡単に殺したことからはっきりとわかる。

二つ目、ルイ・サイファーは【超能力】を扱うことが出来る。
それは人犬の少年への殺害方法を見ても明らかであり、さらにテレポート
テレポートとサイコキネシスを併合することから考えて、かなりの強力な超能力者である。

三つ目、ルイ・サイファー風に言うのならば、この【荒廃した東京】があからさまに不自然であるということだ。
まず第一に人の気配が一切しない。
アキラによって破壊されたネオ東京は、それでも人で溢れかえっていた。
その人の気配が一切しないのだ、作り物のような都市であった。

そして、この情報から察せられる推測が幾つかある。
ルイ・サイファーのバックには国家規模の巨大な組織が居る可能性が非常に高いこと。
これだけの強力な超能力者が単独で行動しているとも思えない。
そして、この【荒廃した東京】は実際のところネオ東京でないということ。
それこそ日本以外の別の国で作ったばかりの『ロケ現場』、『実験室』である可能性がある。

「難しいな……」

敷島はかつての軍＜アーミー＞の高官、実質的な指導者のレベルまで地位を握っていた。
しかし、それもかつての話。
今ではたたの一般人だ、拉致を行うのは難しくない。

「悪趣味な催しだ、まったく。
　しかし、そこに意味があるのだとすれば、それは恐ろしいことに……」

大事なことはそこだった。
敷島の予想が正しければ、これは世界を揺るがすかもしれない。
組織の投資した元手が大きければ大きいほど、生み出される結果も大きくなる。
そう言った意味ではこの『人の居ない都市』などはどれだけの資源と時間を使ったのか、想像も出来ない。
同時に、それだけの物を使って何を生み出そうとしているのかもまた。

「……」

まだ、ここに集まった少年少女には超能力について何も話していない。
下手な事を言って刺激を与えることはリスキーだからだ。
ひょっとすると、超能力について関わっていたらさらに問題となる。
超能力者を目覚めさせるという目的があるのかもしれない。
誰もが超能力に目覚めかけないのだ。

「敷島さん！　敷島さん、大変なんですよ！」

例えば扉を勢い良く開いて現れた少女、深作葵が超能力に目覚めるようなことに。


　　　◆　　　◆　　　◆


私は人形。

人間を助けるための人形。

私は役立たず。

人間を助けられない役立たず。

私には何が出来るの？


　　　◆　　　◆　　　◆


深作葵は拘置所の一室で丸くなっていた。
眠いわけでも怠惰なわけでもない、ただ怯えていたのだ。
彼女は『コッペリオン』と呼ばれる放射能に体性を持った人造人間である。
東京お台場に設置された原子力発電所が大地震によって原発事故を起こし、関東以北が放射能で汚染された世界。
その世界に取り残された人々を救うための人造人間なのだ。

「葵にさぁ……殺しあいとか……そんなの無理だよぉ……」

しかし、彼女の言葉からこぼれたのは、そんな救出の使命を持ったものとは思えない泣き言だった。
目にも僅かに潤んでおり、心底から殺し合いに怯えていることがわかる。
実際のところ葵は、分類するならば劣等生にあたる存在であった。
あからさまに教育に失敗したとしか思えない身体能力と精神性。

事実、葵はこの殺し合いに連れて来られた直後はただ座り込んでべそをかいていた。

『茨先輩……助けてくださいよぉ……うぇーん！』

頼れる上級生の成瀬茨の名前を漏らし、ついに泣き出したその瞬間だった。

『大丈夫ですか？』

影のように、あるいは光のように突然一人の少年が現れた。
年の頃は葵よりもいくらか上だったが、それでも成人ではないだろう。
白い法衣を身にまとい、憂いを帯びた瞳で葵を射抜く。
どこか虚ろな雰囲気を漂わせながら、葵へと手を差し出してくる。
それが葵とロウヒーローの出会いだった。
不思議な少年との邂逅であった。

「……なんか、不思議な感じだったなぁ」

少し動揺が薄くなっていた。
本質的に『弱者』である葵はロウヒーローに、『神に縋りつく』には十分な素養の持ち主だった。
さながら、メシア教徒のように。

「おい、深作！　居るか、深作！」

そんな現在の葵の元に現れたのがボロボロの学生服と学帽を身にまとった少年、網走菊之助だった。
どこか粗野な印象を与える少年は大きな言葉で葵へと殴りつけるように語りかけた。

