カオスドラマ消滅編 過去ログ『結』Ⅱ

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――― 幻影の塔 ―――


**[[BGM♪>https://www.youtube.com/watch?v=Hz30BUY6SSM]]


混沌の廃(獣型)「グルルルルァッ!!!(塔内部――血眼の様に染まった紅の瞳から光を放ちながら、幻影たちに襲いかかる)」

ロー「――“ROOM”…!(ヴヴン…ッ… ! ! )(廃と自分自身、互いを包む様に奇なる空間を展開)――――“タクト”!!(人差し指を曲げ上げる)」


―――― ボ ゴ ォ ン ッ … ! ! ! (地面から幾つもの鋭利な岩石が突出し、廃を串刺しにする)


混沌の廃(獣型)「(ドスッ、ブシュァ…ッ… ! ! )――――!!?(全身に打ち込まれた棘岩に動きを完全に封じられる)」

ロー「ゴキンッ…―――――“メス”!( シ ュ ド ォ ッ ! ! ! )(身動きの取れない廃に対し強烈な掌底を炸裂させる)」

混沌の廃(獣型)「ゴギャァ…ッ… ! !  (ズシャアアァァァーーーンッ… ! ! !)(塔の壁を突き破って外部へと吹き飛び、上層階より奈落の底へと転落していった)」

覚醒アテナ「はあああぁーーっ!!!(パルラスの槍を手に果敢に廃たちと応戦、蹂躙していく)はぁ…はぁ……何匹倒しても…切りがありません…!」

ロー「一体何が起こってる…?塔が激しく揺れたと思えば、突然化け物の大群が現れた…こいつら、挑戦者でも何でもないぞ…!(大群の廃に囲まれている中、アテナに背を預け辺りを警戒する)」

混沌の廃(獣型)「ダンッ、ダンッ、ダァンッ―――――グガアアァァッ!!!(大群の内の一匹が二人に襲いかかる)」

ソティス「――――ええいっ!!(太陽を模した鈍器で廃を殴り飛ばした)…そいそい!(*`ω´*)ふんすっ(二人と合流し、小柄ながらもやる気満々に武器を構える)」

覚醒アテナ「……!あなたは…ありがとう、助かりました。(ソティスに感謝の笑みを浮かべ、イージスの盾で守りの態勢に入る)戦いましょう…私たちの居場所を守り抜くんです…!」


その頃、幻影の塔の頂 ―――――


ヒ ュ ォ ォ ォ ォ … ッ … (塔の頂には、初めから存在していたのかどうかは解らない、大きな黒い物体があった)


……ピキ…ッ……ビキ…キ…ッ… ! ! (卵の様に丸々としたその歪な物体はやがて小刻みに揺れ始め、その振動によって罅が入る。そして…)


ビキ…ッ…パキャ…ッ…パキ、ピキッ……―――― バ  ギ  ャ  ア  ァ  ン  ッ  !  !  !


謎の黒竜「――― グ ガ ガ ゴ オ オ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ ー ー ー ー ン ッ ! ! ! ! (黒い卵の殻を破り生まれたもの――― それは、今や世に点在する廃たちと同じ黒い瘴気を解き放つ巨大な黒い竜)」

ロー「――― ッ゛…!!?(内部にまで届く黒竜の咆哮に思わず耳を塞ぐ)なんだ今のは…!?上層の方からしたぞ!!(天井を仰ぐ)」

覚醒アテナ「ま…まさか、この魔物たちが流れ込んできたのは…――――

謎の黒竜「 ブ  ワ  サ  ァ  ッ  !  !  (翼を高らかと広げ、幻影の塔から飛び立つ) ググオオオォォォーーーンッ!!!(生命を戦慄させる咆哮と共に、下半身から黒い物体を幾つも生み出し地上へ投下していく)」


ボトンッ… ボトンッ…―――― ズ グ グ グ グ … ッ… ! ! (黒竜から産み落とされた黒い物体が地上へ溶け込むと、染め上がった黒い地面から多くの廃が誕生する)


