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    <title>STRONG</title>
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    <description>
      *&amp;color(red){STRONG}

東雲三日月と久我阿頼耶の二人が其処に着いたとき、既に太陽は濃いオレンジに色を変え、景色には黒が混じり始めていた。
はじめ、阿頼耶はその光景を、美しいとさえ感じてしまった。
一面が赤に染まる中、夕日に照らされた金色の髪が風になびいている。
金髪の持ち主である少女の顔は青白く、しかしそれが少女の美形を際立たせている。
目じりは赤く、頬には涙の跡があった。少女はここで泣いていたのだ。
赤が血で、それが、少女の足元に倒れ伏せた、かつて人だったものが流したのだと分かったとき、意味は逆転したが。

「何――これ」

思わず漏れた疑問形に、答えるものは誰もいない。しかし答える必要はなかっただろう。
呟いた阿頼耶をはじめ、其処に居合わせた全員が、その答えを知っていたのだから。
硬直した阿頼耶と三日月の存在に気付いた金髪の少女が、ゆっくりと二人の方を向いた。
少女の手には、斧の形を模した金属製の黒杖が握られている。
強く握りしめたそれを、少女は二人へと向ける。
少女の口が微かに動いたその瞬間、阿頼耶と三日月は、その場から散った。
過去に幾度も潜り抜けた荒事の経験が、二人に危険を知らせたのだ。
二人がいた位置に突如出現した光る円は、捕縛する対象を見失い瞬時に消滅した。

「問答無用……ってわけね」

もしあの光円に捕まっていたならば、自分たちも少女の前にこときれた死体として転がっていただろう。
思わず冷や汗が額からこぼれ落ちるものの、今はそれを拭う隙さえも見せたくない。
今、自分は殺し合いに巻き込まれているのだと、強く実感する。
そして同時に、こうも思う。この状況こそが自分が拳を磨いていた、その理由なのだと。
ここで眼前の少女を止めることが、自分の迷いに対する答えになるのだ。

「いくわよ、三日月」
「……わりーなあらやん。ちょっと待っててくれ。
　なぁ。そこで転がってるおっさん――殺したのは、お前か？」

少女は頷き、三日月の問いに肯定を示す。

「そうか。……先に言っておくぜ。多分、我慢できねぇ。敵討ちなんて、柄じゃねーんだけどな」

三日月が、動く。全身の筋肉を使い、獣のように跳躍する。
少女が黒斧を構え、両者は激突した。真正面からの半月の蹴りは少女の斧に受けられ    </description>
    <dc:date>2012-11-01T02:19:51+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/33.html">
    <title>Ladybird Girl</title>
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    <description>
      *&amp;color(red){Ladybird Girl}

夕日の差す街並みの中に、一つ、ぽつんと停まった車があった。
時刻は午後六時をいくらか過ぎた頃――プレシアの放送が終わり、間もない頃だ。
エンジンを止めた車はそのまま動く様子もなく、暗く染まり行く景色の中に溶け込み始めている。
よく目を凝らせば、車中が無人ではないということがわかるだろう。
車の中には二人の少女がいた。黒神めだかと、黒鉄はやての二人だ。
一人でも多くの仲間を集めるべく学校を飛び出した二人だったが――

「ドッキリ……なんだよね？」

助手席に座っていたはやてが、ぽつりと呟いた。
うつむいたまま顔も上げず、心なしか問う声は震えている。
放送で呼ばれた静馬夕歩という名前を、はやてはよく知っている。
はやてと同じく天地学園剣待生だった夕歩とは、天の星を奪い合う間柄として剣を交えたこともある。
そして星獲りが終われば、はやて、夕歩の刃友である無道綾那、久我順らと共によく遊び、よく食べ、よく――

「いやー、まいっちゃうよねー。あんなふうに言われたらさ、まるでしぐまが……」

まるで……まるで。その後に続く言葉が、出てこなかった。
口を半開きにした間抜けな顔のまま、無理矢理に笑みを浮かべようとしても頬が強張って動かない。
顔も上げられず、何も言えないまま、時間が過ぎていく。
もう夜は街全体を包み込んでいて、そこかしこに置かれた街頭が弱々しく辺りを照らしている。
ぱち、ぱちと半分切れかけた電灯がかすかに音を立てる他には、虫の声一つない。

