<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?><rdf:RDF 
  xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"
  xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
  xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
  xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
  xml:lang="ja">
  <channel rdf:about="http://w.atwiki.jp/combo-br/">
    <title>コンボ・ロワイアル@ ウィキ</title>
    <link>http://w.atwiki.jp/combo-br/</link>
    <atom:link href="https://w.atwiki.jp/combo-br/rss10.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
    <atom:link rel="hub" href="https://pubsubhubbub.appspot.com" />
    <description>コンボ・ロワイアル@ ウィキ</description>

    <dc:language>ja</dc:language>
    <dc:date>2012-11-06T19:17:30+09:00</dc:date>
    <utime>1352197050</utime>

    <items>
      <rdf:Seq>
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/22.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/15.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/34.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/33.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/24.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/18.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/17.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/30.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/16.html" />
                <rdf:li rdf:resource="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/32.html" />
              </rdf:Seq>
    </items>
	
		
    
  </channel>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/22.html">
    <title>ネタバレ参加者名簿</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/22.html</link>
    <description>
      *ネタバレ参加者名簿

【惑星のさみだれ】6/7
○雨宮 夕日/○朝日奈 さみだれ/○東雲 半月/○東雲 三日月/○風巻 豹/&amp;color(red){●南雲 宗一郎}/○マイマクテリオン

【CYNTHIA_THE_MISSION】6/7
&amp;color(red){●シンシア・ロウ}/○高野 果苗(弑・四方犠)/○紫水 ほたる/○久我 阿頼耶/○シベール・ロウ/○ブリギット・マクラウド/○中塚 侑実子

【咲-Saki-】5/6
&amp;color(red){●宮永 咲}/○原村 和/○片岡 優希/○竹井 久/○加治木 ゆみ/○東横 桃子

【めだかボックス】5/6
○黒神 めだか/○人吉 善吉/&amp;color(red){●阿久根 高貴}/○名瀬 夭歌/○黒神 真黒/○都城 王土

【はやて×ブレード】4/5
&amp;color(red){●黒鉄 はやて}/○無道 綾那/○久我 順/&amp;color(red){●静馬 夕歩}/○星河 紅愛

【DADDYFACE】4/5
○草刈 鷲士/○結城 美沙/○デイモン・ギャレット/&amp;color(red){●スプレイ}/○ヴァン=バチスト・ギヨーム

【魔法少女リリカルなのは】4/4
○高町 なのは/○ユーノ・スクライア/○フェイト・テスタロッサ/○アルフ

【主催者】プレシア・テスタロッサ　　　　　33/40

----    </description>
    <dc:date>2012-11-06T19:17:30+09:00</dc:date>
    <utime>1352197050</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/15.html">
    <title>本編目次</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/15.html</link>
    <description>
      |No.|タイトル|登場人物|場所|作者|
|000|[[オープニング]]|プレシア、クロノ、和、阿久根、フェイト|不明|◆YYVYMNVZTk|
|001|[[屋上に昇って]]|夕日、なのは|F-4|~|
|002|[[ハイヒールラナウェイ]]|阿久根、シベール|B-4|~|
|003|[[蒼天の戦場～ファーストコンタクト～]]|真黒、ユーノ|G-2|◆5ddd1Yaifw|
|004|[[たった１つの思い]]|シンシア、桃子|F-6|◆YYVYMNVZTk|
|005|[[自閉探索]]|善吉、鷲士、紅愛、侑実子、夭歌|B-2、C-3|~|
|006|[[Boomerang Boogie]]|綾那、デイモン|D-1|~|
|007|[[Don&#039;t You]]|阿頼耶、三日月|D-7|~|
|008|[[agony]]|フェイト、南雲|C-7|~|
|009|[[シリアス・プラン]]|真黒、ユーノ、めだか、風巻、美沙、はやて、侑実子、夭歌、綾那、デイモン、優希、ギヨーム|E-2|~|
|010|[[Carnival]]|弑、夕歩、咲、王土、スプレイ、ゆみ|C-5|~|
|011|[[BAD DREAMS]]|夕日、なのは、半月、ほたる|E-5|~|
|012|[[第一回放送]]|プレシア|不明|~|
|013|[[Ladybird Girl]]|めだか、はやて、順||~|
|014|[[STRONG]]|阿頼耶、三日月、フェイト||~|

----    </description>
    <dc:date>2012-11-06T09:12:39+09:00</dc:date>
    <utime>1352160759</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/34.html">
    <title>STRONG</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/34.html</link>
    <description>
      *&amp;color(red){STRONG}

東雲三日月と久我阿頼耶の二人が其処に着いたとき、既に太陽は濃いオレンジに色を変え、景色には黒が混じり始めていた。
はじめ、阿頼耶はその光景を、美しいとさえ感じてしまった。
一面が赤に染まる中、夕日に照らされた金色の髪が風になびいている。
金髪の持ち主である少女の顔は青白く、しかしそれが少女の美形を際立たせている。
目じりは赤く、頬には涙の跡があった。少女はここで泣いていたのだ。
赤が血で、それが、少女の足元に倒れ伏せた、かつて人だったものが流したのだと分かったとき、意味は逆転したが。

「何――これ」

思わず漏れた疑問形に、答えるものは誰もいない。しかし答える必要はなかっただろう。
呟いた阿頼耶をはじめ、其処に居合わせた全員が、その答えを知っていたのだから。
硬直した阿頼耶と三日月の存在に気付いた金髪の少女が、ゆっくりと二人の方を向いた。
少女の手には、斧の形を模した金属製の黒杖が握られている。
強く握りしめたそれを、少女は二人へと向ける。
少女の口が微かに動いたその瞬間、阿頼耶と三日月は、その場から散った。
過去に幾度も潜り抜けた荒事の経験が、二人に危険を知らせたのだ。
二人がいた位置に突如出現した光る円は、捕縛する対象を見失い瞬時に消滅した。

「問答無用……ってわけね」

もしあの光円に捕まっていたならば、自分たちも少女の前にこときれた死体として転がっていただろう。
思わず冷や汗が額からこぼれ落ちるものの、今はそれを拭う隙さえも見せたくない。
今、自分は殺し合いに巻き込まれているのだと、強く実感する。
そして同時に、こうも思う。この状況こそが自分が拳を磨いていた、その理由なのだと。
ここで眼前の少女を止めることが、自分の迷いに対する答えになるのだ。

「いくわよ、三日月」
「……わりーなあらやん。ちょっと待っててくれ。
　なぁ。そこで転がってるおっさん――殺したのは、お前か？」

少女は頷き、三日月の問いに肯定を示す。

「そうか。……先に言っておくぜ。多分、我慢できねぇ。敵討ちなんて、柄じゃねーんだけどな」

三日月が、動く。全身の筋肉を使い、獣のように跳躍する。
少女が黒斧を構え、両者は激突した。真正面からの半月の蹴りは少女の斧に受けられ、捌かれる。
遅れて阿頼耶も戦線に参戦する。阿頼耶の狙いは少女の拘束だ。
今の三日月は、戦闘狂の一言では片付けられないほどに気が立っている。
おそらくは、少女が殺害したという男性が、三日月の知人だったのだろう。
激昂するのも無理はない。だが、それは少女を害してもいい理由にはならない。
もし三日月が少女を殺せば、それはプレシアに屈したと同義だ。
少女と三日月、両方を止める。

「……やれやれだわ。でも……ッ、やる！」

軽快なフットワークで、阿頼耶は黒衣の少女へと近づく。
少女さえ行動不能にしてしまえば、三日月を御するのは難しくないはずだ。
先に止めるべきは、こちら。阿頼耶の右ストレートが、少女の顎先を狙い弧を描く。
しかし、阿頼耶が全力で振り抜いた拳は、ただ空を切るだけに終わった。
相手が年端もいかぬ少女だから。そんな理由で阿頼耶は手を抜いたりなどしない。
つまり、阿頼耶の全力が、少女にいとも容易くかわされてしまったということだ。

――さすがにそれは……カチンとくるわね！

阿頼耶が二撃目を放つと同時、三日月が少女へと飛びかかる。
同時に襲い来る二方向からの打撃を、しかし少女は焦る様子もなく見極め、捌く。
金髪の少女は、フェイト・テスタロッサは、物心つくかつかないかという頃から戦闘訓練を強いられてきた少女だ。
フェイトは、自身の戦闘技能に絶対の自信を持っている。
フェイトの技術は育ての親である使い魔リニスに教授されたものだ。
フェイトが得た力は、フェイトとリニスの絆と言ってもいい。
故に、フェイトは負けられない。
育ての親リニスと、産みの親プレシア。
二人の母を背負う少女は、こんなところで立ち止まるわけにはいかない。