覚醒アテナ「――――!見てください!!(瓦解した壁から外を指す。その指先には、塔を飛び立つ黒竜の姿が)」

ロー「…さっきの声の主か…この化け物どもの親玉なのか…?一体何処へ行く…(驚愕の色を窺わせつつも、その竜が飛び去っていく方角を見据える)」

ソティス「そい…(´・ω・`)(悔しそうに外の景色を眺めている) 」 

レインコートの人物「 ヒ ュ ァ ――――― ズ シ ャ ア ァ ッ ! ! (某階層にて、刃こぼれした刀剣で廃の群れと交戦している)ゼェ…ゼェ… こんなところで…足止めを喰らっている場合じゃないんだ…ボクは…ッ!! 」

エリノラ(?)「――――ピュインッ!(青白い光とともにワープしてくる) さっきからおかしなことばかり…何事なの、これは…!(飛び去る竜を見て、現場の状況に動揺を見せる) 」 

圧倒的問題児高校生「ほわっ!?もう殺られる気しかしねえぜッッッッ!!!ほわっ、ほわあああああぁぁぁぁぁーーーーッ!!!!(大群の化け物に追いかけられ、涙目で顔面崩壊しながら全力逃走している) 」 

のん「ん~…これは由々しき事態ですな。(ずずず…)さー、諸君!がんばって戦いたまえ!のんちゃんをお守りする為に!(ずずず…)(座布団に正座し呑気にほうじ茶でティータイム) 」

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――― カオスルーム・マーシィの神聖域 ―――

マーシィ「…互いに手札が減りましたね。…ここから見せてくれるのでしょう?私をあっと驚かせるような起死回生の逆転劇を。(冷笑的な張りぼての微笑みを浮かべながら、盤上の『駒』たちを愉快そうに見つめている) 」

火愚病「……正直みんなどうよ? これいける? いけそう? (ドスをペン回し) 」 


パチパチパチ……(KnIgHt:Aが爆発を起こしたマス目では、未だに火焔が揺らめきガラスに罅が入るような自然音が響く)


ナナ「…っ……(確かに、あそこで簡単に討ち取られるわけがない… 何か、仕組んでいるとは思っていたけれど…)……従来のチェスとは似て非なる戦い方…でも、プロモーション(昇格)を実現できるなんて盲目だった… 幻影を司るクイーンがある限り、彼女は討ち取れない…!でも、そのポーンがいる限り、そのクイーンだって、何度だって復活する…!(声を震わせながら、面々の背後で身構えている) 」 

スカーフィ「――――――(離れた個所で依然気絶した状態で横たわっている)」 

マーシィ「まあ、こうして御遊戯を愉しんでいる間にも…外の世界は今頃どうなっているのでしょうね。完全隔絶空間とは言え、もしも外の空間の浸食活動が進んでいれば、この空間も時期に呑まれることになるでしょうけど… ふふっ、考えると興奮しちゃいますね。死に直面する瞬間を味わえる悦び…それはまだ、私も体感したことがありませんから。(王座の駒に座したまま、聖典の頁を一つ捲る)」 

火愚病「まずいな~。(Q=幻影生産、ポーン=クイーン復活……んっん~ムズイな。まず俺では火力が足りんかもしれん)」 

ナナ「……(考えれば考えるほど、彼女の思惑通りに陥ってしまう… ……私は……)……!(ふと辺りを静かに見渡し、気絶しているスカーフィに視線を落とす。そして彼女のもとへと駆け寄り、彼女の胸部に心臓マッサージを行うかのように両の掌を突きつける)電撃…“メディカルショック”…!( ズ ン ッ ! ! )(掌に電撃が迸り、彼女に衝撃を送り込む)」 

