本戦SSその1

~焼きそばパン争奪戦ゲーム~ルール&リプレイ風SS~


~焼きそばパン争奪戦ゲームルール~

プレイヤー人数:3~5
プレイ時間:15分~45分

1.勝利条件
3ラウンド終了時に、【YPP】(焼きそばパンポイント)が最も多いキャラクターが伝説の焼きそばパンを購入することができます。
校則違反が見つかっていなければですが……。

2.ゲームの準備
プレイヤーは、【キャラクター一覧】から、自分の使用するキャラクターを1人ずつ選択します(【キャラクター一覧】はルールの一番後ろにあります)。
選択する順番に迷ったら、サイコロを振ったりジャンケンをしたりして決めてください。
全員がランダムに決めてもよいでしょう。
キャラクターを選択したら、ゲームの準備は終わりです。

2.1.キャラクターの説明
名前:キャラクターの名前です。データ的な効果はありません。
性別:性別です。データ的な効果はありません。
学年:学年です。データ的な効果はありません。
能力値:【対応力】【干渉力】【突破力】の3つの能力値があります。データ的にとても効果があります。
 【対応力】:他のキャラクターからの干渉(攻撃や妨害)に対して、どれくらい対応(防御や看破)ができるかを表す能力値です。
 【干渉力】:他のキャラクターに対して、どれくらい干渉(攻撃や妨害)ができるかを表す能力値です。
 【突破力】:他のキャラクターに影響しない、目標への突破力(移動速度など)を表す能力値です。
特殊能力:魔人能力です。ゲーム中にキャラクターだけが使用できる特殊な効果です。
 特殊能力名:特殊能力の名前です。
 特殊能力効果:ゲーム的な効果です。
 特殊能力説明:特殊能力の原理や演出などです。演出はこれに従って自由にできますが、データ的な効果は一切ありません。

3.ラウンドの進行
各ラウンドでは、【プロットの配置】【プロットの公開】【各キャラクターの判定】の3つを、順番に行います。

3.1.プロット配置
全ての参加者は、そのラウンドの自分の行動を選択して紙に書き、裏向きで伏せます。
選択できる行動は、【ガード】【アタック】【ダッシュ】の3種類です。
【アタック】の場合のみ、【アタック】の対象となるキャラクターを1人選択し、プロットに記載してください。
それぞれの行動については、【各キャラクターの判定】で説明します。

3.2.プロット公開
全ての参加者がプロットを配置したら、プロットを公開し、行動順を決めます。
行動は、『【ガード】を選択したキャラクター』→『【アタック】を選択したキャラクター』→『【ダッシュ】を選択したキャラクター』の順番に行います。
同じ行動をプロットしたキャラクターが複数存在する場合、サイコロを1つ振り、出目が大きい(同じ出目の場合は決着がつくまで振り直し)キャラクターから判定を行います。

3.3.各キャラクターの判定
【プロット公開】で決まった行動順に従い、判定を行います。

3.3.1.ガードの判定
【ガード】は、他のキャラクターの妨害を警戒しながら、慎重に焼きそばパンに向かう行動です。
サイコロを1個振り、出目に自分の【対応力】を足します。そのラウンドの間、自分の【対応力】は、その値になります。
そして、出目と同じ値だけ【YPP】を獲得します。

3.3.2.アタックの判定
【アタック】は、他のキャラクターの妨害を優先しながら、あわよくばついでに焼きそばパンに向かう行動です。
サイコロを1個振り、出目に自分の【干渉力】を足します。その値が、アタックの対象の【対応力】より大きければ、アタックは成功です。
【アタック】に成功した場合、出目と同じ値だけ【YPP】を獲得します。失敗した場合、【YPP】を獲得することはできません。

3.3.3.ダッシュの判定
【ダッシュ】は、他のキャラクターの妨害に対して一切警戒しないで、大胆に焼きそばパンに向かう行動です。
そのラウンドの間、自分に対する【アタック】が成功していない(自分に対するアタックが全て失敗している、もしくは自分がアタックの対象にならなかった)場合、
サイコロを1個振り、出目に自分の【突破力】を足します。そして、その値だけ【YPP】を獲得します。
そのラウンドの間、自分に対する【アタック】が成功している場合、サイコロを振ることはできず、【YPP】を獲得することもできません。

