「"剣豪将軍"足利義輝」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

"剣豪将軍"足利義輝 - (2008/04/07 (月) 01:42:39) のソース

■基本データ
【名 前】 足利義輝
【P L】 DEN
【コロナ】 執行者
【ミーム】 オリジン/富嶽
【ブランチ】リターナー/武士
【消費経験点】0(能力値:0 特技:0 装備:0 パスの追加:0 ブランチの追加:0)

■容姿
 烏帽子と狩衣を纏った、飄々とした印象を与える青年。
 富嶽人の平均身長より頭一つ分ほど背丈が大きく、
 それ故に顔を見上げると逆光となって、顔が見えなかったとか。

■能力値/耐久力
【能力値】    肉体:10  技術:5  魔術:11  社会:6  根源:2
【戦闘値元値】  白兵:9  射撃:6  回避:4  心魂:10  行動:8
【戦闘値修正値】 白兵:14  射撃:6  回避:4  心魂:10  行動:4
【HP】     元値:22  修正値:28
【LP】     元値:6  修正値:6

■宿命/特徴/闘争/邂逅
 宿命:死  特徴:不老  特徴効果:年を取らない
 闘争:修羅道  邂逅: 

■初期パス
 【因縁】織田上総介信長からの悲しみ

■準備された装備
 部位:名称(必要能力/行動修正/ダメージ/HP修正/射程/備考/参照P)
 右手 :備前三郎国宗 (必:-/行:-4/ダ:【魔】×3+2D6/HP:0/射:至近/CT066)
 左手 :               (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―)
 胴部 :古鎧          (必:【肉】2/行:0/ダ:―/HP:6/射:-/CF131)
 その他:内なる無限の世界:剣     (必:-/行:-/ダ:―/HP:-/射:-/CT073)
 乗り物:               (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―)
 予備1:               (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―)
 予備2:               (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―)
 予備3:               (必:―/行:―/ダ:―/HP:―/射:―/―)

■コロナ特技
【CF091/自/オ/フ1】◆大いなる力
 宣:判定直後。[フレア]だけ、対象の判定の[達成値]を減少

■ミーム特技
【CF116/白/リ/2H】◆秘剣・居合い斬り
 [白攻]に対して[突返]。[白攻]武器専用。射程制限有
【CF114/自/常/なし】伝来の武具2
 [分類:富嶽]のアイテムを[Lv×10]経験点分常備化する
【CF116/白/メ/10H】秘剣・流星
 [白攻]を行う。命中判定は2回行い好きなほうを選択し、ダメージ+[差分値]
【CF101/自/オ/効参】◆生死去来
 [戦闘不能]を解除し、【HP】を【根】だけ回復。【LP】を[1D6]失う
【RR024/自/オ/フ1】追憶:剣山刀樹
 魔剣に追加効果。『[部位]を片手にし、ダメージ+【魔】』or『[避け]+4』or
『[行動修正]+6』or『【白】+2』or『魔法ダメージ+【魔】』or『魔法回復量+【魔】』
【CF096/自/オ/2H】魔剣召喚
 〔T1〕魔剣を召喚する。部位:片手、行動修正:±0、射程:至近、ダメージ[【魔】+2D6]

■装備
[CT066]備前三郎国宗(部:片/射:至/HP:+0/【魔】×3+2D6。[武士]専用。【白】+5)
[CF131]ソフトレザー(部:胴/射:-/HP:+6/)
[CT073]内なる無限の世界:剣(部:-/射:-/HP:+-/【心】10以上専用。
 武器ダメージを《魔剣》分増加。
 武器と魔剣で基準・属性が違う場合、魔剣召喚時にどちらかを選択する)

■属性防御
 肉体:× 技術:× 魔術:× 社会:×

■固有結界《剣山刀樹》
 備前三郎国宗
 ダメージ:【魔】×4+5D6
 白兵:+7

■戦術、設定、メモなど
「五月雨は 露か涙か 不如帰 我が名をあげよ 雲の上まで」

 この辞世の句を記した者の名前は、足利義輝という。
 かつて芙蓉にいた剣豪であり、そして星威大将軍の中で唯一討ち死にした者である。

 ……当時の芙蓉、太平の世において将軍とは即ち傀儡に等しい者であった。
 さらに安穏な日々は武士から鋭気を奪い、腐敗させ、かつての姿は見る影も無かったという。
 故に母星の滅亡に際し、無限の星海を往く鋼鉄船を与えられたとしても、
 将軍も、武士ですら、ただの一人も未知の世界へ繰り出す者はいなかったのだ。
 そこで先陣を切って先遣隊として名乗りをあげたのが、足利尊氏である。
 彼らは自らの艦隊を「幕府」と呼び、その頭領こそが「星威大将軍」なのだとした。
 即ち「足利幕府」、そして「足利将軍」の誕生であった。

 それから長き年月に渡って、富嶽先遣艦隊は富嶽史の表舞台から姿を消した。
 次にその名が現れたのは、始原世界オリジンを発見したとの通信電文である。
 恐らく、其処に至るまでの旅路は長く、過酷なものだったに違いない。
 足利尊氏は既に亡く、電文の発信者は十四代足利幕府将軍となっていたのだから。