火愚病「一番の標的は……ポーン、になるのかな? まずは補給路を断ち切ってからクイーンを打ち取る。みたいな。」 

スカーフィ「(   ド   ッ   ク   ン   ッ   !   !  )―――――――― ッ は … ぁ … !(送り込まれた衝撃が、停止しかけていた本能を呼び覚ます)…ッ…はぁ…!はぁ……はぁ…!はぁ…はぁ……か…ぅ……?(荒い呼吸と共に視界が開けていく) 」 


パチパチパチ………バギャンバギャンバギャンッ!!!(燃え盛る炎の中から、SFを彷彿させる機械音と共に精度の悪いレーザービームが数方向に発射される。方向は太陽を差す程の真上と、本体か定かではないマーシィへ。そしてQuEenと成り上がったポーンへ)


マーシィ「――――!(焔の中から解き放たれた閃光を視界に捉えるや否や、自らをスライドさせるように駒を移動させようと試みるが…)    ゾ    ッ   (右肩を貫かれ、胴体から右腕が外れ盤上に落ちる)……っ…蚊帳の外にも届く牙…恐ろしいものです。(右腕を失い、胴体から鮮血が滝の様にだらりと滴り落ちる) 」 

QuEeN「ピキ…ビキィ…ッ…―――――― パ キ ャ ァ ン ッ … ! ! (閃光に呑まれる中で亀裂が生じ、粉々に粉砕されていく) 」 


バリィイインッ!!(炎籠が硝子細工を落としたような破壊音と共に消し飛び)


火愚病「お? これは……文字通りの起死回生!!」 

ナナ「大丈夫…?(スカーフィの身をゆっくりと起こし、宥める様に背中を摩る)……!(攻撃した…次は、どう出るの…?)(目を細め、遠距離からその様子を静かに窺う) 」 

ヴォイド「出会った時からてめェは俺の眼中にあった(炎を消しとばした雷神剣特性の一種『雷震』を発動したであろう、雷神剣を縦に構えた態勢と、剣を境目にマーシィ一直線に向ける茶色の綺麗な瞳を持ち上げる)火愚病、喧嘩師に頼むのもお門違いかもしれねェが『魔力吸引』は出来るか? 」 

火愚病「さっすがヴォイド君ヤァア!! あとで熱烈チッスしたるでぇえ!(ガチ) あん? 魔力吸引、できるには出来るぞ? 」 

マーシィ「…酷いことしますねえ。右腕が食べられちゃいましたよ。(重傷を負いながらも不自然に笑みを含んでいる)…時にヴォイドさん。貴方、対面した相手の素性を推し量る特別な力をお持ちのようですね。例えば、この私は、貴方の眼にはどんな風に映っているのです?(ふふふと蠱惑的な薄ら笑みを見せつけると―――)…… ス ト …(自ら駒から降り立ち、盤上に立った) 」 


**[[BGM♪>https://www.youtube.com/watch?v=maXsM_NFTFo]]


スカーフィ「う…ん!もう、大丈夫だよ…!…ボクを助けてくれたんだね…?ありがとう…!(ナナに明るく微笑みかけ、勢いよく立ちあがる)かぅ…もう油断しないよ…!どっからでもかかってこい!(しゅっしゅっとファイティングポーズをとってマーシィを見据える) 」 

ヴォイド「この固有結界(白黒碁盤)自体は魔力の次元を超えた固有能力(失樂園)で保持されちゃあいるが、試してみればなんだ、あの駒共(ポーン)は無機物で出来ちゃあいるが立派に魔力行使されてやがる。火愚病の吸収度合いにもよるが……駒共から魔力を奪い取れば、あの女の顔も変わる。保証するぜ、どうだ、乗るか?(焼跡が残る顔を、歪ませたような笑みと共に火愚病へ向ける) 」 

