【書籍】Как закрывался занавес(Шапиро)

Как закрывался занавес
Шапиро А.Я.
М., Новое Литературное Обозрение, 1999.
アドルフ・シャピーロはロシアだけでなくアメリカやエストニアでも活動した演出家
エストニア、ペテルブルグのBDT、2004年モスクワ芸術座の『桜の園』などを手がけている。
現在はモスクワの劇場(MXT、エトセトラ、マールイ)を中心に活動。
ロシアの演出家の中でもチェーホフとの関わりはかなり深い。

それにしてもこの本には目次や索引がないため、読みづらい。
ペテルブルグで公演した『桜の園』についての言及が55頁から62頁の「Была」に含まれている。

彼は演劇雑誌でインタビューを受けることが多いので、これ以外にも資料はあるが
今のところシャピーロの出した書籍は数少ない。それゆえ彼のチェーホフに対する考えを知る上で貴重な一冊。

書籍の中では彼自身の生い立ちと、その頃のチェーホフとの関係で入り、
その後、桜の園の上演について話が及んでいく。

(C.58)
チェーホフ作品の登場人物を距離感無しに見ることを、喪失は可能にしなかった。そして、皮肉は消えた。
ガーエフを近視眼的にからかうようなことはしたくなかった。

(C.60)
桜の木は美しくはないが、桜の花は美しい。そして、あっという間に散ってしまう。
こうした儚さは、桜の園の時間と大きく関係している。永遠の喪失。苦みを含んだ出立。

(C.62)
新しい桜の園では、喪失の苦みと、かつてあったものへの喜びを表現したかった。
何よりも恐ろしいのは失う物すらないことであるのだから。


最終更新:2008年12月23日 14:10
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