「小泉から連絡があった、人が来たらしい！」

心臓の鼓動が早まる。
菊之助の声量もそうだが、その内容だ。
人が来る、それはつまり人殺しが来るかもしれないということだ。
葵の心境を知ってか知らずか、菊之助は言葉を続けた。

「俺はロウヒーローに伝えるから、アンタは敷島に頼む！」



　　　◆　　　◆　　　◆


背中に負った罰の名前。

己の罪ではないが、しかし己に背負わされた罰の名前。

その名は網走極悪人。


　　　◆　　　◆　　　◆



「……どうしたものかな」

小さな肩を落としながら網走菊之助が呟く。

学帽を外し、額の汗を学生服の袖で拭う。
煤と泥で汚れた、しかし少女のように整った顔立ちが覗かれる。
実際のところ、網走菊之助は嘘に塗れている。

大きなところでは、男物の学生服を身にまとっているが菊之助は女性だ。
胸の膨らみも同年代の少女と比べれば幾らか大きいし、体つきもその実丸みを帯びている。
少々大きめの学生服に纏っているのはその身体的な性別の差異を誤魔化すためだ。

小さな所では名前。
彼女は『網走菊之助』という名前ではなく、『菊野雪』という名前なのだ。
男装している以上、『菊野雪』では少々奇妙なため、『網走菊之助』を名乗っているのだ。

とは言え、嘘にも理由がある。
まず男装はこの世の地獄となった関東で生き抜くためのもの。
女はことあるごとに襲われる、女自体が商品となるからだ。
また、男ならば襲いかかって来られる可能性が低い。
女性であるよりも男性であるほうがメリットが大きいのだ。

名前にはちゃんと由来がある。
名字の『網走』は極道であった父が死んだ場所。
菊之助は自身の名字である『菊野』のもじり。
気づくものなら、菊之助の兄弟ならばピンと来る名前だ。

そう、菊之助は生き別れとなってしまった兄弟を探しているのだ。
関東地獄地震で散り散りとなってしまった、生きてるかどうかもわからない兄弟を。

「生きてる……きっと、あの人達は」

自らを勇気づけるように小さくつぶやく。
天涯孤独だと、この世界に自分は独りぼっちだと思っているところに現れた家族。

「探さなきゃいけないんだ、かけがえの無い人だから」

もはや、それだけのために生きているといっても過言ではない。
人は一人で生きていけないことを、菊之助は知っているから。

「ねえ」

そんな中で、背後から声をかけられる。
背後に居たのは片手にショットガン、片手に双眼鏡を持った少女だった。
少女の名前は小泉太湖。
自身の支給品であるショットガンと双眼鏡の所有権を主張し、見張りを買って出た少女だ。

「人が一人、来た。私は見張りを続けるから、他の人に伝えてきて」


　　　◆　　　◆　　　◆


広がる関東大砂漠。

あらゆる生命を跳ね除ける非情の大地。

そこでは一匹の妖怪が居る。

それは妖怪、砂ぼうず。


　　　◆　　　◆　　　◆


砂の飛び交う黄色の世界。
関東大砂漠と呼ばれる、自然そのものが敵となる人を排する世界。
生きることそのものが試練である世界。
それが小砂の、小泉太湖の生きてきた西暦3000年から数百年が経過したかつての文明が崩壊した世界だった。

（ここはオアシスかなにかなのかな……？）

大砂漠の中にある『オアシス』と呼ばれる未知の世界がある。
そこには選ばれたものしか入ることが出来ず、砂漠の世界から隔離された世界だ。
旧文明の遺産に溢れた楽園のような世界だと太湖は聞いている。
聞いている、というのははっきりとその眼で内部を見た経験はないからだ。

『荒廃した東京』とルイ・サイファーは称したが、太湖にとってここは天国のようなものだった。
人を焼く熱砂の昼も、人の身体を凍らせる夜もない。
夜中だというのに暖かい。
たったそれだけでこの大地が人間を受け入れていることを感じた。

（それでも、私たちは殺し合いをしなきゃいけない）

太湖は乾いた脳みそでそう考えながら、支給された水を口に含み、双眼鏡を覗きこむ。
手に持った双眼鏡越しに映る世界は灰色の世界だった。
全てが廃れた灰色の世界、これがやがて砂にまみれた黄色の世界へと変わるのだろうか。

「……」

集中力に関してずば抜けたものを持っていた太湖は玩具めいた双眼鏡を用いて周囲を探り続ける。
人の影も見ることが出来ない、迷路のように入り組んだ荒廃した東京で物陰が多すぎる。
太湖は小さく息をこぼし、銃を強く握り締める。
太湖の持つショットガンの名はウィンチェスターM1897、師の愛銃だ。