3.4.校則違反ブースト
すべての判定では、校則違反を行うことで、判定にボーナスを得ることができます。
【校則違反ブースト】を行う場合、判定の直前に、【校則違反点】を好きな点数だけ獲得します。
そして、獲得した【校則違反点】の2倍を、判定で振るサイコロの出目に足します。
これによって、出目が7以上になることもあります。
また、特殊能力によってサイコロの振り直しが発生した場合でも、【校則違反点】による出目の追加は変更されません。

4.結果決定
ラウンドを3回行ったら、【ラストスパート】、【校則違反者の決定】、【伝説の焼きそばパン購入者決定】を行います。

4.1.ラストスパート
3ラウンド終了時に、YPPが多いキャラクターから順番に、【ラストスパート】を行うことができます。
YPPが同じキャラクターが複数存在した場合、サイコロを1つ振り、出目が大きい(同じ出目の場合は決着がつくまで振り直し)キャラクターから順番に【ラストスパート】を行います。
【ラストスパート】を行う場合、【校則違反点】を好きな点数だけ獲得します。
そして、獲得した校則違反点と同じ数だけ、サイコロを振り、全ての出目を合計します。これは判定ではありません。
そして、その値と同じだけ【YPP】を獲得します。

4.2.校則違反者の決定
【ラストスパート】が終わったら、全てのキャラクターは、サイコロを1個振ります。これは判定ではありません。
出目が自分の【校則違反点】以下であれば、校則違反がバレていたこととなり、校則違反者となります。
出目が自分の【校則違反点】より大きければ、校則違反はバレていなかったこととなります。

4.3.伝説の焼きそばパン購入者決定
校則違反者以外でYPPが最も多いキャラクターが、伝説の焼きそばパンの購入者となります。
校則違反者以外でYPPが最も多いキャラクターが複数存在した場合、サイコロを1つ振り、出目が大きい(同じ出目の場合は決着がつくまで振り直し)キャラクターが伝説の焼きそばパン購入者となります。
この時、全てのキャラクターが校則違反者であった場合、ゲームに参加しなかったキャラクターをランダムに1人選択し、そのキャラクターが伝説の焼きそばパンの購入者となります。


5.キャラクター一覧

名前:上下 中之(かみしも なかの)
性別/学年:男性/2年
能力値:【対応力】3/【干渉力】3/【突破力】3
特殊能力名:普通概念存在
特殊能力効果:自分の判定の直後に、その判定のサイコロを振り直せる。この効果はゲーム中に1回だけ使用できる。
特殊能力説明:"普通"に行動にブレが発生する。そのブレにより、結果は良くも悪くもなるかもしれない。

名前:住吉弥太郎(すみよしやたろう)
性別/学年:男性/2年
能力値:【対応力】2/【干渉力】5/【突破力】2
特殊能力名:借りて来た不死鳥(ディメンジョン・フェニックス)
特殊能力効果:自分の判定の直前に、自分の【能力値】を1つ選択する。その判定の間、選択した【能力値】を2点上げる。ただし、その判定のサイコロの出目が「1」か「2」か「3」の場合、【校則違反点】を1点得る。
特殊能力説明:空のどこかから全長20メートルほどの鳥形の炎(生物ではない)が現れて周囲を焼き払っていく。細かい操作は不得意なので、器物破損などの危険性がある。

名前:千倉 季紗季(ちくら きさき)
性別/学年:女性/1年
能力値:【対応力】3/【干渉力】4/【突破力】2
特殊能力名:もぐれ!ハリガネムシくん
特殊能力効果:自分以外の判定の直後に、その判定のサイコロを強制的に振り直させる。この効果はゲーム中に1回だけ使用できる。
特殊能力説明:胃中に飼う魔人ハリガネムシのハリガネムシくんを一時的に相手の体に寄生させ、動きを鈍らせる。