「バルディッシュ……！」

フェイトの叫びに呼応するように、黒鉄の杖がその姿を変える。
フェイトの道を切り開く、ただ一つの剣。それがバルディッシュ。
振り回される剣斧を前に、阿頼耶と三日月の二人は距離を取らざるを得ない。
そして、今度距離を詰めたのはフェイトの方だった。
飛翔魔法を併用した高速機動戦闘がフェイトの十八番。
稲妻と形容するに相応しい神速が、二人を切り刻まんと戦場を駆け抜ける。
捉えられたのは、三日月だった。横凪ぎの斬撃が、三日月の胴を両断――しない。
バルディッシュを握るフェイトの右手に、覚えのある感触が返ってくる。
これは、南雲と名乗ったあの男の防御壁と同一のものだ。
そして、南雲が使っていたそれより、堅い。まともに打ち込んでも崩せる気がしないほどだ。

「……捕まえたぜ」

三日月の操る掌握領域がバルディッシュを握り、離さない。
握られた拳がフェイトの細い身体を吹き飛ばす。地を転がるも、即座に体勢を立て直した。
鈍い痛みが身体の芯にじくじくと響く。吐く息が荒れ、リズムはばらばらだ。
だが、この程度ならば、まだやれる。屈するには到底及ばない。

（……厄介だね、あの力は。近接での打ち合いは五分。だけど……）

ここで無駄に消耗してしまえば、フェイトはプレシアの望みを叶えられない。
選ぶべきは、確実な勝利をもたらす戦術だ。拘りや誇りなんてものは、捨て去ってしまえ。
得意とする高速近接戦闘を捨て、フェイトは呪文の詠唱を開始する。
雷の光が無数の槍へと姿を変え、刺し穿つ敵へと照準を合わせる。
遠距離からの高火力魔法による掃討が、フェイトの選んだ戦術だ。

「Ready……Fire！」

飛来する十二の雷槍。非殺傷設定を切られ一本一本に致死の威力が込められたそれを、三日月は全身で受け止めた。
全身に纏った掌握領域の防御を切り裂いた槍が、三日月の身体を切り刻む。
飛び散る血が、三日月の後方にいた阿頼耶の顔を濡らす。

「……っと。あらやん、大丈夫か？」
「大丈夫かって……バカ！　アンタのほうがよっぽどでしょ！？」

相当な深手を負ったにも関わらず、未だ笑みを絶やさない三日月を、阿頼耶は怒鳴り付ける。
しかし阿頼耶も、三日月が自分を庇って傷ついたということは、理解している。
もし阿頼耶がまともに先の攻撃を受けていれば、今の三日月のように軽口を叩く暇などなく絶命していたことだろう。
掌握領域という防御手段を持つ三日月が前へ出たのは、阿頼耶のことを気遣ってのことなのだ。

（守られて、それで終わりだなんて……らしくないじゃん、わたしっ！）

今、三日月が防御に回ったことで、三日月と阿頼耶の間に役割の分担が為された。
三日月が防御ならば、対する阿頼耶が担うのは、勿論攻撃の二文字だ。

フェイトは第二波の詠唱を始める。先の一撃で、男の方はボロボロだ。
耐えられてあと数発といったところだろう。だがそれは、このまま相手が棒立ちだったらの話だ。
防御壁を纏った男が、フェイトへ向かって進軍する。さながら装甲兵のようだ。
そして装甲兵の後ろ、追従してくるのは拳を握った女闘士。
フェイトは詠唱を切り上げ、既に練り上がった魔力分だけの雷撃を放った。
だが不十分な練磨のもとに放たれた魔力は、三日月の掌握領域の前に力無く霧散する。
雷撃がかき消されると同時、阿頼耶が三日月を飛び越え、フェイトと相対する。
迫る拳を、今度は避けられない。シールドの展開より一瞬早く、阿頼耶の拳はフェイトに届いた。
三日月のものと比べ、重さはない。しかし速度と鋭さが生む痛みは、先のものより強く、激しく。

「くっ……！」
「もう……一丁ォ！」

怯んでいる隙は無かった。間髪入れず襲い来る追撃が、フェイトの眼前へ迫る。
展開途中だったシールドも、今度は間に合った。魔力の防護を前に、阿頼耶の拳は通らない。
しかし阿頼耶の追撃に更に続いたのは、三日月の猛攻だった。
阿頼耶とフェイト、二人を一気に飛び越える跳躍を見せた三日月は、そのまま阿頼耶とは逆サイド、つまりフェイトの背面からの攻撃を仕掛ける。
対するフェイトが取れた手段は、シールドの多重起動。防御壁で作った猛攻の隙を見て、その場から飛翔、離脱を試みる。
これで一旦体勢を立て直す――フェイトのその目論見は、突然の腹部への衝撃が打ち砕いた。
阿頼耶の拳がフェイトを撃ち抜いたのだ。

「悪いけど――逃がさないわよ。目には自信があってね」

久我阿頼耶の強さを支える最大の能力が、その眼力だ。
まるで未来が見えているかのように相手の動きの先を往き、空いた急所を一撃で貫き、屈服させる。
相手に一撃も触れさせず、自分は一撃で相手を沈める。天才という他ないファイティングスタイルは、全てを見通す眼があってこそのもの。
何があろうと絶対に逃がさないという意思を込められた拳が、フェイトのシールドを削っていく。
阿頼耶と三日月の双撃を受けきれなくなった魔力壁が音も無く割れ、消えていく。
打撃がフェイトの身体を打つ。白磁の肌が血と青痣で奇妙な色に染まっていく。
それでもフェイトは、顔を下げない。目は、強く何かを訴える。
阿頼耶の半分ほどしか生きていない少女が、どうしてこんな顔を出来るのか。
いったい何が彼女をこれだけの戦士に仕立て上げたのか。

「なんで……あなたみたいな子が、殺し合いなんて……？」

阿頼耶の拳に、迷いが生まれる。阿頼耶の呟きを受けた三日月もまた、攻め手を緩める。
その一瞬の隙に、フェイトは魔力を練り上げ、形にならないまま足元で爆発させた。
舞う土煙が目眩ましになり、フェイトは阿頼耶たちの包囲を抜け出す。
二人と距離を取ったフェイトが、か細い声で呟いた。

「それは――」

呟きは、土煙に紛れかき消え、二人の耳には届かない。
少女の戦う理由を、二人は知ることがない。

----

フェイトは自らの不利を悟り、戦闘から離脱した。
フェイトを追う機動力を阿頼耶と三日月は持っていない。
そして、フェイトとの戦闘で三日月が阿頼耶を守り受けた傷は、決して軽いものではない。
フェイトの追跡を諦め休息と南雲の埋葬を行った二人の前に、新たな人物が現れる。
少女の名は朝日奈さみだれ。
彼女は獣の騎士団が守るお姫様で、――地球の破壊を目論む、魔王でもあった。

----    </description>
    <dc:date>2012-11-01T02:19:51+09:00</dc:date>
    <utime>1351703991</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/33.html">
    <title>Ladybird Girl</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/33.html</link>
    <description>
      *&amp;color(red){Ladybird Girl}

夕日の差す街並みの中に、一つ、ぽつんと停まった車があった。
時刻は午後六時をいくらか過ぎた頃――プレシアの放送が終わり、間もない頃だ。
エンジンを止めた車はそのまま動く様子もなく、暗く染まり行く景色の中に溶け込み始めている。
よく目を凝らせば、車中が無人ではないということがわかるだろう。
車の中には二人の少女がいた。黒神めだかと、黒鉄はやての二人だ。
一人でも多くの仲間を集めるべく学校を飛び出した二人だったが――

「ドッキリ……なんだよね？」

助手席に座っていたはやてが、ぽつりと呟いた。
うつむいたまま顔も上げず、心なしか問う声は震えている。
放送で呼ばれた静馬夕歩という名前を、はやてはよく知っている。
はやてと同じく天地学園剣待生だった夕歩とは、天の星を奪い合う間柄として剣を交えたこともある。
そして星獲りが終われば、はやて、夕歩の刃友である無道綾那、久我順らと共によく遊び、よく食べ、よく――

「いやー、まいっちゃうよねー。あんなふうに言われたらさ、まるでしぐまが……」

まるで……まるで。その後に続く言葉が、出てこなかった。
口を半開きにした間抜けな顔のまま、無理矢理に笑みを浮かべようとしても頬が強張って動かない。
顔も上げられず、何も言えないまま、時間が過ぎていく。
もう夜は街全体を包み込んでいて、そこかしこに置かれた街頭が弱々しく辺りを照らしている。
ぱち、ぱちと半分切れかけた電灯がかすかに音を立てる他には、虫の声一つない。

