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    <title>CMWC NONEL COMPETITION</title>
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    <description>CMWC NONEL COMPETITION</description>

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    <dc:date>2009-02-10T08:43:29+09:00</dc:date>
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    <title>午前二時四十分の亡霊</title>
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      *CMWC NONEL COMPETITION6
**午前二時四十分の亡霊
#right(){作：橘　音夢}

　その日はうだるような暑さで畑の草も伸び放題になっていた。祖母の家の座敷に座わらされ、何をしていいのか判らないまま庭の横にある小さな野菜畑をぼんやりと眺めていると、畑の中に誰かがいるのが見えた。祖母だ。いつものように鎌を右手に茄子の枝に手をかけていた。突然、祖母は両手で胸を押さえるようにして苦しそうに顔を歪めた。手から鎌が離れ、祖母の体がゆっくりと倒れて野菜の海に呑み込まれていく。幼心にも、それが普通でないことは判ったのだろう。
　四歳の私は傍らに座っていた母の手を引きながら、「お祖母ちゃんが倒れた！　お祖母ちゃんが倒れた！　早く助けてあげて！」と喚き散らした。だが、母は私が何を言ってるのか判らなかったらしい。
「何を言ってるの？　静かにしなさい。お祖母ちゃんはあそこよ」
　困ったような顔で座敷の奥にある木の箱を指差した。黒い服や着物を着た大勢の人々、噎せ返るような線香の匂い。陰鬱な読経の響き。
　意味が判らなかった。私は母の手を振り払って庭に降り、畑の中に入っていった。黒い革靴を泥だらけにしながら行き着いたその場所には倒れた茄子が数本。祖母の姿は影も形も無かった。
「……ね。誰もいないでしょう。お祖母ちゃんは亡くなったのよ。ちょうど一昨日の今頃に」
　母の言葉が理解できなかった。それほど祖母の姿ははっきりと見えたのだ。だから、その時の私には鼻に白い綿を詰まらせて横たわる木の箱の中の蝋人形みたいな物が祖母だとはどうしても思えなかった。母がいくら諭しても、お祖母ちゃんは何処にいるの、と繰り返す私を叔父や伯母達は気味悪そうに眺めていたものだ。
　祖母の葬儀の日のことだ。

　私、冬木鈴花は電車に乗るのが嫌いだ。電車に乗るためには駅に行かなければならないからだ。夜、帰るのが遅くなってプラットフォームに立つと、必ずといっていいほど私は「彼ら」を見る。「彼ら」は本当に生きている人間のようにプラットフォームの端に立ち、走ってきた電車に突然飛び込む。瞬時にその身体は砕け、周囲に血しぶきと細かい肉片を撒き散らす。悲鳴を上げそうになった途端にその映像は消えうせるが、「彼ら」は私の心の中に侵入し、小さな声で呟くのだ。助けて、助けて、と。でも私には何も    </description>
    <dc:date>2009-02-10T08:43:29+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/50.html">
    <title>已むを得ず、無題３</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/50.html</link>
    <description>
      *CMWC NONEL COMPETITION6
**已むを得ず、無題
#right(){作：塩瀬絆斗}
これまで推測していた《釣針の五種類》によれば、この記号の並びは「AIUE」を表しているのだ。躊躇うことはなかった。今の俺にはどんなことでもが手がかりとなっているのだから。この四つの記号は「ダイスケ」を示すに違いない。そして、この推測は先ほど考えた段階的複雑性にも合致しているように思えたのだ。四つの記号の一番最後のものは「け」であるが、「か行」は《直線形状》を除外してはじめの行である。つまり、この行に相当する記号は段階的複雑性において初期的な役割を担っているのではないか。「け」の《中心形状》は、Zの斜めの棒が上下の棒に対して垂直をとっている形になっている。他
の《中心形状》と比較すると複雑性の面では最も初期に位置しているだろう事が容易に想像できるのだ。それは「だ」にもいえることで、俺が手に入れている「が行」は《中心形状》が尖山型だった。段階的複雑性によれば、これ以降の行はこれより複雑な形状でなければならない。「だ」の記号はそれに合致しているように思えた。もっとも、「が行」と比較すると、《中心形状》が角形や円形で、上下に張り出しているものは複雑性の面では逆行しているような気もするのだが。ともあれ、俺は新たに「か行」、「さ行」、「だ行」を手に入れた。これならば穴埋めの作業は飛躍的に進むはずだ。（判明文字を示す。未解読文字は×）