「ねぇ、なんかしゃべってよー」
「――――」
「きっとさ、あたしたちが慌ててしぐまたち探してたら、いつもどおりのむっつりした顔で、『ドッキリ成功！』なんて書かれた板持ってひょっこり出てくるんだよね？」
「――はやて」
「いやもうほんと、こんなの誰が考えたのかなー。趣味悪いよね、まったく」
「――はやて。そんな言葉で、自分を誤魔化せるか？
　……私は、そんな言葉で――自分を誤魔化したくなどない。己の内にあるこの感情に、蓋をすることは出来ない」

めだかは、己の不甲斐なさを噛み締めるように、ゆっくりと心中を吐露した。
プレシアに読み上げられた名前の数は六つ。その中には、めだかもよく知る箱庭学園生徒会書記の名前    </description>
    <dc:date>2012-11-01T02:18:02+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/32.html">
    <title>第一回放送</title>
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    <description>
      *&amp;color(red){第一回放送}

――第一回放送を始めるわ。

街全域に、プレシアの声が響いた。
淡々と告げられる名前は、死者の名だ。

――阿久根高貴。
――静馬夕歩。
――シンシア・ロウ。
――スプレイ。
――南雲総一郎。
――宮永咲。

――以上の六名が、今回の死亡者よ。
――初回としては、まずまずの結果かしら。
――今後も気を抜かず、精々殺し合ってちょうだい。


――それと、言い忘れていたことがあるわ。

――最後の一人に対する褒美の話をしていなかったわね。

――最後の一人には……望むものを一つ、与えるわ。

――生涯遊んで暮らせるだけの富も。
――誰もが敬い慕う名声だろうと。
――絶世の美貌を持つ従順なパートナーでも。

――望むのならば、死者の蘇生でさえも。

――どうかしら。少しはやる気が出てきたかしら。

――それではまた、六時間後に。

ぶつり。
マイクが切られ、街にはまた静寂が訪れた。
そこかしこから微かに聴こえる声に込められた感情は、恐怖か、悲痛か、狂気か。
ただ一つ言えるのは、笑っているのはプレシア一人ということだ。

【残り34人】

----

back:[[BAD DREAMS]]

|000:[[オープニング]]|プレシア||

----    </description>
    <dc:date>2011-06-16T05:54:47+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/31.html">
    <title>BAD DREAMS</title>
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    <description>
      *&amp;color(red){BAD DREAMS}

死ぬ、ということについて考えたことがない人間は、きっといないだろう。
生きている限り、人は必ず死ぬ。それは決して避けることが出来ない世界の理だ。
そして、死んだ人間は、失われた命は、取り戻すことが出来ない。
奇跡は起こらない。ヒトは、死ねば死んだままだ。
死者を生き返らせるだなんて、そんなことが出来るのは――

「神様くらいなもんだよな。でも、ほいほいとそんな奇跡を起こしてしまう神様なんて、」

ぼくは、いらない。

　◇

高町なのはは、魔法少女だ。
生粋の魔法少女ではない。生まれ持った才能こそ恵まれたものだが、魔術の存在を知ったのも、魔術の使い手となったのも、ごく最近のこと。
彼女が魔導の力を手に入れるきっかけとなったジュエルシードを巡る争いは、プレシアの行方不明という形で決着が着いた――はずだった。
だが、再びプレシアはなのはの前に現れ、クロノ・ハラオウンを殺害した。
分からない。何一つ分からないことだらけで、何をすればいいのか分からなくて。
だからなのはは、助けを求めた。最初に出会った、眼鏡をかけた青年へ。

「……多元世界に魔法、はては死者蘇生か……すぐには信じられないことだけど」

なのはから大まかな事情を聞いた夕日は、独り呟く。
信じられない言葉ばかりが少女の口から語られる。しかし夕日は冷静にその言葉の意味を考えられた。
信じられないのは、自分達が行っていた魔法使いと騎士の戦いも同様だ。
そういうことは、案外世界のあちこちで起きているのかもしれないなと口の端を曲げる。

