*2010/9/19~21 今日はレースゲームのルール。 こんなルールを守ったレースゲームが大好きだという個人的な好みを書いてみました。 記述しているのはレース系のゲームにおいてコーナーを回るとき、コーナーに入ってから出た後の機体(キャラ)の向きと速度に関するルールです。 最初はコーナーに関する話。 スキーやスノボなど、地形の影響を受けやすいゲームをイメージしてください。 コーナー内でのルートをユーザーが選択するとき。 1 機体の向きと速度が安定するコース取り。 2 コーナー内でのドリフトやコース取りなどの選択に応じて、コース脱出時の機体の向きと速度が敏感に反応するコース取り。 コース脱出時の向きと速度の振れ幅が、コーナー内でのユーザーの行動に敏感に反応してしまうコース取り。 一つのコーナー内で1と2のどちらかをユーザーが選択できるコーナーが理想となる。 1を選ぶか2を選ぶか、その間を選ぶか、ユーザーの実力に応じてコース取りが選択される事となるコーナー。 ユーザーの実力が上がるほど2が選択肢として浮上し、2の比率の変化によって同じコーナーでもコーナーの意味や難易度が変わり、何回走っても飽きないコーナーが生まれる。 そういったコーナーが理想となります。 -機体の挙動 1と2を補強するための、適切な写像があるとさらに嬉しい。 写像というのはライトなレースゲームならドリフト、マリオカートならドリフトとミニターボ。 スキーやスノボの旋回に関するテクニック。 大事なのは写像(ドリフトか普通のカーブか等)。 これの選択比率やタイミングによって、コーナー脱出時の機体の向きと速度の振れ幅が大きくなるか小さくなるかが決まるのが重要。 例えばドリフトなどの高速旋回をあらわす動作の比率が高いと、コーナー脱出時の機体の向きと速度の振れ幅が大きくなり、ドリフトの比率が少ないと小さくなる。 振れ幅が大きくなる動き(写像)を選ぶか、小さくなる動き(写像)を選ぶか、ユーザーがこの選択比率をが選ぶことが出来るのが重要。 -複数のコーナー 複数のコーナーをつなげて最速コース取りを考えるとき、一つ一つのコーナーでのコース取りが次のコーナーでのルート取りに影響があると楽しい。 一つ一つのコーナーをどうつなげていくかという巨大な問題が生まれる。 一つのコーナーを出た後、次のコーナーへと進入するルートが前のコーナーの出方によって決まってしまう。 この問題に、前述の1と2が絡むのが重要。 例えば3つのコーナーを一繋がりのコーナーと見て選択する場合。 素人なら1,1,1と無難にいくが、上手くなると1,2,2や2,1,2のようなコース取りが可能となる。 あるコーナーで2を選んだ後に、次のコーナーへ入った場合、2による影響を受けて次のコーナーでのコース取りが難しくなるのは明白。 2の比率が増えると、3つのコーナーが一つながりのコーナーとして意味を持ち、2による撹乱がコース取りの難易度を上げていく。 こうして連続したカーブなどでは、1,2どっちを選択するかというコーナー取りの組み合わせという多様性が生まれる。 写像取りでは、2へと誘引されやすい写像を多く使うか少なく使うかという問題が生まれてくる。 -応用 この考えかたはコース取りだけでなく、ジャンプを組み込んだレース(スキーやスノボ系も可)でもOK。 コース中にあるジャンプ台へのコース取りによってジャンプの高さと距離が鋭敏に反応し、着地地点によって次のコーナーへの入り方がかわり、それがタイムに影響を与えるコースが好き。 但し、着地地点によっては次のコーナーに入るときにたいして影響を与えない範囲と敏感に反応する範囲を用意して欲しい。 そうでないと、敏感な操作性を反映してコース取りの考え方や難易度が上がりすぎてしまう。 ゆるいジャンプとかっこいいコース取りの二つが重要。 ジャンプした後、次のコースに入ったとき1のコース取りになるか、2のコース取りになるかを、ジャンプの方向で選択できることが重要。 