「ねぇ、なんかしゃべってよー」
「――――」
「きっとさ、あたしたちが慌ててしぐまたち探してたら、いつもどおりのむっつりした顔で、『ドッキリ成功！』なんて書かれた板持ってひょっこり出てくるんだよね？」
「――はやて」
「いやもうほんと、こんなの誰が考えたのかなー。趣味悪いよね、まったく」
「――はやて。そんな言葉で、自分を誤魔化せるか？
　……私は、そんな言葉で――自分を誤魔化したくなどない。己の内にあるこの感情に、蓋をすることは出来ない」

めだかは、己の不甲斐なさを噛み締めるように、ゆっくりと心中を吐露した。
プレシアに読み上げられた名前の数は六つ。その中には、めだかもよく知る箱庭学園生徒会書記の名前もあった。
阿久根書記が死んだなどと、めだか自身信じ切っているわけではない。
しかしこれだけ大がかりな舞台を用意した主催者が、放送においてフェイクを入れるような真似を――そんな片手落ちをするだろうか。
おそらく、読み上げられた内容に虚偽はない。たった六時間の間に、六人もの人間が死んだのだ。

「だって、だって――嘘だよっ！　しぐまはね、強いんだからっ！」
「――言い争っている時間はない。今は一刻でも早く、一人でも多くの同士を見つけねばならん」

めだかとて――信じたくはないのだ。既に阿久根高貴が死んだなどとは、到底思えないのだ。
中学時代には阿久根と敵対していたこともあるめだかだからこそ分かる。
阿久根高貴という男は、およそあらゆる分野において天才という呼称を授かるほどに、才に満ちていた。
こと戦闘においては、『破壊臣』という二つ名が決して大袈裟なものではないと誰もが認める実力を備えている。
そんな阿久根でさえも、数時間で命を失う――此所は、そんな場所なのだ。
今こうして手をこまねいている内に、犠牲者は更に増えていく。
殺し合いに乗った他者がいると皆が知った今では、立ち回りを決めかねていた人間が殺人を選択する可能性も高くなっただろう。
ぼんやりとしている暇などない。ハンドルを握る手に、力が込められる。

「行くぞ、はやて」
「……うん」

　◇

道中でめだかが何かを喋っている、というところまでは認識できても、その意味までは理解できないというほどにはやての頭は混乱していた。
車が止まり、降りるように促され、そこでようやくめだかがどこを目指していたのかを知ったほどだ。
夜闇の中、白い壁色がうっすらと浮かび上がる――巨大な建造物は、病院だった。
非常灯だろうか。病棟のそこかしこが緑の淡い光に照らされている。
一見した限りでは人影は見当たらないようだが――

「怯え隠れた人間が、身を潜めているかもしれぬ……そうでなくとも、救急薬など有用な道具がある可能性は高い。
　学校にも机や椅子、果ては野球部の金属バットや剣道部の竹刀、木刀など武器になり得る備品が手付かずのまま残っていたからな」
「人探しと、薬探しってことだね。おっけーわかった」

力無く頷き、ふらふらとした足取りで病院の中へ入ろうとするはやて。
心ここに在らずといった体のはやての姿を見て、めだかは――
そっとはやての手を取り、優しく握りしめた。

「う……ひゃっ！？　こ、こそばいよそんないきなり！」
「思ったよりも冷えているな。少し暖めていくと良い」
「で、でもさ。ゆっくりしている暇はないってさっき言ってたし……」
「もちろん無駄にしてよい時間などない。だがな、私は――これが無駄な時間だとは思っておらんよ」

握られた手を通して、めだかの温もりが伝わってくる。
あ、と気付く。自分でもまったく気付かないくらいに、気持ちが落ち込んでいたことに。
夕歩の名前を聞いてからずっと、はやては足りない頭でぐるぐると同じことばかり考えていた。

――しぐまは、本当にいなくなっちゃったの？

「……私は、よく人の心が分からぬ粗野な人間だと言われていてな。幼馴染みにも、よく小言を貰っていた。
　そんな私だから、今からかける言葉も、貴様が望むような言葉ではないかもしれない。
　だが、それでも敢えて言わせてもらおう。――静馬夕歩は、貴様がそうやって下ばかり向くことを、喜ぶのか？
　私は、誰かが俯く姿を見たくない。顔を上げてくれ、はやて」

ぎゅう、と、手を握る力が強くなっていた。
夕歩の死を認めたくない――その気持ちはもちろんまだいっぱいある。
だけど夕歩がいなくなったかもしれないだなんて、そんなはっきりしないことに頭を悩ませるだなんて、そんなのは黒鉄はやてがやることじゃない。
元々頭を使うのは得意じゃないのにあれやこれやと考えすぎて、結局どうにかなると考えなしに突っ込むのが、黒鉄はやてという人間だったじゃないか。
そう考えると、少し元気が出てきて――心が、軽くなって。
色んなことを考えてた頭と心に余裕が出てきたら、今度はまた、別の感情がむくりと湧いてきた。
顔を、上げる。前を向く。そんな当たり前ができるようになって、当たり前の気持ちを忘れていたことに気付く。

「あはは、あたしって、ほんとバカだなぁ……めだかちゃん」
「……私でよければ、いくらでも使うがよい」
「胸、借りるね……」

涙がぼろぼろとこぼれおちて、めだかの制服を濡らす。
声にならない声が、夜の闇にとけて消えていった。

「……ふぅ」
「もういいのか？」
「ん。いつまでも、泣いてちゃいられないしさ……顔上げなきゃね、ちゃんと」
ぱん、と景気付けに自分の両頬を強く叩く。

「よっしゃ、ご心配かけました！　黒鉄はやて、完全復活ッス！」
「よし、それでは……行くか」

薄暗い病院の中を、二人は二手に別れて探索することにした。時間の短縮が主な目的だ。
薬品の知識を多少ながらに備えているめだかが診察室の並ぶ棟を、支給品の日本刀を携え病室棟を回るのがはやて。
もし誰かと遭遇した場合には、その人物を連れて合流を。収穫の有無を問わず、二時間後には集合し、別の場所へ向かう――などなど。
打ち合わせを済ませ、二人は病院の中へと足を踏み入れた。

　◇

「いやいやいや……ちょっとこれは洒落にならない怖さでしょう……？」

夜の病院以上に肝試しに最適な場所があるだろうか。いや、ない。
そして肝試しが好きな人種というのは少なからず怖がりの要素を持っていて――黒鉄はやてもそのご多分から漏れることはないのだった。
一歩一歩進むだけで、心臓がばくんばくんとアップテンポを刻んでいる。
かつん、かつんと響く靴音が二つになった日には、速攻で逃げ出す勢いだ。
もっと増えたら？　泣き出すか漏らすかのどっちかだと思う、マジで。

「だいたい怯えてる人がこんなところに一人で隠れられるわけないってば……
　はうあー！？　い、いまなんか光った？　……って、鏡じゃん！　ベタ！　ベタすぎるよあたしー！」

ことあるごとにこんなリアクションを取っていれば、当たり前のように探索は捗らない。
既に半数ほどの病室を回ったものの、収穫はまったくのゼロ。
――せめて、あやながいればな。
今は側にいない刃友のことを、はやては思う。
ほとんどすれ違いのような形で一度は顔を見れたものの、今はどこで何をしているのかも分からない。
放送で名前が呼ばれなかったということは、あの場からはうまく逃げ出せたようだ。
しかし――もし、無道綾那の名前が呼ばれてしまったら。
はやてはそのとき、何を考えるのだろうか。
ぶるぶるぶると頭を振って、悪い考えを頭から追い出す。
そんなことに悩んでも仕方がない。今は、自分がやらなきゃいけないことに全力を注ごう。

「……ん、これって」

廊下の突き当たり――後ろに戻るしかない袋小路の壁に、何か文字が書かれている。
文字の掠れ具合を見るに、書かれてから結構な時間が経っているようだ。
そこには、やけカクカクとした字で、こう書かれてあった。
『右を見ろ』と。向けば、『下を見ろ』と続く。そして『上を見ろ』から――

『今、あなたの後ろにいるのは誰？』

ベッタベタ――故に、恐怖心を煽る文言。ただのイタズラ書きだと分かっていても、無駄に背後を意識してしまう。
――いやいや、こーゆーのって怖い話見たあとのシャンプーと一緒で、せーので振り返れば何もないことに拍子抜けしちゃうパターンだってば。
後ろには何もない。誰もいない。大丈夫大丈夫。言い聞かせるように呟き、そして一気に振り向く！

――振り向いた先には、長髪の女の人が立っていました。

「の、のぉぉぉぉぉぉぉもがっ！？」
「はいはいはやてちゃん落ち着いてー。コワクナイヨーじゅんじゅんデスヨー」

大きな叫び声を上げるところだったはやての口を塞いだのは、はやてにとってはよく見知った顔。
天地学園中等部三年生、久我順の、変わらぬ笑顔がそこにあった。
はやての口を押さえたまま、人差し指を立て静かにするよう促す。

