ダンゲロスSS4内検索 / 「本葉柔プロローグ」で検索した結果

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  • 本葉柔プロローグ
    プロローグ はじまりの巫女は、混沌の中にいた。 混沌は、更なる混沌へと崩壊の一途を辿っており、はじまりの巫女の命もまた混沌に呑まれて潰えようとしていた。 そこに、三柱の神が現れた。 簒奪の女神・クグルイ。 ナマヌシの神・ヤマグチ。 そして、創造神にして武神・トキガミネ。 神々は醜い争いを続けていたが、やがて巫女の呼び掛けに応え、力を合わせてこの世界を造り出したという。 †††† 希望崎学園最強の男、時ヶ峰堅一は雲よりも高く、稀薄な大気の中にいた。 足場は大地に突き刺した『魔剣13km』。 国造りの神の血筋を引く時ヶ峰一族でも最強の者のみに与えられる「ケンイチ」の名は手に入れたが、まだまだ「健一」には遠く及ばぬと堅一は考えている。 堅一は、創造の矛である『天沼矛(あめのぬぼこ)』を喚べこそすれ使いこなすことはかなわぬのだ。 遥か下界の樹林の中か...
  • 本葉柔
    本葉柔 ■キャラクター名:本葉 柔 ■キャラクター名読み:ほんば やわら ■性別:女性 キャラクター設定 時ヶ峰健一が造り出した世界の希望崎学園1年生。 護身術部で五本の指に入る実力者である。 遮光ゴーグルを外すとカワイイらしいともっぱらの噂。 深紅のストレートヘアを後ろで束ねる髪止めには、おっぱいを両腕で抱え込む姿を図象化したマークが彫られている。 Jカップの美しいおっぱいを持つが、このおっぱいは本物ではない。 彼女の正体は、M44星団にあるボンバー星からやってきた「ボンバーν(ニュー)」なのだ。 遮光ゴーグルを外すと、光学反応によってM44エナジーが活性化し圧倒的パワーを持つ真の姿に3分間だけ変身する! 聞いて驚け! 胸回り4m! ちなみに背の高さはあまり変わらないので、巨大おんなのこが好きな人は残念でした。 本葉柔本人は真の姿を醜いと思っており、人...
  • 幕間SS一覧
    幕間SS一覧 このページではダンゲロスSS4に投稿された幕間SSを表示します。 第一回戦までの幕間SS一覧 作者 幕間SS 文字数 登場キャラクター 飯田カオル ワクワク動画大発表 1,743文字 飯田カオルミスター・チャンプ(Mr. Champ)山口祥勝本屋文 本屋文 本屋文の日常 1,522文字 本屋文 雨竜院暈々 ホーリーランドクラブ・SS4合同SS「ハローデイズ」 2,305文字 雨竜院暈々雨竜院暈哉(外部リンク) 撫津美弥子 大発表への反応~撫津 美弥子の場合~ 1,775文字 撫津美弥子飯田カオル 色盲画家ストル・デューン 無題(幕間スレ6-7) 2,759文字 色盲画家ストル・デューン 雨竜院暈々 雨空 1,913文字 雨竜院暈々一切空 撫霧煉國 撫霧煉國(実質)プロローグSS 5,642文字 撫霧煉國 雨竜院暈々 雨竜院家の資料 1,907文字 雨竜院暈々そ...
  • 裏準決勝戦第2試合
    裏準決勝戦:【過去】ディスコ このページではダンゲロスSS4裏準決勝戦、【過去】ディスコの試合SSを公開します。 ここは、得票数がもっとも多いSSが勝者となる、誰が一番面白いお話を書けるか競いあうインターネット上のゲームを行なっている会場です。 試合SS このページを訪れた方は、誰でもご自由に以下のSS(ショートストーリー)を読んでいってください。 それぞれのSSを読み比べて、より面白いと思ったお話に投票しましょう! 面白いと判断する基準はなんでも構いません。貴方が面白いと思ったお話に投票しましょう。 貴方の投票がゲームの勝者を決める! この試合への投票は終了しました。 【投票結果】を見る 試合SS 引用する幕間SS 文字数 裏準決勝戦SS・ディスコその1 日下景プロローグ日下景は大切な女性からの告白を打ち消し続けている本葉柔・真ケン勝負!本葉柔は大切な男性に告白し...
