一族郎党を引き連れた恭順。それは魂を枉げることだ、屈服に慣れることだ。
「Yes,O-key……何でも捨てる。抱くなら抱きな、こんなあばただらけの上、閨の技なんざ良くしらねえが、
いくらでも、何でもやる、喜んでやるぜ」
ふっふ、と甲斐の虎は含むように笑った。
その威圧感も覇気も今は感じない。なんでもいい、大丈夫だ小十郎。
「儂ではない。あの幸村が儂に嘆願してきおった。政宗に惚れた、とな。
年も似合い、なれば幸村の傍らに侍るがよかろう」
幸村?
あんた、本気でオレに惚れたって言うのか?
分を越えて、信玄にオレの身柄渡すように頼み込んだってのか?
……なんなんだよ。
「オレはあいつに惚れちゃいない……そりゃ何でもしてやるさ。
だが、幸村の性格じゃ、愛情注げねえ妾なんざいねえ方が、まだマシじゃないのか」
オレはあいつを愛せない。きっと、誰よりも愛せない。
「愛さぬと決まったものでもなければ、妾でもないわ。
どこの息女と偽るかはのちに決めるが、幸村は正室に据える勢いであったぞ。
政宗、これを受け入れるならば、伊達の者達もそれなりに遇しよう」
一旦言葉を切り、信玄は歩み寄った。
立ち上がれば一層その姿が大きい。
「年月を信じてみよ。確執など年を重ねる内に消え失せるわ」
「Yes,O-key……何でも捨てる。抱くなら抱きな、こんなあばただらけの上、閨の技なんざ良くしらねえが、
いくらでも、何でもやる、喜んでやるぜ」
ふっふ、と甲斐の虎は含むように笑った。
その威圧感も覇気も今は感じない。なんでもいい、大丈夫だ小十郎。
「儂ではない。あの幸村が儂に嘆願してきおった。政宗に惚れた、とな。
年も似合い、なれば幸村の傍らに侍るがよかろう」
幸村?
あんた、本気でオレに惚れたって言うのか?
分を越えて、信玄にオレの身柄渡すように頼み込んだってのか?
……なんなんだよ。
「オレはあいつに惚れちゃいない……そりゃ何でもしてやるさ。
だが、幸村の性格じゃ、愛情注げねえ妾なんざいねえ方が、まだマシじゃないのか」
オレはあいつを愛せない。きっと、誰よりも愛せない。
「愛さぬと決まったものでもなければ、妾でもないわ。
どこの息女と偽るかはのちに決めるが、幸村は正室に据える勢いであったぞ。
政宗、これを受け入れるならば、伊達の者達もそれなりに遇しよう」
一旦言葉を切り、信玄は歩み寄った。
立ち上がれば一層その姿が大きい。
「年月を信じてみよ。確執など年を重ねる内に消え失せるわ」




