擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプするスレまとめ @ ウィキ内検索 / 「『夜戦とミミズク』」で検索した結果

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  • 『夜戦とミミズク』
     今日も男達が、真っ暗な部屋の中で一時の休息を得ている。 ある者はカードを捲りながらそこに書かれた文字を読み取り、 またある者は、窓越しに闇夜を眺めながら酒の入ったグラスを傾けている。 何をしているのかと言うと、皆、夜の闇に眼を慣らしているのだ。 何故なら、それが我らの“仕事”なのである。 「警報!警報! 北海上空に敵機侵入との報あり!」  待っていましたとばかり、警報の発令と同時に、 部屋の中から男共が飛び出してゆく。 私も、椅子にかけておいた飛行服を掴み取ると、脱兎の如く駆け出した。 滑走路の片隅には黒塗りの機体、 メッサーシュミットBf110B型(ベルタ)の夜戦使用が翼を並べ、 私は迷うことなく愛機へ飛び乗る。  機首にミミズクのノーズアートを施した気体を間違えるはずが無い。 愛機の前では、すでに整備兵が機関の始動に取り...
  • 若旦那
    若旦那氏の作品 『夜戦とミミズク』 ミミズク娘1 『ハエトリグモ~再出発~』
  • 鳥娘
    ...子製造機氏 『夜戦とミミズク』 著者:14スレ目、若旦那氏 ミミズク娘1 著者:15スレ目、若旦那氏 下切り雀 著者:15スレ目、ID 06lFM0fL氏 ペリカン娘 著者:17スレ目、ID 8C3vyasC = ID S/soUx8q氏 隼娘 著者:19スレ目、ID MVq0qoFQ氏 鶴女房 著者:19スレ目、たけかんむり氏
  • ミミズク娘1
    バタン! 階段を駆け上がり自室の扉を乱暴に閉めると、ルドルフは部屋の真ん中で立ち尽くした。 エンネの手を引いたままで。 家に入ったときのように顔は下を向きっぱなしだが、尻尾だけ嬉しそうに振られている。 恥ずかしさから両親の顔を見るどころか、ろくに話もできなかった事ができなかった ルドルフだが、その恥ずかしさの原因というのが…… 「ルディ、痛い、手、放して」 「あっ、ごめん」 エンネの手を握ったままであることに気が付かなかったのか、驚いたように手を放すが、 顔は相変らず下を向いたままで、エンネの顔を見る事もできない。 「自分で自己紹介したけど、最初はあなたが紹介してくれる約束じゃなかった?」 ルドルフより一回り小さいエンネが、俯き加減のルドルフの顔を覗きこむように言うが、 覗き込むエンネの顔を避けるように視線を外し...
  • ミミズっ娘
    伝説は語る~ミミズ編 著者:15スレ目、ID J9B2oNAU氏 雨の牢 著者:18スレ目、ID zEO9oBh/氏
  • 伝説は語る~ミミズ編
    15スレ目、547,550 ID J9B2oNAU 氏 ――伝承では、「ミミズにションベンをかけると、チンチンが曲がる。」とあるが、それを聞いた愚かな僕は、つい確かめたくなってしまい、チンチンを出して道端でのたうつミミズにションベンをかけてしまった。 すると、『我らの眷属におしっこをかけたのはお前か~』と女の声が聞こえて来て、何事か?と思った刹那、道の両端からミミズが大量にわき出て来たのだ。 そして、僕の目の前に無数のミミズが集まり一つの形をとり始めたではないか! 僕は、チンチンを出したまま腰を抜かして思わず顔を覆ってたが、しばらくそうしてると僕の肩を誰かが叩くのでそっと手を下ろして見ると、目の前に薄赤色の肌の裸の若い女性がいるではないか! 眼前には血管が浮き出る豊満な薄赤色の乳房が二つ目の前で、垂直にぶらぶらしてて、ちょっと顔を上げると、厚めの赤い濡れた...
  • 動物別メニュー
    哺乳類 爬虫類 両生類 鳥類 魚類 水棲生物 昆虫 節足動物 その他 哺乳類 狼っ娘 狐っ娘 ライオン娘 虎娘 猫娘 熊の娘 牛っ娘 兎っ娘 犬っ娘 蝙蝠(こうもり)娘 トナカイ娘 山羊娘 イルカ娘 鯱(シャチ)娘 クジラ娘 馬娘 もぐらっ娘 鼬(イタチ)娘 狸っ娘 チーターっ娘 アリクイっ娘 雌豚 ハイエナ娘 羊娘 爬虫類 蛇娘 鰐(わに)娘 ヤモリ娘 亀娘 カメレオン娘 両生類 イモリ娘 鳥類 鳥娘 魚類 鮫娘 アンコウ娘 トビウオ娘 うなぎっ娘 タツノオトシゴ娘 水棲生物 ヤ...
  • 雨の牢
    夜半に降り出した雨は、激しさを増し窓を強くたたいていた。 「梅雨だな」 父がそうつぶやいたと同時に、携帯に着信が入った。 「え?あぁそうですか。分かりました、すぐ出ます。」 慌ただしく身支度を整えだした父は、どうやらこの雨の中外へ出かけるようだ。 「ちょっと出てくる。今日は帰れないから戸、閉めといてくれ」 この時期よく村の川の水かさが増す事があり、地元消防団に属す 父は河川増水の警戒活動の為夜出る日があった。 「一人で大丈夫だな?」 「高校生にそれはないだろ・・・」 父子家庭の為我が家には二人しか住んでいないこともあり 父の軽口も冗談半分、本気半分といったところだった。 「この雨じゃ消防宿舎に泊まりだな・・・じゃ行ってくる」 父が出かけた後、雨足がさらに強くなった。 何気なく窓際に立ちカーテンをめくった。瞬間、空に閃光が走り けたたましい轟音が響いた。落...