名前:仕橋 王道(つかえばし おうどう)
性別/学年:男性/3年
能力値:【対応力】2/【干渉力】1/【突破力】6
特殊能力名:Pa.Si.Ri
特殊能力効果:自分に対する【アタック】が失敗した時に、そのゲームの間、【アタック】を行った相手の【干渉力】を1下げることができる(最低1)。
特殊能力説明:「商品を確保し」「販売者に買う意思を伝える」ことで購入を成立させる能力によって、相手の道具などを強制的に買取る。

名前:パン崎努(ぱんざき つとむ)
性別/学年:男性/2年
能力値:【対応力】2/【干渉力】2/【突破力】5
特殊能力名:Dad Rule. She Move(君は僕のおもちゃ)
特殊能力効果:自分の判定の直前に、自分の【能力値】を1つ選択する。その判定の間、選択した【能力値】を3点上げる。この効果はゲーム中に1回だけ使用できる。
特殊能力説明:右腕を伸ばす能力によって、不意打ちを行う。

名前:兵動 惣佳(ひょうどう そうか)
性別/学年:女性/1年
能力値:【対応力】4/【干渉力】2/【突破力】3
特殊能力名:アニマル・リンガル
特殊能力効果:毎ラウンドの【プロット公開】直前に、自分以外の誰かのプロット1つの内容を確認することができる。その後、自分はプロットを【ガード】に変更してもよい。
特殊能力説明:動物と会話することで、相手の様子を探り、干渉に備える。

名前:臥間 掏児(フスマ トウジ)
性別/学年:男性/その他
能力値:【対応力】4/【干渉力】4/【突破力】1
特殊能力名:フィンガーマン
特殊能力効果:自分が【アタック】に成功した時に、そのゲームの間、アタックした相手の【突破力】を1下げることができる(最低1)。
特殊能力説明:他人に気づかれないままにスリをすることで、相手の持ち物を奪い、動きを鈍らせる。

名前:舟行 呉葉(ふなゆき くれは)
性別/学年:女性/2年
能力値:【対応力】1/【干渉力】6/【突破力】2
特殊能力名:C・C・C(カット・コーナーズ・クッキング)
特殊能力効果:自分が【アタック】に成功した時に、そのゲームの間、アタックした相手の【対応力】を1下げることができる(最低1)。
特殊能力説明:八徳包丁で相手の持ち物を破壊する。

名前:冬頭美麗(ふゆとう・みれい)
性別/学年:女性/2年
能力値:【対応力】2/【干渉力】2/【突破力】2
特殊能力名:誓いの元集え我が銃士達(ワンフォーオール・オールフォーワン)
特殊能力効果:毎ラウンドの【プロット公開】直後に、自分の能力値を1つ選択する。そのラウンドの間、選択した【能力値】を2点上げる。
特殊能力説明:予め絆を結んでおいた年下の女子のうち3名を、『三銃士』として呼び出すことで、自分のサポートを行わせる。

名前:闇雲 希(やみくも のぞみ)
性別/学年:男性/2年
能力値:【対応力】2/【干渉力】4/【突破力】3
特殊能力名:悪魔の毒毒ブルース
特殊能力効果:自分の判定のサイコロの出目が「1」の時に、その出目を強制的に「4」にし、【校則違反点】を1点得る。
特殊能力説明:無意識に悪魔と契約する能力。悪魔に願うことで発動する。無意識に契約してしまう上に、ペナルティも大きい。

~焼きそばパン争奪戦ゲームルールここまで~



~焼きそばパン争奪戦ゲームリプレイ風SS~

※プロットは各キャラクターの傾向によってランダムに決めています
※実際にサイコロを振って判定を行っています

  • 参加キャラクターは、上下 中之とランダムに決めた3人で、以下の合計4人となりました

登場キャラクター1
名前:上下 中之(かみしも なかの)
性別/学年:男性/2年
能力値:【対応力】3/【干渉力】3/【突破力】3
特殊能力名:普通概念存在
特殊能力効果:自分の判定の直後に、その判定のサイコロを振り直せる。この効果はゲーム中に1回だけ使用できる。
特殊能力説明:"普通"に行動にブレが発生する。そのブレにより、結果は良くも悪くもなるかもしれない。

