キャラ崩壊注意
AS「・・・」
スッ、とトランプのカードを一枚取る。
虚空の神ヘルシアラ「・・・」
スッ、とトランプのカードを一枚取られる。
AS「・・・」
それの、繰り返し。
AS「・・・ところで」
虚空の神ヘルシアラ「・・・」
スッ、とトランプのカードを一枚取る。
AS「何故、俺達はトランプをやっている?」
虚空の神ヘルシアラ「それは、我が有と汝の有が、互いに重なり合うが故、其の有を賭けて、有を無とせんが為の勝負・・・。」
AS「・・・。」
分かりにくい。
俺以上に、分かりにくい。
なんでこんな、よく分からない喋り方なんだ。
要約すれば、この勝負は俺と奴のキャラが被ってるから、互いの出番を賭けて、更に被ってる部分のキャラも賭けての勝負だ。
虚空の神ヘルシアラ「・・・。」
只々、時間だけが過ぎていく。
互いに手札が渡った瞬間を記憶できる程に、実力があるから、そしてそれを理解した上で手札を入れ替え合っているから、というよりこれはもう殆ど実力という名のイカサマだ。
そんなイカサマ合戦のいたちごっこ。
AS「・・・一ついいか。」
虚空の神ヘルシアラ「良かろう、汝の口から発せられる有、我は受け入れよう。」
一々分かりにくい。
AS「このままでは勝負がつかない。」
虚空の神ヘルシアラ「・・・其の有は、我も又理解していた有よ・・・。」
AS「という訳で、トランプはやめにして・・・」
ドン、とゲーム機とそれに入れるソフトを出す。
そのゲームは・・・。
AS「これで決着をつけよう。」
虚空の神ヘルシアラ「其の有、受け入れよう・・・。」
それまた、長い時間が経過して・・・。
使用キャラは、互いにメタナイト。
間合いを把握し切っていて、お互いに攻撃の相殺合戦状態だ。
完全に膠着している。
ただ、無慈悲にボム兵の爆発する音と、剣と剣が互いに潰しあう音が部屋に響く。
降り注ぐ爆弾全てを互いに避けて、ダメージは300%のまま進まない。
何故だ。
何故こうも拮抗してしまう。
AS「・・・」(カチカチッ、カタッ、カタタッ、タッ、タッ。)
虚空の神ヘルシアラ「・・・」(カチカチッ、カチッ、ブンッ、カチ、カチカチカチッ。)
相手の使うコントローラーが、リモコンとヌンチャク。
ヌンチャクの機能に、振るとスマッシュ攻撃が出来るという機能がある。
それを使っているので、俺は少々危険だ。
正直、彼の腕が俺の頭を打つんじゃないかとヒヤヒヤものだ。
自分はGCコントローラーなので、そんな事は全く起こり得ない。
虚空の神ヘルシアラ「・・・汝へ、我が有を伝えても良いか?」
相変わらず分かりにくい。
AS「・・・ああ。」
虚空の神ヘルシアラ「・・・其の提案した方法には、有を無とす力は持たぬ・・・よって」
分かりにくいんだっつうの。
こんなにイライラしたのは、あの時以来だ・・・。
AS「・・・。」
虚空の神ヘルシアラ「この有にて、どちらが無と帰すか、決めようぞ・・・。」
また暫くして。
テトリィスッ、テトリィスッ、テトリィスッ。
互いに、そんな効果音のみが響きあう。
全く同じタイミングで、同じ回数だけ、消しあう。
お陰でハーモニーにも似た音声になっており、聞いてて少々気持ち悪い。
次のテトリミノが動かせるようになった瞬間、下方向へと落ちる。
それも、しっかりと縦棒のテトリミノでテトリスが出来るように。
互いにそんな、ツールアシステッドじみたスピードでテトリミノを消化し合っている。
虚空の神ヘルシアラ「・・・」テトリィスッ、テトリィスッ、テトリィスッ。
AS「・・・」テトリィスッ、テトリィスッ、テトリィスッ。
結局、これでも決着がつきそうにない。
AS「・・・一つ、いいか?」
虚空の神ヘルシアラ「・・・汝の有、口から発して構わん。」
互いになんとなく理解していた、分かりきっていた。
AS「このままでは、決着がつかない、そこで・・・」
虚空の神ヘルシアラ「・・・。」
AS「トランプで決着をつけよう」
この後、最初に戻り、これを数ヶ月繰り返して、見かねて仲裁に入ってきた霞によって、ようやくお互いに引き分けを認める事ができた。
気が付けば、お互いやつれていた。
終わる。
AS「・・・」
スッ、とトランプのカードを一枚取る。
霞「・・・~~~~!!!!」(ジタバタ)
震えた手で、トランプのカードを一枚取られる。
霞「!!!~~~~」(ガビーン)
スッ、とトランプのカードを一枚取る。
AS「あがりだ。」
霞「くぅ~~~!え、AS強いよぉ~~・・・」
AS「・・・。」
スゥーーーッ
「お前が分かりやすいだけだろ!!」
今度こそ終わる。
対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。
最終更新:2024年04月11日 02:16