  • 1977~子犬とワルツを雨の日に
    「雨、降ってきたな」  灰色の髪を後ろに撫でつけたハンス=カウフマンは窓間から見える灰色の街並みを眺めながら、じっとラジオに耳を傾けていた。  「はい」  ノイン=カウフマンは頭の上の耳をぴくぴくさせながら夫と同じ様に窓間から雨に濡れる景色を眺めている。  ラジオからはゆったりとした曲が流れ、カウフマン家の居間全体を包みこんでいる。 上の娘二人は今はそれぞれミュンヘンとベルリン、真ん中の息子と下の四人の娘はまだ学校。店は定休日。  それにここ最近立てこんでいたごたごたも片付いて、久々にハンスは妻とゆっくり休める休日を過ごしていた。 こんなのはいつ以来だろうか。とハンスは思う。  おそらく慣れない料理をしようとしてレンジで手を火傷した時、病室でノインと夜を明かした時以来だろうか。 いや。ちょうどこんな雨の降っていた、この街にたどり着いた日以来だろうか。 ...
  • 萌魔王2
    「……今のうちに殺しておくか……」  大きなベッドの真ん中で未だ目を覚まさない竜女を見ながら、リンシャオは何やら物騒な事を言っている。  と言うのも、一応リンシャオのご主人様は魔王で、目の前の竜女は魔王の命を狙った。  なので魔王が助けたとはいえ、魔王に再び襲い掛かるに違いない。  そんな時は死なせとくのが一番だ。しかも何だかキャラも被って癪に障る。  さしずめ今の竜女は鎧を脱がされて魔王が持っていた衣装を着ているし、剣も小さくなって魔王が預かっている。  殺すには絶好のチャンスだ。 「よいしょっと……」 「ん……っ」  竜女の上に跨り、リンシャオは彼女を見下ろす。  何時間か前の、無謀にも魔王に立ち向かった勇ましい姿とは一変し、寝顔は可愛らしい。  頬を突いてみると少し眉根をひそめて反応する。  こうして見ると竜人ではある...
  • 萌魔王3
    ついにこの時がやってきた……魔王にとっては最悪の夜となる。  この場合の”最悪”とは、決して毎回起こっていたことではなく、これから毎回起こる始まりを意味している。  それを魔王はまだ知らない……  物事において万能などありえない。  生物しかり兵器しかり強大な力を持ち、一見全てにおいて万能だと思われる魔王にも実は弱点と言うものがある。  その弱点は、魔王自身防ぐ事も避ける事もできない。 「もうすぐ、か……」  深夜の寝室で、窓から外を眺め一人で月見酒と洒落込みながら魔王は呟いた。  その表情はかなり嫌そう。  何度も何度ももう飽きるほどしてきた事だが、こればかりは好きにはなれない。  魔王が見上げる月、その色に僅かだが赤みがあった。  同時に、魔王は自分の中から魔力が僅かに弱まっているのを感じている。  そう、彼の弱点とは...
  • 「イヌミミなわたし」 Chapter02「反抗」
    最近はなんだか楽しい。 ポチとの出会いは、わたしの今までの人生をがらっと変えてくれた。 ゆううつだった朝の登校は、きょうもポチに会えるという期待に膨らむものになったのだ。 あの時の下駄箱の前を通る。ワイワイと生徒達がたむろする、何でもない日常が広がっているが、 本気を出せば他の人間よりもうんと利く私の鼻は、未だ微かにポチの白蜜の香りが感じ取る事が出来る。 匂いは物の記憶を思い起こさせるらしい。わたしも、なんだか朝っぱらからあの興奮を思い出してきたぞ。 「また、甘ーいポチを食べちゃいたいなあ…」 肩から掛けたスクールバッグを脇できゅっと締め、舌なめずりをすると クラスメイトたちが、のほほんと側を歩いていった。 「今度、駅前の喫茶店で甘ーいパフェ食べにいこうね」 奥からは、おめでたい女子どもの会話が聞こえてくる。 このうららかさが余計に、あの時とのギ...
  • クラゲ娘1
    今日の仕事も無事に終わり、帰路に着くフツーのサラリーマン、それが俺、 まだ一人身なのだが、正確に言えば家には待たせてるやつがいる。 今左手に引っさげてるちっこい海老が、そいつの晩飯だ。 「ただいま~」 ……シーン さすがに沈黙なのだが、そいつは喋らないのであしからず。 とりあえず、スーツ姿から動きやすいスウェットに着替えると、ある場所へ向かう。 普通のリーマンなら、テレビか、残業後なら速攻ベッドだろう。 しかし俺が向かうのは……水槽だ。そして俺は中身に喋りかける。 「今日は久しぶりに早く帰って来れたぞ~。すぐ餌入れてやるからな」 え?何も入ってない?いやいや、目を凝らしてみると…… ふよふよと漂う、まるで生き物っぽくないものが一匹……ミズクラゲ君だ。一匹と言うせいで見事にさまになっていない。 なぜ一匹かと言...
  • はと氏
    御鏡池にて 著者:10スレ目 「イヌミミなわたし」Chapter01 :10スレ目 「イヌミミなわたし」Chapter02「反抗」 :11スレ目 「イヌミミなわたし」Chapter03「時間」 :12スレ目
  • 猫の集会
    「猫の集会」 猫たちには公園や空き地に数匹から数十匹が集まって集会をする習性がある。 野良猫・飼い猫の区別なく、である。 これがいわば猫の集会と呼ばれるものだ。 そしてそれはこの世界に住む猫獣人たちにとっても例外ではない。 さて、この集会。ここでは一体いかなることが話されているのであろうか。 今日はその謎を探るべく、この高性能赤外線カメラを公園に設置した。 早速獣人たちがやってきたようである… 「うい~っす」 ベンチで1人佇んでいた獣人が入り口に2つの影が現れると同時に立ち上がった。 茶色がかった髪から生えるやや尖った猫耳に、すらりとした体型。アビシニアンの獣人である。 「タマキちゃん、こんばんはだよ~」 「こんばんはです」 2人が同時に挨拶。 1人は三毛猫、もう1人はアメリカン・ショートヘアの獣人のようだ。 「…これ...