登場キャラクター2
性別/学年:女性/1年
能力値:【対応力】4/【干渉力】2/【突破力】3
特殊能力名:アニマル・リンガル
特殊能力効果:毎ラウンドの【プロット公開】直前に、自分以外の誰かのプロット1つの内容を確認することができる。その後、自分はプロットを【ガード】に変更してもよい。
特殊能力説明:動物と会話することで、相手の様子を探り、干渉に備える。

登場キャラクター3
名前:臥間 掏児(フスマ トウジ)
性別/学年:男性/その他
能力値:【対応力】4/【干渉力】4/【突破力】1
特殊能力名:フィンガーマン
特殊能力効果:自分が【アタック】に成功した時に、そのゲームの間、アタックした相手の【突破力】を1下げることができる(最低1)。
特殊能力説明:他人に気づかれないままにスリをすることで、相手の持ち物を奪い、動きを鈍らせる。

登場キャラクター4
名前:闇雲 希(やみくも のぞみ)
性別/学年:男性/2年
能力値:【対応力】2/【干渉力】4/【突破力】3
特殊能力名:悪魔の毒毒ブルース
特殊能力効果:自分の判定のサイコロの出目が「1」の時に、その出目を強制的に「4」にし、【校則違反点】を1点得る。
特殊能力説明:無意識に悪魔と契約する能力。悪魔に願うことで発動する。無意識に契約してしまう上に、ペナルティも大きい。


上下 中之のプレイヤー(以下、上下):では、各自キャラクターが決まったところで、ゲームを始めていきましょう。
臥間 掏児のプレイヤー(以下、臥間):その前に、とりあえず、ゲームの流れとか説明してくれ。
上下:そうですね。まず、このゲームの目的は、『校則違反がばれないように、3ラウンドでより多くの【YPP】(焼きそばパンポイント)を獲得すること』です。
闇雲 希のプレイヤー(以下、闇雲):もしかして、闇雲の特殊能力説明の【校則違反点】ってのが貯まると校則違反がバレる?
上下:バレるかどうかは最後までわかりません。ルール的には、最後にサイコロ1個振って、出目が【校則違反点】以下だとバレます。
闇雲:特殊能力以外で【校則違反点】が貯まることは?
上下:判定などで貯めることができます。それは追々説明していきましょう。
兵動 惣佳のプレイヤー(以下、兵動):とりあえずやってみましょうよ。
上下:そうですね。とは言ってもいきなり本番だと戸惑うと思うので、まずは軽く練習してみましょうか。

【練習】
上下:練習ということで、軽くラウンドの流れを確認しましょう。まずは【プロット】です。
臥間:【プロット】は、【ガード】【アタック】【ダッシュ】の三種類だったよな。で、【アタック】だけは対象を選択する、と。
上下:はい。それぞれは歪な三竦みになっていてですね。「自分が【アタック】されそうだと思ったら【ガード】を、自分が【アタック】されないと思ったら【ダッシュ】を、誰かが【ダッシュ】すると思ったら【アタック】を、それぞれ選ぶ」というのがコツです。
闇雲:隙をついて【ダッシュ】するか、それを【アタック】で妨害するか、妨害に備えて【ガード】するかって感じか。それぞれの【能力値】は?
上下:基本的に、【干渉力】は【アタック】で、【対応力】は【ガード】で、【突破力】は【ダッシュ】で、それぞれ使います。
闇雲:キャラクターの能力値も、プロットの判断材料ということか。OK 、わかった。
上下:では、プロットにいきましょう。

……15秒後くらいして、全員の【プロット】が終わった。

上下:では、【プロット公開】ですが、その前に、兵動さんの特殊能力ですね。誰か1人の【プロット】を確認できます。
兵動:じゃあ、とりあえず臥間さんの【プロット】見せてください。
臥間:はいよ。
上下:兵動さんは【プロット】を【ガード】に変更できますが、どうしますか?
兵動:んー、今回はこのままで。
上下:では、【プロット公開】です。

  • 練習ラウンドプロット
上下:【ダッシュ】
兵動:【ダッシュ】
臥間:【アタック】→上下
闇雲:【ガード】

上下:行動順は、『【ガード】を選択したキャラクター』→『【アタック】を選択したキャラクター』→『【ダッシュ】を選択したキャラクター』の順番になるので、まずは【ガード】の闇雲さんから判定ですね。
兵動:私と上下さんは同じ【ダッシュ】ですけど、そういう場合はどうなるんですか?
上下:サイコロ振って決めます。