き×し×そう××こうそくし×い××
×す××う×いえ×あい××××××い
せ×××××あ×か××い××いうこ×
×し×せおそ×く×す××せいこう
す×だ×うそ×ご×だいすけ××
×××し××い×××××んきん
し××か×さん×ん×××××う
××あ×え×だいすけ×こ×あんご
う×き×し×そう××××しかい
どくす××う×いえかいどくさ×
××で×がさ×い×う×し×

　サイモン・シンは解読作業には一種の快楽があるのだろうと言った。その通りだった。俺は今の自分が置かれた状況を忘れて解読に没頭していたのだ。
　穴埋めの後に俺に訪れたのは、達成感だった。そこには「拘束」、「成功」、「解読」といった単語が読み取れたのだ！　この解読法は間違っていないのだ。そして、これは間違いなく指示書だった。となると、どこかに「盗    </description>
    <dc:date>2009-02-09T19:23:45+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/49.html">
    <title>已むを得ず、無題２</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/49.html</link>
    <description>
      *CMWC NONEL COMPETITION6
**已むを得ず、無題
#right(){作：塩瀬絆斗}
３、デコード≒ブリタニカコピー

　見れば見るほど奇妙な記号群だった。蛇の男は丁寧にも俺に上下の向きを示したと見える。わざわざ自分の目の前で紙を半回転させて俺に手渡したのだ。記号は釣り針のような鉤型が多く見受けられた。俺はこれを《釣針暗号》と名づけることにした。
　いや、しかしなによりの優先事項はこの部屋から脱出することだ。
　俺は暗号の紙をポケットへ仕舞うとドアを叩いた。もしかしたら外には誰もいないのではないかという希望が少しだけ――まさしく針の先端ほどだけあった。
「出してくれ」
「黙れ！」
　向こう側からドアが蹴られ、大きな音がした。
「頼む。彼女が待っているんだ」
「静かにしてろ。……分かってくれ。お前を逃がすわけにはいかないんだ」
　意外な言葉だった。何か押し殺したような声なのだ。
「ダイスケといったな」これは押すしかない。「君もこんなことはやっちゃいけないって思ってるはずだ。頼む、出してくれ。一緒に警察へ行けば大丈夫だ」
　しかし、ドアの向こうから返答はなかった。思わず施錠ツマミに手が行く。開錠すると同時に向こうから叫ぶ声がした。
「ふざけんな！」すぐさまロックがかかる。「もう下手なことは出来ないんだ！　大人しくしてろ！」
「頼む！」
　だが、しかし、ダイスケはそれきり俺の言葉に答えることはなかった。
　俺は諦めて床に腰を下ろした。固く、冷たい。俺はすべてに見放されたような気持ちに陥った。仕方なくポケットから《釣針暗号》を取り出す。あいつらが俺に解読を強要したというのは、おかしなことだった。やつらはどういった経緯でこれを手に入れたのか。また、これを書いたのは誰で、何を記したのか。
　俺の脳内に疑問符が次々と沸き上がってくる。
　暗号を解読するには、鋭い観察眼と閃きが必要だとサイモン・シンは言っていた。
　じっと暗号を見つめる。
　記号の種類は二十六をゆうに超えている。これは《釣針暗号》が日本語で書かれていることを意味する。どうやらローマ字表記ではないらしい。日本語で、その表記法ならば、「子音→母音」という基本構成が立ち現れるのだ。つまり、母音に使われている記号は頻出し、それが五種類であればA、I、U、E、    </description>
    <dc:date>2009-02-09T19:22:34+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/48.html">
    <title>已むを得ず、無題</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/48.html</link>
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      *CMWC NONEL COMPETITION6
**已むを得ず、無題
#right(){作：塩瀬絆斗}
１、Ｒｅ　レッドラム・マ・イ

