擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプするスレまとめ @ ウィキ内検索 / 「一匹見かけたら三十匹はいるG娘」で検索した結果

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  • G娘
    ...fzK/氏 一匹見かけたら三十匹はいるG娘 著者:8スレ目、暁狐氏 G娘1著者:19スレ目、b2y/HUNY氏
  • 一匹見かけたら三十匹はいるG娘
    「んッ、んむッ……はあぁ、おっき」 「あ、あの、そろそろ、お前が誰か知りたいんだけど」  単刀直入に言えば、夜中起きたら誰かが俺の上に乗っていた。  手元に丁度明かりを付けるリモコンがあったから付けようとしたら、乗っている奴に慌てて拒否された。  次第に暗闇に目が慣れてくると、そいつが女の子だと言う事が分かった。  この際、どうやってこの家に入ったかは置いといて、見慣れない女の子だった。  赤い瞳に短髪の黒髪、さらに触覚のようなものが見えて時々動いている。  まぁそこまではいい……問題はその女の子が俺のナニを咥えていたという、ちょっと嬉しい事実だ。  だが、見慣れない女の子、何故こんな事をしているのか、俺にはさっぱり分からなかった。 「ああぁんッ、おく、とどいてぇ……きもちい、ですぅ……ッ!」  とか思っているうちに、俺の質問なんて無視しつつ今度は下の口で俺のナニを咥え...
  • 暁狐
    ...の白魔女4 一匹見かけたら三十匹はいるG娘 萌魔王 狐娘16 狐娘17 狐娘19 久遠さんと刹那ちゃん 狐娘1  狐娘2  狐娘3  狐娘4  狐娘5  狐娘6  狐娘7  狐娘9(鼬娘有り)  狐娘10  狐娘13 優奈君と四聖獣の性活 白虎  白虎(優奈出会編)  玄武&白蛇  青龍  青龍(妄想一人エッチ編)  朱雀  黄龍  九尾の狐  優奈の休日(青龍&黄龍×優奈)   龍(魂剛)  高於加美神 グランゾンとシンシア 第1話 第2話 神崎カズマの奮闘 蝙蝠娘1  ヘルとサン 空ニ掛カル一筋ノ弾丸 狼の兄妹 ...
  • ハブられた犬の話
    沖縄県では、ハブの被害は年間100件以上に上る。 これでも大分減った方で、昔は500件にも及んでいた。 ハブは7月に生殖期を迎えることもあって、 その前の5月、6月は活動が活発になり、その結果被害件数も増える。 ……そう、ちょうど今の時期だ。 鳴り響く電話の着信音に急かされ、私は受話器を取った。 「はい、もしもし……役場の方?  はい……はい、わかりました! すぐに行きます!」 私は電話にそう答えて、やや乱暴に受話器を置く。 そんな私の様子をいつの間にやら見ていたらしい私の『飼い犬』は、 クリクリとした大きな瞳で私を見ながら尋ねてきた。 「どうしたんですか? ご主人様ぁ?」 「ナナ、出番だ。ハブの被害があったらしい」 「わっかりましたぁ! それなら早く行きましょう、ご主人様!」 まるでこれから遊びに行くかのようにナナは目を輝かせ...
  • G娘1
    697 :名無しさん@ピンキー:2012/03/25(日) 23 04 54.82 ID b2y/HUNY 父の転勤で東京に引っ越してきた。 父は昆虫などの生物学の権威。 その都合で憧れの大都会に住むことになった。 父が何の研究をしているのかはよく知らなかった。 幼い頃、父に尋ねてみたら昆虫の繁殖機能がどうとか生命力がどうとか言っていたが その時はイマイチ理解ができなかった。 都内に来て数日、僕は父の研究所に行くことになった。 最初は面倒だったが、父の研究とは何か少しだけ興味があったので渋々付いてきた。 研究所に入り、驚愕した。 カサカサと響くあまりに不快な響き、量も量だったので普段は絶対に聞かない「キィーキィー」と いう鳴き声が余計に気分を害する。 昆虫とは聞いていたがまさかコレを研究しているとは夢にも思わなかった。 昆...
  • 同居蜘蛛
    同居蜘蛛 ソレの存在には前から気が付いていた 普段の生活の中で何気なく感じる視線 視界の縁で蠢く黒いモノ 部屋を見回しても何も見つからないが、絶対に何かいるという確信。 そして、ついにソレの存在を確認する日がやってきた。 いつものようにパソコンの画面を見つめていた時・・・ コソコソ (今!ディスプレイの影に何かいた!) 黒い何かがいた 確実にいた 間違いなくいた まさかGか? 引っ越してきて約1年、いままで一度も出現した事のないアイツが来たのか? 部屋は清潔にしているつもりだったのに、あいにくゴ○ジェットは持っていない おそるおそるディスプレイ後ろの壁を見てみると コソコソ 確かにいた。だがそれはGではなく、小さなハエトリグモだった。 指で突っつくとテコテコと走ったり、ジャンプしたり逃げていく愛嬌のあるやつ。 「クモは益虫だから殺してはいかん...
  • 竜3(改訂版)
    昔々、あるところに2匹の雌の竜が居ました。 一匹は大気の力を統べる蒼竜。 一匹は破壊の力を統べる黒竜。 彼等は竜の棲まう『竜種の楽園』で永い永い時を過ごしていました。 数千年の時を経て、エルダードラゴンとなった彼女達は魔法ですら自在に操り、人間の軍隊など片手間で滅ぼせる程になっていたのです。 そんなある日、一人の竜騎士候補が楽園にやって来ました。 実は、人間が楽園にやって来るのはそれ程珍しくありません。 竜騎士のように、相棒を求めてくるもの。竜の脱皮した際に出る鱗や老廃物を得ようとする錬金術師や商人。 竜達は人間よりも気が長く寛容だったので、特別咎めたりしません。 尤も、良からぬ事を企んだりする輩は例外なくブレスや巨大な牙にかかり命を落としていました。 さてその日、2匹のウチの片割れ―――蒼竜の背中にいきなり竜騎士が降って来ました。 どうやら崖の上から転落した...