そして、上下と兵動がサイコロを振った結果、行動順は以下のようになった。

  • 練習ラウンド行動順(同じプロットのキャラクターはランダムで行動順を決定)
闇雲→臥間→兵動→上下

上下:改めて、【ガード】の闇雲さんから判定です。サイコロを一個振ってください。出目の数だけ【YPP】を獲得します。さらに、このラウンドの間のみ、【対応力】が出目の数だけ上がります。
闇雲:おう。(コロコロ……)

闇雲:出目3…【対応力】4→7/【YPP】0→3

闇雲:周囲を警戒しつつこっそりと焼きそばパンに近づくのだ。
臥間:次は俺か。【アタック】の場合も、サイコロ1個を振るでいいの?
上下:はい。ただし、自分の【干渉力】と出目を足した数が、対象の【対応力】よりも大きくないと、【アタック】は失敗になって、【YPP】が得られないので気をつけてください。
臥間:ってことは、今回は上下の【対応力】を超えればいいから……なんだ、サイコロ振るまでもなく成功じゃないか。
上下:そういうことになりますね。ただ、出目の数だけ【YPP】が手に入るので、出目が大きいに越したことはありません。
臥間:よし、ならば振ろう。(コロコロ……)

臥間:出目4…【アタック】成功!(【干渉力】4+4=8 対 【対応力】3)/【YPP】0→4

臥間:よし、これで特殊能力も使おう。これ、コストとかデメリットとか無いんだよね。
上下:はい。闇雲さんのように、なにか書いていなければ何もなく使いたい放題です。

上下:臥間の特殊能力「フィンガーマン」により、【突破力】3→2

臥間:上下の上履きを奪おう。これで動きが鈍くなる。
兵動:次は私だね。【ダッシュ】の場合もサイコロ振るの?
上下:はい。サイコロを1個振って、出目と【突破力】を足した値が、そのまま【YPP】になります。
兵動:ほうほう。(コロココ……)

兵動:出目4…(【突破力】3+4=7)/【YPP】0→7

兵動:焼きそばパン目指して脇目もふらずに一直線だ。
上下:で、最後に俺の行動なのですが、『そのラウンドの間、自分に対する「アタック」が成功している場合、サイコロを振ることはできず、【YPP】を獲得することもできない』というルールなので、何もできません。

上下:判定不可能/【YPP】0→0

上下:いつの間にか自分が靴を履いていないことに気が付き、気が動転してしまったのでしょう。
臥間:さっきの【アタック】が効いたわけだ。
上下:そういうことです。そして、練習ラウンドの結果は、このようになりました。

  • 練習ラウンド終了
1位:兵動(【YPP】7)
2位:臥間(【YPP】4)
3位:闇雲(【YPP】3)
4位:上下(【YPP】0)

闇雲:あ、これ【ダッシュ】決まると強いんだな。
臥間:でも、【アタック】を仕掛けられた時のリスクもデカイと。
上下:逆に、自分が【アタック】されそうなときは、【ガード】を狙うのがポイントです。
臥間:【ガード】はデメリット無しで確実に【YPP】を貯められるんだな。
兵動:でも、もたもたしていると【ダッシュ】で一気に差を付けられちゃいますね。
闇雲:うーむ、なるほど。だいたい分かった。
臥間:あ、そういえば、【校則違反点】については?
上下:今のうちに説明しておきましょう。判定でサイコロを振るときに、出目が足りなくなりそうとか、高い出目を確保したいとか、そういう時に【校則違反ブースト】を使います。
闇雲:身も蓋もない名前だな……。
上下:判定直前に【校則違反ブースト】を宣言すると、好きなだけ【校則違反点】を獲得して、獲得した数の2倍を出目に足すことができます。
兵動:出目ってことは、例えば【ガード】した時の【YPP】も増えます?
上下:はい。増えます。出目が7以上になった場合も、その数値をそのまま使います。ただ、全ラウンド終了時にサイコロを1個振って、【校則違反点】以下の出目が出ると校則違反がバレてしまい、焼きそばパンが買えなくなってしまうので注意してください。
臥間:貯めこんでも5点までが限界か。
上下:それと、【校則違反点】にはもうひとつ、【ラストスパート】でも貯めることができるので、そこも考えどころですね。
臥間:ん?【ラストスパート】ってのは?
上下:校則違反がバレるかどうかのサイコロを振る前に、行います。好きなだけ【校則違反点】を貯めることで、貯めた数と同じだけサイコロを振って、出目の合計分の【YPP】を獲得します。
兵動:【校則違反ブースト】よりも期待値は高いんですね。
上下:はい。なので、どうしても必要だという時以外は【校則違反ブースト】はなるべくしないほうが良いということになりますね。
臥間:よし、だいたい分かった。やってみようか。
上下:他に質問とかなければ始めますが、よろしいですか?
闇雲:OK。
兵動:大丈夫です。
上下:では、始めましょう。