「それで、雨宮さんが叫んでいるのを聞いて――」
「ぼくなら、プレシアを止める手助けをしてくれると思ったわけか」

……誰も聞いていないと思っていたのに、聞かれてたか。
……なんだこれ、すっごい恥ずかしいぞ。
その場で転げ回りたい衝動にかられるものの、これ以上なのはの前で恥ずかしい姿を見せるわけにもいかない。
こほん、とわざとらしく咳を一つ。極めて冷静、平静な様を装って、夕日は話を続ける。

「うん――ぼくも、こんな殺し合いに乗るつもりはない。プレシアを止めて、みんなで生きて帰ろうと思っている」

雨宮夕日の最終目的は、朝比奈さみだれの生還。
だがそれは、他者    </description>
    <dc:date>2011-06-16T05:51:20+09:00</dc:date>
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    <title>Carnival</title>
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    <description>
      *&amp;color(red){Carnival}

魔法使いは笑っている。
自分が演出した舞台が、思惑通りに進行していくことに。
枷をはめられた哀れな生け贄たちが、掌の中で踊っていることに。
瞳に映る幾十の姿がもがき苦しむ様を見て、愉悦に浸り口の端を醜く歪ませる。
進め、進め。破滅へと突き進め。しかしこの破滅は終わりではない。
この破滅は――始まりなのだ。破滅の先には願いが残る。願いと共に、始まりがある。

今、更に命が失われた。

　◇

『彼』が牙を剥いたとき、少女の命は即座に奪われた。
痛みを感じる暇さえもなく、本当に呆気なく、少女は死んだ。
『彼』の心に人を殺した忌避感などない。『彼』はこれまでに、何度も何度も人の命を奪ってきた。
人を殺すことを生業にして、『彼』は今まで生きてきた。
だからといって、『彼』が生来のシリアルキラーであったり、殺人に異常な執着を見せる性癖を持ち合わせているというわけではない。

『彼』が人を殺すのは、『彼女』を守るためだ。
『彼女』をありとあらゆる害と悪から守り抜くために得た知識と技術を用いて、『彼』は仕事／殺人を遂行する。
依頼成功率100％――東日本最高の殺し屋の異名を持つ『彼』の名は、弑・四方儀。
弑は、この殺人ゲームにおいて、狩る側になることを決めた。
最終的な目的は、殺人ゲームに巻き込まれた『彼女』を生還させること。
最初はゲームの趣旨に反して『彼女』を会場から脱出させることも考えたが、不正な手段で逃亡したところで再び『彼女』に危険が迫る可能性が高い。

ならば、選ぶべきは正攻法――『彼女』を最後の一人にするしかない。

プレシアが最後の一人に手出しをしない保証はない。
しかし、それでも、それが『彼女』の安全を守る最善の策ならば、弑は乗るしかない。
幸いにして、殺人は弑が最も得意とする分野だ――勝算は十分にある。

静馬夕歩、と名乗った少女には弑の方から近付いた。
いきなり襲うような真似はしない。無害を装い、相手の警戒心をなるたけ解いてからの接触。
二言三言かわしただけで静馬は弑に対する警戒を解き、口下手ながらに彼女とその知り合いの情報を喋ってくれた。

夕歩には、このような殺し合いに巻き込まれる覚えはないこと。
彼女の学友たちの名前も名簿に記されて    </description>
    <dc:date>2011-06-16T05:59:28+09:00</dc:date>
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    <title>シリアス・プラン</title>
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    <description>
      *&amp;color(red){シリアス・プラン}

教室の中には、八つの人影があった。
その面々は風貌も年齢も性別もまるでばらばらで、学校という場所にそぐわない年格好の人物も混じっている。
規則正しく並べられた四十余りの机の中から各々好き勝手な場所を陣取り腰を落ち着けたところで、教卓に立つ黒髪長髪の青年が号令をかける。