  • 裏準決勝戦第2試合結果
    裏準決勝戦:【過去】ディスコ このページではダンゲロスSS4裏準決勝戦、【過去】ディスコの試合結果を公開します。 投票結果 試合SS キャラクター名 得票数 裏準決勝戦SS・ディスコその1 本葉柔 17票 裏準決勝戦SS・ディスコその2 日下景 7票 サブGK総評 一途に思うおっぱいと蟹・本葉柔 vs 一途に放たれる外道発勁・日下景 今回の中でも屈指の色物ステージ、ディスコに当たったのは、やはり色々な意味で濃い二人。 どちらも愛の為に戦いながら突っ込みどころ満点な二人の対決は、しかしあくまで真剣なものでした。 本葉柔は、重厚な格闘描写(この人のスキルは無限大か)の中に的確かつ劇的におっぱいを入れ込み、敵方のプロローグまで回収して見せ、 日下景は、全次元最強クラスの怪物に鍛え上げられた本葉の攻略法を理性的に考えだし(大切な友人に撃つべき技ではない) 敵と味方を...
  • 本葉柔・真ケン勝負!
    本葉柔・真ケン勝負! 迷宮時計を握り締める手に、力がこもる。 真剣勝負――絶対に負けられない。 勝って、私は、大好きなあの人のことを手に入れる。 本葉柔の大きなおっぱいの中には、おっぱいよりも大きな想いが詰まっていた。 「ピ」「ピ」「ピピ」「ピ」 慎重に、迷宮時計へ数字を入力していく。 何度もやってたことがある操作なのに、今日は緊張感が半端じゃない。 手のひらにじっとりと汗がにじんでいる。 大きなおっぱいの奥で、心臓がバクバク爆音を響かせていて爆発しそう。 これは、時間との戦いだ。 必ず勝つ。 祈りを込めて、迷宮時計のSTARTボタンを押す! 「ピピピピッ! お料理はじまりーっ!」 陽気な電子音声で、迷宮時計が宣言する。 あらかじめ分量をはかっておいたデュラムセモリナを、沸騰した鍋に投入。 パスタは茹で時間が命……! 今日この日、私は最高の...
  • 真野海人&ネオ
    真野海人&ネオ ■キャラクター名:真野 海人&ネオ ■キャラクター名読み:まの かいと あんど ねお ■性別:女性&無性 キャラクター設定 ・真野海人 氷山をそのまま人にしたような、冷たく実直そうな顔もつ、長身の少女。 希望崎学園に存在する自治組織、生徒会に所属しており、 シンプルで強力な能力は、他の役員からも高く評価されている。 主兵装は刀。遠距離、中距離戦闘に対応するため投擲用のナイフもいくつか所有している。 寡黙で殆ど感情を表に出さないが、意外と人懐っこい性格。 一度覚えた技術を二度と忘れない特殊な体質をもつ。 迷宮時計にこれと言った願いをかけておらず、今を守るために戦い続けている。 ・ネオ 本名フリスクネオ。外国人のような名前をしているがれっきとした日本人で、魔人として覚醒したフリスク。 真野海人とは幼馴染で、良きパートナー的存在だと思っ...
  • リュネット・アンジュドロー
    リュネット・アンジュドロー ■キャラクター名:リュネット・アンジュドロー ■キャラクター名読み:りゅねっと あんじゅどろー ■性別:幼女 キャラクター設定 古代ヨーロッパの都市国家”グラッスィア”が残した秘宝たる伝説の眼鏡の一つ”海のメガネ”。 その適合者として、とある研究所で開発された人造魔人兵器。 研究者の女性の細胞に蟹の因子、海鳥の因子を多重に掛け合わせた結果誕生した少女は順調に成果を上げていたが、 研究所の崩壊(秘密結社テトラグラストンの暗躍があったとされる)により、街を彷徨うことになり、その最中で偶然出会ったシスターに拾われる。 そして彼女の願いを叶えるために迷宮時計の戦いに踏み込んだ。 表では彼女の存在は襲撃でLOST―――つまり失われたとされている。 ガラスのように透き通った蒼いストレートの長髪。蟹の甲羅のような深紅の瞳。 体躯は小柄で細...
  • 菊池徹子プロローグ
    プロローグ 『菊池徹子プロローグ:ツラヌキガール』 「ば、番長ーッ!カチコミだーッ!」 三死田高校の番長、著井役ヒトシの元に手下が駆け込む。 著井役はその大きな身体を気だるげに動かし、報告者に向き直る。 「フン、どこの誰だか知らんが身の程知らずなやつよ。で、敵は何人だ?」 「そ、それが……」 「ケケェーッ!どこの誰だか知らんがこの"ジャックナイフのヤス"のナイフ捌きで死ヒャァーッ!」 「……邪魔だよッ!」 「フハハハ!たった一人でこの三死田高校に攻め込んでくるとは!」 「ククク……各階に散らばる四天王すべてを突破せねばこの教室までは登ってこれませぬ」 「ヒャヒャヒャ……そしてこの教室にたどり着いても我等《三原則》が待ち受けている」 「デヘヘ……哀れ哀れ……」 三死田高校、3-B教室……薄暗い教室で4人の影が笑っ...