  • ライオン娘2
     どうも、僕はレオ。ライオンの雄、4歳です。  群れを追われて早2年、この母なる大地でなんとか今日まで生き長らえてきました。  ヌーの子供に狙いを付け、気付かれないよう近付こうとしたら後ろから大人のヌーが突っ込んで きて間一髪で当たるところだったこともありました。  猛牛怖いです。  ハイエナの集団から獲物を横取りしようとして、雄叫びを上げながら突進するも激闘の末追い払 われたこともありま…ゴメン、嘘つきました。  本当は目つきの悪い集団にビビッてすごく気の抜けて間延びした声だったと思うし、凶悪に睨み 付ける無数の視線の前に回れ右で退散しただけです。  掃除屋怖いです。  たてがみも生え揃わない頃に発情した雌ライオンのお姉さんに誘惑されて、シマウマの仔を捕ま えて貢ぎ、いざ事に及ぼうと思ったらどこかに隠れていた雄ライオンに半殺しにされました。  美人局怖...
  • ニホンカワウソ娘
    渓流釣りを楽しんでいたら意識が遠のき、見えるのは白濁した場面。 川の水の音は聞こえるから岸辺か? 「クリティカルと思ったら石の中に頭が!」 何かが言っている。 「傷めておいて傷めずに持っていくのもなんだか…」 意味はわからないが解かる言葉で言っている。 これは夢か? 「ゆ~めで~あります~♪」 ※ 目が覚めた。 薄暗い場所。洞窟というより掘った横穴、何かの巣のようだ。 仰向けで寝ている状態でも天井が低く感じる。 多分立つと天井に頭をぶつけるだろう。 体を起こして胡座をかく。 「ここはどこだ?」 6畳ぐらいの広さで壁面には蝋燭が四方に置いてあり、ここが人工だとわかる。 自分の座る左右と真正面の3箇所の行けそうな道というか横穴がある。 どの穴も中は暗く状況はわからない。 「どれが正解だ?」 「暗いんですが壷ですから出れますよ」 声と共に左の...
  • 狐の神様
    「ですから性交しましょうよ、金太さぁ~ん。」 「イヤです。」 再三の伊藤さんのお願いにもきっぱり断る。 「殿方の精なしではあたしは生きていけないんですよ。」 俺の目の前にいる伊藤さんは人間ではなく、狐の獣人である。 自称神様なんだが如何せん怪しく、物の怪や妖怪の類にしか見えない。 神通力や幽波紋でも見せてもらえれば信じられるが以前見せてと頼んだけどつっぱねられた。ますますうさんくさい。 「人間の精が栄養になるのはわかってます。でも昨日やったばかりでしょ?俺は毎日続けてできません。」 実は栄養を取るだけなら普通の食物でも問題ないけど、そこはあえて触れないであげる。 「減るもんじゃないでしょうに…。」 頬を膨らまして突っ込みどころ満載の不満を漏らす。 こう可愛い表情をされると許してしまいそうになる。 正直な話、俺は伊藤さんが好きだ。 可愛くて家事もきっちりこなせる。 ...
  • 土竜娘
    土竜娘 ID ASQVPI3C にちよう ― ハイキング ― ちかみち ― けものみち!          *おおっと おとしあな* 「…ぁぁぁぁああああッ あがッッ!!」 落下速度が一瞬でゼロになると同時に衝撃と激痛が背中から全身へと走る 肺から空気を強制的に搾り出され、更なる苦痛に顔が歪んだ 数分後、かろうじて動く首だけを起こし、痛みが残る思考を無理矢理回復させ恐る恐る目を開くと… …見渡す限り闇一色。 落下した感じからして結構深い。生きているのが幸いだ。死にそうだけど。 「…痛ッ!!」  どうやら足を挫いたらしい、鈍痛と熱が右足首から広がっていくのが明確に分かった 声の反響具合からしてかなり広い空間なのだろう、視覚が無いせいか、土の匂いが鮮明に感じられる 痛みに堪えながら背中のリュックを手探りで漁り、ペンライトを掴み、壊れてない...
  • つっぴん♪つっぴん♪とーびーうーおつっぴん♪
    忙しかった仕事が終わり、上司から割りと長めの休みをもらった俺はそれを利用して沖縄の離島で一人 キャンプをしようと思い立った。何で一人か?男には一人になりたい時ってあるだろう? というわけで、俺は船に乗せてもらって現在目的地である離島へ向かっている。こういった休みをもら うとたびたび訪れている場所なのですっかり慣れたものだ。船に揺られて、到着を待っているとぴちっと トビウオが一匹はね、船の上に迷い込んできた。群れからはぐれたのだろうか、トビウオはピチピチと 一所懸命跳ねている。このままでは可哀想なので、俺は跳ねるトビウオを捕まえると海に戻してやった。 「もう、こんな所に不時着するなよー」 そう俺が叫ぶとわかったとでもいわんばかりにトビウオがぴちっとはねた。 離島に着くと、俺はまずいつもねぐらにしている洞窟を目指した。ちょっと遅れた時間に出発したので...
  • ショタっぽい×亀(すっぽん?)
    それはある夏の日の出来事。 いつもと変わらぬ帰り道 いつもと変わらぬ友人達と いつもと変わらぬ暑さの中を 僕は歩いていた。 朗らかに笑いあう友人達。 学校であった出来事でも話しているのだろう。 その会話に僕は混じる事ができずに、 ただ一人、少し後ろをついてゆく。 古い神社の前を通り過ぎた 曲がり角のパン屋さんも通り過ぎた 小さな廃工場さえも先程通り過ぎた けれども話題は変わらない。 そっと一人、ため息を吐く。 まだ距離はあるけど自分の家が見える。 今日の帰り道で僕が話すことは無さそうだ。 少し、残念に思いながらも僕はなお彼らの後ろについてゆく。 じきに家に着く。 次にある信号の無い交差点をまっすぐ行けばすぐそこだ。 十字路の交差点も通り過ぎ………る筈だった。突如、先頭を歩く...