　制服に身を包んだ警官が俺を見ていた。それは疑惑以外のなにものでもなかった。
「どういうことだね？」
　その手は肩口の無線機に置かれていた。
　――どういうことか？　だって？
　俺が知りたい。
　俺は小言をバラバラと撒き散らす親を無視するみたいに目をそらした。その、開かれたドアの向こうへ。
　空気が悪いのは仕方がない。部屋は半地下室だった。薄汚い打ちっぱなしのコンクリートの壁が閉塞感を煽るのだ。
　俺と警官、ユウリの三人は部屋に入ったすぐのところで馬鹿みたいに立ち尽くしていた。
　俺たちを呆けさせるもの。それは無残な肉塊だった。どうしようもない、それは抜け殻だった。部屋に足を踏み入れて左手前の隅、そこに男は転がっていた。まるで打ちひしがれた人間みたいに上半身を部屋の隅に押しつけ足を投げ出してしょげ返っていた。
　その死体は頭からゴミ袋が被せられていた。死に顔を隠す。
「どういうことだね？」
　戯言みたいに繰り返すのは、死体恐怖の震える声。
　俺は頭を抱えた。ユウリが俺を見ている。その眉間に刻まれた皺の深さは、疑いの奈落に通じていた。
　そんなはずはないのだ！　俺は殺してなんかいないのだ。
　そうやって俺は叫び出したかった。だが、喉の奥から搾り取れるのはただただ細い溜息のみだった。
　俺の手の中では、この部屋の鍵が他人事みたいに僅かな音を立てていた。
　俺がこの部屋の施錠を解いた。
　死体が、現実逃避でもするみたいに部屋の隅に座り込んでいた。
　部屋を見渡す。
　ドアの正面の壁。天井に近いところに横に細長い窓がついていた。窓は閉まり、クレッセント錠が下りているのが見える。しかし、問題はそれではなかった。窓自体が小さいのだ。部屋の右手の壁には、これまた高いところに換気扇がついていた。沈黙している。そして、その下の床には驚くべきことに迷彩柄のバンダナが落ちていた……。
　部屋は密室だった。
　誰が殺した？
　俺は縋るみたいにユウリの顔を見た。ユウリ。俺の初めての恋人だ。
　いまこのとき、この場には無表情しかなかった。

　捕囚だった。
　俺は抵抗も反論も意識に上らないままに警    </description>
    <dc:date>2009-02-09T19:17:29+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/47.html">
    <title>アンハッピー・エンド２</title>
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    <description>
      *CMWC NONEL COMPETITION6
**アンハッピー・エンド(後編)
#right(){作：江沢　稽}

「究」の章


　病院ですべて話す、という加寿内を信じて、依頼人と私は穴にいた二人の搬送された病室の一室にいた。病院まで私はつき添いとして救急車に同乗していった。怪我人から目を離すな、という指示に従う意味でもこれは好都合だった。法螺貝の婆さんには加寿内から連絡がいったのだろう。
　狭い病室のベッドにいるのは二人。私たちが穴の底にいるのを発見した男女だ。女性のほうは穴居純子。髪の長いこのキャリアウーマンを絵に描いたような利発そうな女性は、金成満の有能なブレーンの一人だという。気の弱そうな男性のほうは、やはり金成家の書生。名前は下部久というらしい。加寿内から聞かされた新しい情報はそれくらいのものだった。
　気まずい空気が漂うなか、ようやく探偵が到着した。
「どうも、お二人ともお加減はいかがですか」
　下部が口を開く。
「探偵さんですか。あなたのおかげで穴居さんも私も見つけてもらえたそうで。本当にありがとうございます」
「いえいえ、感謝するならこちらの法螺貝さんにお願いしますよ」
「あなたが。それはそれはどうもありがとうございます」
　下部が恐縮したように顔をゆがめる。一方、穴居はショックから立ち直っていないのか、焦点の定まっていないような視線をなんとなく加寿内のほうに向けているだけでまだ一言も言葉を発していない。
「穴居さん、下部さん。実はお二人に聞いていただきたい話があるのです。煎餅をもってきましたので、それを食べながらでもどうぞ」
　そう前置きをして、加寿内は法螺貝が語った奇天烈な話を聞かせた。不思議だ、という顔をしながらも落ち着いて話に耳を傾けていた下部とは対照的に穴居はひどく驚いていた。無理もない。とても信じられないような荒唐無稽な物語だ。
「この風変わりな話を私はこう解釈しました。すべては本当に起きたことだ、と」
「確かに私は穴居さんを見つけて助けを呼ぼうとして穴に落ちてしまいましたが、スパイなんかではありませんよ。穴居さんもアリスの黒ウサギなんかではないですし、金成社長も地下帝国と組んでいるわけではありません」
　はははと笑う下部を無視して、加寿内は淡々と語りだした。
「最大の謎はアリスの黒ウサギで    </description>
    <dc:date>2009-02-09T19:07:02+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/46.html">
    <title>１３番テーブルのガム２</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/46.html</link>
    <description>
      *CMWC NONEL COMPETITION4
**１３番テーブルのガム