「……」

やはり言葉をこぼさずに太湖は双眼鏡を覗き続ける。
師匠には、砂ぼうずには、水野灌太には複雑な想いを抱いている。
尊敬か、恐怖か、軽蔑か。
あるいはその全てが相混ぜになったものか。
一言では現すことが出来ない。

「……」

ただ、それでも銃の引き金に指をかける覚悟は出来ている。
敵対したというのにそこを躊躇えば殺される、師である砂ぼうずはそういう男だ。

なんにせよ、今はまだ様子見の段階。
立て篭もりによって命を守る、それが現在の目的だ。

「……？」

双眼鏡越しに一人の男を見つけた。
反射的に銃の引き金に指をかけ、すぐに銃を下ろした。
まずは報告を行う。
ロウヒーローと名乗った少年か、敷島なる隆盛な肉体を持った男か。
最悪、自分だけが生き延びることが出来ればいい。
太湖はそう考えて、拘置所内をかけ出した。


　　　　◆　　　　◆　　　　◆


ここは葛飾区にある東京拘置所。

そこには六人の人間が集まっていた。



【葛飾区/東京拘置所/一日目・深夜】
【ロウヒーロー＠真・女神転生】
[状態]：健康
[装備]：なし
[道具]：基本支給品、ランダム支給品1～3
[思考・状況]
基本行動方針：神の名のもとに殺し合いを打破する。

【アイン＠北斗の拳】
[状態]：健康
[装備]：なし
[道具]：基本支給品、ランダム支給品1～3
[思考・状況]
基本行動方針：元の世界に帰る

【深作葵＠コッペリオン】
[状態]：健康
[装備]：なし
[道具]：基本支給品、ランダム支給品1～3
[思考・状況]
基本行動方針：この場（東京拘置所）に居る。

【敷島＠AKIRA】
[状態]：健康
[装備]：なし
[道具]：基本支給品、ランダム支給品1～3
[思考・状況]
基本行動方針：殺し合いを打破する

【網走菊之助＠バイオレンスジャック】
[状態]：健康
[装備]：なし
[道具]：基本支給品、ランダム支給品1～3
[思考・状況]
基本行動方針：殺し合いから脱出する。

【小砂（小泉太湖）＠砂ぼうず】
[状態]：健康
[装備]：ウィンチェスターM1897＠砂ぼうず
[道具]：基本支給品、双眼鏡、予備の銃弾、ランダム支給品0～1
[思考・状況]
基本行動方針：ひとまずは様子見を行う。


【ウィンチェスターM1897＠砂ぼうず】
砂ぼうず・水野灌太の愛銃、ポンプアクション式のショットガン。

【双眼鏡＠現実】
双眼鏡。

*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|&amp;color(blue){ゲームスタート}|アイン|[[]]|
|~|網走菊之助|[[]]|
|~|小泉太湖|[[]]|
|~|敷島|[[]]|
|~|深作葵|[[]]|
|~|ロウヒーロー|[[]]|    </description>
    <dc:date>2013-06-10T00:42:38+09:00</dc:date>
    <utime>1370792558</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/23.html">
    <title>南斗に瞬くは愛に殉ずる星</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/23.html</link>
    <description>
      　

鉄筋コンクリートビルの死体が空を狭める。
この東京は文字通り死都、すでに街としての機能が死んだ街なのだ。
ここに残されたものはかつての虚しい栄華だけだ。

長身痩躯の身体に法衣を思わせる青い衣をまとわせ、女性と見間違えるほどの美貌、眼帯を身につけた隻眼すら幻想的な姿を演出していた。
そんな美青年、揚羽は前人類の滅びを眺めていた。

「さて、殺し合いと来たものか」

この大地を今は失われた圧倒的な科学によって支配した名残だ。
大いなる禍が起こり、大地と文明は白紙に戻された。
それでも人類は死滅せず、再び文明の炎を灯している。
さながら、死してしまった歴史をなぞるようにして。

「意味なく人を斬る気にはなれんが……」

揚羽は誇り高き砂漠の青い貴族。
『生命を賭けられるほどの女』と目している女性のために殺し合いに乗ってもいい。
運命の恋人かもしれない女――更紗のためならば、自らの身体を穢しても良い。
しかし、それはあくまで自らの人生を捧げても良いと思える相手が居てこその話だ。
更紗の所在が定かではないのならば、『一も二もなく殺し合いに乗る』という選択肢を取ろうとは思わなかった。
『殺し合いをしろ』という命令口調もまた揚羽の反感を買っていた。