「それでは、今から第一回作戦会議――もとい、学級会を始めます。起立、礼」

最前列中央、教卓の真ん前に座っていた黒髪の少女と、その後ろに座っていた小学生ほどの背丈の少女が勢い良く立ち上がったのに倣い、他の面々も腰を上げる。
しかし、他の六人など意に介さず座ったままの人間もいた。
顔面を包帯でぐるぐる巻にした――背格好を見るに、おそらくは女性――と、その隣に座る少女だ。
二人が座ったままであることに気付いた号令役の青年が、二人に声をかける。

「おいおい、くじらちゃん。そんな態度は良くないな。二人とも立って、ほらもう一度――」
「おいおい、はこっちのセリフだぜ『お兄ちゃん』。
　この期に及んでのんべんだらりと仲良しごっこが出来っこないってことは――この中でも一番のリアリストであるあんたは一番良く知ってるはずだろ」
「それでも守るべき[[ルール]]はある――いえ、こんなときだからこそ守らなければならない了解がある。
　くじ姉。私からもお願いします」
「――ケッ。まったく喰えない兄妹だぜ。あたしも含めて、な」

黒神真黒。黒神くじら。黒神めだか。この三兄妹に加え。
ユーノ・スクライア。
風巻豹。
結城美沙。
黒鉄はやて。
中塚侑実子。

上記八人による『学級会』が、始まった。

　◆

「……さて、なし崩し的に集まることになった僕たちだけれど、整理の意味も含めて、ここに至る経緯でも話してみようか。
　始まりは――そうだね、あの広間に集められてからということにしよう。
　おっと、そういえば自己紹介もまだだったね。ちょうどいい、僕から始めさせてもらおうかな。
　僕の名前は黒神真黒。そこにいるくじらちゃんとめだかちゃんのお兄ちゃんだ」

進行役を買って出た青年が、まず口を開く。
真黒の目配せを受け、教室の前方に座っていた金髪の少年も立ち上がった。

「ユーノ・スクライアです。縁あって真黒    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/28.html">
    <title>agony</title>
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    <description>
      *&amp;color(red){agony}

それは疾風と暴風の激突。
荒れ狂う稲光が森を裂き、樹々を薙ぎ倒していく。
稲光の中心には、金髪を二つに結んだ少女の姿。彼女を中心に、破壊は、蹂躙は、その爪痕を広げていく。
少女は、宙に浮かんでいる――いや、違う。ただ浮かんでいるだけではない。
確かな意志のもとに、彼女は飛んでいた。

研ぎ澄まされ削ぎ落とされ、十にも満たない年端にて練達の魔導師と負けず劣らない術の導き手となったフェイト・テスタロッサ。
それが、彼女。そして彼女は、この悪夢のような催しのスペシャルゲストでもあった。
彼女を生み出した母――その人こそが、事の元凶であるプレシア・テスタロッサなのだ。
プレシアはこう考えた。
この殺し合いを円滑に進めるためには、参加者たちに死の恐怖を与える怪物が必要だと。
殺さなければ、殺されてしまう――そう思わせるだけの強大な力を持った怪物がいることで、この催しはより完成に近づく。
思いついたその瞬間、プレシアは自らの娘を――フェイトを殺し合いへと投じることを決めていた。
プレシアは狂っている。
いったいどの世界に、子を戦場へと立たせる親がいるのか。
ああ、そうだ。プレシアは狂っている。狂っているが――母なのだ。
フェイトにとっては、たったひとりのかけがえのない母なのだ。
母が望むのならばフェイトはただ一人で死地に向かうことに何の厭いもない。
そしてフェイトは、自らが死神となることを――決めた。望んだ。

「撃ち抜け、轟雷！」

少女の叫びと共に、閃光と雷鳴がまた一つ落とされる。
放たれたのは大気中の魔力を雷へと変換する『魔法』だ。
フェイトら魔導師は、大気に含まれる魔力素を体内で魔力へと変換することで、物理の法則を超えた超常の力を行使することが出来る。
そしてその威力たるや――雷を受けた大樹が、根から轟と倒れ伏せる――我々の知る近代兵器をも凌駕する。
当たれば即死。並の人間ならば己が攻撃されたと認識する暇もなく永遠の眠りにつくことになるだろう。
しかし、フェイトの対峙者は彼女が雨あられのように放つ魔法攻撃を見切り、かわし、凌いでいる。