※本編もこの形式で書き続けた結果、すさまじい文字数となってしまったため、此処から先は書き方が変わります。


【第1ラウンド】
 4時限目の授業終了のベルが鳴る。その僅か数秒後、購買部は静かなる戦場と化した。いち早く駆けつけたのは4人。
 上下 中之(かみしも なかの)、兵動 惣佳(ひょうどう そうか)、臥間 掏児(フスマ トウジ)、闇雲 希(やみくも のぞみ)。今、4人の伝説の焼きそばパンを巡る戦いが、始まったのだ。

 ・第1ラウンドプロット
 上下:【ガード】
 兵動:【ダッシュ】
 臥間:【ガード】
 闇雲:【ガード】

 ・第1ラウンド行動順(同じプロットのキャラクターはランダムで行動順を決定)
 闇雲→上下→臥間→兵動

 闇雲は警戒していた。無意識のうちに悪魔と契約してしまう自身の魔人能力を。
 《闇雲【ガード】:出目4…【対応力】2→6/【YPP】0→4》
 迂闊には動けない。慎重に動いたのだ。

 上下は普通に、誰かが自分を妨害すると考えた。だから、守りを固めた。
 《上下【ガード】:出目1…【対応力】3→4/【YPP】0→1》
 しかし、それは判断ミスだった。誰も上下を攻撃しなかった。判断ミスが招いた狼狽が、上下の行動を鈍らせる。
 だが、上下はこうも思った。『"普通"なら、これくらいのピンチは1回くらいすぐに立て直せる』と。
 《上下【ガード】:出目1…【対応力】3→4/【YPP】0→1(上下の特殊能力「普通概念存在」を使用し、判定を振り直した結果)》
 結果、サイコロの出目は変わらず。"普通"なら、こんなこともある。上下の特殊能力は、無駄撃ちに終わった。

 《臥間【ガード】:出目4…【対応力】4→8/【YPP】0→4》
 臥間は、自分のスリの腕に絶対の自信があった。誰からも盗めるという絶対の自信だ。だが、だからこそ裏をかき、自分が妨害されることを警戒した。
 警戒さえしていれば、妨害は防げる自信が、臥間にはあったのだ。

 他の3人が陳列棚の影に隠れて様子をうかがっているうちに、兵動はまっすぐに伝説の焼きそばパンに向かった。『とにかく、願いを叶えたい』という一心が、兵動を突き動かした。結果、圧倒的リードを得ることに成功した。
 《兵動【ダッシュ】:出目3…(【突破力】3+3=6)/【YPP】0→6》

 ・第1ラウンド終了
 1位:兵動(【YPP】6)
 2位:臥間(【YPP】4)
 2位:闇雲(【YPP】4)
 4位:上下(【YPP】1)


【第2ラウンド】
 4人が購買部に到着してから15秒後。
 兵動が、一心不乱に伝説の焼きそばパンに向かう。それを背後から狙う臥間と闇雲。上下は、早くも一発逆転を狙わなければならない状況となった。