「タイムリミットまでは丸三日以上残っている……なに、焦る必要はないか」

揚羽の手元には一本の直刀が握られている。
七星剣と呼ばれるその剣は北斗七星が意匠され、破邪や鎮護の力が宿るとされた神剣である。
使い慣れた刃物ではないが、徒手空拳よりは幾分もマシと揚羽は判断した。
とにかく動きまわり、乗るか反るかは後ほどに判断すれば良い。

「……ふぅ」

死を間近に感じつつ、考えることは一人の少女のこと。
運命の子の幻想を抱いて走り続けるしかない、哀れな少女。
その前を向いて走り続ける姿に、揚羽は儚い美しさを感じた。
同時に、その瞳に惹かれた。
『運命の恋人』かもしれないと、本気で思った。

「……命をかけるのならば、お前に捧げたいものだな」

揚羽はそう言葉を漏らす。
ただ、生きるのでは。
ただ、愛されるだけでは。
己がなければ、生きるのは哀しい。

「フフフ……」

そんな瞬間、笑い声が遠方から響いた。
揚羽は笑い声の方角へと注意を向ける。
そこには一人の男が居た。
服越しにもわかる隆々とした肉体。
男には似つかわしくない長髪。
刃のように鋭い視線。

「力こそが正義……良い時代になったものだ。
　弱ければ奪われるしかない……生命すらもな！」

その男は、南斗孤鷲拳の伝承者。
殉星のシン。

「南斗六聖拳が一、このシンの拳を喰らうが良い！」

人智を超えたスピードで揚羽へと迫り来るシン。
しかし、揚羽は動揺を一切示さずに手に持った七星剣を真一文字に振るう。
揚羽は積極的に殺し合いに乗るつもりはない。
だが、襲い来る相手に容赦をするつもりもないのだ。

「ハッ！」
「南斗獄屠拳！」

両者は裂帛の気合とともに必殺の一撃が繰り出した。
揚羽の一刀と、シンの南斗孤鷲拳が交錯する。
シンのすれ違いざまに繰り出される目にも留まらぬ斬撃拳。

「ッ……！」

シンの放った南斗獄屠拳によって、揚羽はその痩躯には少々大きな衣が切り裂かれる。
揚羽の細いうなじが、白い脇腹が、なめらかな太腿がわずかに露出される。
そして、彩るように深紅の血がその肉体を滑るように動いていた。

「……ほう」

しかし、シンもまた自身の肩にかけた毛皮の装飾が施されたマントを切り落とされていた。
シンの南斗獄屠拳は揚羽の身体に幾つもの切り傷を与えたように、
迎撃の回避を念頭に置いた様子見の一撃ではあったが、必殺の意思は込められていた。

「このサザンクロスのKINGに一撃を入れるとはな」

シンは自身の一撃を避けたばかりか、シンへと反撃を行なってきた揚羽に称賛の意を込めて言葉を発した。
もっとも、その称賛は大人が子供を褒めるかのような傲慢な言葉であったが。

「南十字星の王様とは大層な名前だな……生き残った先に、お前はなにをするつもりだ？」

七星剣を構えながらも、揚羽はシンへと問いかける。
会話を行ううちに作戦を練る魂胆だった。
なにせ、剣と拳という差がありながらも、腕前はシンが上。
一騎当千の言葉にふさわしいシンと戦うのならば知恵が必要だった。

「……力を高めるのみ。北斗の星に負けぬほど、強くな」
「自分のことばかりだな、虚しい奴め。お前とは気が合わんだろうな」
「他者は俺の糧となるべきだ……俺は、戦うのみ！
　ただ、南斗の空に輝く宿星のために！」

その言葉で揚羽は確信した。
シンは更紗の敵となる。
己のことしか考えないシンは、穏やかな国を作らんとする運命の子の障害となる。
ならば、揚羽のするべき事は、成したいと感じたことはなんだ？
当然、シンの排除である。

