脱亜入欧(だつあにゅうおう)とは、「後進地帯であるアジアを脱し、欧州列強の一員となる。」ことを目的とした日本に於けるスローガン、およびそれに類する思想のこと。その具現化として断髪令・廃刀令が著名である。
明治以降、富国強兵とともに政府が行った政策の根幹となるものともいえるが、この考え方も、のちの朝鮮半島および中国など、大陸への進出に至る流れの一つの過程と捉えることもできる。
福澤諭吉が書いたとされる論説「脱亜論」なお、同論説はあくまでも無署名文であり、近年は福沢執筆説に対して疑問が提出されている。詳細は同項目参照は、基本的にこの考え方にそっていると指摘されることがある。またよく間違えられることであるが、福澤諭吉は署名著作・時事新報論説のすべてにおいて「入欧」という言葉を一度も使用していない<ref name="fukuzawa">「「入欧」という言葉にいたっては(したがって「脱亜入欧」という成句もまた)、福沢はかつて一度も用いたことがなかった。」丸山眞男 「『福沢諭吉と日本の近代化』序」『福沢諭吉の哲学 他六篇』282頁。 岩波書店〈岩波文庫〉、2001年 ISBN 978-4003810415 。 一方、逆説的であるが興亜論(後の時代では「大アジア主義」)の考えこそが、中国・朝鮮への進出を押し進めたという説も有力に主張されている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年7月10日 (木) 14:34。