  • 戦場の小さな恋
    戦場の小さな恋 「ただいま~」 「おどぉおざぁ~ん!! おがぁざぁ~~ん!!」 戦場から無事、獣人居住区『家』に帰ってきた俺達狼型獣人部隊の家族は 少年が銀色に輝く灰色の髪を振り乱して泣き叫び、俺達のほうに走ってくる。 俺の方に抱きついてきた。 一体どうしたの、と妻が自分と同じ灰色の髪を撫でながら尋ねた。 「どうしたの? 英雄(ひでお)」 根室 英雄 (ねむろ ひでお) 俺、根室悠阿と 妻、大神鳴の 13番目の子供にして、初めての男の子。(5才)だ。 獣人は即戦力の為、一度に数人生まれ、人の3倍早く成熟するのだけど、 この子の場合1人で生まれ、人間として普通の人と同じ早さで成長していた。 息子より下の妹達はこの子より早く成長している。 (…今でもこの子が出来た日のことを思い出すと恥ずかしい…。) …話を戻してこのショタ息子の話を聞く...
  • 雪虫
     朝起きてみたら、ちょっと寝坊気味だった。ぼくは急いで温かい布団の誘惑をはねの けて朝ごはんをつめ込むように食べ、中学に入学してからの七ヶ月間で通いなれた道を 小走りに学校へと向かう。  通学路の坂道を上っているとき、目を前にちいさな白い綿毛のようなものが舞っていた。 雪虫だ。何かの本で読んだことがある。アブラムシみたいな小さな虫で、体を綿みたい なもので包んでいる。風に吹かれながらしきりに羽をばたつかせているその姿は、名前 のとおり粉雪にそっくりだった。  走るぼくの横を、白い雪虫と茶色い落ち葉が流れていく。十一月の朝は、風を切る手 がかじかむくらい冷たかった。  学校についたぼくは、1年A組の自分のクラスに飛び込んだ。ギリギリ遅刻にはなら ないぐらいの時間なので、もうクラスのみんなはぼく以外全員来ていた。ただその様子 が少しおかしい。も...
  • 猫の集会
    「猫の集会」 猫たちには公園や空き地に数匹から数十匹が集まって集会をする習性がある。 野良猫・飼い猫の区別なく、である。 これがいわば猫の集会と呼ばれるものだ。 そしてそれはこの世界に住む猫獣人たちにとっても例外ではない。 さて、この集会。ここでは一体いかなることが話されているのであろうか。 今日はその謎を探るべく、この高性能赤外線カメラを公園に設置した。 早速獣人たちがやってきたようである… 「うい~っす」 ベンチで1人佇んでいた獣人が入り口に2つの影が現れると同時に立ち上がった。 茶色がかった髪から生えるやや尖った猫耳に、すらりとした体型。アビシニアンの獣人である。 「タマキちゃん、こんばんはだよ~」 「こんばんはです」 2人が同時に挨拶。 1人は三毛猫、もう1人はアメリカン・ショートヘアの獣人のようだ。 「…これ...
  • 蒲焼にすると美味いぞ
    「はぁ・・・、さっぱり釣れなかったなぁ」 コンビニの弁当をさびしくついばむ青年、小中武は今日渓流釣りにチャレンジしてきたのだが結果は散々 であった。 「しかも、大雨でこんな山小屋で一泊とはな」 しかも、最悪な事に天気が急に崩れ雨が降り出して来たのだ。そこで武は急遽運良く見つけた山小屋に 避難することにしたのだ。携帯は生きていたので、そこで天気を調べると明日にはあがるという事で少 し安心した。幸い、食料や水分は持ってきてあったので一泊くらいなら大したことはない。ただ、問題 なのは衣服が雨にぬれてしまい。現在は山小屋に備えてあった毛布に素っ裸という状況だ。 「風邪ひかねぇといいんだけどな」 とひとりごちると何やら人影が。 「あー、もう急に降って来るなんて最悪ー・・・キャー」 と急に山小屋のドアが開き、女性が一...
  • 動物別メニュー
    哺乳類 爬虫類 両生類 鳥類 魚類 水棲生物 昆虫 節足動物 その他 哺乳類 狼っ娘 狐っ娘 ライオン娘 虎娘 猫娘 熊の娘 牛っ娘 兎っ娘 犬っ娘 蝙蝠(こうもり)娘 トナカイ娘 山羊娘 イルカ娘 鯱(シャチ)娘 クジラ娘 馬娘 もぐらっ娘 鼬(イタチ)娘 狸っ娘 チーターっ娘 アリクイっ娘 雌豚 ハイエナ娘 羊娘 爬虫類 蛇娘 鰐(わに)娘 ヤモリ娘 亀娘 カメレオン娘 両生類 イモリ娘 鳥類 鳥娘 魚類 鮫娘 アンコウ娘 トビウオ娘 うなぎっ娘 タツノオトシゴ娘 水棲生物 ヤ...
  • K9
    「生きて一緒に故郷に帰ろう。」 それが彼の口癖だった。彼は私を唯一無二のパートナーだとよく誉め、頭を撫でてくれた。 彼が陸軍K9部隊要員として徴兵されたあの日、私も軍用犬としての道を歩むことになる。 彼はその時から口癖を言うようになった。 今…彼は私の目の前で息を引き取ろうとしている。ごぼごぼと血を吐き出し、自らの血液で溺れ… 最後に優しい笑顔を浮かべると、静かに目を閉じた。 嘘。 「ご主人…様?ねぇ…ちゃんとベッドで寝なきゃだめだよ?起きないと顔舐めちゃうよ?」 ぺろぺろと顔を舐める。彼の体が冷たくならないように、彼が起きれるように。 「ふ…うぇ…ひっく、ご主人様ぁ…私を置いていかないで…」 「K9…か」 鐘楼から構えた狙撃銃のスコープの中、十字線に映し出されたのは倒れた敵兵とその顔を舐める一匹の犬だった。単独の偵察だろうか、他に仲間は見当た...