  • 百舌娘
     はやにえ、というものがある。  百舌が獲物を枝などに刺して取っておく習性によるものだ。最近では枝以外にも 有刺鉄線などにさす場合がある。  カエルやイナゴ、ミミズ、ドジョウ。時にはトカゲなどが獲物とされる。  かつてはしばしば見られたが、獲物が少なくなった現代の町では、とんと見られ なくなった。  そのアマガエルの少年は目を覚まし、そして自分が意識を失う寸前に見た光景を 思い出し身震いした。  彼が気絶する直前に見たのは、空から自分に向けて物凄い勢いで降りてくる影。 (僕は…鳥に捕まったのか?)  ではなぜまだ生きている?  少年は亡羊とした意識で現状を把握しようと首を曲げ―― 「あああん!」  ――そして、自分のすぐ横で繰り広げられている痴態にようやく気付いた。 「えっ?」  聞こえた嬌声に、少年の意識はしっかりと目覚...
  • 犬娘
    犬娘のSS置場。 犬娘1 著者:1スレ目、ID jLrBFpR/氏 犬娘2(日本逆レイプ話) 著者:2スレ目、狐とか四神とかその他諸々書いてる奴氏 犬耳に萌えるとき 著者:2スレ目、ID QWzOKlPc氏 犬娘3 著者:2スレ目、骨折くまさん氏 K9 著者:3スレ目、復活したくまさん氏 犬娘4 著者:3スレ目、ID 7oFw4g7u氏 犬娘5 著者:3スレ目、リハビリくまさん氏 犬娘6 著者:3スレ目、暁狐氏 犬娘7 著者:4スレ目、◆QnKpOCEIdw氏 白と良太郎 著者:4スレ目、暁狐氏 犬娘8(盲導犬) 著者:4スレ目、ポン菓子製造機氏 犬娘9 著者:4スレ目、暁狐氏 Кудрявка  著者:4スレ目、学生くまさん氏 犬娘10 著者:5スレ目、生産性の低い人氏 犬...
  • 「イヌミミなわたし」 Chapter03「時間」
    ちゅぱっ、ちゅっ、ちゅぱっ…。 学校の静かな階段に、舌が絡まる音だけが響く。 「あん、もうだめだよ…」 ちゅぱっ、じゅるっ。 いやらしい思春期の男の子の音。ズボンを下ろし、軽く広げた足の間にわたしは潜り込み、 わたしのかわいい唇が無邪気なポチをせめる。 「うぐ…いきそうだよ。…ねえ…出していい?」 「だめだめ。この間は2分半しかもたなかったんだから、きょうは3分以上ガマンしないと許さないよ」 わたしの調教が続く。わたしの口の中でころころと、ポチの敏感な部分を刺激すると軽い悲鳴を上げた。 わたしは、昼休みに2,3日おきでポチを調教している。 ポチも、お年頃だから色々と誘惑されるだろうし、みっちり調教してわたしのものにしている所なのだ。 ポチもすっかり牙を抜かれて、わたしに従順となりかわいい子犬になっている。 今やわたしは、こ...
  • ヒュドラさん
    ヒュドラさん 通りすがり 『この道には怖い怪物が出てくるから気を付けるんだぞ』 おじいちゃんに毎日の様に聞かされた言葉。 そりゃ幼い頃は『怖い怪物』という単語だけで僕は震え上がったけど、 大きくなるにつれて僕は何とも思わなくなってきていた。 「何が怪物だよ。この科学万能の世の中でさ、怪物とか言う物なんて居る訳ないじゃないか」 そう自分に言い聞かせるかの様に1人で喋りながら、件のその道を歩く僕。 この道はかつての旧道とか言われていて、鬱蒼と茂った木々の所為で昼間の明るい時であっても薄暗く見える。 幼い頃はこの道を通るだけでも嫌がり、親が無理やり連れて行こうものなら激しく泣き喚いた物だ。 しかし、今の僕は自分1人でこの道を通る事が出来る。………まあ、やや早足になるけど。 「ほら、怪物なんて居ない居ない。結局、怪物だなんておじいちゃんの冗談だった...
  • チコとぼく。
    1. チコが習字をしている。 我が家の愛犬チコは、いわゆるイヌミミっ娘。 ぼくが、大学のキャンパスでチコがうずくまってる所を拾ってきた。 始めはやせ細っていたが、今ではすっかり元気になって、いつも跳ね回っている。 見た目は栗色のボブショートの女子中学生。ぴょこんとイヌミミが垂れていて 美しい毛並みの尻尾が自慢の女の子。つぶらな瞳には、飼い主のぼくも心奪われる。 ただ、拾われっ娘なので文字を禄に知らぬ。今日は、彼女なりに文字を覚えようとしている。 「むうう。上手く書けないよぉ…」 居間のテーブルにぼくが小学生のときに使っていたお習字セットを広げ、自分の名前を書いている。 チコがねだるので、仕方なしにぼくがお手本を書く。しかし、悪戦苦闘の様子。 チコはじゅうたんに直に女の子座りをし、ぼくは向かい側で上からじっと見下ろす。 今にも泣きそうな顔...
  • マイマイスシ2
    「えらそうなこと言ってごめんなさいっ、あきり、ああたのざーめんがぁ、無いとぜんぜんらめなのっ」  激しくなる語気と動作にこちらも耐え切れなくなる。六発目だというのにまだまだ衰えを見せない精液が咥内に注がれる。 「んんく、んく、あむ、んふうぅっ、えうっえほっけほっ」  アキリFも飲み込んでいくものの、泣いたせいで横隔膜が痙攣していたから、全部を飲みきることができず、途中で吐き出してしまった。 「ああ……ざあめん……こんな……たくさん……」  涙でぐちゃぐちゃになった顔の上に降り注ぐ精液を浴びながらアキリFはそんなことを呟いていた。 「こんな馬鹿みたいに出して、これだから地球人は……んん……ちきゅうじんはっ……ちきゅうじんはあ……」  射精を終え、全身に浴びた精液を舐めながら、アキリFは初めの頃の威勢の良さを取り戻していた。  それでいて、不満げな様子はな...