火愚病「……ふぅむ。なるほど。……ただ、俺は魔術師じゃあない。術式にちょいと時間がかかる。安心しろ、ほんの1分ですむよ。 ――乗った! 」 

PaWn:N『 ズ ズ ズ ズ … (無数のPaWnが床を引きずりながら陰から現出する)』

ヴォイド「人様のプライベートを覗かないように躾ていたからな、てめェの第一印象は最高だったぜ。その薄着を除いてな(雷神剣を地につけ、疲労を誤魔化すようにそれで体を支えるように片手を柄に乗せる)ツッー……(火焔の中の戦いが響いて居るのか、口元から赤い液体を流しながらもこの空間の創造主が盤上に降臨した様見据える)――(スカーフィは無事か。だが他の連中が潰されてやがる……) 」 

火愚病「……よし、じゃあ始める!(忍びのように手で印を結び怪しげな呪文を唱え始める) 」 

ヴォイド「頼んだぞ(火愚病に軽めのグットサイン) ……(案の定湧き出てくるよな。これは幻影とは違う。1つ1つがコアとして成り立っている。完成させたら降り出しだ)チャキリッ……あぁ、マーシィ。今の印象を伝え忘れていたな…… 」 

マーシィ「ふふっ。そうですか。(嬉しそうに笑みを浮かべるが、それが本心から表れたものでないのは言うまでもない。張りぼての微笑の奥で蠢く彼女の感情を、見据えることはできない――――)…少しだけ、私の悪戯に構ってください。抑えられない好奇心を受け止めてほしいのです。貴方になら、それが出来ると信じていますよ。( コ ツ ――――)(―――― " 一歩 " ――――) 」 

ヴォイド「&bold(){――悪餓鬼め――}」 

ナナ「(彼らは彼らで何とかやるみたい…私も行動に移さないと――――)……?……?……!(―――― 千里眼とアンビションを併せた未来透視でマーシィの行動、その未来を見据え、表情が蒼ざめる)―――――――!(ここからじゃ間に合わない…!)(瞳を瞑り、ヴォイドの方角に向け、アンビションによる念波で自身の声を乗せて送り込む) 」 

マーシィ「… コ ツ ――――(―――― " 二歩 " ――――)」 


―――――― " 三 歩 目 " で 右 へ 避 け て ! ! ――――――(ヴォイドの脳内に、ナナの声が響き渡る)


マーシィ「――――――(三歩目を踏もうと足を進めた…その時だった――――――) 」 

ヴォイド「あいよ(力強いその意志を聞き取り、動揺も恐れもなく、意志通り右へと全力で駆け出す) 」 


――――――   ブ   シ   ャ   ア   ア   ァ   ッ   !  (刹那――ヴォイドの背中から、縦一文字に鮮血が勢いよく噴出)


火愚病「な、なん……だとぉおお……ッ!?(ヴォイドが斬られた? いつだ、いつ斬られた!? 見えない剣で切り裂かれた様に、ヴォイドの背中がッ!) 」 

マーシィ「――――――(明らかに離れていた距離から、ヴォイドの真横に立っている。高速移動によって髪や衣服が靡く描写もなく、まるで、二人の"間"がそのまま切り取られたかのように…音もなく、そこに現れたのだ)…… …… …… …… …… "避けましたね"?(無表情で彼に一瞥を与える) 」 

ヒロ「…なんとか、大丈夫なようだな(ナナによって目を覚ましたスカーフィを見て)…俺も、戦うか。 」 

ナナ「…っ……(ごめん、ヴォイド君… でも、そうしなきゃ…今頃…―――――)(未来透視で見据えた未来――― それは、彼女の足元に声を上げる間もなく倒れ伏したヴォイドの像だった) 」 

スカーフィ「かぅ…!?な、なに…?!何が、どうなっているの…!?(突然の出来事に動揺している) 」 

ヴォイド「――(悲痛を飲み込むも、激痛に見舞われ前へと慣性と物理が働いた体は大きく横転)ズサッ!(横転を誤魔化すように前転し、片膝ついて前を見上げると、そこに『居た』マーシィに困惑に近い驚愕を見せる)シュッヴォンッ!(彼女の問いに応えず、しゃがみ体勢からマーシィの足元へと回転蹴り、勢い乗せて立ち上がり斬り上げを行う) 」 