  • 狼娘1
    青年がその狼を救ったのは気まぐれだった。 軍隊に入り、国が敗戦。下手に出世していたのだ仇になり、大きな町に住めなくなった。 だから青年は山で猟師を生業として生きるしかなかった。人と話すのは、月に一度町を降りて狩った動物の毛皮を売るときのみ。 生来人付き合いが苦手な青年はそれでも十分だと思っていた。だが、それでも無意識のどこかで寂しい思いをしていたのかも知れない。そしてその無意識の寂しさが、怪我をした狼を助けるという行為の理由だったのかもしれない。 いずれにしても、青年は怪我をした狼を助けた。普通の狼より二回りも大きいメスだった。 右目の大きな縦の裂傷の他、さまざまな傷を負ったメスの狼。 飼いならせば猟犬の代わりになるかもしれない、と自分に言い訳してつれて帰った。そして傷を手当し餌を与えた。 初めのうちは暴れ、ろくに力の入らない口で噛み付いてきたが、頭が良いのかこ...
  • 「イヌミミなわたし」 Chapter02「反抗」
    最近はなんだか楽しい。 ポチとの出会いは、わたしの今までの人生をがらっと変えてくれた。 ゆううつだった朝の登校は、きょうもポチに会えるという期待に膨らむものになったのだ。 あの時の下駄箱の前を通る。ワイワイと生徒達がたむろする、何でもない日常が広がっているが、 本気を出せば他の人間よりもうんと利く私の鼻は、未だ微かにポチの白蜜の香りが感じ取る事が出来る。 匂いは物の記憶を思い起こさせるらしい。わたしも、なんだか朝っぱらからあの興奮を思い出してきたぞ。 「また、甘ーいポチを食べちゃいたいなあ…」 肩から掛けたスクールバッグを脇できゅっと締め、舌なめずりをすると クラスメイトたちが、のほほんと側を歩いていった。 「今度、駅前の喫茶店で甘ーいパフェ食べにいこうね」 奥からは、おめでたい女子どもの会話が聞こえてくる。 このうららかさが余計に、あの時とのギ...
  • 燕娘1
    ちゅじちゅじ、ちゅるるるるるるる 普段この建物で絶対に聞けないような甲高く、どこか清々しい音に、俺は音のする方向を見てみる。 「お、なんだ燕の巣か」 見ると、鉄骨トラスの梁の上に、小さめの燕の巣があった。 「しかし、なんでこんな場所に巣を作るかねぇ……」 俺は巣を見つけた瞬間に燕が心配になった。 ここは小樽築港機関区機関車庫……つまり、日本でも最強の部類に入る蒸気機関車が何台も収まっている場所だ。 以前近所のガラス屋のおっさんがダットサンのトラックを空吹かしさせて軒先に巣を作っていた燕を一酸化炭素中毒で殺したのを知っていたし、 こんな場所に巣を作ればトラックどころではない一酸化炭素でたちまち仏様だ 「しゃあないなぁ………」 俺はとん、とん、と巣に近い位置にあったC62-2号(皮肉にも、国鉄がデフレクタに燕をあしらったマークを施したスワローエンゼル機で...
  • 竜3
    昔々、あるところに2匹の雌の竜が居ました。 彼等は竜の棲まう『竜種の楽園』で永い永い時を過ごしていました。 数千年の時を経て、エルダードラゴンとなった彼女達は魔法ですら自在に操り、人間の軍隊など片手間で滅ぼせる程になっていたのです。 そんなある日、一人の竜騎士候補が楽園にやって来ました。 実は、人間が楽園にやって来るのはそれ程珍しくありません。 竜騎士のように、相棒を求めてくるもの。竜の脱皮した際に出る鱗や老廃物を得ようとする錬金術師や商人。 竜達は人間よりも気が長く寛容だったので、特別咎めたりしません。 尤も、良からぬ事を企んだりする輩は例外なくブレスや巨大な牙にかかり命を落としていましたが。 さてその日、2匹のウチの片割れの背中にいきなり竜騎士が降って来ました。 どうやら崖の上から転落したらしく、あちこち骨折したり酷い打撲を受けていたりしていました。 友...
  • 犬娘10(前編)
     オフィス街、とあるビルの自動販売機コーナー。 「はぁ~」  板についていないリクルートスーツをどうにか着込んだ冴えない青年が、ため息をつきながらとぼとぼと自販機に近づく。 (こりゃ、駄目かもわからんね)  何が駄目かというと、ついさっきまで一つ上のフロアで行われていた某企業の採用面接である。  面接、といっても形式は様々だ。学生1人を相手に行う個人面接。数人を相手に行う集団(グループ)面接。学生数人があるテーマに沿って議論をし、その結論を発表するグループディスカッション。あるテーマについて賛成・反対に分かれて議論するディベート、等々。  彼が今回受けたのはグループディスカッションだ。テーマは『少子高齢化社会で企業が生き延びるには』。制限時間は45分。  常識的に考えて、たった45分で、しかも学生ごときが結論を出せるようなテーマではない。かといって彼が受けたグループディ...
  • ヤドカリ娘1
     あれは、少し暑い日の事だ。  俺は一人暮らしで、その日は大学もバイトも休みだから、俺は普段の疲れを癒そうと住んでいるアパートにいた。  何をするわけでもなく、白いシャツとトランクスのみで寝ていると、そいつはやって来た。 コンコンッ。  玄関が鳴った。どうせ何かの勧誘か何かだろうと思い無視していると、また鳴った。  それでも無視していた。そうしたら今度は連続で20回ほど鳴った。  いい加減嫌になったのでズボンを履いて玄関へと行く。 「はい? 新聞なら間に合って――」 「こんにちわ」 「………」  不機嫌そうに扉を開けると、そこには女の子が一人笑って立っていた。  俺より少し背が低く、貝のような帽子をかぶっている。 「あの、どなた?」  見覚えのない女の子。  大学でもバイト先でも、こんな変な帽子をかぶった娘は知らない。  そんな女の子に戸惑っているとき、彼女は...