ジャンプする前も、ジャンプの向きの微調整に1が係わるか2が係わるかが重要。 -コーナーの長さの限界 あまりにもコーナーが繋がりすぎていると疲労が溜まるので、コーナーをつなげて考えれる長さは長すぎないのが大事。 適度に一息つける緩やかな道が必須。 その辺バランス。 -コーナーつくりの原則 1のルート取りがしやすいコーナーでは、プレーヤーが気持ちよく走ることが出来るし、タイムの上がるギリギリのラインが分かりやすいのでギリギリを狙う快感が得られる。 2のルート取りになりやすいコーナーでは、コース取りでミスが置きやすく、レースに波乱をもたらすことが出来る。 2重視のコーナーではコース取りを探す楽しさを楽しめる。 1と2の混在したコーナーでは、走り方の多様性を楽しめる。 ただし、2を誘引するコーナーがあまりに高密度で配置されていると、プレーヤーは操作が追いつかずコースに翻弄されてしまう。 プレーヤがコーナーを判断し、コース取りを選択し操作に移せるような、余裕と間隔を持ったコース配置をしなくてはいけない。 そのためにはコースを緩やかに作るか、2を誘発する要素の距離を広めにとる必要がある。 悪いところばかりでもない。 2を高密度で連続させる場合にも使い道はある。 高密度なコーナーは、コース一番の難所、何度も挑戦できる難所として使えば良い。 ただ2ばかり高密度に配置しては、ユーザーはコースに翻弄されるだけなので、適度な密度が大事。 -マトメ スキー、スノボ、乗り物、なんでもいいのですがレース系ゲーム全部に共通する要素。 パチンコの玉が落ちていく過程、ピンボールで玉を弾く操作、ガウス分布を引き起こす玉の落下過程。 スキーやスノボで坂道を下る過程。 レースで次々とコーナーを攻略していく過程。 全て不可逆過程という言葉に集約され、落下(移動、滑り)は一つ前の落下(降下や滑りや走り)に依存する。 結果の多様性を生み出す不可逆的な分岐(右に落ちるか左に落ちるか、速度を上げるか下げるか、ハンドルを右に切るか左に切るか、写像(ドリフトなど)を使うか使わないかの分岐の連続です)。 この分岐によって生まれる多様性こそがレース系ゲームの魅力であり、この分岐を最大限に魅力的な方向へ持っていくのが最も楽しいゲーム。 そしてこの分岐は、写像によるべきです。 写像というのは車ならドリフトや、バイクならフロントブレーキやリーンアウトや他のテクなど。 写像は数種類用意すべきです。 力学系における初期値鋭敏性の強い動きと弱い動きを用意しましょう。 この条件さえ満たせば写像の種類はどんなものであっても問題ないはずです。 レースとは不可逆的だからこそ、一回一回の操作が分岐を生み出し、その分岐がコースの走り方のオリジナリティとなる。 この分岐によって生まれるオリジナルな通り道に楽しさを付加するのが、初期値鋭敏性を大きくする写像と小さい写像の2種類の写像になるわけです。 -不可逆過程という条件を削った場合 例えばバイクの曲芸が出来るゲームを例に取りましょう。 変数をバイクの曲芸を表す変数(バイク全体の傾きをあらわす2軸)とし、2軸の変化をゆっくり線形的に操作でき慣性の働かない写像と、2軸の回転速度が加速し慣性も働く初期値鋭敏性の大きい写像。 という風にすると、これだけでもユーザーに面白さを提供できるはずです。 &counter() 要望者 堀江 伸一 〒 675-0033-79-16 要望内容は下記リンク先の焼き直し。 http://www14.atwiki.jp/c21coterie/pages/300.html -アドバイザー Pixiv登録 katternさん。 彼とは単なるネット上で知り合っただけの関係ですが、こちらから書評を頼み、書評が創作の役に立ちました。 katternさんには、読みやすさに関する部分の観想を頼み、それを参考に推敲しなおしました。 この作品が読みやすいと感じたなら、それはkatternさんのお蔭です。