「フンッ！」

揚羽は剣撃の間合いを維持しながら攻めこんでいく。
揚羽がシンに対して確実に優っている部分はリーチだ。
剣と拳の間合いの差を活かすことが勝利への鍵となる。

「太刀筋は見事だが……甘いわ！」

しかし、シンは空を飛ぶ鳥を思わせる素早い動きで揚羽の斬撃を躱す。
一流の太刀筋を放った揚羽の攻撃を見切っていた。

「南斗獄殺拳！」

そして、躱し際に一撃。
シンの高く蹴りあげた脚が、眼帯の施されたために死角となった揚羽の左顔面を襲う。

「ッ……！」

揚羽は僅かにスウェーを行い、直撃を免れる。
つまり、必殺の一撃を放たれたというピンチが必殺の一撃を放てるというチャンスへと変わった。
攻撃の直後には当然隙が生まれるからだ。

「ヌゥ！」

揚羽の刃がシンの太腿を貫く。
シンは呻き声を上げて後ろへと飛び退った。
そのまま揚羽は前方へと素早く駆け出し追撃を行う。
一瞬の隙を生み、シンに傷をつけた。
ならば、ここは畳み掛ける場面なのだ。

「ハァッ！」

揚羽の必殺の袈裟斬り。
シンの肩口から脇腹へと向かって切り捨てる必殺の一刀だ。
これが直撃すればシンの命は刈り取られる。

「なんの！」

その必殺の一撃に対してシンが取った行動は前進。
グサリと肩の肉に刃が食い込む。
しかし、致命的な一撃ではない。
シンの瞬発力による間合いの詰めが、揚羽の必殺の一撃を狂わせたのだ。

「獄葬十字拳！」

そして、距離を詰めたシンが揚羽へと闘気を纏った貫手を放つ。
至近距離で放たれる連続突きはリーチのメリットをそっくりそのまま逆転させる。
将門の刀も普遍的な太刀だ、この間合では満足な効果を発揮しない。

「カッ……！？」

揚羽の肉体に南斗孤鷲拳の貫手が突き刺さる。
南斗聖拳一○八派はそれぞれが特徴を持っているが、共通点が一つ存在する。
それはすなわち、四肢を刃へと変える拳法だということ。
普通の拳法家の貫手ならば肉に食い込むだけの攻撃。
だが、南斗聖拳の使い手の貫手となれば内臓器を破壊する必殺の一撃となる。

「クッ……」

獄葬十字拳が揚羽の心臓と二つの肺を貫いた。
ひび割れのコンクリート地面へと、揚羽は膝をつく。

揚羽の生命が尽きる瞬間だった。

「……チッ」

揚羽は舌打ちを漏らしながら大地を抱擁する。
身体を動かす気力が湧いてこない。
ただ、その隻眼でシンの瞳を見つめる。

「……なんて目をしてやがる」

力こそが正義、そう言い放ったシン。
だが、その瞳は哀しみに染まっていた。

まるで、鏡写しのように。

なくなった左目がそこにあるように、悲哀と愛憎が写っていた。


　　　◆　　　◆　　　◆


―――自分のことばかりだな、虚しい奴め。

「富も名誉も……虚しいだけだった」

葬った男の言葉がシンの胸を抉る。
虚しい、何もかもが虚しかった。
ユリアが自分のすべてを否定したその瞬間から、シンにはなにも失くなったのだ。

「俺が欲しいものは富でも権力でもない……」

世紀末の世界に築いた自らの王国、サザンクロスに築いた全ては空虚なものだった。
シンにはサザンクロスは単なる虚飾の都市に過ぎない。

「ユリアだ！」

シンにはもはや、ユリアの生命と南斗孤鷲拳しか残っていない。
ユリアの生命を守るために、南斗孤鷲拳を磨き続けるしかないのだ。

「例えユリアが俺を愛さずとも……北斗の暴凶星に殺されてしまうというのならば！」

鉄を切り裂くその拳で七星剣を破壊する。
通常の人間の域を超えた拳。
しかし、それでもシンの拳は弱い。

「力が欲しい、北斗の覇王すらも超える力が……ユリアの命を守る力が！」

どれだけ磨いても世紀末覇王に劣る、自身の拳。
それでもその拳を磨き続けるしかない。

破損した七星剣のように、北斗を屠るその時まで。

【揚羽＠BASARA　死亡】

【豊島区/一日目・深夜】
【シン＠北斗の拳】
[状態]：右肩に裂傷、太腿に刺傷
[装備]：なし
[道具]：基本支給品×2、シンの不明支給品1～3、揚羽の不明支給品0～2
[思考・状況]
基本行動方針：殺し合いに乗る。
1：力が欲しい。