  • チコとぼく。
    1. チコが習字をしている。 我が家の愛犬チコは、いわゆるイヌミミっ娘。 ぼくが、大学のキャンパスでチコがうずくまってる所を拾ってきた。 始めはやせ細っていたが、今ではすっかり元気になって、いつも跳ね回っている。 見た目は栗色のボブショートの女子中学生。ぴょこんとイヌミミが垂れていて 美しい毛並みの尻尾が自慢の女の子。つぶらな瞳には、飼い主のぼくも心奪われる。 ただ、拾われっ娘なので文字を禄に知らぬ。今日は、彼女なりに文字を覚えようとしている。 「むうう。上手く書けないよぉ…」 居間のテーブルにぼくが小学生のときに使っていたお習字セットを広げ、自分の名前を書いている。 チコがねだるので、仕方なしにぼくがお手本を書く。しかし、悪戦苦闘の様子。 チコはじゅうたんに直に女の子座りをし、ぼくは向かい側で上からじっと見下ろす。 今にも泣きそうな顔...
  • 蝙蝠美女
     県立草壁高校。ここも、純潔ヒト科の人間と獣人等が共生する 一般的な(?)ごく普通の学校である。  身体能力の差はあれど、それぞれの生き方でそれぞれの未来を これから築こうとしている、前途有望な若者達が集う学校。  偏差値は、まあ普通の部類。どこにでもある学校である。が、 やはりそこは高校。いろいろな事件や出来事があるものだ。  山木蓮次郎(やまきれんじろう)は、この草壁高校に通う三年生。 影と存在感は薄く、何を言われても断れないタイプ。適度な長さ に切られた髪の毛と、黒縁の眼鏡は優等生タイプに見えなくも無 いが、縮こまっているような全体的な印象は、やはりいじめられ っ子のイメージに近い。そして、実際に多少なりとも蓮次郎は、 そういった境遇の中にあった。  今学校は昼休み中。学食で昼食を取るもの、教室の中で弁当を 広げる者、食べる時間を惜しんでゲームをする者、グラ...
  • 夢の中の狐
    彼女は俺を押し倒し、俺の上に乗った。 そして優しく微笑み、柔らかい唇で口付けをした。 やや酸味がかかった甘みを感じる。 さらに彼女は舌で、俺の口の中に割って入る。 俺はその舌を受け入れ、舌を絡ませる。 お互いの舌が、お互いの口の中を絡まったまま、往復する。 その中で、俺は彼女に情熱と愛しさを感じた。 彼女が口を離すと、二人の舌の間に銀の糸が伸びた。 その時の俺の表情はどんな顔かわからないが、彼女は恍惚としていた。 彼女が上体を起こすと、俺のイチモツにふわりとした柔らかい感触が当たった。 彼女の尻尾だ。 彼女の頭の上には、先端だけが黒く染まった黄色系の三角の耳がある。 さっきまで気づかなかったが、彼女は狐の獣人なのだ。 俺が尻尾で感じているのに気づいたのか、俺の上に腰を降ろし、彼女は嬉しそうに目を細め、ゆっくりとねっとりと、尻尾で俺を弄ぶ。...
  • いぬのおまわりさん
    ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ♀ロリ×♂お巡りさん編 「お巡りさんお巡りさん」  交番の前に立っていた僕に、女の子の涙交じりの声が呼びかけた。視線を下げてみると、 そこにいたのは猫獣人の女の子。可愛らしい顔は涙で汚れ、耳も尻尾もしょんぼりと悲し げだ。 「どうしたんだい?」 「あのね、わたし、迷子になっちゃったの……」 「迷子になっちゃったんだ。じゃあ、おうちはどこかわかるかな?」 「わかんないよぅ……」 「じゃあ、お名前は?」 「ふええぇぇん……ママ……ママぁ……」  な、泣きだしちゃった。どうしたらいいんだろう。 「じゃ、じゃあお兄さんと一緒にお母さん探しに行こうか。どっちの方から来たのかな?」 「あっち……」  女の子が指さした方角に向けて、...
  • 七尾の恩返し! まえ
    「と言うわけで、恩返しに参りましたぁ」 「はえーよ」 俺の前で座る少女が深く頭を下げたのに対し、真っ先にそんな言葉が出た。 傍目から見れば、仁王立ちの男の前で少女が土下座してる訳だから、 ちょっと普通じゃない光景だ。ただ、この少女は普通じゃない。 金髪で少し小柄なこの少女、 しかしよく見ると、頭の横から長く、フワフワした毛に覆われた耳が飛び出している。 そしてもう一つ、お尻の辺りには7つの尻尾。モコモコとした毛に覆われたそれはまさしく狐の尻尾だ。 コスプレではない事は確かである。 さっき俺が自身で確かめ、頬に残る三条の傷と引き換えに、血の通った本物であることを証明した。 なぜ、我が家に狐少女がいるのか。恩返しがどうのと言い出しているのか。 それを説明する為には、6時間前に遡らねばならない。 折りしも、趣味のハイキング中...
  • 海馬話後編
    海馬話前編 15スレ目、605-608 ID 215YsglN(bEcg2pcl) 氏  日常へ戻って早三ヶ月。  人の腹の中で日に日に育つ赤の他人のガキが最近やたら目立ち始めた。  畜生、目立たないはずじゃなかったのかクソババアと俺は口の中で悪態をつきながら妙に出ている腹 を見下ろした。  再三堕ろすか堕ろすまいか悩んだ結果、子どもに罪は無いかと病院へは行かなかったが、結局俺は男 のプライドを取ったのだ。その結果が、コレだったりする。  悲しいかな、順調に育っているのが手に取るように解るのである。手を当てるとここん、と蹴られた り動いたりするから、卵からは孵ったっぽい。……三ヶ月も一緒に居ればちょっと愛着も沸いたりな。  海に住んでる本家は知らんがタツノオトシゴ族の卵は全部が孵化するわけではない。ほとんどが無精 卵で、一つか二つの有精卵が孵化して...