火愚病「チィッ……もうちょっとだ……待ってろ!!(再び呪術の印を重ね続ける、あと数秒) 」 

ヒロ「…あいつ(マーシィ)……一瞬で移動しつつ、切りやがったな(マーシィを見据え) 」 

マーシィ「…「三歩破軍」という言葉をご存知ですか。(蹴り払いによって転倒し、地面に転倒するその瞬間――――ヴォイドと自身の位置が転換。彼の刃は虚空を切り裂いた)…人は一撃では倒せませんが、三歩あれば倒せる。…戦況を見据え、罠を張り巡らせ、相手を陥れる… まるで、私自身を形容するかのような素敵な言葉じゃありませんか。…そして貴方はそれを避けた。概ね、あの女神様のご加護あってのことでしょうが、それでも…避けられるとは思っていませんでした。驚嘆です。(踵を返しヴォイドを嗤う) 」 

PaWn:N『 ズ オ ッ (複数の駒が一斉に動き出し、戦士たちに襲撃する)』

スカーフィ「―――――!今度はやられないもんね…!(次々と押し寄せてくる駒を蹴り飛ばし、駒から駒へ飛ぶつけて攻撃していく) 」 

ヒロ「…俺も、負けるわけにはいかん!(駒を土刀でなぎ払っていく) 」 

ヴォイド「チィ(風切り、自身の真上まで上げた雷神剣を勢いまま下ろしてマーシィに向き直して後退)勝利の女神のご加護を受けている時点で、そりゃお前、アンタの攻撃が(まともに)当たる訳ねェだろ(強がった虚勢の笑みなどではなく、安心を表す眉の下がり方をした微笑) 」 

火愚病「――――術はなった! 魔力の吸引を開始するぞ!! 」 


盤上は青白く光り、生命と無機物を優しく包んでいく。敵対者に対する魔力吸引起動。


マーシィ「最も、私の“三歩破軍”(トリニテ)は"三歩目"で貴方を無傷のまま戦闘不能に陥れることが可能ですが…中途半端に避けられてしまったせいで傷を負わせてしまいましたね。可愛そうに。(憐れむ様に目を瞑る)…「攻撃はしない」…初めにそう言いましたね。ですが、もし…私の攻撃が"不可視"であった場合、見破られなければ私が攻撃したことにはならない。(能面のような表情で再び対峙する)貴方がたを陥れる策は幾らでもございますが…さて、次は何に致しましょうかねえ。そのお身体が持つ間は、楽しめそうですが。 」 

PaWn:N『パキ…ピキ、ピキ……―――― バ キ ャ ァ ン ッ ! (無数の駒が、一斉に光の礫となって昇天する』

マーシィ「――――――!(魔力吸収による空間変異に表情がぴくりと微動する) 」 

火愚病「雌鶏は九品の浄土を訪ねてたんべ……、なぁんてね。どうでい俺の反魂術! なんか久々に使ったぞオイ 」 

ナナ「布石が打たれた…!(次々と原形を失っていく駒に、張りつめていた緊張感から解き放たれた様に精神が和らいでいく) 」 

ヒロ「…な、なんて力だい…!(火愚病による空間変異を見て)あいつ一瞬動揺したぞ…!?(マーシィの顔を見て) 」 


――――― ピキ…ッ…… ビキ…ッ…(神聖域『白黒碁盤』の真っ黒な天井、空に白い罅割れが生じる)