*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|&amp;color(blue){ゲームスタート}|揚羽|&amp;color(red){GAME OVER}|
|~|シン|[[]]|    </description>
    <dc:date>2013-06-06T23:55:58+09:00</dc:date>
    <utime>1370530558</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/17.html">
    <title>参加者名簿</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/17.html</link>
    <description>
      **参加者名簿
※作品名は外部サイト「wikipedia」の該当部分へリンクしています。

9/9[[【北斗の拳】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%97%E3%81%AE%E6%8B%B3]]
○ケンシロウ/○ラオウ/○トキ/○ジャギ/○シン/○レイ/○バット/○アイン/○カイオウ
7/7[[【バイオレンスジャック】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF]]
○バイオレンスジャック/○スラムキング/○身堂竜馬/○早乙女門土/○朱砂慎吾/○網走菊之助/○クラーケン（大山直次郎）
7/7[[【BASARA】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/BASARA]]
○更紗/○朱里/○揚羽/○浅葱/○銀子/○柊/○菊音
6/6[[【コッペリオン】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/COPPELION]]
○成瀬茨/○深作葵/○野村タエ子/○黒澤遥人/○小津歌音/○小津詩音
5/5[[【AKIRA】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/AKIRA_%28%E6%BC%AB%E7%94%BB%29]]
○金田正太郎/○島鉄雄/○ケイ/○敷島/○アキラ
4/4[[【キャシャーンSins】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%B3_Sins]]
○キャシャーン/○ディオ/○レダ/○ブライキング・ボス
4/4[[【真・女神転生】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E3%83%BB%E5%A5%B3%E7%A5%9E%E8%BB%A2%E7%94%9F]]
○ザ・ヒーロー/○ロウヒーロー/○カオスヒーロー/○ヒロイン
3/3[[【砂ぼうず】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E3%81%BC%E3%81%86%E3%81%9A]]
○砂ぼうず（水野灌太）/○小砂（小泉太湖）/○朝霧純子

5/5【書き手枠】
○甲斐＠AKIRA/○/○/○/○

45～50/45～50    </description>
    <dc:date>2013-06-05T01:37:04+09:00</dc:date>
    <utime>1370363824</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/18.html">
    <title>ネタバレ参加者名簿</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/18.html</link>
    <description>
      **参加者名簿
※作品名は外部サイト「wikipedia」の該当部分へリンクしています。

8/9[[【北斗の拳】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%97%E3%81%AE%E6%8B%B3]]
○ケンシロウ/○ラオウ/○トキ/&amp;color(red){●ジャギ}/○シン/○レイ/○バット/○アイン/○カイオウ
7/7[[【バイオレンスジャック】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF]]
○バイオレンスジャック/○スラムキング/○身堂竜馬/○早乙女門土/○朱砂慎吾/○網走菊之助/○クラーケン（大山直次郎）
5/7[[【BASARA】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/BASARA]]
○更紗/○朱里/&amp;color(red){●揚羽}/&amp;color(red){●浅葱}/○銀子/○柊/○菊音
6/6[[【コッペリオン】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/COPPELION]]
○成瀬茨/○深作葵/○野村タエ子/○黒澤遥人/○小津歌音/○小津詩音
5/5[[【AKIRA】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/AKIRA_%28%E6%BC%AB%E7%94%BB%29]]
○金田正太郎/○島鉄雄/○ケイ/○敷島/○アキラ
3/4[[【キャシャーンSins】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%B3_Sins]]
○キャシャーン/○ディオ/○レダ/&amp;color(red){●ブライキング・ボス}
4/4[[【真・女神転生】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E3%83%BB%E5%A5%B3%E7%A5%9E%E8%BB%A2%E7%94%9F]]
○ザ・ヒーロー/○ロウヒーロー/○カオスヒーロー/○ヒロイン
3/3[[【砂ぼうず】&gt;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E3%81%BC%E3%81%86%E3%81%9A]]
○砂ぼうず（水野灌太）/○小砂（小泉太湖）/○朝霧純子

4/5【書き手枠】
&amp;color(red){●甲斐}＠AKIRA/○/○/○/○

42～46/45～50    </description>
    <dc:date>2013-06-05T01:36:38+09:00</dc:date>
    <utime>1370363798</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/33.html">
    <title>何も無いハズの世の中にて</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/br_violence/pages/33.html</link>
    <description>
      　