  • 猫娘16
    432 ここに独白しよう どうやら俺は人間として壊れているようだ 始まりはただの偶然だったのか、必然だったのかは今でもわからない 俺はこの世に生を受けてから十二年 ただの一度も親しい人物の死を経験したことが無かった だからなのかもしれない なまじ死を経験してなかったばかりにあの悲劇は起こった あれから5年たった今でも、忘れることはない だが、現実はいついかなるときでも 平等に不幸を産み出すのだ 小学校六年生の夏 いつもと同じように学校へ行き、そして友達と一緒に帰る 変わらないはずだった日常 あの日も仲良くなったばかりの友達と一緒に帰っている最中だった まだ太陽の輝きが強い正午過ぎ 俺はあまりの暑さにアイスが食べたくなった 「わりぃ、金借してくれ」 あの頃の俺はやたらと金を借りていた 別に貧乏だったわけではな...
  • 空ニ掛カル一筋ノ弾丸
    「はあ~ぁ、メンドクセーなぁ」  ある山奥でカズマは深い溜め息を吐いた。  服装はいつもの適当な服、山登りに来たわけでもない。  だけどいくら面倒でもカズマはここに来なければならない、何故なら仕事だから。  今日も今日で妖怪退治。  ここ最近はカズマもそのほかの人間もこんな感じであるが、カズマ自身除霊などは得意ではないので妖怪退治、化け物退治が丁度いい仕事なのだ。  とは言っても、カズマもこのところ連日で本業の仕事をしているので、元から嫌だったのがますます嫌になりやる気も出ないでいた。 『これで何度目? そのメンドクセーって』 「うるせーよ」  ゆっくりと欠伸しながら山を登っていくカズマに話しかける女の声。  だが、彼の周辺には人などいない。  話しかけられ、カズマは右手に持っていた銃に話しかけた。  そう、彼に話しかけたのは人ではなく彼の仕...
  • 雪ちゃん 前
    雲ひとつ無いよく晴れ渡った空。さわやかな風が草原に吹いている。 見渡す限りの草原。目を引くようなものはその中に不自然に落ちている一抱えできそうな岩ぐらいだろう。 このような日は何も考えずに寝転んで、昼寝でもしたらさぞ心地良いだろう。 「おい、聞いてンのかよ!」 無粋な声が思考を遮った。 自分を囲む男達の一人がいらだったように声を上げたのだ。 粗末なぼろを纏い、同じく粗末な刃こぼれのした刀を手にしている。 前に三人、後ろに二人の計五人。追いはぎと言う奴だ。 すっかり囲まれてしまった。 …うむ、興味なかったから視界から抹消していた、なんてな。 何故こんなに落ち着いているかと言うと自分は強いから、では無い。 自虐するわけではないが、剣術道場では下から数えたほうが早い程度の腕前だった。 絶体絶命の危機と言う奴なのだが…まあ、心配はしていな...
  • わんわんパラダイス
    「ご主人様、起きてください。朝ですよー」 耳元で優しい声で唱えられながら体を揺すられる。 「うん、あと五分な……」 「ダメですよ、起きてください」 なんで彼女は元気なんだ?昨晩はあんなにベッドで激しい運動をしたのに。 人間じゃないかもしれない。 目鼻立ちの整った美しい顔。金色のフワフワした髪、服の上からでもわかる豊かな胸。 それだけなら問題ないさ。でも頭から垂れた犬耳。メイド服のスカートから飛び出るフサフサのしっぽ。 どう考えても人間なんかじゃない。 彼女――レトは元々俺の飼い犬だったけど、ある日いきなり人間になってしまったんだ。 それ以来彼女はメイドとして一人暮らし中の俺――犬養誠司の世話をしてくれている。 ……夜も含めて。 「ご主人様が起きてくれないと私寂しいです…」 涙声で言うな。嘘だって分かるのに無視できないじゃないか。 「あ...
  • 蛇娘6
     「おかえり、買って来てくれた?」  「あ!」  「ちょっと、『あ!』って何!?」  「…ゴメン、明日仕事の帰りにスーパーで食材買ってくるからその時に…」  「もう1回買いに行きなさい!」  「えー、また車出すの面ど……ぐ、ぐぅ」 車でなけりゃ行くのも億劫な’最寄’のコンビニに行くのを渋ったら、姉ちゃんに尻尾で絞め上げられた。そう、尻尾でだ。 姉ちゃんが穿いている、デニムのスカートから延びる鱗に包まれた長く大きなヘビの尻尾は僕の体を数回転、ギリギリと万力のような力で締め付ける。僕の爪先は地面から浮き上がりそうだ。 「マ、マキ様、ギブ…ギブです」 これは姉ちゃんが我が家のペット、アフリカニシキヘビのマキの頭をスカートの中に突っ込んで僕を締め付けさせている……のではなく正真正銘僕の姉、水池麻紀(みずち まき)の尻尾なのだ。 尚、姉をなだめるために様付けしなければ...
  • 日不見先輩
    ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 <日不見先輩> 「四筒(スーピン)? 三筒(サンピン)?」 「それ待てって! 躊躇だ!」 「カン!」 「ラスヅモが数牌(シュウパイ)? だぁぁ、振りってこたない!」 「ロン!!」 「嵌張搭子(カンチャンターツ)!? やっちゃった?」 「……もってけ! 最後に笑うのは私……のはずよ!」 そう叫んで鵜佐芸(うさげ)は椅子にもたれかかり、ため息をついた。 「そんなこと言ったって、もうハコ点だろ」 僕がそう言ってにやりと笑うと、穴ウサギの獣人娘は眉をしかめて睨みつけてきた。 <地下室で麻雀同好会>の中でも強豪といわれる勝負師も、僕にかかってはこんなものだ。 「くそー、次は負けないわよ!」 「はいはい。強がり言う前にジュース買ってこーい」 腰に手を当てて勝ち誇る僕を見て、鵜佐芸はぷーっと膨れる。 「……さすが、頬袋動物」 「……うっさいわね!」 ハコ点にな...