ヴォイド「……ただでさえ俺の速度感知(雷神剣による反射神経)の死角をついた攻撃だっているのに、加えて不可視ときた。こりゃ、孔明様もお手上げ状況だろうよ(術式発動を感知すると、より表情が明るみになる)孔明様だけならな、誇らしげに自分の策を語るんじゃねェ(ナナ、お前の声が頼りだ……俺の火愚病の元まで走らせてくれ……)火愚病!今そっちにいく!吸収した魔力をそのまま固定化していてくれ!!(マーシィそっちのけに、火愚病の方角へと走り出す) 」 

火愚病「あぁん!? 注文の多い野郎だな、これだけの術式だったら数千万請求してもおかしくはねぇぞ普段なら! まぁいい、任せとけや!(再び呪印を練る) 」 

マーシィ「まあ、まあ、いいじゃないですか。『玩具』も『遊び方』もまだたくさんありますから――――ほ?(一同の様子をその糸目で観察する)………(へえ、これは… ふふっ、そうこなくては…―――)(愉快気に薄ら笑み、ヴォイドを追うようにまた"一歩"を踏み出す) 」 

ナナ「(本当に無茶するね…って、私も人のことは言えないんだけどね。)あはは… 『眼』を使い過ぎると私もどうなるかわからないけど…今はそんなこと言ってられないよね…!(千里眼開眼。徐々にマーシィから離れていくヴォイド…しかし4秒後に彼が追いつかれる未来を見据える)――― スカーフィ、ヒロ君…!!彼女を攪乱して!!(二人に叫ぶ) 」 

スカーフィ「……!?り、了解だよ…!(ナナの指示を受けて一目散にマーシィへと駆け出す) てやぁーッ!!(踵落とし→蹴り上げ→回転蹴りの三乱打を繰り出していく) 」 

ヒロ「…ウォッシャー!(ナナに言われ、一歩を踏み出したマーシィに飛び込む) 」 

ヴォイド「(思い出せ、寄宿舎にあった『本』の中身を――)『森羅万象、幾億の命、幾億の運命、幾億に広がるは無限の宇宙』(疾走中、アンチマジックの剣を持つ男が明らかに魔法だとわかる『詠唱』を始める) 」 

マーシィ「 コ ツ … ―――――!(二歩目を踏み出したその時、襲いかかってきたヒロとスカーフィに静止する)―――――(なるほど…これが女神様の加護。常に私の一歩二歩を読んでいる… ふふっ、そういえば…私の『世界』にも…同じような力を持つ女神様がいましたね…―――――)(依然崩れない表情で、微風に吹かれる草の様に二人の襲撃を掻い潜っていく) 」 


ビキィ…ビキッ……パキン…ッ…(空間の亀裂は徐々に進行し、やがて深く大きくなっていく)


ヴォイド「『全てを統べる鍵にして、扉を開く者、そこに在るは光にして闇なり』(焦燥感漂う早口で、詠唱を続けながら疾走中)』 」 

ヴォイド「『迷宮に在る真実の道は一つにして、二つは在らず、行き着くはただ一つの扉』 」 

ヒロ「…な……っ!?(マーシィにいとも簡単に掻い潜られ)…こんなんでへこたれて終わるほどメンタル弱くねぇんだ!!(掻い潜ったマーシィにもう一度背後から飛び込む) 」 

ナナ「…っ……(眼にかかる負荷と共に、片方の瞳から僅かな血が滴り落ちる)――――― 視 え た … ! (彼女が最後に見たその未来は――――) 」 

スカーフィ「かぅ…!?ボクだって、負けられないんだああああぁぁーーーーっ!!!(ヒロと共に、背後からマーシィに回し蹴りを繰り出そうとする) 」 

マーシィ「―――― パ キ ャ ア ァ ン ッ … ! (二人が自身に触れた瞬間、マーシィの身体からもう一人のマーシィが生まれる。脱皮したように現れ出でた彼女の腕は元通りになっており、不気味な笑みを浮かべて真っ直ぐにヴォイドを追い詰めていく) さぁ、チェックメイトです―――――(空いた片手をゆらりと振り上げ、次の一手を打とうとするが――――) 」 