「あんまり大声出したら誰に聞かれるか分からないからねー。
　はやてちゃんも怖いお兄さんとかに追っかけられたくないっしょ？」

了解！　と、はやても親指を立てサムズアップ。
そこでようやく、順ははやての口から手を離す。

「じゅんじゅーん！」
「ぬ、ぬおわっ！？　い、いきなりの愛情表現、嬉しいんだけど悲鳴も上げちゃうって言うかー……」

有無を言わさず抱きついてきたはやてに、順も些か困惑ぎみだ。
しかし、そこは天地の婬魔色魔お邪魔と言われた久我順――ここぞとばかりにはやてを抱き寄せる。
ほへ、と間抜けな声を出すはやての頬をすりすり。ついでに身体の成長ぶりもチェック。
ホントにまぁ、成長しない子だねぇはやてちゃん……と心の中でこっそり涙を流す順。

「ねぇ、はやてちゃん――夜の病院って恐怖スポットの定番でもあるけど、あたしとしてはそれ以外にも押さえておくべきポイントがあると思うのよね。
　ほら、夜のナースコールから始まるあれこれ……とかさ。
　そもそも夜のって枕詞をつけるだけで大抵のものって素敵な響きになるよね。
　夜のはやてちゃんとか。夜のあたしとか」

…………………………。
沈黙。


「駄目だぁぁぁぁ！　よく考えたらあたしたち二人ともボケ担当だしツッコミいないと掛け合いが終わんないしグダグダだし！
　特にあたしって相方が知識ゼロな純真無垢な子だったらそもそもボケとして成立しないし！
　あたし、綾那がいないとダメな身体になっちゃった……
　……いや、でも、何も知らない子に一から教育するというのもそれはそれで……」

中学生男子並のネタでぐへへと中年男性的笑いを浮かべちゃうのはイマドキの女子中学生としてどうなんだろうというのは置いておくにして。
ここでようやく、はやてと順はそれぞれの状況説明を始めたのだった。
どうやら順は、この六時間以上誰とも会うことなくやり過ごしてきたらしい。
早くも十人以上の人間と出会ったはやてとは大きな差があるが、全体でも四十人程度しかいないのだから、地図上での偏りが大きかったのだろう。
はやては既に学校を中心に八人からなるパーティを組んでいること。
ここには他の参加者探しと物資調達を兼ねて、二人で来ていること。

「あ、そーいえば誰かと会ったら合流しないといけないんだった……」
「あー……あのさ、ちょっとだけ待ってもらっていいかな。はやてちゃんと、二人きりで話したいことがあってさ。
　他の人、入れたくないんだよね」

順の提案に込められた意味は、さほど頭のよくないはやてでも分かる。
静馬夕歩と久我順は、天地学園にて刃友だった。
付き合いも長く、天地に入学する以前、いや、それこそ生まれたときからまるで姉妹のように育ったと聞いている。
親友どころか、家族と言っていいほどの間柄なのだ。
今こそ表には出していないが、放送を聞いたときのショックははやて以上のものだったに違いない。

「……あのさ、上行かない？　ちょっと外に出たい気分だからさ」

順に先導され、はやては共に屋上を目指す。
二人でいるというだけで、さっきまでの心細さは完全に無くなっていた。

屋上の扉を開けると、生温い風が顔に吹いてくる。
この病院は五階ほどのそう高くもない建物だったが、屋上にまで上がると街全体を見ることが出来た。
道路沿いに街頭がぽつぽつと立ち並ぶ他には、殆ど灯りはない。
まばらに点在する小さな灯りが、他の参加者のものなのだろう。

「……よい、しょっと。はやてちゃん、こっちこっち」
順に手招きされるがままに、はやても横に腰を落ち着ける。
「……はやてちゃんはさ、あたしと夕歩のこと、どう思ってた？」
「え、いや。いつもじゅんじゅんとしぐまはなかむつまじくて、うらやましいなーって……」
「はやてちゃんにはまだ話してなかったっけ。あたしと夕歩ってさ、ただ幼馴染みなだけじゃないんだ。
　あたしと夕歩は――異母姉妹なんだよ。半分血が繋がってるんだ。だから骨髄移植なんてのも出来たんだけどね」

――力無く笑う順の姿は、はやてが見慣れた順の姿とはまるで違っていた。
はやてが知っている順は、いつも心の底から楽しそうに笑っていた。
こんな、まるで自分を騙すような笑いかたは――絶対にしなかった。
はやてのバカな頭では、今の順にかける言葉なんて見つけられない。
自分自身、夕歩のことは――まだ上手く受け止められないというのに。
今の自分に出来ることといえば、そう、
手を握る。それくらいだった。

「……はやてちゃんは、バカだけどさ」
「ふおっ、なんというお言葉！？」
「あはは、ごめん。……優しいよね。残酷なくらいに。
　あの、雨の降った日の星奪りのことを、覚えてる？」

覚えている。それは、はやてたちと順たちが全力でぶつかり合った、最初で最後の星奪りなのだから。

「あの日ね、夕歩もあたしの手を握ってくれたよ。
　そういえばさ、あの時夕歩がはやてちゃんにつまんないこと言っちゃったんだってね。
　そのときに、教えてもらったことがあるって言ってた」

はやての言葉ではない。綾那がはやてに贈った言葉だ。
剣待生はみんな自分の剣と一緒に、自分の夢を持っている。
そして逆の手には、刃友の夢を握っている。
はやてが持つのははやて自身と綾那の夢。綾那が持つのは綾那自身とはやての夢。
一人に抱えられるのはそれだけだから、他の誰かの夢まで面倒見ることはできない。

「あたしはさ、……刃友の夢を守れなかった、負け犬になっちゃった。
　あたしはバカだ。夕歩はこんなあたしのために、『あの日』を作ってくれたのに――
　あたしは夕歩に、『明日』をあげることができなかった。でも――」

はやての手を振り切り、順は立ち上がった。
デイパックからごそごそと取り出したのは、一振りの刀だ。
鞘から引き抜かれた刀身が、非常灯に照らされ鈍く光った。

「もしかしたら、こんなあたしでも、夕歩にまた『明日』を与えられるかもしれない」

鈍いはやてでも、これだけ言葉を重ねられれば順の心中を悟るくらいのことはする。
順は――あの放送を信じたのだ。信じて――最後の一人になり、夕歩を生き返らせるつもりなのだ。
だが、そのために順が人を殺すつもりなら。はやては、順を止めるしかない。
はやてもまた、刀を握る。はやての剣で――順を、止められるのか？
分からない。でも、やるしかない。

「じゅんじゅん――本気なの？」
「本気だよん。これだけはさ、はやてちゃんや綾那が相手でも――譲れないから」
「だったら、あたしがじゅんじゅんを止めるよ。だって――じゅんじゅんは、友達だもん。
　友達がそんなことするところなんて、あたし見たくないから」
「……やっぱり優しいよね、はやてちゃんは。好きだったよ、そういうところ」

一呼吸の内に、刃が三度交錯した。
お互いに相手の実力は知っている――だが、直接全力ぶつかることはなかった。
実際に剣を交えて、初めて相手の強さを知る。
はやての剣はまっすぐな剣だ。愚直と言い換えてもいい。
だが、そのひたむきさは体格の不利さえも吸収し、速度と体力ならば同級生たちのなかでも群を抜くものに成長した。
対する順の技は、忍者の末裔を名乗る順に相応しく、トリッキーでテクニカルなものだ。
変幻自在の太刀捌きと奇抜突飛な立ち回りで相手を翻弄する。
二人の太刀筋は真逆と言っていい。まともに打ち合えばはやてに分が上がるだろうが、一度順のペースに巻き込まれれば巻き返すのは難しいだろう。

更に剣を重ねる。一度、二度と剣がぶつかる度に、より深く相手を知っていく。
はやての剣が届く前に、順は動きを予測し受け流し。
順の流れるような太刀筋を、はやては持ち前の反射神経でいなしていく。
どれもが決定打になりうる斬撃を交わしながら、二人は――

「やっぱり強いね、はやてちゃん」
「うんっ、じゅんじゅんも！」

こんなときだというのに、はやては笑っていた。
そう、ただ純粋に――はやては、剣が好きなのだ。
強い相手と、まだ見たことのない剣と仕合える。
ただそれだけのことに、これ以上ない至福を覚えるバカなのだ。

――ほんと、天地はバカばっかだよねぇ。そりゃ楽しくもなるよ。
――でも。
――あたしはもう、楽しさでは剣を振れないから。
――それはもう、ここにおいていくから。

順の振り下ろしが、はやての肩口を狙う。
フェイントも何も入れない、平凡な一振り――それが逆に、はやてに違和感を覚えさせる。
剣を交えるのは初めてでも、順の太刀筋は何度も見てきた。
これは――順の太刀筋とは違う。少なくとも、本手ではない。
剣が、順の右手から振り下ろされ――遅れて、左手からもう一刀が襲いかかった。
右手に握られたのは鞘。本手は、遅れてくる左手――！
避けきれず受けた傷口から流れる血が、はやての袖を赤く染めた。