「はぁーっ……」
大きなため息を、ひとつ。
その中に込められている怠惰、嫌悪、怒り、全てが表に出ていく。
「よりによって、この僕とはね」
銀髪の青年、浅葱は皮肉めいた笑いを浮かべ、一人つぶやく。
最後の一人しか生き残れないと言う前提の、殺し合い。
浅葱にとって、それは初めての経験ではない。
その恐怖に怯えるもの達を見て、楽しむ側の人間だった。
何の因果か、今度は自分が殺し合う側の人間になった。
今頃、あのルイとかいう人間が薄ら笑いで浅葱のことを見つめているのだろう。
「気に食わないね」
他人を笑う事は好きでも、他人に笑われる事は好きじゃない。
ましてや、誰かの言いなりなんて言語道断である。
ここでホイホイと人殺しになってしまえば、それは屈服と同じ。
「人を殺さなければ、生き残れない」という恐怖に打ち負けたことになる。
かつてそれを見て楽しんでいたからこそ、男の目的もうっすらとは見える。
真実はそうではなかったとしても、遠からず近からずな点は突いているだろう。
「となれば、どうしようかなっ」
袋の道具を確認して使えるものを備えながら、浅葱は今後の振る舞いについて考える。
殺しに乗らない、と決めたはいいものの、じゃあどうするかという所までは正直言って考えていない。
正義の味方ぶって、人を殺す人間を殺すか？　それは&quot;人殺し&quot;となんら大差はない。
ただ宛もなくフラついているか？　いいかもしれないが、なんかムカツク。
先陣を切って行動し、この殺し合いに抗うものたちを集めるか？
そう、まるで更紗のように――――
「あ」
そこで、思い出したように声を出す。
初めの場所から、偶然にも彼女だけは見える場所にいた。
他の知り合いがいるかどうかまでは、判断できなかったが。
「更紗、大丈夫かな」
かつて、こんな殺し合いに牙を立てた少女。
世界を巻き込み、その中心で大戦乱に終止符を打った革命者&quot;タタラ&quot;その人。
「……ああ見えても、ただの女の子だからねぇ」
だが、浅葱はそうではない姿も知っている。
&quot;タタラ&quot;ではなく、&quot;更紗&quot;を知っている。
こんな状況でも、彼女のことを大丈夫だとは思っていられるのは、彼女が&quot;タタラ&quot;だから。
でも、もう&quot;タタラ&quot;は死んでいる、今生きているのは&quot;更紗&quot;なのだ。
「……大丈夫だよね」
それでも、浅葱の頭に&quot;嫌な予感&quot;はよぎらない。
浅葱は知っている、&quot;タタラ&quot;ではなく&quot;更紗&quot;を知っている。
それは、&quot;更紗&quot;の強い部分も、知っているということだ。
案ずることは、何もない。
「まっ、まずは自分の身かな」
姿勢を整え、袋に入っていた一本の棍棒を取り出し、足を慣らす。
出来れば使い慣れた刀剣類を手にしたかったが、贅沢は言ってられない。
お世辞にも武器とは呼べない物の中で、唯一戦える物はこれだったのだから。

そして、間をおかずに浅葱はその棍棒に頼ることになる。
ピリッ、と張りつめた殺意が、背中を撫でたから。
間合いは十分離れている、逃げ出すことは不可能ではない。
「どーしても、やる？」
でも、浅葱はそれをしない。
目の前に現れた女性が、何を隠し持っているかわからないから？　それもある。
無様に逃げ出した後ろを、弓矢か何かでザックリというのは考えられる。
下手に隙をさらけ出すのは、得策ではない。
だがそれ以上に、浅葱を駆り出すもの。
だって彼はなにより――――