  • 弟猫
    ちゅぱっ、にゅぱっ。 ちゅぱっ、にゅぷっ。 ―おかしい。 ちゅぽっ、ちゅぷっ。 ちゅぷっ、にゅぽっ。 田舎の従兄弟の家に長期滞在したものの、祭りの日になって寝込んでしまった俺が、 ちゅむ、ちゅるちゅる。 じゅぽっ、じゅるじゅる。 何で、股間がぬめぬめして、暖かくて、気持ちいいんだ? ちゅぱっ、ちゅぱ、れるれる。 んくっ、んむっ、ちゅるるるる。 この歳でエロい夢かよ…と思いつつ、目を開けてみると… 「ぷはぁ…あ…、…おはよう。…いニャ…、…こんばんニャ…?」 目の前で、おかっぱで黒髪の女の子が、俺のち○ちんを、しゃぶってやがった。 しかも頭の上にはネコミミまで生やしてやがる。ま、胸元がぺたんこだから、 本当に女の子かどうかは若干自信が無いけどな。…いや、そうじゃなくて! ...
  • 龍と人の昔話
    その日は月が青く澄み渡り、縁台に座って茶をすすれば遠く虫の鳴き声が心地良い夏の夜だった。 「神は天に在り、世は全て事も無し…そろそろ寝るか。」 どんどんどん!―――たのもーっ! できれば無視して眠りたいが、放ってほいたら戸を打ち破る勢いだ。 やむなく重たい腰と尻尾を上げて入り口に向かって戸を開けながら文句を投げる。 「なんだなんだ騒々しい。戸を破るつもりか!…ん?」 来客の顔があるべき位置からずっと下、余の腰より下に顔があった。 齢は五つばかり、ぼろを纏った背中には不釣り合いな拵えを担っている。 「お前が龍か!」 「いかにも余は龍だが…小僧が何用ぞ?」 「小僧じゃないやい!僕は刀刃斎って名前があるんだ!お前をやっつけてやる!ていてい!」 言うなり手を振り上げて殴りかかってきた。なんだこの騒々しい小僧は…。 尻尾を小僧の体に巻きつけて持ち...
  • 逆レイプは突然に
    今日、僕は好きなあの子に告白して、見事なまでに振られた。 振った理由は、既に好きな人がいると言うありきたりな理由だった。 それに子供は如何も……とも言われた。………同級生に向かって、それは酷いよ。 この時、僕はハートブレイクの痛みと言うものを初めて知った。 ちなみに、振られる、と言う言葉の語源は江戸時代の遊郭で使われていた、袖に振ると言う言葉から来たらしい。 ……もう、そんなの如何でも良いけど。 しかも、その日、帰りに財布を落とした事に気付いた。 振られた痛手を、せめてお菓子のヤケ食いで晴らそうかと考えた矢先に気付いた事だった。 何処に落としたのかもさっぱり分からず、涙目で彼方此方探したけど、結局財布は見つからなかった。 小遣い、貰ったばかりなのに……。 そんなこんなでブルーな気分で家に帰ると、誰も居ない家の中、 テーブルの上に...
  • イソギンチャク娘
    それはある夏の日の出来事だった。 遥か彼方の地平線に日が沈み始めつつある茜色の海辺を、俺は歩いていた。 ここは海水浴場としてある程度名が知れておりで、昼間は夏の休暇を利用して訪れた浜辺客で賑せている。 しかし、ここまで日が暮れると、浜辺に設置したパラソルやテント等を撤収し始め海辺を後にする頃で、大分人も少なくなる。 特に、今俺が歩いている海水浴場から少し離れた岩礁地帯となると人らしき人は誰もいない。 楽しそうな笑い声や話し声の代わりに波がさざめく音が聞こえ、夕暮れ特有の切なさも相まって、寂しい、けど感傷的でどこか落ち着く空間だった。 俺はこの雰囲気が好きで、今日みたいな夕暮れが綺麗な日、この場所を散歩するのが楽しみだった。 今日もいつものように、自分で決めた巡回コースを往復し、いつものように帰るつもりだった。 そう、彼女に出逢わなければ… 「ねぇ~、そこのお兄...
  • 「イヌミミなわたし」Chapter01
    わたしの人生は生まれた時から狂っていた。 わたしには尻尾がある。ふさふさしてくるりとまわっている。 耳はイヌのようだ、というよりイヌ耳そのもの。三角の耳がぴんと立っている。 生まれた時からなので、わたしはどうでもいいって思っているが、周りがわたしを振り回す。 幼稚園の頃は、耳隠しのフード付の服ばかり着させられ、フードをみんなから捲られる毎日。 小学生の頃は、いじめっ子から耳や尻尾を引っ張られたりして泣いてすごした毎日。 そして、中学生になった今は変わった耳や尻尾を隠すのもメンドクサクなり、堂々と出している。 男子からは笑われ、女子からはリーダー気取りのおばかさんから煙たがれ、教師からは何もなし。 すっかりわたしはひねくれてしまった、と言っても不良軍団にも全く興味なし。 イヌの癖に群れる事は大嫌いなのだ。意味のない日々を悶々と一人ですごす。 ...
  • 灯台と怪談
    夏の怪談話にはいささか早いが…まあこの暑さなら夏みたいなもんだ、気にするな。 さて、何を話すべきか。 『チェレンコフ光とエニグマ』…いや『未來のイヴと東鳩の相対論』だったか? 『電気羊の妹』…『ドグラ・マグラはヤンデレの先駆けか?』でもないんだよな? そうだそうだ、『夜雀に逆レイプされた男』だったな! あれは何年前か。俺は三年ほど灯台官吏官…いわゆる「灯台守」としてある島で働いていた。 特警隊だSSTだのといった警備事案もなければ「海猿」や「トッキュー!(特救隊)」の活躍するような海難もない、挙げ句の果てに刑事事件とも遠縁な部署で日々日々、灯台を整備したり気象を観測したりと平穏な日々を送っていた。 島には空自の小さなレーダーサイトや気象庁の事務所がある以外に建物はなく、たまに本土から日用品や手紙といった類が届いて…まあ酒盛りなんかもしていたんだけど。 ...