二刀使い――はやての中に、その認識は確かにあった。
だが、立ち合いが始まる前に順が持っていた得物は一振りであったことが、その認識を忘却させるに至ったのだ。
利き手である右の腕を、深く斬りつけられた。はやての振るう剣に、もはや先程までの精彩はない。

だが、本来ならば肩口から袈裟の形ではやての身体を切り裂くはずであった刃は、はやての右腕を掠めるに留まった。
違和感ゆえにはやてが切り返しよりも後退を優先したがためのものだ。
決着は先延ばしになった――たとえ受けた手傷が確実な不利を呼び込むものだったとしても、とかく望みは繋がれたのだ。

「はやてちゃん――長引かせるような趣味はあたしにはないから。次で決めるよ」
「じゅんじゅん――あたし、バカだから、じゅんじゅんを止める言葉なんて知らなくてさ。
　でもこんなバカなあたしでも――どうすればいいのかは分かるから。止めてみせるよ、あたしの剣で」

手負いのはやてでは、先手を取ったところで行動不能になるまで追い詰めることは難しい――ならば狙うは、後の先。
溜めに溜め抜いた一撃で、決着をつけるしかない。
じりじりと、お互いの間合いが狭まっていく。あと二歩、一歩、半歩――ここ！
順の放つ横凪ぎの一閃――これを紙一重でかわし、反撃を打つ。
相手の切っ先に全神経を集中させる。ここを凌げば――！

瞬間、音と光と衝撃が、はやてを後方から襲った。
集中が途切れ、順の一閃は、吸い込まれるようにはやての胴へと食い込む。

「……ごめんなさいなんて言わないよ、はやてちゃん。……さよなら」

はやての身体が、どさりと崩れ落ちる。決着が、ついたのだ。

最後に勝負を決めたのは、二人の剣の腕ではなかった。
順に支給されたもう一つのアイテムである小型爆弾が、交錯の寸前に投げられていたのである。
箱庭学園風紀委員長雲仙冥利が愛用していたそれは、己の剣で以て順を救おうとしていたはやてを飲み込み――
その隙を縫って、順が勝利を手にしたのだ。

――もう、あたしは剣を置いていくから。絶対に夕歩を助けるから。

あたしも大バカ野郎だ、と自嘲する。
人を殺して、人を救う？　そんなもの、誰が認めるのか。きっと夕歩自身、喜びなどしない。
それでも――取り返したいものだから。バカと罵られようと、いくら憎まれようと、夕歩を取り戻せるのなら。
他のすべてを捨ててでも、夕歩を救ってみせる。たとえこの身と心を、悪魔に売り渡すことになろうとも。

さっきの爆音を聞き付けて、はやての仲間が駆けつけてくるかもしれない。
状況は決してよくない。確実な状況が来るまで、無茶は出来ない。あたしが死んでしまえば元も子もないのだ。

――よし、逃げよう。

空を見上げた。こんなにも寂しい夜だというのに。
いや、こんなにも寂しい夜だからか。月は今夜も、綺麗だった。


&amp;color(red){【黒鉄はやて＠はやて×ブレード　死亡】}


----    </description>
    <dc:date>2012-11-01T02:18:02+09:00</dc:date>
    <utime>1351703882</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/24.html">
    <title>死亡者リスト</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/24.html</link>
    <description>
      *死亡者リスト

**&amp;color(red){第一回放送までの死亡者}
|死亡者|死亡話|殺害者|死因|
|~|&gt;|&gt;|最後の言葉|

|阿久根高貴|002：[[ハイヒールラナウェイ]]|シベール・ロウ|頭部圧潰|
|~|&gt;|&gt;|それに俺にも――意地ってものがある。男の子の意地ってやつがな！|
|シンシア・ロウ|004：[[たった１つの思い]]|東横桃子|刺殺|
|~|&gt;|&gt;|　|
|南雲宗一郎|008：[[agony]]|フェイト・テスタロッサ|斬殺|
|~|&gt;|&gt;|悩めばいい。考えればいい。それでも答えが出なければ、大人を頼ればいい。そうして君たちは、大人になっていくべきだ。|
|静馬夕歩|010：[[Carnival]]|弑|頸部破損|
|~|&gt;|&gt;|不明|
|宮永咲|010：[[Carnival]]|弑|不明|
|~|&gt;|&gt;|こんな異常な場所で、普通でいたくて。でもこんな異常な場所で普通を貫けるだけの異常でもなくて。わたしは、ただここで―― |
|スプレイ|010：[[Carnival]]|都城王土|不明|
|~|&gt;|&gt;|ぐッ……！|


***&amp;color(red){マーダーランキング}
|順位|キャラ名|殺害数|被害者|スタンス|
|一位|弑|2|[[静馬夕歩&gt;Carnival]]、[[宮永咲&gt;Carnival]]|奉仕マーダー|
|二位|シベール・ロウ|1|[[阿久根高貴&gt;ハイヒールラナウェイ]]|無差別マーダー|
|~|東横桃子|~|[[シンシア・ロウ&gt;&gt;たった１つの思い]]|奉仕マーダー|
|~|フェイト・テスタロッサ|~|[[南雲宗一郎&gt;agony]]|ジョーカー|
|~|都城王土|~|[[スプレイ&gt;Carnival]]|無差別マーダー|

----    </description>
    <dc:date>2011-06-16T06:16:25+09:00</dc:date>
    <utime>1308172585</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/18.html">
    <title>キャラ別追跡表</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/18.html</link>
    <description>
      **キャラ別追跡表

|参加者名|登場&amp;br()回数|登場話一覧|
|&gt;|&gt;|【惑星のさみだれ】|
|雨宮夕日|2|[[001&gt;屋上に昇って]]、[[011&gt;BAD DREAMS]]|
|朝比奈さみだれ|||
|東雲半月|1|[[011&gt;BAD DREAMS]]|
|東雲三日月|1|[[007&gt;Don&#039;t You]]|
|風巻豹|1|[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|南雲宗一郎|1|[[008&gt;agony]]|
|マイマクテリオン|||
|&gt;|&gt;|【CYNTHIA_THE_MISSION】|
|シンシア・ロウ|1|[[004&gt;たった１つの思い]]|
|高野 果苗(弑・四方犠)|1|[[010&gt;Carnival]]|
|紫水ほたる|1|[[011&gt;BAD DREAMS]]|
|久我阿頼耶|1|[[007&gt;Don&#039;t You]]|
|シベール・ロウ|1|[[002&gt;ハイヒールラナウェイ]]|
|ブリギット・マクラウド|||
|中塚侑実子|2|[[005&gt;自閉探索]]、[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|&gt;|&gt;|【咲-Saki-】|
|宮永咲|1|[[010&gt;Carnival]]|
|原村和|1|[[000&gt;オープニング]]|
|片岡優希|1|[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|竹井久|||
|加治木ゆみ|1|[[010&gt;Carnival]]|
|東横桃子|1|[[004&gt;たった１つの思い]]|
|&gt;|&gt;|【めだかボックス】|
|黒神めだか|1|[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|人吉善吉|1|[[005&gt;自閉探索]]|
|阿久根高貴|2|[[000&gt;オープニング]]、[[002&gt;ハイヒールラナウェイ]]|
|名瀬夭歌|2|[[005&gt;自閉探索]]、[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|黒神真黒|2|[[003&gt;蒼天の戦場～ファーストコンタクト～]]、[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|都城王土|1|[[010&gt;Carnival]]|
|&gt;|&gt;|【はやて×ブレード】|
|黒鉄はやて|1|[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|無道綾那|2|[[006&gt;Boomerang Boogie]]、[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|久我順|||
|静馬夕歩|1|[[010&gt;Carnival]]|
|星川紅愛|1|[[005&gt;自閉探索]]|
|&gt;|&gt;|【DADDYFACE】|
|草刈鷲士|1|[[005&gt;自閉探索]]|
|結城美沙|1|[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|デイモン・ギャレット|2|[[006&gt;Boomerang Boogie]]、[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|スプレイ|1|[[010&gt;Carnival]]|
|ヴァン＝バチスト・ギヨーム|1|[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|&gt;|&gt;|【魔法少女リリカルなのは】|
|高町なのは|2|[[001&gt;屋上に昇って]]、[[011&gt;BAD DREAMS]]|
|ユーノ・スクライア|2|[[003&gt;蒼天の戦場～ファーストコンタクト～]]、[[009&gt;シリアス・プラン]]|
|フェイト・テスタロッサ|2|[[000&gt;オープニング]]、[[008&gt;agony]]|
|アルフ|||


|&gt;|&gt;|【主催者】|
|プレシア・テスタロッサ|2|[[000&gt;オープニング]]、[[012&gt;第一回放送]]|


----    </description>
    <dc:date>2011-06-16T06:06:28+09:00</dc:date>
    <utime>1308171988</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/17.html">
    <title>地図</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/17.html</link>
    <description>
      **地図