  • 10スレ目>>905氏に捧ぐ
    春は名のみの、風の寒さや。  されど、暦も弥生と相成って『女の子祭』無事終了、『白い日』へのカウントダウンも 一桁台に突入した今日この頃、黄砂混じりの少しざらついた風の中にも、仄かにナニカの 甘い香りが絶妙にブレンドされてるような気がしないでもない。  ……もっとも、それ以上に『あぁ、今年も(俺以外には)ちゃーんと“春”が……』 なんて思い知らされるのは、こっそり回覧されてくる『異動トトカルチョ』下馬評と 辞令交付予想上位者たちによる、切羽詰った『合コン』への頭数用お誘いラッシュと 夜毎、狂おしくも朗々と響き渡る『猫の妻恋』声だったりするのだが。  しかし、今現在俺の耳に届くのは、半分虫の息風の哀れな擦れ声のみ。 『ナ゛、ァ゛……ォ゛……ン゛』  駅前のコンビニで購入したささやかな食料品と、ついでに受け取った宅配便小荷物を ...
  • 色葉とその後
     八月も終わり、季節及び世間は夏から秋に変わろうとしている。  とは言っても、俺の仕事は季節などあまり関係はない。  あるとしたら、季節物の話を執筆する程度であり、俺の生活はなんら変わることはないのだ。 「おふぁよー」  獣人と言う種族が発見されてからかなり経った。  とは言っても、公式に発表される前、それこそ人と大昔からずっと共存してきていた種族だったとか。  まぁ、俺も公式発表前に妻と子供作った、いや妻に作らされて、その数年後には籍は入れてないけど結婚もした。  あまり笑わないと言うか、無表情だった妻。  もうこの世にはいないけど、今も脳裏に鮮明に無表情ながら時々微笑む妻の姿が浮かぶ。  それに、たった今眠そうに欠伸をし目を擦りながら、危なっかしい足取りでリビングに来た、十二歳になる娘の色葉(いろは)は、昔の妻によく似ているから、見る度に思い出す。 ...
  • 人工繁殖
    「未経験者歓迎!」  求人票に表記された文字に視線が吸い寄せられた。  未経験者のほうを優先的に採用すると言うことだろうか? 経験者を募集していることの多い大半の求人票中で、そんな言葉がやけに目立った。  仕事の内容は「絶滅危惧種の飼育・繁殖の補助」とある。  当然のことながら僕にはまったくの未経験。しかし、この求人票を信じるならそのほうが有利らしい。 「やってみるだけのやってみるか」  面接までの日程はとんとん拍子に進んだ。  郊外の施設を訪ね、面接に来た旨を受付に告げると応接室に案内された。 「いらっしゃい。あなたが就職希望者ね? こういった仕事は以前経験が?」 「いえ、未経験です。あ、求人票には未経験者歓迎とあったのですが……」 「ええ、そうよ。ヘタに経験者だったりすると――いえ、それについて今はいいわ。  ところで、どんな生き物の世話をするのか、知って...
  • 二又の白魔女
    「おいレオン。次の町にはまだ着かんのか?」 「まだまだですよ」 「もう野宿は嫌だぞ私は。今日中に何とかしろ?」 「無茶言わないでくださいよ。最低でもあと一日はこの森に……痛いッ!」 「主に口答えとは、随分と偉くなったもんだなぁ」 「す、すみません」  鬱蒼とした木々が日の光を遮る薄暗い森の奥深くに、一人の青年と一匹の猫がいた。  猫にレオンと呼ばれた青年は、背中に旅道具と思わしき物を背負って重そうに揺ら揺らと危なっかしく歩いている。  茶髪の短髪、顔は完全に女。しかもそこ等の女では敵わないであろう美人顔で、過去の記憶が断片的にしかない男。  だが身に着けているものは白い鎧で、彼の胸を覆っている。  肩や腕や脚には白い肩当て、腕当て、臑当ても身に着けておりその下は普通の服。  そんなちょっとした騎士のような格好をしている彼の肩当ての上に乗っている一...
  • 堕チタ魔術師、歪ンダ愛
    SA/堕チタ魔術師、歪ンダ愛  世は、あらゆるモンスターが蔓延る時代。人々はそのモンスターの影に怯えながらひっそりと暮らしている。  ここフラナドリア王国も例外ではない。  国によって造られた討伐部隊のお蔭でだいぶ数は減ったが、それでもまだ安心して暮らせるまでには至っていない。  フラナドリア王国付近にモンスターが多い一番の理由は国の北部にあるダンジョンが原因である。  生きて帰って来た者はいないと言われている禁域、クリムゾンゲート。  何か強力な封印が施されているのか、不思議なことにそのダンジョン付近にモンスターが集まることはあっても、中にいるモンスターが外に出てくることはないらしい。  わざわざ危険を冒してまで入る命知らずの冒険者も少なくなり、こうしてクリムゾンゲートは次第に人々の記憶から消し去られていった。  ――二年前 「……フィル、正気か?」 「マジもマジ、大マジだぜ!」 「...
  • 狐娘8
    高くそびえるビルが立ちならぶ街を日中の太陽が眩しく照らし出していた。茶髪の白衣を着た男は道中のコンビニで購入したパンの袋を咥えながら、いつもの診察をするために保護センターへと車を向かわせていた。 人に自慢できることではないのだが、朝はかなり弱く寝坊してしまうことが多い。よくこれで獣医になれたものだと自分でも驚くことがある。 「今日は保護センターの検診か。」  親が動物医学の権威なのもあってか俺は、動物病院の主治医の仕事だけではなく、俺は希少種や絶滅危惧種の検診なども依頼されることが多いのだ。  もちろん親の七光りだけで出来たわけではない。自分でもかなり勉強をしたし、教授の地位も実力で勝ち取ったものだ。 いつものように保護センターの監視ゲートで警備員にIDカードを見せると、車を白い大きな建物の入り口に車を止めて降りる。 「先生、お待ちしておりましたよ。」 ...
  • イルカ娘2
    蒼い空、流れ行く白い雲、さんさんと輝く太陽、そして何処までも広がる海! 「うーみーは広いーなーおおきーいなー♪……海のぶぅぁかやろぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!」 おバカの様に歌った後、何処までも広がる水平線に向かって大声で罵声を上げる。 端からこの様子を見りゃ馬鹿かキチガイににしか見えないが、 生憎、その端から見る人間ですら、今は居ない。無論、叫ぶ意味も無いだろう。 だが、それでも俺、海原 通(うなばら とおる)は今、海に向かって叫びたかった。 そう、俺は今、絶賛遭難中だ。それも1人でだ。             海に行く前に言っておくッ!      おれは今、自然の脅威って奴をほんのちょっぴりだが体験した    い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……          ,.  -‐'...
