他の酵素活性に関係する受容体

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他の酵素活性に関係する受容体 - (2007/05/31 (木) 04:39:25) の編集履歴(バックアップ)


@他の酵素活性に関係する受容体



  ほとんどの酵素受容体はチロシンのリン酸化を刺激するが、他の酵素活性と関係している受容体もある。これらの受容体にはチロシンフォスファターゼ、セリン/スレオニンキナーゼグアニル酸シクラーゼが含まれる。   (フォスファターゼ・・・脱リン酸化酵素)
  チロシンフォスファターゼは、リン酸化チロシン残基からリン酸化合物を取り除く。つまり、チロシンキナーゼの効果を相殺するはたらきをする。多くの場合、チロシンフォスファターゼは、チロシンのリン酸化によって起きたシグナルを終わらせることで、細胞間シグナル伝達経路において負に制御する役割を担っている。しかしながら、いくつかのチロシンフォスファターゼは、その酵素活性が細胞間シグナル伝達において正の役割を持っている、細胞表面受容体である。その良い例の一つが、CD45という受容体だ。これは、Bリンパ球・Bリンパ球の表面にある。抗原の刺激をうけると、CD45はSrcファミリーの酵素活性を抑制する決まったリン酸化チロシンを脱リン酸化する。つまり、CD45チロシンフォスファターゼは非受容体型チロシンキナーゼを刺激するはたらきをする(いくらか逆説的だが)。
  TGF-β受容体(TGF-βのための受容体)(TGF・・・transforming growth factor)とその仲間のポリペプチドは、チロシンつまり基質上の残基をリン酸化するというよりも、セリンあるいはスレオニンをリン酸化するキナーゼだ。TGF-βは、様々な種類の細胞の増殖・分化をコントロールする成長因子のファミリーの原型だ。そういった成長因子は、たいてい、標的細胞の増殖を抑制している。1991年に、TGF-βファミリーのうちの1つのタンパク質の最初の受容体のクローニングがおこなわれたが、そのことで、TGF-βは細胞質セリン/スレオニンキナーゼ領域を伴う独特の受容体ファミリーの原型だということが明らかになった。それ以来、後からTGF-βファミリーにいれられたものの受容体もセリン/スレオニンキナーゼである、ということが明らかになってきた。リガンドがこれらの受容体に結合していると、二つの異なるタイプのポリペプチド鎖が結合し、ヘテロダイマーを形成する。このヘテロダイマーでは、一方の受容体型キナーゼがもう一方をリン酸化している。この2本のポリペプチド鎖はTGF-β受容体ファミリーの異なるメンバーによってコードされている。活性化したTGF-β受容体は、SMADという転写因子のファミリーのメンバーをリン酸化する。SMADは核に転移し、標的遺伝子の発現を刺激する。
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