 ――つまり“剣豪将軍”足利義輝である。

 義輝は将軍でありながら武芸に通じ、政治より剣を振るう方が性分にあう人物であったという。
 事実、彼は富嶽本艦隊にも名前が残っている“銀河剣豪”塚原卜伝に剣を学んだ事があり、
 卜伝をして「心技体、申し分なし。惜しむらくは生まれのみ」と言わしめた、当代一の剣客だったのだ。
 一説によれば柳生宗矩をも上回り、或いは古今通して彼と並ぶ剣客はそう多くはあるまい。

 しかし、足利義輝は星威大将軍である。
 卜伝の言う通り、彼の職務は政治であり、剣を振るうことではない。
 本艦隊到着までの下準備を進めるべく奔走する義輝の職務に、戦場へ赴くものはなく、
 またオリジン人との融和は、多少の小競り合いはあったものの、問題なく進んでいた。
 恐らく義輝は、このまま剣を振るうことなくオリジンに骨を埋めるだろうと、誰もが思っていたのだが……。
 歴史は彼に、最期にして最高の舞台を用意していたのであった。

 通信を受けた本艦隊がオリジンへ到着するまでには、相当な時間がかかるだろう。
 で、あるならば。こう考えた武士がいたとしても、ある意味では仕方が無かったと思われる。
 仮に今ここで足利家に対して下克上しても、咎める者は誰一人としていないのだ、と。

 そして謀略が動き出した。

 足利義輝にとって不運だった点は二つある。
 オリジン到着以後、積極的に政治へ口を出すようになった義輝を疎むものは多かった事。
 そして彼の乗艦であった“二条”は、オリジンに溶け込むためと言う理由から全ての武装が解除され、
 その護衛艦隊は入植準備の為、各地へ送り込まれていたという事。

 ……一斉蜂起した反逆者たちが“二条”を包囲したのは、無理もない事だった。

 かくして“二条”に乗り込んできた切り込み隊相手に、義輝は生身で相対することになる。
 相手の狙いが自分の首級のみである事を知っていた彼は、家臣を逃し、単身で軍勢を迎え撃った。
 だが、無手ではない。……将軍なぞ所詮は飾りと侮っていた兵士は、そこで驚愕しただろう。
 其処に待ち受けていたのは、芙蓉より持ち出した銘刀の数々を畳に突き刺した剣豪だったからだ。

 敵兵を斬り、突き、薙ぎ、刀が折れれば躊躇無く次の名剣へと手を伸ばす。
 積み重なった屍の間に、木々のように刀が生え、そして流れ出た血潮は泉の如く。
 まさに富嶽の伝説に語られる刃の地獄《剣山刀樹》。
 このような機会でもなければ死蔵されたままだってあろう名剣、銘刀の一世一代の晴れ舞台。
 ――或いは義輝は、其処に剣豪にして将軍である自らの姿を重ねていたのかもしれない。
 だが、全ては憶測に過ぎない。
 義輝といえど人の子である。
 やがて力尽きたところを一斉に槍に刺され、その若い命を散らしたのであった。

 だが、そこの至るまでの獅子奮迅振りは、勝者である叛徒の胸に恐怖を植え付けたという。
 本来ならば敗者を辱め、自らの武勲や正当性を華やかに仕立て上げるべきなのだが、
 足利義輝に関しては、そう言った品位を貶めるような逸話が捏造されなかったのだ。
 そればかりか彼に切り捨てられた兵士の数、そして周囲に散らばった刀の数が、
 とてもではないが数えきることも埋葬することもできない量であったため、
 “二条”ごと焼くことで荼毘に伏し、供養したという話が残されている。

 無論、反乱軍が如何なる意図を持ってして、そのように行動したのかは定かで無いにしろ、
 足利義輝の名が、現在のオリジンにおいても広く知られているという事実は覆せない。
 万軍を相手取り、ただ一人で戦い抜くという、如何なる騎士にも劣らぬ凄まじい武勲を挙げ、
 そして剣豪将軍の名に恥じぬ死を迎えた彼は、オリジンにおいても悲劇の英雄、剣豪として名高い。
 一部の剣術家や、武道家、騎士の間では、武人を守護する英霊として祭られてもいるそうだ。

 ……なお余談ではあるが、足利氏を打ち滅ぼし、オリジン発見の立場を得た者達であったが、
 その後、将軍として名乗りをあげた義輝の弟も放逐し完全に権力を握るも、
 享楽にふけるあまり、かつての伝統を忘れた姿は富嶽武士とは到底呼べぬ有様であり、
 後に到着した本艦隊によって「富嶽人にあらず!」と放逐されたという。

 因果応報、盛者必衰の理、そう表現することもできるかもしれないが、
 或いはこの時既に、後の孤界侵略者同士における一連の侵略戦争、
 その前哨戦が始まっていたのかもしれない……。

 ――ネフィリム放送協会番組『その時、世界が動いた』
            第三回「オリジンを発見した男 ~“剣豪将軍”足利義輝~」より――


 なお足利義輝は死人であり、そして同時に人々を守護する英霊でもある。
 よって尋常な術では、この世に現れることはないのだが……。
 今でも尚、義輝の姿を見たという逸話は絶えない。

 曰く、足利義輝は将軍としての生涯を全うした。
 家臣の謀反も、その結果の死も、乱世としては至極当然。
 自身の器の大きさはこのような物だったと納得ができる。
 だが将軍ではなく、侍として、武士として。
 果たして満足のいく生涯であるかと問われれば――答えは否だ、と。

 一人の人間として、武士として、心行くまで剣を振るえる場。主君。
 それを求め――時折、“剣豪将軍”足利義輝は地に現れるのだという。