  • 猫娘17
    近くのスーパーでマグロの刺身が安かったので買い、ホクホク気分で家に帰る最中。 猫が数匹、俺に近づいてきてなーなー鳴いてきた。 中には擦り寄ってきたりするのもいたんだが、その目線は俺が手にしたスーパーの袋の中の刺身へ注がれており、 猫達はあきらかに刺身狙いなのはまる分かりだった。 なんだかその媚の売り様に腹が立ったので、猫に見せ付ける様に目の前で醤油も付けずに刺身を食ってやった。 それを見てニャーニャーギャーギャーと抗議の声を上げる猫達に向けて 「媚を売れば餌が貰えるとおもったら大間違いだ、残念だったな」と、捨て台詞を残して家に帰った。 ……さて、恐らく猫達は早速逆襲に訪れるだろうと思うが、 セオリー通りに男がやられると思うのも大間違い、ってもんだ 逆にとっ捕まえてあんな事やこんな事をして調教してやる、くっくっく。 ……しかし...
  • キモオタ中年と猫のミーシャ
    俺は現在43歳失業者で独身でニートだ、名前?どうでもいいだろう!? 仮にタダオとしておく。 求職活動は、もう諦めた。酒、煙草、ギャンブルは一切やらない ん?何の為に生きてるかだって? ふ‥愚問だな…猫耳の為だ。 「たるとチャン最高!!」 今日のオカズは魔法少女猫たるとチャンだ… そっとズボンとパンツをずらして俺自身を取り出す。 「たるとチャン…ハァ……ハァ…」 シュッ…シュッ… 「ハァ…ハァ…っ!」 つい息が荒くなってしまう。 もう少し…もう少しでイける… フィニッシュは……俺は部屋を見回す…… いた!!「にゃあ」 唯一の同居人猫のミーシャ白の美雌猫だ。 「へへへ…ミーシャちゃん‥今ぶっ掛けてあげるからね」 俺は限界まで膨張した一物をミーシャに向ける。 「ふーっ!!」 ミーシャは爪を立て威嚇するが… 「無駄無駄無駄…俺の精液は五mは跳ぶハァ…ハ...
  • 猫娘18
    気分晴らしに近くにあるコンビニへ寄って、今日の夕食を買うと、ゴミ捨て場に猫がいたんだ。 実は、俺猫も好きなんだよね あのモフモフとした感じで普段はツーンとしてるんだけど誰もいないところでふたりっきりになるとデレデレしちゃういまでいうツンデレ?とかいうのかな・・・あぁいう性格がまたたまらないよ 「よしよし、かわいい奴めお前ご飯食べているのか?こんなにガリガリで・・・可哀想に家で飼ってはやれないが飯ぐらいは食わしてやるよ」 目の前のガリガリで生きる気力のない死んだ魚の目をした猫に今さっきコンビニで買ったチーカマを少しだけ与えてやると、三日三晩食ってなかったようにガツガツと食べだした。 「じゃ、精一杯いきろよ」 と、一言残していくと家路についた。 研究の為のレポートを纏めるためにパソコンを起動して、ひたすら獣人と人間の恋愛関係、それにたいする結論などを書いているとドアから...
  • コロちゃん
    「コロちゃん良く来たねー」 「こんにちはー」 うちの母親がニコニコしながらお茶を運んでくる。 コロは隣の老夫婦に飼われた雑種の女の子。誰からも好かれる、可愛らしいイヌだ。 おかっぱの髪の毛にイヌミミ、ちみっちゃい妹キャラでぼくらの家族ぐるみで付き合いがあった。 お隣とは垣根で仕切られており、コロはひとっ飛びでうちに時々やってくる。 コロの着ているセーラー服がよく似合う。今度高校に上がるうちの妹、洋子のものだった。 「着てくれる子がいれば」とうちの母親がコロにプレゼントしたのだ。 今日はちょっと寒いので、グレーのカーディガンを上から羽織っている。 コロはぼくのことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。 「また、来てるの?あのイヌっころ」 妹の洋子が二階からコロを見ている。 洋子は動物嫌い。特に隣のコロに対しては異常なほどに敵対心を持つ。 やはり、同...
  • 犬娘4
    「ゆかり~っ!!」 昼を告げるチャイムが反響してる頭に五月蝿く響く声。 机に肩と顎を付けた体勢で突っ伏したまま、声の主を目で探す。 「よぉ、紫。お疲れさん」 声は背後から聞こえた。 姿は見えないが声の主は十年来の友人だろう。 両肩に手を乗せ、そのまま圧迫してくる70kg。苦しいけども嫌ではない。ただ、暑苦しい。 「いやぁ~、ようやく終わったぜ。今日どうするよ?」 先ほど鳴ったチャイムは普段なら昼休みを知らせるだけのチャイム。 ただ今日に限っては、中間考査の終わりを告げる天使の鐘の音だった。 五月の下旬という非常に過ごし易い時期にある悪夢のような期間。 それが遂に終わったのだ。 ついでに今日は昼で下校。鬱憤を晴らす者、部活動に励む者、更なる学問の高みを目指す者。 遊ぶ気力もほとんど無く、部は県でも有数の強豪だが半ば娯楽クラブと化してい...