バリリ、バリバリバリ(自爆し、嘗て火籠でいっぱいだったKnIgHtのマス QuEeNが破壊されたマス 放置されている、削り取ったマーシィの右腕の3つが、雷属性の『魔法陣』を生成する)


ヒロ「…何……!?(脱皮したマーシィを見て)完全に治ってやがる! 」 

マーシィ「――――――!(これは……!)(稲妻迸る魔法陣に思わず停止。驚いた様に僅かに口が開かれる) 」 

ヴォイド「『其れは全ての生まれる場所にして、還る場所』(火愚病の元にたどり着き、雷神剣を差し出し、魔力吸収を果たしたその腕で『触れろ』と目で訴える) 」 

火愚病「よし! 行くぜ!!(ヴォイドに触れる) 」 


フ     ッ     ッ     !    (3つの魔法陣を拠点に、中央に揃う魔力吸収を果たした火愚病を中心とした巨大魔法陣が無属性として生成される)


ヴォイド「『お前は赦されなき存在、虚無の歌がお似合いだ』(マーシィに曇りなき茶色の瞳を向けたまま、『詠唱』の最後を改変させ)&bold(){『虚無(ヴォイド)』}」 

マーシィ「――――――(嗚呼、三寸の舌に五尺の身を亡ぼす、か… ですが…ふふっ……それでも、愉しければ何でもよかった―――――) 」 


ヴァリリリ、ヴァリッ……(既にひび割れた神聖域は、魔法陣からの『虚無』によりその『存在』を否定していき、崩壊を下す)ヴァリリリリリリリッ!!!(領域の魔素を含んだ対象に、崩れた世界からの封印の力を宿した『雷神』が、無数の駒、そしてマーシィへと降り注ぐ)


マーシィ「――――――――(雷神の逆鱗に呑まれゆく最中、その影が浄化されていくように消滅していく…―――――) 」 


パ  リ  ィ  ィ  ィ  ――――――  ン  …  ッ  …   !  !  ! (神聖域の瓦解の音(ね)――――単調なモノクロで統一された遊戯世界が砕け散る)


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――― カオスルームへと繋がる某遺跡・入り口前 ―――


**[[BGM♪>https://www.youtube.com/watch?v=jb8E8NQCErg]]


フーナ「はぁ…はぁ… 着いた…よ…(道中を駆け出してきたためか、肩で息をしている)」

氷冬「ふぅ…ふぅ……この遺跡の先…いえ、最下層に、スカーフィたちがいるのね。…そうよね、フーナ…?」

フーナ「うん、間違いないよ。…また、ここに来るとは思わなかったけどね…(―――カオスルーム…)(以前の任務、戦いがフラッシュバック。)…とにかく急ごう。スカーフィたちが心配だかr……?(遺跡へ踏み込もうとしたその時、入り口付近に何かを見つけ、それを拾い上げる)」


彼女が拾い上げたもの―――それは一通の封筒。差出人も宛名もない、不自然に真っ白な封筒だった。


氷冬「それは…手紙かしら?どうしてこんな遺跡の前に…?(彼女が手にしたその封筒に小首を傾げる)」

フーナ「…… …… ……ハラ… (何を思ったのか、開封し中から一枚の手紙をそっと取り出した)」


手紙には、こう記されていた――――


ハロー。ボクは、この手紙は、とても遠い遠いところからやってきた。

この手紙を手にしたキミに大切なことを伝えるために。

キミは「物語」が好きかい?あり得ない様な空想を描いた童話とか、あるいは誰かの人生を描いた歴史とか。

ボクは大好きだ。それが架空でも、現実でも、その世界の中で息をしている彼らの輝かしい姿が見られるから。

すべての「物語」は面白い。そこに優劣も上下も差別もなく、すべてが等しく、面白いんだ。

だけど、もし…そんな「物語」が誰かに書き換えられてしまったら?そんなことを考えた事がある?