  • grass wander
    やあ (´・ω・`) ようこそ、予言ハウスへ。 この世界滅亡予言はサービスだから、まず聞いて落ち着いて欲しい。 うん、「また」なんだ。済まない。 仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。 でも、この予言を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない 「アンゴルモア」みたいなものを感じてくれたと思う。 殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい そう思って、この予言ハウスを作ったんだ。 と2000年問題という2大バーボンに立て続けに釣られた我々だが今回の温暖化だけはガチらしい。 「あぢぃ…」 息をするだけで肺を焦がすような夏の熱気。 気温は真夏日を超える猛暑日。 それだけでも気が滅入るのに本日のバイトはお外で元気に除草作業ときている。 これが仕事内容を選べない派遣バイトくんの辛いところだ。 そんなわけで今日も健気に働いているわけ...
  • 狐娘13
    暁狐  今日も俺はある神社に訪れていた。  高校生活二度目の夏休みになり、最近はもう日課となっている。何も無いただ古びた神社には、俺以外周辺には誰もいない。  正確には出てこないの方が正しいかもしれんが。  だけど俺は待っていた……その子が現れるのを。  それこそが俺の目的であり、近くの大きな樹の下に靠れて何をするわけでもなく、ただ揺れる木を眺めていた。 「よう」 「………」  数分経ち、樹に靠れて座りながら軽く片手を挙げ、少し笑顔を見せて自分の前に現れた者に挨拶。  現れたのは、小さな少女だった。実際の年齢は男は知らないが、外見的には小学生。  下半身の丈が短い白い着物を身にまとい、セミロングの白髪に真紅の瞳が特徴の、この町では見られない美少女。  名前も知らない、その少女は黙って俺に会釈をし、ゆっくりと隣に座った。 「今日も見てくれるか?」  俺の問いに...
  • ほの暗い井戸の底から
     失恋とリストラのダブルパンチを喰らった俺は、社会からドロップアウト して自然の中に暮らすことを決心した。  社会不適応者と笑わば笑え。そも、今の日本社会自体が非人間的な論理で できているのだ。そのような世界から抜け出したのは、決して逃げではなく むしろ進歩である。ところで俺は、誰に向かって言い訳をしているんだろうね?  というわけで俺はいま、新しい住処となる山奥のあばら家の前に立っている。 正直、ここに暮らすのは人間として以前に動物としてどうなの? といいた くなるような荒れ具合なのだが、俺のつつましい貯金で買えたのはこれが精 一杯だったのだ。何か、この世のものならぬ存在がいてもおかしくないよう な雰囲気がバリバリなのだが、気にしたら負けである。  これまた貯金をはたいて買った軽トラ(中古・事故歴アリ)から荷物をお ろし、荷ほどきを始める。家を...
  • <ナイルなティティス>2
    「……」 気がつくと、見えたのは、古ぼけた木の天井だった。 「ここは……」 身を起こそうとして、ものすごい虚脱感に身体を襲われた俺は、 そのまま布団の上に沈みこんだ。 布団? 「お、気がついたみたいだぞ」 「あっ! よかったー!」 声がする。 男の人の声がふたつ。 片方は年上に思え、もう片方は同い年か下くらいのものに聞こえる。 身を捩ってそっちのほうを見ようとしたが、やっぱり身体は動かなかった。 「あ、動かナい方が良イでス。あなたの身体、弱ってマす」 三人目の声。 微妙にイントネーションがおかしいけど、びっくりするくらい綺麗な声が降ってきた。 俺をのぞきこむ顔が三つ。 「よかったー。意識が戻らないんじゃないかとハラハラしましたよ」 同年代の学生の、ほっとしたような表情 「大丈夫だ、ここで治せない毒はないぞ」 サラリ...
  • 蛾娘
    蛾娘ID f/fKRjVw 「あ~もしもしー?今から電車乗るところれ~す」 「早くしてよね待ってんだから」 終電に乗り遅れまいとする人々でごった返す駅の中、男は電話していた。蚊に。 「いや~急な会議が入っちゃいましてえ~マ~ジすんませんキート先輩ぃぃ」 「どーせまた飲んでんでしょこの酔っ払いが!」 「えっへへへへぇぇぇばれた?ばれた?」 「うっざ…」 名前のなかった蚊娘は自らを『キート』と名乗ることにした。 『モスキート』の『キート』からとったらしい(男が提案した『イン○クター羽賀』は却下された)。 男はなんだかんだでキートとの共同生活を楽しんでいた。 「あ、電車きたわ。じゃまた後でねニート先輩♪」 「ニートじゃねええ!!」 プッ ツーッ ツーッ 「野郎…覚えてろよ」 キートは買ってもらった携帯電話を布団の上に放り投げ、4本の腕で伸びをして羽...
  • Am Tag des Regens im Mai~子犬とワルツをベルリンで
    ポン 『Am Tag des Regens im Mai~子犬とワルツをベルリンで』 1945年4月、南下するソ連軍にくわえ連合軍のノルマンディ上陸を許したドイツ軍は次第に劣勢に追い込まれ、 首都ベルリンまでソ連軍が迫った今、ドイツ降伏は時間の問題となっていた。 1945年4月29日午後9時 ドイツ第三帝国首都 ベルリン 天気・曇り  よどんだ曇り空が落ちる中、ドイツ第三帝国の首都であるベルリンはかつての優雅な街並みをどこかに置き去りにしてきたように、 瓦礫に包まれたゴーストタウンと化しつつあった。  「おい、ハンス」  廃墟と化した地下鉄駅の階段にしゃがれた声が響く。ハンス=カウフマン兵長が振り向くと、そこにはハンスと同じ陸軍の制服を着た壮年の男が立っていた。 「ほら、コーヒーだ」そういって男は熱いコーヒーの入ったブリキのカップを階段の途中に置く。  ...
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