地図画像は作成中です……しばらくお待ちください。


||01|02|03|04|05|06|07|
|A|山|展望台&amp;br()山　川|山|川|||ゴミ処理場&amp;br()山|
|B|山|ダム&amp;br()山　川||川|||電波塔&amp;br()山|
|C|山||川|雀荘||工場|山|
|D||運動場|川&amp;br()橋|デパート||病院|山|
|E|図書館|学校|川|||海|キャンプ場&amp;br()山|
|F|||海|ホテル|海|教会&amp;br()島|海水浴場|
|G||港|海|灯台&amp;br()海|海|海|海|

***簡易現在地

||01|02|03|04|05|06|07|
|A||||||||
|B||善吉、鷲士、紅愛||&amp;color(red){阿久根}&amp;br()シベール||||
|C|||||綾那、デイモン、優希||半月、阿頼耶&amp;br()フェイト&amp;br()&amp;color(red){南雲}|
|D||||ギヨーム|弑&amp;br()王土&amp;br()ゆみ&amp;br()&amp;color(red){夕歩}&amp;br()&amp;color(red){咲}&amp;br()&amp;color(red){スプレイ}|||
|E||真黒、ユーノ、風巻、美沙&amp;br()めだか、はやて&amp;br()侑実子、夭歌|||夕日、なのは、半月、ほたる|||
|F||||||&amp;color(red){シンシア}&amp;br()桃子||
|G||||||||

----    </description>
    <dc:date>2011-06-16T06:01:40+09:00</dc:date>
    <utime>1308171700</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/30.html">
    <title>Carnival</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/30.html</link>
    <description>
      *&amp;color(red){Carnival}

魔法使いは笑っている。
自分が演出した舞台が、思惑通りに進行していくことに。
枷をはめられた哀れな生け贄たちが、掌の中で踊っていることに。
瞳に映る幾十の姿がもがき苦しむ様を見て、愉悦に浸り口の端を醜く歪ませる。
進め、進め。破滅へと突き進め。しかしこの破滅は終わりではない。
この破滅は――始まりなのだ。破滅の先には願いが残る。願いと共に、始まりがある。

今、更に命が失われた。

　◇

『彼』が牙を剥いたとき、少女の命は即座に奪われた。
痛みを感じる暇さえもなく、本当に呆気なく、少女は死んだ。
『彼』の心に人を殺した忌避感などない。『彼』はこれまでに、何度も何度も人の命を奪ってきた。
人を殺すことを生業にして、『彼』は今まで生きてきた。
だからといって、『彼』が生来のシリアルキラーであったり、殺人に異常な執着を見せる性癖を持ち合わせているというわけではない。

『彼』が人を殺すのは、『彼女』を守るためだ。
『彼女』をありとあらゆる害と悪から守り抜くために得た知識と技術を用いて、『彼』は仕事／殺人を遂行する。
依頼成功率100％――東日本最高の殺し屋の異名を持つ『彼』の名は、弑・四方儀。
弑は、この殺人ゲームにおいて、狩る側になることを決めた。
最終的な目的は、殺人ゲームに巻き込まれた『彼女』を生還させること。
最初はゲームの趣旨に反して『彼女』を会場から脱出させることも考えたが、不正な手段で逃亡したところで再び『彼女』に危険が迫る可能性が高い。

ならば、選ぶべきは正攻法――『彼女』を最後の一人にするしかない。

プレシアが最後の一人に手出しをしない保証はない。
しかし、それでも、それが『彼女』の安全を守る最善の策ならば、弑は乗るしかない。
幸いにして、殺人は弑が最も得意とする分野だ――勝算は十分にある。

静馬夕歩、と名乗った少女には弑の方から近付いた。
いきなり襲うような真似はしない。無害を装い、相手の警戒心をなるたけ解いてからの接触。
二言三言かわしただけで静馬は弑に対する警戒を解き、口下手ながらに彼女とその知り合いの情報を喋ってくれた。

夕歩には、このような殺し合いに巻き込まれる覚えはないこと。
彼女の学友たちの名前も名簿に記されていたこと。
皆ある程度の剣の心得はあるものの、殺し合いの経験など皆無な一般女学生であること――

そこまで聞いて、弑は夕歩の殺害を決行した。
じゃれつく子猫のように、後ろから夕歩に抱きつく。
最後の表情は、困惑したような、照れたような、とても可愛らしいそれ。
見るもの全てを蕩けさせるような表情を浮かべたまま、夕歩の首が90度折れ曲がる。
武器の一つも使わずに、弑は静馬夕歩の命を奪い去った。

「まず、一人――」

表情一つ変えず、夕歩に支給された装備を物色する。
弑の中には人を殺したことによる罪悪感も達成感も何もない。
まだ、一人。弑はこれから数十の命を奪わなければならないのだ。
こんなところでいちいち心を動かす余裕などない。

がたり。

振り返る――尻餅をついた少女が、視界の中に入ってくる。
少女は目尻に涙を浮かべ、がたがたと震えている。
弑を見て――ではなく、首があり得ない方向に折れ曲がった夕歩の死体を見てのことだろう。
少女が着るセーラー服とこの反応からして、夕歩と同じく荒事とは縁遠い『表』の世界の人間に違いない。

「おい」
「ひっ……！」

ああ――間違いない。こいつは、今までぬくぬくと生きてきただけの人間だ。
自分が生きていることが当たり前過ぎて、生きることに必死になったことがない人間だ。

「お前は、死にたくないと思うか？」

唐突な問いかけにしばらくぽかんとしていた少女だったが、言葉の意味を理解した途端に、強く頷き始めた。
既に涙は目尻から溢れ、しかし腰でも抜けたのかべたりと地面に尻をつけたままだ。
醜いな、と弑は思う。生きることに無頓着な人間ほど、死に際は醜い。
逆に悪人ほど、死に際は潔い。悪を為して身を成した人間には、死に対する覚悟がある。
そういう意味で、この少女は呆れ返るほどに善人なのだろう。

誰だって、死にたくなんかない。
それでも死は、すべての人間に平等に訪れる。
要はそれが早いか遅いかというだけの違いだ。
その違いに、人は執着する。そのために、鬼にも悪魔にもなる。

「死にたくない――なら、どうしてぼくを殺そうとしない？
　ぼくを殺せれば、少なくとも目の前の危険は排除できる。
　そのくらい分かってるだろう？」

それさえも分かっていないのなら、最初からこんな猶予を与えたりはしない。
少女の手に黒く光る拳銃が握られていたからこその質問だ。

「この場所に、お前の知り合いはいるか？」

ぷるぷると小動物のように少女は頷く。

「お前は、そいつらを殺せるか？
　そいつらを殺して、自分が生き延びる道を選べるか？」

少女の嗚咽は、更に激しくなる。
薄々と、弑がこの質問をしてきた意味を理解したのだ。
もし、最後の一人を目指すとして。
一人で他の四十人弱を殺すのは、非効率極まりない。
最後の一人になれればいいのだ。人数を減らすのは、必ずしも自分でやらなくとも。
たとえば、そう。見ず知らずの人間よりも、元々知り合いだった人間の方が、まだ信用できる。
そこに、隙が生まれる。だから、殺人の難易度だけ考えれば、知り合いを殺す方が、きっと簡単だ。
油断した隙を狙えば、きっと、わたしでも殺せる。
わたしなら――宮永咲なら、清澄のみんなを、殺せる。

殺せると言えば、わたしはきっと見逃されるだろう。
その代わり、わたしはきっとみんなを殺さなければいけなくなる。
原村さんと、優希ちゃんと、部長を。
わたしは、殺せる？
自分が生き延びるために、みんなを殺せる？

答えが――答えが、出なかった。
この沈黙は、否定としか捉えられないだろう。
きっとわたしも殺される。あそこで転がっている子のように首を折られて殺されるのか。
この銃を奪われて撃たれるのか。奪われる前に撃ってしまう？
ううん、きっとそんなことは出来ない。

結局のところ、わたしは何にも決められなかったのだ。
殺したくない――死にたくない。
どちらを選ぶことも出来ず、ただ黙っているだけ。
死にたくないなら、這いつくばってでも命乞いをして、誰でも殺すと言えばいい。
殺したくないなら、胸を張ってそう答えて、誇りを抱えて死ねばいい。
どちらも選べない半端者のわたしは、きっとこのまま死んでいく。
涙と一緒に色んなものを垂れ流して、後悔にまみれて死んでいく。