#right(){雨沢流那}
【解答編】

「――っていうか、真相を教えてくださいよ！」
　僕がそういうと藪神は、ちょっと困ったように首を傾げた。
「うーん、捜査上の秘密を漏らすわけにはいかないしなぁ」
　おいおい、ここまで話しといてそれかい。っつーか、元々常識はずれなんだからそこも外れてくれ！
「うーん、どうしようかなぁ……」そう言って藪神はお腹に手を当てる。「実はまだちょっと、食べたり無いんですよねぇ。でも今手持ちが無くって。ぎょうざでも食べたいんだけどなぁ。まぁ、話さずにとっとと帰って、家で何か食べようっと」
　うぉい！！　ってか公然と賄賂（？）を要求してるよ、コイツ！！　
　だが、背に腹は変えられない。僕は店長の方を見上げる。さすがに店長も、話の続きが気になるのだろう、黙って目配せした。それを受けて僕は慌ててぎょうざを焼きに行く。当店自慢の、野菜ぎょうざ２００円なりだ。
「ま、ぎょうざが焼きあがるくらいには話し終わるでしょう」
　そう言って藪神は水を一口飲んだ。
「というより、こんなもの推理でもなんでもありません。ただ一箇所の、発想の転換のみなんですよ」
「発想の転換？」
「ええ。ただ一箇所――なぜ１３番カウンターの客のズボンに、ガムがくっついたのか、です」
　なぜ……というのもおかしな言い方だ。なぜなら――
「椅子にガムがくっついていたから、ズボンにガムがくっついたとお考えですか？」
　薮神が言う。そう、その通りだ。だが――
「けれどそれは、違うのですよ」
　そう言って藪神は、立ち上がって自分の座っていた椅子を触った。
「椅子に、ガムがくっついていた。たしかに、普通ならそう考えるでしょうね。けれど、なんだか不思議ではありませんか？　暗がりならばともかく、こんなところにガムがくっついていれば、普通気付くでしょう？　しかも、木目の茶色に白のガム。確実に目立つはずです。しかし、店員も、そこに座ろうとした客も気付かなかった」
　そう――たしかにそれは、おかしいと思っていたのだ。
「もう一つ。そもそも、いったい誰がこんなところにガムを捨てたのか。外のベンチだとかならばともかく、なぜわざわざラーメン屋の店内でこんなことを？　紙ナプキンがあるの    </description>
    <dc:date>2009-02-09T12:17:02+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/45.html">
    <title>１３番テーブルのガム</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/45.html</link>
    <description>
      *CMWC NONEL COMPETITION4
**１３番テーブルのガム

#right(){雨沢流那}
【問題編】

　１３番カウンターの椅子にくっついていた、ガム――全ての事件は、そこから始まった。少なくとも、僕にとっては。
　というか、本来的には「事件」なんて言ってしまうほどたいそうな出来事ではないかもしれない。けれど、退屈な日常を送る一般市民である僕にとってそれは、紛うことなき「事件」であり、そしてその発端は全て、１３番カウンターのガムなのである。