  • ツンデレ猫
    ちょっと昔の話だが聞いてくれよ そう、あれは暑い夏の日のこと、従兄弟の家に泊まりにいったときのことだ 俺は、夏の休みを利用して家族と一緒に従兄弟の家に泊まりに行くことになった 車に揺られること数時間、のどかな山間にその家はあった 従兄弟と言っても面識がそんなにあるわけじゃなく、顔と名前を知っている程度 まぁ、だからこそ交流を深めようって意味があったのかもしれない 「お世話になります」 そこは大き目の一軒屋、見た感じでは農業でもやっているようである。 「おぉ、良く着たなぁ、こんな遠くまで疲れたろう?上がってゆっくり休めや」 居間に案内され、ドカッと荷物を置いて暑さにうなだれていたが、背中に何か熱い視線を感じる 振り返ると、そこにいたのは“猫”であった 「へぇー、猫飼ってらっしゃるんですね」 こっちをじっとにらんで動かない猫 「ほぉーら、おい...
  • 蛇娘3
     旅人は、途方に暮れていた。  急ぐ用事があるからと、村人の制止を振り切って村を発ったものの、日が落ちるのが想像以上に早く、結局身動きが取れなくなってしまったのだ。  道程はまだ半分ほどしか来ていない。辺りはちょっとした林道になっており、木々が邪魔をして星明かりさえもろくに差し込まない。自分の手さえも見えない、正真正銘の暗闇だった。  こうなってはやむをえない。彼はため息を一つつくと、腰を降ろした。これ以上動くのは危険のようだ。旅を始めてからまだ日が浅く、野宿の経験は多くなかったが、少なくとも初めてのことではなかった。  明るくなり始めたらすぐに発つようにすれば、用事にもなんとか間に合うだろう。彼は手近な石を集めて簡単な風除けを作り、枝を集めて暖を取ろうとした。だが、辺りの湿気が邪魔をしているのか、火打石では火花も出すことができない。  そういえば、なにやら生暖かい風が吹いている...
  • <ロビンソン・クルーソーの島> 山羊のマリー前編
    「ここが……研究所……」 ジャングルの中に突然あらわれた白い石造りの建物に、僕は思わず息を飲んだ。 まるで博物館か、美術館のような美しさを持つそれは、 しかし、確かに科学の粋が持つ機能美も備えていた。 「何してるん? 行くでー。……あんま行きとーはないけどなー」 ポルさんは、玄関先で頭をかきかき言った。 「え?」 「いやー、まあ、あの二人、さっきのこと怒ってそーやからなー」 うーん、とポルさんは頭を抱え込んだ。 「さっきって……?」 「どさくさに紛れて、ミコトのどーてー、ウチが「いただきます」しようとしたこと」 「……!?」 僕はむせこんだ。 「惜しかったなー。あともうちょいの間、あいつら気が付いてなければ……」 ポルさんは、うんうんと自分で頷きながら、そんなことを言っている。 「ちょ、ちょっとポルさん」 「まあ、ええかー。ミ...
  • ナイトライダー&ナイトメア
     左手で手綱を操りながら、右手の水平二連をブレークオープン。  空薬莢を放り出し、手綱を放した左手で手早く二発のショットシェルを装填。手首のスナップで銃身を振り上げ、薬室を閉鎖する。  その間、十メートルほど前を走って逃げている『悪魔』から視線ははずさない。  もっとも、僕が目を離しても、僕の相棒である『彼女』が気を逸らすことなどありえない。正確に追跡し、打ち倒すべき『悪魔』の元へと僕を運んでくれる。  僕が契約を交わして得た力のひとつだ。  狭い路地に入ったところで、『悪魔』は立ち止まり、僕と彼女に正対した。  長い四足に黒い体毛、赤く光る両目と、何よりもその体に纏う禍々しい臭い。かろうじて人型を保ってはいるものの、当然見た目は人間ではなく、成人男性ほどの大きさをした狒々と言える。  逃げる後姿に何度か撃ち込んだダブルオーバックは無駄ではなかったらしく、手足の銃創から、黒い...
  • 人工繁殖
    「未経験者歓迎!」  求人票に表記された文字に視線が吸い寄せられた。  未経験者のほうを優先的に採用すると言うことだろうか? 経験者を募集していることの多い大半の求人票中で、そんな言葉がやけに目立った。  仕事の内容は「絶滅危惧種の飼育・繁殖の補助」とある。  当然のことながら僕にはまったくの未経験。しかし、この求人票を信じるならそのほうが有利らしい。 「やってみるだけのやってみるか」  面接までの日程はとんとん拍子に進んだ。  郊外の施設を訪ね、面接に来た旨を受付に告げると応接室に案内された。 「いらっしゃい。あなたが就職希望者ね? こういった仕事は以前経験が?」 「いえ、未経験です。あ、求人票には未経験者歓迎とあったのですが……」 「ええ、そうよ。ヘタに経験者だったりすると――いえ、それについて今はいいわ。  ところで、どんな生き物の世話をするのか、知って...
  • 猫娘16
    432 ここに独白しよう どうやら俺は人間として壊れているようだ 始まりはただの偶然だったのか、必然だったのかは今でもわからない 俺はこの世に生を受けてから十二年 ただの一度も親しい人物の死を経験したことが無かった だからなのかもしれない なまじ死を経験してなかったばかりにあの悲劇は起こった あれから5年たった今でも、忘れることはない だが、現実はいついかなるときでも 平等に不幸を産み出すのだ 小学校六年生の夏 いつもと同じように学校へ行き、そして友達と一緒に帰る 変わらないはずだった日常 あの日も仲良くなったばかりの友達と一緒に帰っている最中だった まだ太陽の輝きが強い正午過ぎ 俺はあまりの暑さにアイスが食べたくなった 「わりぃ、金借してくれ」 あの頃の俺はやたらと金を借りていた 別に貧乏だったわけではな...