 ・第2ラウンドプロット
 上下:【ダッシュ】
 兵動:【ガード】
 臥間:【ガード】
 闇雲:【ダッシュ】

 ・第2ラウンド行動順(同じプロットのキャラクターはランダムで行動順を決定)
 兵動→臥間→上下→闇雲

 兵動はまっすぐに伝説の焼きそばパンを目指して更に早く歩こうとした、が、背後から迫る3人の足音に違和感を感じた。
 (こういう時こそ慎重に……)
 《兵動【ガード】:出目1…【対応力】4→5/【YPP】6→7》
 そして、後ろを振り返った。

 臥間にとって問題だったのは、最も伝説の焼きそばパンに近い兵動ではなく、横を並ぶ闇雲からの不意打ちだ。臥間はこの学園の生徒ではない。もし、それがバレてしまえば、元も子もないのだ。
 《臥間【ガード】:出目2…【対応力】4→6/【YPP】4→6》
 「とにかくばれないうちにとっとと焼きそばパンを手に入れて……なに!?」
 臥間は横を見る。だが、そこにはすでに闇雲はいなかった。

 上下は、駆け抜けた。最初に後れを取った者をわざわざ見張るするものは、"普通"は存在しない。だから、上下は"普通"に誰にも気が付かれずに、走り抜けた。
 《上下:【ダッシュ】:出目2…(【突破力】3+2=5)/【YPP】1→6》
 そして、追いついた。まだ、逆転の可能性は、"普通"に残されている。

 闇雲が動いた。横を並ぶ臥間に見向きもせず、伝説の焼きそばパンに向かった。妨害されるリスクを投げ出しての突破。ある種の無謀。
 《闇雲:【ダッシュ】:出目2…(【突破力】3+4=7)/【YPP】4→11》
 だが、その無謀がこの場では正解だった。兵動の脇をすり抜け、伝説の焼きそばパンを手に掴んだ。

 ・第2ラウンド終了
 1位:闇雲(【YPP】11)
 2位:兵動(【YPP】7)
 3位:上下(【YPP】6)
 3位:臥間(【YPP】6)


【第3ラウンド】
 4人が購買部に到着してから30秒後。
 闇雲が伝説の焼きそばパンを手に掴んだ。このまま会計を済ませれば、購入は完了し、闇雲が勝者となる。
 だが、それを許さぬものが、まだ3人いるのだ。

 兵動は闇雲の持つ伝説の焼きそばパンをかすめ取ろうと、手をのばそうとした。だが、とっさに防御の構えをとった。猫が鳴いたからだ。
 『ソーカ、ウシロにキをツケロ』
 その猫の鳴き声が、兵動にはそう聞こえた。
 「ありがとう、小次郎」
 兵動は猫に話しかける。そして、後ろを振り返った。(兵動の特殊能力「アニマル・リンガル」を使用して上下のプロットを確認、自分のプロットを【ガード】に変更)

 ・第3ラウンドプロット
 上下:【アタック】→兵動
 兵動:【ガード】
 臥間:【ダッシュ】
 闇雲:【ガード】

 ・第3ラウンド行動順(同じプロットのキャラクターはランダムで行動順を決定)
 闇雲→兵動→上下→臥間

 闇雲は、伝説の焼きそばパンを両手で抱え、ゆっくりと会計に向かった。
 《闇雲【ガード】:出目4…【対応力】2→6/【YPP】11→15》
 ここで走ってしまえば校則違反。なれば、堅実に歩を進める。それが闇雲の選択だった。
 (俺はこいつで幸せを掴むんだよお!)

 猫の小次郎のとっさの掛け声で、兵動は後ろを振り返る。そして、身構えた。
 《兵動【ガード】:出目3…【対応力】4→7/【YPP】7→10》
 (さあ、来なさい!)

 身構えた兵動を見て、上下はマズイと思った。だが、同時に覚悟も決めた。上下は、全力で走り、兵動に体当たりを仕掛けた。
 《上下【アタック】→兵動:出目4(【校則違反ブースト】2点)…【アタック】成功!(【干渉力】3+4+4=11 対 【対応力】7)/【YPP】6→14/【校則違反点】0→2》
 (そんな!校則違反なんて!)
 兵動が倒れる。"普通"は、こんなところで無理やり突破を仕掛けては来ない。バレるリスクがあるからだ。だが、上下は押し切った。"普通"なら、こういう時にはリスクを冒してでも突っ走るからだ。