　全ての発端となる、「ガム」に関する事件――というより、出来事が起こったのは、今から二週間ばかり遡ったある日の晩である。それは、フリーター一年目の僕が、大阪ミナミはアメリカ村、三角公園のすぐそばのラーメン屋「瑞雄亭」に勤め始めた二日目のことだったので、よく覚えている。
　その日は比較的忙しかった――今から思えば。というのも、当時はまだ新人で、忙しいかどうかの尺度も分からなかったし、そんなことを考える余裕も無かったからだ。
　それは、もうすぐバイト上がりかという午後九時半頃のことだった。ガヤガヤと、三人組の若い男の客が入ってきた。アメリカ村にもっとも高い割合で生息する、茶髪でジャラジャラとアクセサリーを下げているタイプのグループだ。所作が荒く、新人の僕にさえ分かるほど、あまり歓迎できないタイプのお客。
　テーブル席はいっぱいだったので三人は、あまり客の使うことの無い奥のカウンター席に座った。手前から、１１番、１２番、１３番の席である。
「いらっしゃいませ」
　まだなれぬ手付きで、水を出した。
「ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」
　三人は、メニューを手に取りあれやこれや。僕は、そちらを構っている余裕なく、埋まっているテーブル席へ出来上がったラーメンを運ぶ。全席わずか２９席の狭い店内とはいえ、ホールは僕一人なので満員になると大変なのだ。
　ようやくラーメンを運び終えた頃、
「お兄ちゃん、注文！」
　呼び止められて僕は、慌てて注文票を持ってカウンター席へ行った。
「ええと……」と言いながら、てんでばらばらに注文。しかも「あ、やっぱそれはやめといて……」と言い換えたり。こういうバイトをするとよく分かるけど、そういう注文の仕方は気に入らないね！
　一段落したようなの    </description>
    <dc:date>2009-02-09T12:08:43+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/44.html">
    <title>千切れた子供</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/44.html</link>
    <description>
      *CMWC NONEL COMPETITION4
**千切れた子供

～ある霊感とその要因における
『ノエシス』の解明～
#right(){塩瀬絆斗}
０、千切れた子供


　よく覚えている。といってどこまでも細かく覚えているのではない。小学二年生の終わり頃だった。
　校舎の二階の廊下は濃い紫色をしていた。中央にはオレンジ色の破線が走っている。踊り場からは直角に二つの廊下が出ていて、他にトイレ、階段、特別教室への入り口が面していた。
　そこを通りかかった。
　何をしようとしてどこに行こうとしていたのか分からない。放課後だった。しかし、それにしては人気がなさ過ぎたような気がする。廊下はしーんと静まり返っていた。もしかすると、放課後はいつもああだったのかもしれない。一緒にいたのは岡嶋孝太と響隆法＜ひびきりゅうほう＞だった。
　最初に「それ」を見つけたのは僕だった。何かが視界の隅でちらちらとしていたのを覚えている。
　ふとそちらを見た。一瞬、僕の体はそこに釘付けされてしまったかのようになった。白と灰色のボーダーの服を着た男の子がいた。ズボンは、分からない。何せ、下半身はなかった。どう言い表せばいいのだろう。男の子の上半身が廊下から生えているといった感じだった。両手が足の代わりをしていて、それで上半身を引きずるように動いているようだった。同じくらいの年齢だろうかと思ったが、少し遠くだったから子供の顔はよく見えなかった。だからのっぺらとした顔は、言いようのない不気味さを誇っていた。その虚ろな様子。体ごと真っ直ぐとこちらを見ているようだった。
　大声ではなかったが僕は悲鳴をあげた。
「ああ……あれ」
　全員がそちらを見る。一目見て、僕たちはその場から逃げ出した。怖かった。一秒でも早くそこからいなくなりたかった。得体の知れない何かが僕たちを突き動かしていた。