  • 狐娘(ヤンデレ風味)
     そこは暗い森だった。木々が鬱蒼と茂り、差し込む月光はわずかだ。腕を伸ばした枝葉 が地を覗き込むようにして黒々と夜の空を覆っている。夜気に冷やされた水蒸気が凝結し、 下草をしっとりと湿らせていた。  彼はそんな深い夜の中、降り積もった落ち葉を踏みしめるように歩いていた。彼の風貌 はまだ若い。髪は目にかかるほどの長さ。鴉色した直毛で、また女のように艶やかで、径 が小さく、指にとるとさわり心地がよさそうだ。 その下の顔立ちは端正だ。二重の瞳は若干目尻を下げていて、視線を交わす相手に柔和 な印象を与えるだろう。しかし今は、その瞳孔を油断なく周囲に走らせていた。  腰元の刀は、彼の身につけたもので一番に目を引いた。彼は、そりの小さい2尺ほどのそ れをベルトにつないだストラップを用いて帯びていた。柄尻に結ばれた鈴が、チリンチリ ンと歩に合わせて澄んだ音を鳴らす。 彼の纏う水色の...
  • 獣人兵士達の性教育
    狼型獣人兵 量産開始から約4年半 普通の人間より4ヶ月早く生まれた6人の娘たちは、実年齢4才 人間換算で12才(成長が早いだけで寿命自体は人間と同じ。)になった。 この年齢は、まあ、みんな訪れるであろう『思春期』という頃である。 日本獣人軍 狼型獣人部隊。通称<大神家>。 現在俺と妻こと鳴には12人の娘がいる。最初の6人が4才 次に生まれた6人が2才。 数が多いので世話をするのが大変だった。まあ、その大変さも幸せだけど。 はじめ獣人兵は人間では無いとし、戦死者の数には含ませなかったが、日本政府のトップである現在の内閣総理大臣は、彼女ら獣人達の生活、人との触れ合いを見ているうちに、感動したらしく、日本国籍を与え、日本人と同じ権利を与えた。 もっとも、戦争している現在、獣人は生まれながらにして公務員であり、軍人であり、最前線で戦わなければいけないことに変わりない...
  • 【シンゴ青年の不幸せ(?)な日々】
    蜘蛛、その不気味な容姿から気味悪がられていた虫。 害虫を食べる益虫ということで一応大事にはされていたが、 その毒々しく怪しい姿をした小さな虫は、殆どの人には嫌われていた。 …いつの話だ。可愛らしい小さな虫じゃないか。 今の蜘蛛は毒々しい色のままでっかくなったうえに、益ですらないんだぞ。 女の上半身がくっついて、毎晩散々俺を犯すんだぞ! それが彼女なんだぞ!! ここは復元資料をさらに複製し収めた、復元図書館。 そこで昆虫図鑑という資料の中にあった蜘蛛の項目を覧ながら、 青年シンゴは心の中で叫んでいた。 【シンゴ青年の不幸せ(?)な日々】 滅びの大戦と呼ばれる戦争があったのは五百年前。 その時生き残った人々は、自分達が築いてきた文明が世界を滅ぼしたことを悟り、 ありとあらゆる資料を後世に残さないため、処分してきた…はずだった。 その当時の世...
  • ある草原の喫茶店で
     その喫茶店は、広大な草原の真ん中にあった。 辺りは見渡す限りの草原。遥か彼方に目を移すと、雪を被った山脈が延々と連なっている。 牧場らしく、木製の簡単な柵が立ち並び、牛がのんびりと草を貪っている畦道の脇。 住居兼用と見られる喫茶店がちんまりと佇んでいた。 道の脇に、「IN 喫茶店」という看板が無ければ、誰も喫茶店と気が付かないだろう。  その看板の前で、一人の男が安堵の溜息を付く。 自転車を引き、泥に汚れた格好の男。と、いうのも、 (転んだときに飲料水全部ぶちまけるとはな) 自転車旅行中の男にとって、コンビニはおろか、人の住まう住居すら見えない現状では、 看板が救いの神に見えたことだろう。 「ごめん下さい」 扉を開けると、乾いた鈴の音が客の来店を告げる。 見回すと、小奇麗に整理された木製のテーブルと椅子。 簡素ながらも、木の色に深みのあるカウン...
  • 猫娘21
    あの子を拾ったのは、小学校一年の時。 冬休み間近のある日。ダンボールの中で、今にも消え入りそうな弱々しい声で鳴いてた子猫を見つけて、家に連れ帰った。 鳴き方が『ミィミィ』という感じだったから、ミィ。今考えれば安直極まりない名前だ。 最初はすぐ死んじゃうんじゃないかと思ったぐらい、痩せてて、汚くて、見るからにみすぼらしい猫だった。でも、体を洗ってやって、 餌もしっかり食べさせてやると、ミィは見る間に元気になった。パサパサだった毛も女の子らしくさらさらになり、体重もグッと増えた。 ミィとはいつも一緒だった。学校に行く時は玄関で見送ってくれたし、帰ってくる時も玄関でお出迎えしてくれた。母さんから聞いた話に よると、ミィは僕が帰るきっかり五分前に、なぜかしっかりと玄関で待っていたらしい。 僕はミィが大好きだった。たぶん、ミィも僕が好きだった。だから、ずっと一緒だった。 ...
  • 猫娘15
    通りすがり 「シィッルッキィィちゅわぁぁぁぁん!」 「こ、来ないでこのド変態ッ!!」 ザシュ 「ぎぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」 ――はて? 何の音だろうか?誰かが騒いでいる声と音が聞こえたような……気の所為かな? ここは某大学の構内、時は日も落ちてお月様が顔を出し始めた頃、 俺、陵 勇樹(みささぎ ゆうき)は長引いていた大学の実習がやっと終わり、 ある用事の為に大学の構内を一人歩いていた、その片手には出来たての猫まんまを持っていたりする。 と言うのも、その”ある用事”と言うのがこの大学で飼われている猫のシルキーに餌を与える為に 夜中にも関わらず人気の無い大学の構内を一人歩いていた訳で、 ……まあ、端から見たら今の俺の姿はもろに不審者であるのだが…… それもあってか、以前、警備員さんに不審者と見間違われた事...
  • 濡れ女?