 臥間は、あえて無駄にスリをしないことを選択した。騒ぎが起これば自分が注目されるかもしれない。手の内を明かさないことでの牽制の意味もある。
 《臥間:【ダッシュ】:出目3…(【突破力】1+3=4)/【YPP】6→10》
 (まだだ。まだ、その時じゃない。見極めるんだ……)

 ・第3ラウンド終了
 1位:闇雲(【YPP】15)
 2位:上下(【YPP】14)
 3位:兵動(【YPP】10)
 3位:臥間(【YPP】10)


【ラストスパート】
 4人が購買部に到着してから45秒後。
 伝説の焼きそばパンは今だ闇雲の手中にある。しかし、上下が、すぐ後ろから追う。他の二人も諦めていない。
 最後の勝負が始まる。

 ・ラストスパート行動順(同じ【YPP】のキャラクターはランダムで行動順を決定)
 闇雲→上下→臥間→兵動

 闇雲は、自分の持つ伝説の焼きそばパンをめがけて、一人の生徒が走ってくることに気がついた。
 (なんてやつだよ。でも、悪魔と契約するのは嫌だそ)
 闇雲も少しだけ走る。
 《闇雲:【校則違反点】0→1/出目1/【YPP】15→16》
 追いつかれなければいい。リスクは少なくだ。

 いける。上下は確信した。伝説の焼きそばパンを持つ生徒はリスクを恐れすぎた。上下は"普通"に攻める。校則違反をしなければ負けはほぼ確定。ならば、思い切って攻める。
 《上下:【校則違反点】2→3/出目1/【YPP】14→15》
 だが、上下は"普通"に運が悪かった。伸ばした手は、届かなかったのだ。

 伝説の焼きそばパンを持っている生徒に触れる。そうなれば、臥間の物になったも同然だ。誰からも気づかれず、伝説の焼きそばパンを手にすることができる。
 問題は、ちょいとばかし派手に動かないと行けないことだ。バレたら極刑の万引き……。意を決して、臥間は動いた。
 《臥間:【校則違反点】0→2/出目11/【YPP】10→21》
 そして、捉えたのだ。
 「悪いが、こいつを買うのは俺だ」

 (えー!?そんなー!?)
 兵動は動揺を隠せない。いつの間にか、伝説の焼きそばパンを持っている生徒が変わっていたからだ。
 『イケ、アキラメルナ!』
 猫が、鳴いた。
 「……うん、まだ、終わってないもんね」
 伝説の焼きそばパンを持つ者の校則違反がバレれば、まだチャンスはある。
 《臥間:【校則違反点】0→2/出目8/【YPP】10→18》
 兵動もまた、走りだした。

 ・第3ラウンド終了
 1位:臥間(【YPP】21)
 2位:兵動(【YPP】18)
 3位:闇雲(【YPP】16)
 4位:上下(【YPP】15)


【校則違反者の決定】
 4人が購買部に到着してから60秒後。
 伝説の焼きそばパンを闇雲から奪った臥間は、ついに会計を済ませようとしていた。
 だが、彼の校則違反が報告されていたとしたら、話は別だ。
 まだ、全員にチャンスが有るのだ。

 臥間:出目5…校則違反無し!(【校則違反点】2)
 兵動:出目3…校則違反無し!(【校則違反点】2)
 闇雲:出目3…校則違反無し!(【校則違反点】1)
 上下:出目4…校則違反無し!(【校則違反点】3)


【伝説の焼きそばパン購入者決定】
 臥間は、闇雲から奪った伝説の焼きそばパンを持ち、レジのおばちゃんに渡した。
 「おばちゃん、これ」
 「……あんまり見ない子だね?」
 おばちゃんの目が光る。
 「ああ、普段は購買部には来ないんですよ。今日は特別にコレが欲しかったんで」
 臥間は、淡々と話す。
 「まあ、そうなの……それじゃあ、108円ね」
 「ハイハイ」
 おばちゃんにお金を払い、伝説の焼きそばパンを手に入れた臥間は、これからのことを考えていた。
 (あとはコイツを守り切って学園から脱出しないとな)
 臥間の戦いは、これからが本番だ。


~焼きそばパン争奪戦ゲームリプレイ風SSおわり~