（当たらない……どうして？）

対峙するは壮年の域を越え中年に入りかけた年の頃の男性。
だが、その動きに老いは感じられない。人    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/27.html">
    <title>Don&#039;t You</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/27.html</link>
    <description>
      *&amp;color(red){Don&#039;t You}

強さとは何なのか。弱さとは何なのか。
彼女は、久我阿頼耶は自問する。己の拳は強さを纏えているのだろうか。
答えは――浮かばない。何も聞こえてはこない。

彼女の意識が覚醒したとき、出迎えたのは風に揺れる木々たちだった。
一瞬前までの混乱と喧騒はすべて幻だったのではないかと錯覚するほどの、静かで優しい景色たち。
しかし傍らに置かれた見慣れないデイパックと首に巻かれた冷たい鉄首輪が、否応なく先の光景を思い出させる。

――貴方たちには、今から殺し合いをしてもらうわ。

糞ッたれ、と阿頼耶は毒づく。
毒の対象は、この殺し合いを強制させるあの女と、最初の殺人に対して何も出来なかった自分の両方だ。
後者に対しては、十人いれば十人とも阿頼耶に非はないと言うだろう。
状況の確認さえままならないあの場で起きた突然の惨劇は、たとえ誰が居合わせたところで止められはしなかったはずだ。
だが、それでもなお歯痒かった。
こんな時のために己は拳を磨いてきたのだろうと、自らを責め立てる声が次から次へと心中に湧いてくる。

彼女は、過去に二度も殺人鬼と対峙している。
その殺人鬼の名は中塚侑実子――欲求と理由に依らない殺人を、”実験”と称した少女だ。
中塚侑実子の行った二度の実験を止めたのは、どちらも久我阿頼耶だった。
しかし――なるほど、確かに阿頼耶は更なる凶行を食い止めることには成功した。
だが、既に失われてしまった命は、二度と取り返すことが出来ない。
一度目の実験において、中塚は阿頼耶の眼前で親友の片目を潰し、恩師の命を奪った。
阿頼耶はその場で中塚を拘束しそれ以上の凶事を防いだものの、この事件は阿頼耶の心に悔いと迷いをもたらした。
類い稀なる武才を輝かせ「喧嘩番長」などと持て囃されていた阿頼耶は、それまでの己の武闘が只の喧嘩に過ぎなかったということをはっきりと自覚させられたのである。
いざ目の前で血が流れたとき、咄嗟に生まれたのは敵意でも憎悪でも憤慨でもなかった。
空白だ。無の思考が阿頼耶の精神と身体を縛ったのだ。

以来、阿頼耶は更なる鍛練に励むこととなる。
殺人に忌避を持たず、躊躇いもなく武器を振るう者が「強く」、殺人を拒み活人を望む者が「弱い」だなどと、そんなことはあってはな    </description>
    <dc:date>2011-04-20T12:16:50+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/26.html">
    <title>Boomerang Boogie</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/26.html</link>
    <description>
      *&amp;color(red){Boomerang Boogie}

往々にして人生というものはままならないもので――噛み合わず、すれ違い、そのまま離れていく人間関係は少なくない。
幸運にも修復される関係というものもありはするが、喧嘩別れをしたままさようならとなってしまう関係も、確実に存在する。
時にはそのまま死に別れ――もう二度と、謝ることも仲直りすることも出来ないことだって。
そして私は今、そういう状況に陥ってしまったのだ。