    「は?濡れ女ぁ?」 友人の馬鹿げた言葉に、俺はつい素っ頓狂な声を上げてしまった。 俺の名前は鏡 恭司。一応はフツーの高校生なのだが…… 家が『討魔士』なんて時代遅れ甚だしい職業をやっているため、 その跡取りである俺も、小さい頃からやれ妖怪の退治方法やら、やれ怨霊の成仏のさせ方やら… 訳の解らない、修行とは名ばかりの拷問を受けていたため、身体と腕っ節だけは人一倍… いや、二倍も三倍も丈夫過ぎて、我ながら困っている。 そんな俺の出自を知っているオカルト部の友人が、俺に非常識すぎる相談を持ち掛けて来た。 「そうなんだよ恭司!この現代に妖怪濡れ女!しかも襲われてるのはウチの運動部のエースばかりだって…」 ああ良く知ってるとも。家柄が家柄だけに、妖怪なんて馬鹿らしいモノの知識は、 それこそ水木○げる御大も裸足で逃げ出すほど良く知っていた。 ちなみに濡...
  • invisible guardian
    ザッ、ザッ、ザッ…… 「やれやれ、何でこんな事に……」 俺は今、密林の中を結構な装備で突き進んでいる。 うっそうと草が生い茂り、木々が日の光をさえぎる、典型的な密林だ。 なんともいえない暑さと、湛えられている湿気のせいで俺の体は凄い発汗量を誇っている。 俺は森林調査のために日本からここアフリカへ数十日前に飛び立った。 なのに今俺は、全く別の目的で森の中に居た。 ―――――――数日前――――――― 俺は調査隊の上の人に呼ばれてた。 「失礼しまーす、隊長、なにか御用ですか?」 「ああ、藤島、来てくれたか…実はちょっと困った事になっててな…  1週間前に送った班なんだが…」 (あ、そういえば昨日帰ってくる予定だったっけ…) しかし隊長の顔色はよからぬ事が起きた事を物語っている。 「あり?ひょっ...
  • Am Tag des Regens im Mai~子犬とワルツをベルリンで 後半
    1945年5月2日午後 時 ドイツ第三帝国首都ベルリン 天気 曇り ちゅ……ちゅぴ…… ハンスは口内に感じる違和感に再び目を覚ます。 どうやらまだ自分は生きているようだ。 雲が完全に晴れたのか先ほどより月の光は強まっており、そして眼前には俺の唇を攻める全裸に上着だけのノインがいる。 「あ、おはよー。ハンスさん」ぷあ、と唇を離してノインがハンスに言った。 「…………おはよう」ハンスは答える。と言うか、そうするしか無かった。 どうやら靴紐か何かで手足を縛られているらしく、コンクリートの壁にもたれかかったままハンスは全く身動きが取れない。 不意にノインが立ち上がるとドイツ国防軍の上着をめくり、ところどころ火傷を負った白い肢体をさらけ出す。 「ハンスさん、どうです?わたしの裸」 「……そういうのは無闇に見せるもんじゃないだろ……」 ハンスは顔をそむ...
  • 山羊娘1
    1914年12月3日におけるヨークシャー沖での戦闘について。 報告者 駆逐艦『サーカス』艦長 ウィリアム=リード少佐 追記報告者 戦艦『オーガスト』艦長 ジョシュア=エズモンド准将 この日、ポーツマス軍港からスカパフロー軍港へかけて航行していた巡洋戦艦『ドーセット』を始めとする艦隊が、英国本土砲撃のために同海域に侵入していた 巡洋戦艦『フォン・デア・タン』をはじめとするドイツ帝国艦隊に遭遇。『ドーセット』は奮戦するも、ドイツ艦隊によって撃沈される。 なお『ドーセット』乗員997名は同伴していた駆逐艦『サーカス』『リーフ』によって救助される。その内訳は、無事な者が382名、重軽傷者535名、行方不明者22名、 死者58名となっている。 (追記・死者58名のうち2名がドイツ軍捕虜となっており、終戦までドイツ国内に抑留されていた) これに対し、ドイツ艦隊の被害は装甲巡洋艦1...
  • 狼型獣人兵 その2
    俺の手を握る彼女の手に力がこもる。 キスというやつでは…。 俺は驚いて眼を見開き彼女を見たけど…、彼女は目を閉じたままずっと動かなかった。 いきなり口付けられた動揺の中で初めて触れる女性の唇の感触を感じながら、俺も眼を閉じた。 すこしの間、ただ口付けただけだったんだけど彼女から唇を離される。 「いきなり、ごめん。舌、入れなきゃって思ったんだけど、初めてだったから恥ずかしくて、出来なかった、、、」 「いえ…、俺も…初めてでしたけど。」 顔を赤くしながら、申し訳なさそうに謝る大神さん。俺も綺麗な彼女の初めてを奪ったのが申し訳無いような気がして、俺も自分自身初めてだったって告白した。 俺より体が大きくて、普段かっこいい大神さんが瞳を潤ませながら少女のように恥ずかしがっていて少し可愛く見えた。 「良子にキスの仕方教わったんだ。好きな人とするように、とか。舌の絡め方とか。」 ...
  • 蛸娘1 その2
    *   * 「しっかし、あいつが言う恩返しってなんだろうな……」 夜、俺は布団に寝そべり、天井の明かりの消された蛍光灯を眺めながら呟きを漏らした。 アレから、八美の炊事の腕を見るついでの食事をとった後、 気が付けばなんやかんやとやっていた事もあってか時刻も夜半過ぎをまわっており、 更に俺自身もなんだか疲れを感じていた事もあって、そのまま寝る事となった。 ちなみに、俺の言うあいつ――八美は「良い寝床や」とか言って押し入れの使われていない一角を某蒼狸みたく占領し、 さっさと寝床にしてしまった。 ……どうやら、人間の姿になっても蛸の習性は抜けていない様である。 まあ、布団を一々用意する手間が省けた意味では喜ばしいけど。 「家事などの手伝いをしてくれるだけって訳じゃなさそうだし…… そもそも蛸に、鶴の恩返しみたいな事が出来るとも...
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