こんな異常な場所で、普通でいたくて。
でもこんな異常な場所で普通を貫けるだけの異常でもなくて。
わたしは、ただここで――

「――死になよ」


&amp;color(red){【静馬夕歩　死亡】}
&amp;color(red){【宮永咲　死亡】}

　◇

――都城王土は、生まれながらにしての王だった。
王となるべくして生まれた彼は、王となるべき力を持ち、しかし王となることを拒んだ男でもあった。
彼の言葉は王の言葉だ。
王の言葉は絶対で、だから彼の言葉を聞いたものは逆らうことが出来なかった。
しかし律せぬ力だけを持てば、暴君にしかなり得ない。
力を支配できるだけの心があってこそ、王は王たりえる。
彼は、王の地位を拒み、王の力を自制すべく、王を捨て、人を避けた。
だが――『王』は、彼を掴んで離さなかった。
幾年にも及ぶ彼の努力もむなしく、王の力はまるで呪いのように彼の心さえも蝕んだ。
己の持つ力に屈した都城王土は、だれも寄せ付けぬ絶対にして傲慢な王となった。

「――跪け（ヒザマズケ）」

王土の言葉に、また一人地に倒れ伏す。
倒れた男の名はスプレイ。超古代文明の機器を全身に組み込んだ機械人間（チューンマン）。
取るに足らぬ愚民の一人であるスプレイが、どうして王に逆らうのか。
いくら歯向かったところで、王の前には平伏すのみ。何も得るものなど無いというのに。

「見ず知らずの小娘を助け、それで満足か？　機械男よ」
「……プシュー。うるせーんだよ、ファック野郎。ンだおめー、王だのなんだの。
　いい歳こいて厨二病かよ、ダッセーな」
「フン、減らず口を。あくまで俺に歯向かうというのなら――よかろう。そこで朽ちていけ」

王を敬え。崇めよ。平伏せ。跪け。服従せよ。
王の命令がスプレイの痩身を縛る。
言葉は更に激しく、熾烈なものになる。

王土の言葉の正体――それは、電気信号そのものの放出。
生物も、機械も、突き詰めれば電気信号による命令で動いている。
王土はその命令そのものを上書きし、電気の届く範囲にあるありとあらゆる存在を、自分の意のままに操ることができるのだ。

スプレイの全身に埋め込まれた機械が、悲鳴を上げる。
主の意にそぐわぬ命令が、絶え間なしに送られてくる。
既に、どの命令が本物で、どの命令が偽物か判別さえもままならない。

「ぐッ……！」
「辛いか？　苦しいか？　それこそが、王に逆らった罰だ」

――死ね（シネ）。


&amp;color(red){【スプレイ　死亡】}

　◇

加治木ゆみは、走っていた。逃げ出したのだ。
自ら王を名乗る男と、自分をかばってあの場に残ったスプレイと、その両方から。
逃げ出して、生き延びてしまった。

修羅場の経験一つないゆみでさえ、正対した瞬間に悟ったのだ。
――この人間は、自分とは違う。生物としてのステージが、まるで違う。
あの場にいれば、自分は真っ先に命を落としていたに違いない。
だから、逃げろと言われた途端に、脇目も振らず逃げ出した。

私は、弱い人間だ。
牌を少々握れる他には取り立てて取り柄もなく、至極平凡な人生を歩んできた。
喧嘩さえもろくにしたことがなく、まして命の奪い合いをすることになるなど、想像の埒外もいいところだ。

だが、現実として、私はいつ命を奪われてもおかしくない盤上に立たされている。
何故、自分が――と、思う気持ちも少なくない。
先に述べたように、私には特別なものなど何もないからだ。
選別に何かしらの基準があったとして、自分がそれにパスするとは到底思えなかった。

いや、むしろ――誰でもいい、のか。
普通であるということが、ステータスなのか。
逃げ惑い、泣き叫ぶ役も、この死亡遊戯には必要ということか。

――会いたい。会いたいよ、モモ。

走るのに疲れ、思考に疲れ、最後に浮かんできたのは後輩の顔だった。
東横桃子――ゆみが最も信頼する、鶴賀高校麻雀部の一員だ。
彼女を初めて見つけたときのあの感覚は、今でも覚えている。
歓喜と期待が入り交じったそれはゆみの身体を震わせ、後輩の教室まで赴き公衆面前の前で桃子を求めるほどの熱を生み出した。
その熱が、段々と形を変え――今では、熱ではなく、温もりになっている。
傍にいてほしい。ただ、そう願える存在になっていた。

桃子の名前も、名簿には記されていた。
もう、二人でずっと一緒にいることは、叶わない夢になってしまった。
せめて、会いたい。何も言えないまま別れるのだけは嫌だ。
会って、今までどれだけお前に助けられてきたのか、伝えたい。
伝えたい気持ちは、いっぱいあるんだ。話したいことも、いっぱいあるんだ。

――でも、もう、どんな顔をしてお前と会えばいいのか、分からなくなってしまったよ。

自分はスプレイを見殺しにした。逃げたんだ。
そこまでして、生き延びても――胸を張って、お前と会えない。

――私は、生きたいのかな。それとも、死にたいのかな。

　◇

魔法使いが笑っている。
舞台は進行している。もう、誰にも止められやしないだろう。
儀式は完遂され、悲願は成就する。
愛しい我が子も、更なる怒りと悲しみを振り撒いている。
数日もしないうちに、蟲毒は完成する。
最後の一人になるまで、殺せ、殺せ、殺し合え。
残り――34人。


----
【D-5　市街地】

back:[[シリアス・プラン]]　next:[[BAD DREAMS]]

|弑||
|&amp;color(red){夕歩}||
|&amp;color(red){咲}||
|王土||
|&amp;color(red){スプレイ}||
|ゆみ||

----    </description>
    <dc:date>2011-06-16T05:59:28+09:00</dc:date>
    <utime>1308171568</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/16.html">
    <title>オープニング</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/16.html</link>
    <description>
      **&amp;color(red){オープニング　◆YYVYMNVZTk}


壇上にいた女は、一言こう発した。

「今から貴方たちには殺し合いをしてもらうわ」

隣にいる人間の顔も判別できない暗闇の中、殺し合いを宣言した女だけがライトに照らされている。
ざわ……ざわ……と、暗いフロアの中に、数十人分の困惑と喧騒が広がり始めた。
自分たちは何故こんな場所にいるのか。いつの間に連れてこられたのか。
説明出来る者は誰一人いなかった。気付けばこの場所で意識を取り戻し、女の声を聞くこととなっていた。

「……どういうつもりだ、プレシア・テスタロッサ！」

集団の中から一人、黒髪の少年が立ち上がり壇上の女――プレシア・テスタロッサに対し問い掛ける。

「どうしたもこうしたも、最初に言ったはずよ。『今から貴方たちには殺し合いをしてもらう』と。
　勿論、貴方――時空管理局所属、クロノ・ハラオウン執務官殿が例外だなんてこともない」

ククク――と、プレシアの乾いた笑いが響く。
いつの間にかざわめきは消え、代わりに重苦しい沈黙が集められた数十人を包んでいる。

「さあ、説明を続けましょう。
　まずはこのゲームの終了条件について話しましょうか。
　……と、その前に。今から少しだけ、貴方たちにも明かりをあげる。少しの時間だけれどその間に周りの人間の顔を確認なさい」

プレシアの言葉が途切れるのとほぼ同時に、暗かった室内に光が差した。
ようやく周りの人間の顔が分かると、彼らは互いの顔を突き合わせた。
男女比でいうのならば、だいぶ女のほうが多い。おおよそ七割ほどが女性である。
年齢でいうならば、その殆どは十代から二十代の若者で占められていた。
その他の年齢層にあたるのは全体の一割にも満たないのではないだろうか。
そして、

「なのは……！　君もいるのか！？」

「み、宮永さん！？　……だけじゃなくて、ゆーきに、部長まで……」

「めだかさんに人吉クンも……とはね」

彼ら同士には、少なからず面識があった。いや、面識があるなどという軽いものではない。
学友として、戦友として、共に困難を乗り越えた仲間同士が、ここに集められていた。
ざわめきと混乱は、覚醒した当初よりも更に大きく、強いものとなっている。
と――ここで再び、照明が落とされる。こうなれば、集められた者たちに出来ることはプレシアという女の言葉に耳を傾けることくらいだ。
話し声が段々と低くなり、やがて完全に静まり返ったことを確認し、プレシアは説明の続きを口にする。

「このゲームの終了条件は――ええ、とても簡単よ――『生存者がただ一人となる』ことが、たった一つのエンディング。
　自分が死ぬか、他者を殺し尽くすか。生き残ることが出来るのは、たった一人だけ。とてもシンプルで、簡単でしょう？」