１、再会


　一人暮らしだから実家に帰るのは久し振りだ。特に深い感慨があるわけではなかったが、故郷というものをはじめて意識したような気がした。ほんの数年だから当然といえば当然なのだが、街並みは相変わらずである。心のどこかで、変化を期待していたのかもしれない。
　Ｈ駅の改札を出ると、暑さに眩しさが加わってきた。夏が苦手な僕としては身を焼かれる思いだ。カランカランと遮断機が大    </description>
    <dc:date>2009-02-08T17:15:54+09:00</dc:date>
    <utime>1234080954</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/43.html">
    <title>陰気な日曜の前に</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/43.html</link>
    <description>
      #right(){作：多田野　小五郎}
　
　始まりは、今月の十九日の月曜日。それは、鉛色の雲がどんよりと垂れ下がった実に不快な夕暮れ時のことだった。
　僕は、都心から離れたある小さな町の小学校に教育実習で通っていて、下宿へ帰る電車を待つ間の三十分を潰すために、いつも駅前の本屋に立ち寄っていた。
　そういう規則正しい生活を送るのも、あと二週間である。自堕落が染み付いた体がやっと時間に捕らわれることに慣れてきた頃、また、自堕落に戻る。取りあえずは、これも単位を取るためには仕方ない日々だと納得していた。
　本屋の外観は古臭いが、最近内装を変えたらしく、新品の什器が並ぶ明るい雰囲気の店になっている。中は思ったよりも広い。客は常時七、八人は入っていて、少々の間なら立ち読みしていても目立つことはなかった。
　その日、ふと奇妙な客に、注意を奪われた。
　喪服のような黒いスーツを着た男で、彼が中に入ってくるなり、僕はなんだか空気が濁ったような息苦しさを感じて振り向いた。周りを明るくするような人物というのはいるが、そこだけ暗くしてしまうような男をはじめて見た。実際、晧晧と明るいはずの照明が、ろうそくの明かりのように仄かになり、男の全体を霞ます明度に落ちたように思えたのである。
　何気なく観察していると、男は文庫本のコーナーに一直線に進み、一冊の本を本棚から抜き出した。本屋に足を運ぶ人は、本を選びに来るか、すでに選んだ本を買いに来るか、あるいは僕のように時間つぶしに来るか、おおむねその三つぐらいしかない。ところが、その男はどれでもなかった。すでに決めていたように躊躇なく一冊の本を手にとり、ぱらぱらとめくった後ですぐに棚に戻したのだ。買いに来たのではなく、選んだのでもない。そのまま踵を返すと、入ってきたのと同じと歩調ですっと外へ出ていってしまった。男が目の前から姿を消すと、とたんに店内がもとの明るさに戻ったような気がした。
　おそらくその男の行動に気づいたのは、店内では僕しかいなかったに違いない。
　男のいたところに何気なく近寄って、本棚を漠然と眺めた。男がどの本を手にしたのか、すぐにわかった。その本は背表紙が上下反対になって差し込まれていたからだ。僕は、自分の胸の動悸が急に早くなるのを感じた。
　理由のわからない衝動に負け、思わずその本に手を伸ばした。すると、そ    </description>
    <dc:date>2009-02-08T16:13:19+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/42.html">
    <title>岩手河童伝説の謎</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/cmwc/pages/42.html</link>
    <description>
      *CMWC NONEL COMPETITION3
**岩手河童伝説の謎
#right(){作：現川竜北}

&amp;font(i){自分の地元、岩手県をテーマにしたものです。岩手といってすぐに思いつくものがこの「河童」でした。拙いものですが、宜しければお読み下さい。}

　茶柱が立った。
　ゲンを担ぐほうではないが、机の上に置いたお茶を眺めると三角は気分が良くなった。ビジネスホテルに泊まるのも久し振りである。ぐるっと部屋を見渡してみても昔に比べれば格段に設備が良くなっている。三角が駆け出しの記者だったころに泊まったビジネスホテルはとても狭く、ベッドが部屋の３／１を占領しているようなものだった。その分安かったのだが。それに比べればこれなど普通のホテルと大した差はないように思える。値段は少々高めだが、非常に快適である。
　岩手県遠野市に派遣が決まったのはつい先日のことだった。
　狭いデスクに精一杯資料を広げながら原稿を書いていた三角に、部長が言った。
「三角。今度うちの雑誌で妖怪についての企画組むことにしたんだ。大々的にやるから、記者達はほとんどそっち担当になる。お前は河童について調べてきてくれ。詳しい所はこのレジュメに書いておいたから。岩手県の遠野という所まで行って来てくれ」
　部長は三角の机上に封筒を置いた。
「い、今すぐですか？」
　三角は突然の話しに目を丸くした。
「当然、当然。企画は一週間後だ。それまでにきっちりしたものを書いてくれよ。じゃ、頼んだぞ」
　薄くなりかけた頭髪を気にしながら部長は席へ戻った。後に残された三角はただ呆然とするばかりだった。大急ぎで原稿を書いてしまわなくてはならない。一週間というとそれほど短いわけでもないが、妖怪を調べるとなると勝手がわからない。早いに越したことはないだろう。急げ急げと、指をしならせながら三角はキーボードを叩いていった。
　そして。
　三角は今現在岩手県遠野市にやってきているのである。
　河童というと妖怪の中でも比較的有名である。頭の頂上がはげていて、全身緑色、手足には水かきがついていて……と割と親しみやすい妖怪だ。三角はそこら辺のポピュラーな所とのギャップを記事の中心に置こうと考えていた。
　遠野駅に着いての印象はやはり河童や民話のイメージを全面に押し出しているということだ。岩手県への    </description>
    <dc:date>2009-02-09T12:34:32+09:00</dc:date>
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