「じゃあ、遠慮なくッ！」

売られた喧嘩は、買いたいタチなのだ。


先に一手を仕掛けたのは、浅葱だ。
持ち前の俊敏性を生かし、瞬時に間合いを詰めて一撃を放っていく。
襲撃者は女性だった、年でいえば群竹くらいだろうか。
奇抜な格好の割には、戦いになれているらしく、浅葱の一撃をかわしていく。
「あーもうっ！！」
思うように自由が利かない武器に、苛々しながらも確信する。
相手は、近接戦闘が苦手であるということを。
もとより、自分に襲いかかろうとしているのに武器の一つも持っていなかった。
自分がふるう棍棒に対処しなければいけないというのに、せめて受け止めるくらいは出来そうなモノは構えてもいいというのに。
それをせず、勢いよく飛び退いたということは、受けきれる自信がないということ。
一撃を当てれば、自分のペースが作れる。
それがわかった以上、攻め手を休める理由はない。
相手が殺意を醸し出している以上、手を抜けば自分がやられるのだから。
再び距離を詰め、使い慣れない棍棒を振るう――――
「……ッ！」
間際に何とか体をひねり、女から離れていく。
なぜ、浅葱は攻めの手を止めたのか。
「なっ、にそれ！　ズルくない！？」
それは、襲撃者の片手に巨大な雷の塊が発生していたからだ。
受け止められないなら、わずかにリーチの長い武器を叩き込めばいい、そういうことだろうか。
近接戦闘は苦手、という意識を浅葱は急いで消していく。
もう一度下手に近づけば、あの雷に飲み込まれるのは必至だ。
そもそも自然現象であるはずの雷を、どうやって扱っているというのか。
どこかの誰かのようなペテンではない、となればどうやって……？
「考えてる暇は無い、ねっ！！」
頭の中がパニックになる前に、浅葱は動き出していく。
近接戦闘が苦手ではない、けれども卓越しているわけではない。
相手の反応を上回れば、あの雷に呑まれる前に一撃を叩き込むことが出来る。
迷うことなく、棍棒を持って浅葱は風になる。
襲撃者の前、後ろ、左、後ろ、右、素早く足を動かし、攪乱していく。
ここまでの仕込みをしても、チャンスは一度。
完全に虚となっている角度を、絶妙のタイミングで叩く。
間違えれば、雷の餌食だ。
その一瞬を作るために、浅葱は素早く駆け続けていく。
だが、攪乱行動を続けているうちに、襲撃者に異変が起こる。
と、いうのも、浅葱の姿を目で追うのを諦め、何かを取り出していたからだ。
隙をさらして、何をしているのだろう。
そう思いながら浅葱は瞬時に詰め寄っていく。

それが、判断ミス。

雷にだけ、気を取られすぎていた。
すっと延びたのは、一丁の銃。
銃というモノが何か知らない浅葱でも、それが危ないということは本能でわかる。
身を捻る、間に合わない。
軽い破裂音と共に、赤い花が咲いた。
立て続けに、破裂音が鳴り響く。
まるで雑巾のように、浅葱の体がふわりと浮いた。

「……あんた、どこまでもズルいね」

だくだくと血が流れ、血が失われていく。
どう足掻こうが、もう生き延びることは出来ないだろう。
次第に体はふるえ、呼吸は短くなっていく。

「アンタの、目……ムカつく、ことに、知り合いに、似てる、んだよね」

だから、最後に足掻いていく。

「ああ、そっくりだ、その、ムカツク目、ほんっ、と、アイツ、そっくりだ」

傷になるかどうかもわからない、傷を植え付けていく。

「でも、断言できるよ、&quot;更紗&quot;は、アンタなん、か負けない、ってね」

ムカツク、たったそれだけの感情を糧に、浅葱は精一杯の皮肉を吐く。

「あー、くそ、もっ、と生きた……」

そして、フッと笑いながら、うずくまるように眠った。



「別に、私が勝てなくてもいいわ」

目の前の少年が生き絶えた後、彼女は言う。

「ただ、彼の負担を減らしてあげなくちゃいけない」

彼女は、かつて世の全てを破壊し&quot;中立&quot;させた男のパートナー。

「悪魔も、神も、魔王も、人も、全て手に掛けてきた」

前線に立ち、破壊の限りを尽くす彼を支える柱だった。

「そして、その手で全て壊してきた」

だから、誰よりも知っている。

「まだ壊せというの？　まだ彼に何かを押しつけようというの！？」

&quot;中立者&quot;の痛みを、叫びを。

「……耐えられない、もう。彼が苦しみながら何かを壊すのを、見ているのが！！」

&quot;英雄&quot;の名を着せられた、彼の本当の気持ちを。

「だから、私が一つでも多く壊す」

もう、壊れていくところを、見たくはない。

「彼の負担を、少しでも和らげるために」

だから、彼女は進む。

かつての彼と同じ、破壊の道を。

【浅葱＠BASARA　死亡】

【杉並区/一日目・深夜】
【ヒロイン＠真・女神転生】
[状態]：消費（小）
[装備]：メギドファイア（弾：銀の弾丸）＠真・女神転生
[道具]：基本支給品*1、ハート様気絶用棍棒＠北斗の拳、不明支給品0～3、
[思考・状況]
基本行動方針：彼のために、壊す


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|&amp;color(blue){ゲームスタート}|浅葱|&amp;color(red){GAME OVER}|
|~|ヒロイン|[[]]|    </description>
    <dc:date>2013-06-05T01:32:10+09:00</dc:date>
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