　◆

「ああ、もう……なんだってこんなことに……！」

言葉の端々から苛々の棘を纏わせ、無道綾那は呟いた。
彼女は天地学園中等部に所属する剣待生だ。
天地学園において、剣待生はその力量に応じたランク分けを『星獲り』と呼ばれる模擬戦によって行われる。
そしてこの星獲りは、必ず二人一組で参加しなければならない。
当然ながら、綾那にもパートナーである刃友がいる。
黒鉄はやて――それが綾那の刃友だ。そしてその名前は、名簿にも記載されている。
つまり、綾那は己のパートナーと殺し合わなくてはならないと――そういうことになってしまったのだ。
名簿に載っていたのは刃友の名前だけではない。
綾那のルームメイトで無二の親友でもある久我順、順の刃友であり綾那とも親交の深い静馬夕歩。
同じ天地の剣待生として競い合いこそすれども、相手を蹴落とすような争い――
ましてや殺し合いをすることになるとは想像だにしていなかった両名もまた、名を連ねていた。

「……探さないとな。どうにかして、みんなで帰る方法を」

最後の一人になれば生きて帰れると言われても、それに至るまでの犠牲を考えればその選択肢など無いも同然だった。
親友たちの命を踏み台にして生きながらえる？
そんな胸糞悪いエンディングはこっちからお断りだ。
だが――ハッピーエンドをいくら夢想したところで、それに向かって動かなければ夢は夢のまま現実に駆逐される。
殺し合いという現実に対して、綾耶は無力だ。出来るのは「殺さない」の一つだけ。
無論目の前でむざむざと人殺しを許容するつもりはないが、いくら剣待生といえど綾耶は一介の女子学生に過ぎない。
もしも殺人者が自分などでは到底歯もたたない手練れだったならば、「殺させない」を徹底することは出来ないだろう。

そし    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/25.html">
    <title>自閉探索</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/25.html</link>
    <description>
      **&amp;color(red){自閉探索　◆YYVYMNVZTk}


俺の名前は人吉善吉。
箱庭学園一年一組所属、血液型はABで利き腕は左。
何の因果か、超絶美麗絢爛豪華ウルトラスーパーデラックス生徒会長である黒神めだかちゃんの手伝いで生徒会庶務という役職に就くことになっちまった。
まさに完全無欠、唯一無二といえるめだかちゃんの才覚と比べると、俺なんかはまさに凡人オブ凡人だ。
だがそんな俺でも、いや、そんな俺だからこそ、俺はめだかちゃんのすぐ傍でめだかちゃんを守りたいと思っている。
どれだけ振り回されようが俺はめだかちゃんから離れない。絶対に守ってみせる。
待ってろよ、なんて言っても、きっとめだかちゃんは前へ前へと突き進んじまうんだろう。
だったら俺は、めだかちゃん以上のスピードで走らなきゃいけない。
追いついて、追い抜いて、前に立ってやるってくらいの気概がなきゃ、この状況は乗り切れない。

「そうだろ、めだかちゃん？」

そう呟くと、俺は目を上げ――日本刀を携えた制服少女と向き合った。

「ああもう、何だって俺はこんなに運が悪いんだろうな。
　こちとらゴクフツーの男子高校生だってのに、アブノーマルだのサーティーンズパーティだの、ビックリ人間とばっかり出会っちまう」

そんな風にぼやいたところで、何も状況は変わりはしない。
少女はうっすらと微笑を浮かべながら、氷のように冷たい瞳で値踏みするように俺を眺めている。
短く切り揃えられピンで止められた黒髪が、風に吹かれなびいていた。
少女と女性の狭間に存在する未成熟な美。
いつだったか『可能性』という美を感じると不知火をモチーフにした先輩がいたが、この子だって相当な美人になるポテンシャルを秘めている。
そんな少女の手に握られた一振りの日本刀は、素人の俺から見てもそこらのなまくらとは比べ物にならない業物だってことが分かる。
戦う少女。武器ガール。セーラー服と日本刀――いや、ブレザーなんだけど。
とにかくそういうフレーズが似合いそうな可憐な少女だった。
萌え？　それを俺に聞かれてもなんと答えればいいのやら。

「はじめまして……ええと、まぁいっか。中塚侑実子といいます」
「あ、ああ……俺はひとｙ」
「ああ、自己紹介は結構ですよ。名前なんて聞いちゃったら――わたしの実    </description>
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