研究室紹介(6-7)

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研究室紹介(6-7) - (2006/02/28 (火) 12:58:20) の編集履歴(バックアップ)


<6-7ページ>研究室紹介

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北海道大学ならではの研究を、選りすぐってご紹介します!

  • 低温科学研究所(岩山さん)No.6-1

低温科学研究所(低温研)は、北海道のような寒冷圏で生ずる様々な自然現象について研究を行っています。このような、寒冷圏についての総合的な研究を行う機関は世界にも類がありません。

雪氷相転移ダイナミクス研究グループの古川義純助教授は、主に雪や氷の結晶について研究しています。学生のとき、大雪山中で自然の雪の結晶を見たことから、雪の結晶に興味を持つようになったと言う古川先生は、「自然の中で最も美しいものの一つと言えるこの結晶を、自然がどうやって作るのか、その仕組みを知りたい」と思い、研究者の道へ進みました。最近では、不凍タンパク質という物質を体内に持つ魚は凍った海という極限状態でも生きていけることに注目し、そのタンパク質について、性質や人間の役に立つ利用法はないかといったことを研究しているそうです。将来的には、臓器移植などの際、臓器の保存を長期化できたり、宇宙と言う極限状態に生きる生物が見つかったとき、その生態を解明するヒントになったりすることが期待できる研究です。雪の結晶の成長を調べることから始まった研究は、生物科学などのさまざまな分野と関わりながら広がっています。「同じ不凍タンパク質による現象でも、そのタンパク質の化学構造に注目するか、水を凍らせないという性質に注目するか、いろいろな視点があります。物事をいろいろな方向から見ることが大事なのです」と話す古川先生の目は、雪の結晶よりも輝いているように見えました。

写真キャプション:雪の結晶の魅力を熱く語ってくれた古川先生。普段はクール。

  • 獣医学部公衆衛生学講座 No.6-2

人と動物が共通にかかる病気の研究

 「当教室では、野外調査から得られるデータを大切にし、調査では人とのコミュニケーションを大事にしています」そう語るのは、獣医学部、公衆衛生学教室の苅和(かりわ)宏明助教授です。
 鳥インフルエンザ、SARS、BSE。最近社会を騒がせたこれらの病気は、人と動物が共通にかかる「人獣共通感染症」とよばれています。その中でも、ウイルスによる「人獣共通感染症」の自然界での伝染の経路や診断・予防法を研究しているのが、ここ公衆衛生学教室です。
 研究では、野外へ出て、ウイルスがいる可能性のある地域の住民に説明をし、協力を得ながら調査することも重要です。調査により、感染環(ウイルスがどのような動物に存在するか)を解明していきます。そして感染環のどの部分に働きかけると、ウイルスを根絶したり、人への感染を減らせるかを考えるのです。
 「人獣共通感染症」をひき起こすウイルスは北海道にも存在します。脳炎をひき起こすフラビウイルス、腎臓や肺に大きなダメージを与えるハンタウイルスがその例です。1993年、原因不明のウイルス性の脳炎患者が北海道でみつかりました。疫学的調査をおこないウイルスがどこにいるかを調べた結果、ある種の野ネズミとダニに存在していることがわかりました。この日本ではじめて発生したダニ媒介性脳炎のウイルスの感染環や伝染経路をあきらかにしたのが、この教室の高島郁夫教授です。しかし、研究はこれで終りではありません。ワクチンの開発や病気の診断法の確立とさらに続いていきます。
 日本では、人への感染例はほとんどないこれらウイルスですが、自然のバランスが崩れた場合、急激に増える可能性がある、と苅和先生は警告します。

(写真キャプション)
P3実験室の前に立つ苅和先生。この中でウイルスの研究をおこないます。


  • 工学部環境社会工学科国土政策学コース No.6-3

「人間がいて、はじめて物があるのです」と話すのは加賀屋誠一教授。工学部環境社会工学科国土政策学コースは、人々が豊かで幸せな生活を送るために、道路や交通のような社会の基盤施設をどう計画し建設していくのかを考えるところです。

冬のつるつる道路で滑って転び、歩くところが全部ロードヒーティングされていたら、と夢みたことがある人は多いはずです。人々が夢とあきらめているようなことでも、加賀屋先生は「様々なエネルギーを上手に使えば、歩道や交差点のロードヒーティングや、公園の一角で子供たちが草の上でサッカーすることも夢ではありません」と話します。地域暖房や都心の自転車道路、過疎の町を走るコミュニティバス、交通事故を起こさないような道路、水辺の生き物たちにやさしく氾濫しない河川なども同様です。人々と環境の調和を考え、豊かで文化的な社会基盤を創造していく国土政策学は、人々の一歩先で夢を描く「大地のデザイナー」といえる人々の研究室です。

(写真キャプション)
研究室前で、加賀屋誠一先生


  • 農学部環境資源学専攻 生物生態学体系学講座 昆虫体系学分野 No.6-4

北海道大学の昆虫学教室は、国立大学の中でも最も歴史が古く、日本の昆虫学発展の基礎を作ったと言われています。今も200万点を超える昆虫標本を収蔵していることで有名です。そしてこの中には、新種を見つけて名前を付けたときに残しておく「タイプ標本」といわれるものが一万点以上も含まれており、貴重な研究の資料となっています。

地球上には、いったいどのくらいの種類の生命体がいるのでしょうか。いろんな説がありますが、昆虫は数が多く、2000万種とも3000万種とも言われています。多種多様な生物を一つ一つ調べ、種に名前をつけ、形や生態が似ているものをまとめて属や科というより大きなグループにまとめていく学問を、分類学と呼びます。最近ではDNAの解析が進み、分類学にもDNAの情報が利用されてきています。

「これまでよく分からなかった属同士の関係などが、DNAを使った研究で、きれいに秩序だって解明されていくときは、ジグソーパズルのピースがぴったりはまったときのような喜びとおもしろさがあります」と話すのは昆虫の分類学を研究している大原昌宏助教授。分類を明らかにするということは、広い分野の総合的な知識を使って、生物がどのように進化してきたのか、その進化のシナリオを解明していくことなのです。まだまだ、研究されていないたくさんの昆虫が北大の標本室で出番を待っています。

(写真キャプション)
200万点を超える膨大な昆虫標本を収蔵している



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