ボクは無いね。だってそれは、とっても"恐ろしいこと"だから。

小さな勇者のお話をしよう。まだ幼い少年は貧しかった。戦士だった父は戦いで足を怪我し、母は病で寝たきりだ。

ある日、母の病が酷くなった。父は、妻が時期に命を落としてしまうことを心配していた。

少年は、父の代わりに母の病を治す薬となる伝説の花を探しに、旅へ出た。

幼い少年にとってその旅はとても過酷なものだった。けれど、道中で出会った動物や村人の助けを得て、彼は無事にその花を手に入れた。

花を持ち帰った少年。勇敢な父譲りの彼の行動で、母は病から救われた。そうしてその家族は、幸せな暮らしを取り戻しましたとさ。めでたし、めでたし。

これはボクのお気入りの物語。とっても素敵な物語さ。

だけど、この物語は後に、こんな風に書き換えられてしまった。

旅に出た少年。しかし道中で起きた悪天候によって彼は谷底へ落ちてしまい、二度と家には帰らなかった。

やがて母は病で命を落とし、悲しみに暮れた父はナイフで自ら命を絶った。

誰もが救われる物語が、ある日突然、誰も救われない物語に書き換えられてしまったんだ。

誰かにとっての幸せが、誰かにとっての不幸であるように、ハッピーエンドを迎えることで、バッドエンドを迎える物語がある。

それが、「物語」を書き換えてしまう人が望む「物語」かもしれない。

けれどそれは間違っている。たとえ、「物語」の最後が幸せなものでも、不幸なものだとしても、一度描かれた「物語」はその一度で完結する。

本を開いて、物語を読み終えた。本を閉じた。そしてまた本を開いてみよう。そしたら、本の中の「物語」が変わっていたらどう思う?

書き換えられる前の「物語」は何処へ消えたと思う?そこに生きていた彼らは何処へ姿を消したと思う?

ボクは今、そんな世界に住んでいる。

そんな恐ろしい「物語」の中で、いつ自分が消えるかも分からない恐怖に怯えながら、今日を生きている。

そしてボクも、もうすぐ消えてしまう。そう、書き換えられてしまう。ボクではないボクになってしまうのさ。

だからそうなる前に、ボクはこの手紙を書き残すことにした。

この手紙を読んだ名も知らないキミへ。どうかこの『真実』を伝えてほしい。

誰にも信じてもらえないかもしれない。これを読んだキミにすら。

それでも伝えてほしいことがある。残してほしいものがある。

その『真実』が、ボクら以外の誰かに伝わった時―――

きっとすべての「物語」は終わりを迎えるだろう。

それがバッドエンドか、はたまたハッピーエンドなのかは、まだ分からないけれど。

『真実』を知ったキミたちが、その先の答えを導いてくれると信じている。

…… …… ……

また後で会おう。すべての『真実』が解き明かされた、その後で――――





フーナ「…… ……これ…一体何のことだろう…?(手紙の内容を不思議に思いながら、難しい表情を浮かべる)」

氷冬「…誰かに向けたメッセージ…ということかしら…?それにしても、内容が意味不明だわ。」

フーナ「どうしてこれが、こんなところに落ちていたんだろう… (…それに、この手紙… なんだろう…他人事じゃない気がする……なんで…?……わからない。わからない、けど…―――)―――――!(謎に包まれたメッセージに、様々な感情が脳裏を錯綜する。氷冬のたび重なる呼びかけに、我に返るまでの間…)」

氷冬「大丈夫…フーナ…?そんなことより、早くスカーフィたちのもとへ向かうわよ。急がないと、また何か起こってからじゃ遅いわ。揺れも激しくなってきてるし…」

フーナ「…ぁ……う、うん…!ごめん!(咄嗟に手紙を封筒に戻し、それを懐へ"無意識に"閉まった)――― 行こう!(そして、氷冬と共に遺跡の内部へ突入した)」

復元してよろしいですか?