今、周りにいる人間と――仲間たちと、最期の一人になるまで殺し合いをする？
ざわりと、声にならない驚愕が参加者たちの間を走る。
殆どは信じられないといった唖然とした表情を浮かべていたが、中には冷静さを崩さぬまま、より真剣にプレシアの声に耳を傾け始める者もいる。
この程度の反応は承知の上だったのか、プレシアは参加者たちの困惑など意にも介さず更に言葉を連ねていった。

「ただここは、これだけの人数で殺し合いをするには狭すぎる。ゲームの盤面は別に用意したわ。
　今から貴方たちには一人ずつその会場へと移動してもらうことになる――とはいっても、連れてきた時と同様に、知覚する間もなく飛ばされることになるでしょうけど。
　そのとき、貴方たちには一人一個ずつ『これ』が与えられる」

プレシアが手に持っていたのは黒いデイパックである。
その中に手を入れ、中身を次々と取り出して行く。

「殺し合いを円滑に進めるために最低限必要なものはこの中に入っているわ。
　食料、地図、コンパス、灯り――それから」

プレシアの手に握られていたのは、黒く光る拳銃だった。
銃の使用目的など、一つしかない。誰かを傷つけ、殺すためのものだ。
言葉もなく銃口を虚空に向け、引き金を引く。銃声は響いたが、撃ち抜く対象のない銃弾は内壁に当たると尖った音を立てそのまま地に落ちた。

「武器を含んだ道具が、幾つか。
　こんなふうに直接人を殺せる武器が入っているかもしれないし、生き残るために有用な道具が入っているかもしれない。
　もしかしたら何の役にも立たないガラクタだけ持たされるかもしれない。
　元々の戦闘能力の差を埋めるための、ランダムアイテムだと解釈してもらって構わないわ」

「人数が減ってきてもスムーズに進行が出来るように、立ち入り禁止エリアを設けさせてもらうわ。
　六時間ごとに行われる定時放送中で、立ち入り禁止エリアと、その時間までの死亡者の発表。
　また、この放送において三回連続で死者の名が呼ばれない場合は全員に死のペナルティが課せられる。
　勿論その場合の優勝者はなし。誰一人生き残れず、ゲームは終了する。
　以上の[[ルール]]を守るのならば、参加者間での取引に禁止行為はない。
　思う存分自らの力を奮うも良し、知謀策略を張り巡らすも良し、同盟だって、裏切りだって、何でもありのノールール」

「ただ忘れないで。最期に生き残れるのは、たった一人だけだってことを」

プレシアの説明が終わり、それでもなお広間は沈黙が支配していた。
こんな突拍子もない説明を受け、はいそうですかと納得出来る者はそういない。
何をすればいいのか、何をするべきなのか、皆が皆、各々に機を伺っていた。

「――話はそれで終わりか、プレシア・テスタロッサ」
「ええ……なにか質問でも？　クロノ・ハラオウン」
「お前はこの馬鹿げた催しのエンディングは一つだけだと言ったな。
　だけどそんな殺し合いなんか、オープニングだって始めさせてたまるものか！
　ジュエルシード関連の諸罪状に、大人数拉致監禁容疑――捕縛・拘束するには十分すぎる罪状だ」

クロノは右手に持つ杖を構えると、プレシアに視線を向けたまま、精神を集中させる。
大気中に漂う魔力素がクロノを中心に渦巻き、彼の持つ魔力行使デバイス『S2U』がほのかに光り始める。

「いけるな、S2U……！　『拘束（バインド）』！」

クロノが魔導のトリガーを引いた瞬間、S2Uに集まった魔力素が純粋エネルギーから形を変え、『魔法』という形で現出する。
魔力で練られた拘束具が、プレシアの身体を捉えた。

「フッ、クククククク……」
「……っ！　何がおかしい、プレシア！」

（バインドは完璧に決まっている。プレシアは身動きひとつ取れない……
　だけど、なにかがおかしい。彼女は魔導師としてもＳランク以上の力を持っていたはず……あまりにも、上手くいきすぎている！）

「管理局も質が落ちたものね……こんなもので、私を止められると思って？　この程度、子供の遊びみたいなものよ」

プレシアは、まるで最初から縛るものなどなかったかのようにクロノの拘束を霧散させた。
そのまま、『拘束（バインド）』と彼女は唱え。次の瞬間には、プレシアとクロノの立場はまるで逆転していた。

「……何のために、貴方にデバイスを持たせたままにしていたか分かるかしら？
　貴方なら、きっと私に歯向かってくれるだろうと思っていたから……貴方が相手ならば、私の力を存分に見せつけられるからよ！
　惜しかったわね。私に牙を向けなければ、そのデバイスを使ってゲームでも有利に立ち回れたでしょうに。
　でも、もう遅いわ。貴方には見せしめとなってもらう。『拘束（バインド）』」

二度目の詠唱とともに、クロノの首に金属が巻かれる。鉄の首輪だ。
と、同時――成り行きを見守ることしか出来なかった他の参加者たちからも、悲鳴が上がる。
彼らにもクロノと同様の首輪が巻かれている。きっかり人数分だ。

「貴方たちに拒否権はない――それでもなお、私を拒むのであれば」

響いたのは、爆発音。遅れてゴトリと、何かが床に転がる音。
いつの間にか照明は、クロノを――クロノ・ハラオウン『だった』ものを照らしている。
まるでペンキをぶちまけたように赤が飛び散っていた。

「きゃ……、きゃああああああああああああああ！！？」

集団の各所から悲鳴が聞こえ始める。混乱が最高潮に達する。
恐怖と焦燥が多くの者たちの心に芽生え――興奮と歓喜が、僅かな者の心に湧く。
バトルロワイアルが、始まる。


&amp;color(red){【クロノ・ハラオウン＠魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st　死亡】}
&amp;color(red){【プログラム　開始】}


　◇

一人また一人と参加者たちは転送され――最後に残ったのは金髪の少女だった。
長い髪を黒いリボンで纏めている、俗に言うツインテールの彼女は、何故かいつまで経っても転送される気配がない。
プレシアと一対一で向かい合う形だ。

「フェイト。あなたには、このゲームの扇動役になってもらうわ。
　出来る限り多くの混乱と恐怖を、そして死者を――出来るわね？」
「……はい。母さんが、それを望むのなら」

唇を強く噛み締めたまま、少女――フェイト・テスタロッサは首肯する。

「良い子ね、フェイト……大丈夫、あなたは強いわ。きっと母さんの願いを叶えてくれる……」
「はい、母さん……」
「私からのささやかなプレゼント――受け取ってちょうだい」

プレシアがパチンと指を鳴らすと、フェイトの手に一本の杖が握られた。

『Master』
「バルディッシュ……」

少女は、ぎゅっと強くバルディッシュを握りしめた。強く、強く――
やがて、少女もいなくなり――数十人が存在したフロアは、プレシア一人だけになっていた。

「私にはもう、時間がない……この儀式を終わらせなければ、アルハザードには――アリシアには――」

誰に向けてでもなく、そう呟き――プレシアもまた、いなくなった。
誰もいなくなった――


----

next:[[屋上に昇って]]

|&amp;color(red){クロノ}||
|和||
|阿久根|002:[[ハイヒールラナウェイ]]|
|フェイト|008:[[agony]]|
|プレシア|012:[[第一回放送]]|

----    </description>
    <dc:date>2011-06-16T05:57:52+09:00</dc:date>
    <utime>1308171472</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/32.html">
    <title>第一回放送</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/32.html</link>
    <description>
      *&amp;color(red){第一回放送}

――第一回放送を始めるわ。

街全域に、プレシアの声が響いた。
淡々と告げられる名前は、死者の名だ。

――阿久根高貴。
――静馬夕歩。
――シンシア・ロウ。
――スプレイ。
――南雲総一郎。
――宮永咲。

――以上の六名が、今回の死亡者よ。
――初回としては、まずまずの結果かしら。
――今後も気を抜かず、精々殺し合ってちょうだい。


――それと、言い忘れていたことがあるわ。

――最後の一人に対する褒美の話をしていなかったわね。

――最後の一人には……望むものを一つ、与えるわ。

――生涯遊んで暮らせるだけの富も。
――誰もが敬い慕う名声だろうと。
――絶世の美貌を持つ従順なパートナーでも。

――望むのならば、死者の蘇生でさえも。

――どうかしら。少しはやる気が出てきたかしら。

――それではまた、六時間後に。

ぶつり。
マイクが切られ、街にはまた静寂が訪れた。
そこかしこから微かに聴こえる声に込められた感情は、恐怖か、悲痛か、狂気か。
ただ一つ言えるのは、笑っているのはプレシア一人ということだ。

【残り34人】

----

back:[[BAD DREAMS]]

|000:[[オープニング]]|プレシア||

----    </description>
    <dc:date>2011-06-16T05:54:47+09:00</dc:date>
    <utime>1308171287</utime>
  </item>
  </rdf:RDF>
