帰宅すると、妻が迎えてくれた。
彼女は上目遣いにこちらを見上げている。
「ねえ、猫飼ってもいいでしょう?」
「猫?」
「はい。餌も買ってきました」
「早くないですか……」
「そうでもありませんよ。ほら、トイレも買ってきたんです」
「トイレって……」
「ご飯を入れる器だってありますよ」
「あのう……?」
「猫だっていますし」
「飼うことは決定なんですね……」
その日から、小さな猫が東西南北家の一員となった。
猫好きな主人公と諦める先生が何となく浮かんだので執筆。
次々と用意されたものを見る先生の顔は、きっと少し困っています。