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悪魔軍占領地域の自警団や警察署では混乱が広がっていた。
悪魔軍に協力してもしなくてもひどいことになることが予測できたからだ。
仮に悪魔軍に協力したとしよう。
ハインリヒが負ければ、警官はそのまま悪魔軍の圧政の手先となってしまう。
ハインリヒが勝利し、領土を取り戻せば悪魔軍の圧政を手助けたした罪で民衆から告発されるだろう。
悪魔軍に協力的しなければ見せしめをくうのは予測できることである。


もはや、警察署内では誰それが突然姿を消したのは悪魔軍の無言の見せしめ、上司が突然降格されたのは悪魔軍に逆らったからだという流言飛語が飛び交っていた。



それもこれも、悪魔軍が行政組織をもっていることに起因する。
元来砂漠の星ガルドでは政権交代が日常茶飯事だったが、たいていの組織が軍事だけで決起し十分な行政組織をもたず、既存の行政組織の上に乗っかることで権力基盤を固めてきた経緯がある。
権力交代に伴う多少の粛清や上位者の入れ替えはあっても行政組織そのものは存続しえたのである。


だが、悪魔軍の場合は違った。

以下書きかけ