千休さん 奮闘編

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*前回からの続き

 「来週号よりギョク・セイ先生の新作がはじまります。乞うご期待!」の予告が掲載された次の号から連載が開始。ギョク・セイがついに重い腰を上げ、執筆に至る。

*過去ログ
[[千休さん>http://www31.atwiki.jp/comic_wikki/pages/71.html]]
[[続・千休さん>http://www31.atwiki.jp/comic_wikki/pages/76.html]]
[[新・千休さん>http://www31.atwiki.jp/comic_wikki/pages/77.html]]
[[千休さん フーテンの石尊>http://www31.atwiki.jp/comic_wikki/pages/86.html]]

*プロローグ

一方的な言葉のみが記された手紙が送られてきたのは、新しい年が明けてすぐのことであった。「中村先生が連載を放り投げました。つきましては今月20日までに記事のプロット案を仕上げた上で、社までお越しください」と書かれている時点で、私に拒否する権利は当然ながら存在していない。溜息を吐きながら、机に向かうと原稿用紙を広げた。机に向かったのは執筆に入るためというよりは、原稿用紙を取り出すためとか、溜息をつくために存在している行為ではないだろうか。そんなことを思いながらも、ペンを取る他は無い。

戦後まもないこの時期に、メジャな雑誌で連載などにありつけるわけもなく、私のような売れない作家は著名な作家のおこぼれに預るような生活であった。カストリ雑誌と呼ばれる一連の雑誌で、筆名でオカルト記事を書いたり、行ったこともない土地のことを紹介したり、そして今回のように突然、売れっ子作家が連載を放り投げた時の代原やゴーストライターになったり。そういう執筆活動を繰り返していると自分自身が磨耗していく感じがよくわかる。

(・・・もう、この辺が潮時かもしれない)

日差しが入り込んでくる窓の外をぼんやりと眺めているうちに私はそのような気持ちになっていった。今までは自分自身に対して逃げてはいけないと強く言い聞かせてきたのに、庭木の木漏れ日を受けながら、机に向かい畳に座っていると、生来の臆病が頭をもたげてきたようだ。

(・・・仕方ない。あの話を書くか)

西洋の阿片をやりコカインを打つ探偵と騒ぐだけの外科医の作品のように、自らの体験記を書くことは、どうしても嫌悪感があった。しかし、既に放り投げようとしている執筆をまともな話で埋めるぐらいであったら、友人である晋右衛門の奇怪で且つ珍妙な話でも世に発表してやろうではないか。そう自分自身を奮い立たせると視線を窓から机の上の白紙へと向けたのであった。


*登場人物

**千休

新聞記者。シェアを拡大している新聞社に勤めている。事件の話を耳に入れては、駆けつけるが、作品の中ではそれだけの役目といえば、それだけの役目。晋右衛門に情報を提供してくれる。あと、最近、結婚した。結婚式は盛大であったが、出席者の中には政争渦巻く人間達も居たりするところと食事の美味しさのほうが目を引いた。そのうちゴルフを始めて、葉巻を嗜むようになるのではないかと思っているが、どうだろう。

**千休の嫁

板尾の嫁みたいな感じで登場かと思いきや、普通に初登場してきた。とりあえず晋右衛門のことを「カッコイイ」と発言して、晋右衛門がかしこまったという逸話が残されている。

**晋右衛門

私立探偵。軍団探偵事務所のオーナー兼探偵。トレンチコートを羽織りながら、現場に直行する。ハンチング帽はかぶらない。虫眼鏡を片手に、現場に落ちているゴミや粉を拾っては袋に入れるが、それを事件解決に活用したことはない。柔術とかをやっていたら色々と役に立つのに、そんなこともないので事件は会議室で起きて欲しいと思っている。ギターは現場に持っていかないタイプらしい。そこはロックではない。今年はついに年賀状が3通しか来なかったようだ。

**ギョク・セイ

売れない作家兼軍団探偵事務所の小間使い。作家としては中村先生の代原の人ということに世間ではなっている。貧乏人なので、探偵事務所のバイトを始めたが、お客が来ない事務所ということに後から気付いてしまった。お客さんに出すお茶がありません。お客さんに出すお菓子がありません。あんぱんが好物。たまに事件の捜査に駆り出されるけど、基本的に事務所で留守番をしている。

**石尊

怪盗。ということになっている。でも物を盗まないし、金を盗むわけでもない。軍団探偵事務所に出入りをしては、面白そうな事件の情報を勝手に掻っ攫っていく。そういう意味では怪盗か。そのまま普通の人間では物理的に入りにくいところに侵入し、何かしら探ってきてくれるので、事務所としては重宝している。もちろんタダではなく、金平糖と引き換え。たまに月餅になる。普段は路上で絵を売っている。背が高いので目立つ。

**那須野妙

東京の街で活躍する何でも屋。金次第で殺しも引き受けるが、全ては本人の気分次第というのが、依頼する側としては玉に瑕。時に慈善行為もしているらしいけど、誰も見たことがない。ゴミ拾いをしているのだろうか。その正体は何百年も生きた黒猫で、学名はフィリッポヴナ。晋右衛門は吐き捨てるようにナスターシャと呼ぶ。ちなみに作者はリアル・ナスターシャに先日、地下鉄の駅ですれ違った。歳を取ったなあ、と感慨深いものがある。化け猫でも歳を取るのであり、そっくりそのまま自分自身に返ってくる話である。歳を取った。

**渡辺恒夫

通称、ナベツネと呼ばれる豪商にて、千休の永遠の上司。葉巻を愛し、相撲を観覧する。こいつも妖怪じゃないか?と思ったりもする。今回のシリーズでは、彼が那須野に盗みを依頼したことから話は大きく展開していく・・・らしい。それにしても抑えは区瑠雲でいいの?

**天皇(ヒロヒト)

千休さん(ファンはファーストと呼ぶ)以来の登場になる。何故かイケメンで、別人のように話すスピードが早い。研究はモダン・アートをしており、普段はフィールドワークと称し、美術館や博物館を訪ねたあと、SPを振り切って街を闊歩する。ただし、事件は解決しない。そんなに徳田新之助ではありません。なおフィールドワーク中に必ず妙嬢に出会うので、今回は本編に出ずっぱりである。

**橋爪先生

またもや登場。今回は京都から出張中。もちろん好物は赤カブ。京都で盗まれた宝石の足取りを追って、東京へとやって来た。晋右衛門と連携を取って、捜査にあたればいいものを、事務所に来ては茶を飲んで帰るだけになっている。したがって、普段はギョク・セイが話し相手。

**尾理是

もちろん晋右衛門の肩にいる。麹屋の息子の肩には一匹はいるのだ。相変わらずの大人気。

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- まじか。  -- gyoxay  (2008-01-14 17:42:54)
- はやく!  --    (2008-01-19 00:53:35)
- 思いがけない設定だが、果たしてどうなる?  --    (2008-01-21 08:43:27)
- これって・・・ 時代はいつ頃・・・?  -- (読者A)  (2008-01-26 19:31:33)
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