続・千休さん

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続・千休さん - (2007/12/27 (木) 21:34:49) の編集履歴(バックアップ)



概要
かつて人気を博したギャグ漫画・「千休さん」の正式な続編。当初「逆襲の石尊」という副題がつけられていた。物語は前作の最終話を引き継ぐ形で、石尊が死出の旅路に立ったところからはじまる。ストーリーは主人公の石尊を中心に描かれるが、石尊のトンデモ説法とでもいうべきものが中心に据えられることになり、前作よりも説教くささが増したというファンと、石尊のキャラが確立されてきたというファンとの間で、賛否が分かれる作品となった。
また、漫画中に石尊の書いた漫画が引用されることが増えた。
石尊の画風は、前作にも増して乳が大きく描かれるようになり、露骨な性的描写や変態表現が増えていくようになるが、彼自身はそれを否定し、ひたすら絵師の道を突き進んでいると考えているというギャップから、「現代版・ドン=キホーテと」評する声もある。また、石尊が右転したことによって、保守的な論客が中盤以降増えるようになる。


登場人物(前作からの引継ぎ)

石尊(セキソン)
…絵師を目指していると自称する旅の男。絵の腕は一向に上達しないどころか、衰えているのではないかと思わせる描写すらあるが、本人はそれを個性と捉えている。旅の中でも失恋を繰り返すが、中盤以降なぜか固定客が増え、それらの客相手に「トンデモ説法」が披露されるようになる。「絵師をめざす」ことは次第に忘れ去られ、幻想空間内の桃源郷「シャングリラ」で遊ぶことが多くなる。

玉井(ギョクセイ)
…前作では終盤に主人公的な役割を果たしていたが、今作では東大寺に勤務するに至るまでに出世しており、多忙のゆえあまり登場しない。絵の好みは薄く、細いものが中心であることを晋右衛門に揶揄される。夢では家が立派。

晋右衛門
…前作の終盤から勤務している寺子屋で人気を博すも、本業は実は絵師。周囲のものにはしきりに「寺子屋をやめる」ともらすが、やめるには至っていない。絵の力が石尊よりもあると考えている。

千休
…今作では渡邉恒夫にあやつられる形で登場する。結婚以後、あまり登場しなくなる。夢では、「所帯をもったため自由がきかない」とグチをこぼしている。終盤になぜか突然、石尊の居場所を聞いて回るが、晋右衛門はわからなかった。

(今作からの新キャラ)
笹川良一
…第9話「侵略者を撃て」で初登場。前作のヒロヒトを引き継ぐ形で登場した大金持ち。石尊のあこがれの的でもある。競艇が大好きで、自分で興行しては悦にいる。口癖は「戸締り用心火の用心」「お父さんお母さんを大切にしよう」「一日一善」。

竹村健一
…笹川の友人の一人。第9話「侵略者を撃て」で初登場。パイプをくわえ、グラサンのようなメガネをかけるダンディなじいさん。歯に衣着せぬものいいで好評を得る。口癖は「だいたいやねえ…」「日本の媒体はもっとこういうことを言わないかんよ。」

中曽根康弘
…元・管領。第9話「侵略者を撃て」で初登場。

渡邉恒夫
…第9話「侵略者を撃て」で初登場。千休をあやつる大ボス的存在だが、石尊は意外に好き。「ゴポちゃん」の後釜を狙うか。


劇中に登場した石尊の絵物語

本作では劇中で多くの石尊の絵物語が挿入される。その中からいくつか紹介する。

  • 「閻魔大王としょうづか婆」「父は閻魔大王」「閻魔大王パラー」
…長きに渡って石尊が書き連ねている絵物語。典型的な石尊作品。しょうづか婆はほとんど全裸で登場するため、子供に見せられる内容ではない。序盤はほのぼのギャグであっても、終盤には強引にシリアスな方向に向けられるが、意外に人気は高い。

  • 「冷やし牛乳」
妹との禁じられた愛を描く近親相姦もののはずが、近親相姦めいた暗さはどこにも見当たらない。石尊の願望がよくあらわれた作品。

  • 「楓」
石尊絵師生活10周年を記念した作品にして、絵、ストーリー、人間描写のどれをとっても光るもののない、石尊最大の駄作。全員に酷評されるも、石尊はできばえに自信をもつ。

  • 「愛と魔法の物語」
「楓」に並ぶ愚作。石尊的独善性の気色悪さだけが印象に残る。

  • 「蠍女」
少し前の作品だが、この頃から真剣に絵を描かなくなりはじめ、願望に走りはじめた。

  • 「鶏肉街」
ふられたショックで描かれた作品。無意味にさわやかに去っていくラストで印象づけようとしていた。

  • 「画帳」
劇中に玉井、晋右衛門、千休らしき人物が出てくるが、次第にそれらのキャラは後退し、終盤は石尊絵物語に典型的な独善的自己犠牲を描いたもののハシリとなる。この作品は「千休さん」そのものの陰画ともいうべきもので、メタフィクション的な要素をもっているとされる。

  • 「信じるな」
かなり昔に石尊が描き上げたもので、やはり晋右衛門らしき人物が登場するが、まだこの頃の作品のほうが今より幾分かマシであったというものも多い。

考察

石尊絵物語は概して石尊をモデルにしたとみられる青年が主人公で、彼が薄着で巨乳の女を身を挺して守り、最終的に好かれるというのが王道パターンとなっており、それを基本としていくらか変化をつけられたものがほとんどである。ただ、いずれもこのシチュエーションに持っていくために設定を強引に作り上げてあり、石尊自身と巨乳の女以外は力を入れて描かれていない。また主人公格の男女を含めても、人物の心情描写がきわめて浅薄で、いずれもワンパターンな行動しかとらないため、どうしてもストーリーが似通ってしまうという致命的な欠点を持っている。
こうした石尊絵物語がたびたび挿入される本作だが、これは石尊の絵師としての無能力さを前面に出すことで、かつてのナンセンス・コメディとしての体裁を保っていると見ることができる。


章立て

第1話 シャングリラの石尊の巻
第2話 絵師になりたい者は偉いのだの巻
第3話 働かざるもの食うべからずの巻
第4話 石尊の転職の巻
第5話 玉石混淆の巻
第6話 この一筆で地獄へ行けの巻
第7話 石尊より愛をこめての巻
第8話 玉井の命 石尊の命の巻
第9話 侵略者を撃ての巻
第10話 帝国の逆襲の巻
第11話 石尊の復讐の巻
第12話 あんたこの絵物語をどう思うの巻
第13話 石尊無用の巻
第14話 石尊、裏技を使うの巻
第15話 重力下の玉井の巻
第16話 ヤング・オー・オーの巻
第17話 石尊、全裸になりそこねるの巻
第18話 
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