  • 日下景
    日下景 ■キャラクター名:日下 景 ■キャラクター名読み:くさか けい ■性別:男性 キャラクター設定 希望崎学園二年生。背が高くうっすらと筋肉のついた身体をしている精悍な男子。 実家の道場で幼いころから拳法を習っており、今では熟練の腕前を持っている。 特に打撃に関しては天賦の才があり、一撃急所に食らわせれば記憶も意識も消し飛ばすような浸透勁が持ち味。 本人の性質は温厚で、戦いよりも友人たちと過ごす平凡だが穏やかな温かい、変わらない毎日を好む。 だが、彼をとりまく状況はある日をさかいに状況は変わっていく。 友達以上恋人未満。そんな関係だった彼女の身体が徐々に蝕まれていく。 弱っていく彼女、何もできない無力な自分。 身の丈を超えた願いなんて抱いていない、ただ、変わらない日々が欲しかっただけなのに。 嘆く景の前に現れたのは『欠片の時計』 穏...
  • 古沢糸子
    古沢糸子 ■キャラクター名:古沢 糸子 ■キャラクター名読み:ふるさわ いとこ ■性別:女性 キャラクター設定 安楽椅子探偵。36歳、独身。そこそこ美人。 トレンチコート姿にストレートの長い黒髪が印象的。 かつてはハードボイルド探偵として活動していたが、四年前 「シシキリ」事件の真相を探る中に両足を切断する重傷を負い、 安楽椅子探偵への転向を余儀なくされた。それでも 「一つ事件を解決する間に三つ事件を起こす」 と謳われた腕前はいまだに健在。 愛機は 02年型ジェーン1200ZXVのカスタム。 水冷直列4気筒エンジンをアンティーク調の脚体に搭載し、 パワフルな性能とコンパクトな操作性を両立した名機。 安全装置作動下での最高速度は250km/h。 もちろん安楽椅子としての機能も十全に備えており、 緻密な人間工学がもたらす深いリラクゼーション効果は...
  • 真沼陽赫プロローグ
    プロローグ ――どうして怒ってるんだ。 ――怒りたいのはこっちの方だ。 ――どうして泣いてるんだ。 ――泣きたいのはこっちの方だ。 ――どうして笑えるんだ。 ――こっちはもう笑えないのに。 ――どうして「ごめんね」なんて言うんだ。 ――そんな言葉は聞きたくない。 ――どうして「さよなら」なんて言うんだ。 ――置いて行かないでくれ。 ――どうして。 ―― ― 真沼陽赫プロローグSS『小さな一歩、奈落へ』 ― ―― またこの夢だ。 真沼陽赫はベッドの上で自嘲する。 未だに彼女の影は消えてくれない。 鈍痛。また無いはずの、捨ててきた筈の腕が痛む。幻肢痛。 しかしそれは、この胸の痛みに比べれば些細。幻視痛。 思い出すのは、あの日のこと。 ― ―― 学校からの...
  • 日下景プロローグ
    プロローグ 日下景プロローグ「あの日夕焼けの中で」  夕焼けに染まる帰り道。僕の隣には君がいる。  ずっと、ずっと続くと思っていた穏やかな日々。  二人の間には一歩の距離、手をつなぐにはちょっと遠い。  でも、それが今は心地よい。  踏切の前、他愛もない雑談が途切れた空白の時間。 「ねえ」  君の口から、さっきまでとはぜんぜん違う硬い声が漏れる。  緊張した声色。僕より少し背の低い君は、僕の顔をじっと見つめる。 「私……」 ――ああ、ダメだ。  君の言葉に心臓が高鳴る。  もしかして、という気持ち。  まさか、という気持ち。  僕達の関係が変わってしまうのか。ぐるぐると巡る頭の中、君がゆっくりと口を開く。 「君のことが………」 「ん……何?」 ―――カンカンカン  踏切がなり、遮断機...
  • 裏第二回戦第4試合
    裏第二回戦:【過去】図書館 このページではダンゲロスSS4裏第二回戦、【過去】図書館の試合SSを公開します。 ここは、得票数がもっとも多いSSが勝者となる、誰が一番面白いお話を書けるか競いあうインターネット上のゲームを行なっている会場です。 試合SS このページを訪れた方は、誰でもご自由に以下のSS(ショートストーリー)を読んでいってください。 それぞれのSSを読み比べて、より面白いと思ったお話に投票しましょう! 面白いと判断する基準はなんでも構いません。貴方が面白いと思ったお話に投票しましょう。 貴方の投票がゲームの勝者を決める! この試合への投票は終了しました。 【投票結果】を見る 試合SS 引用する幕間SS 文字数 裏第二回戦SS・図書館その1 希望崎大学生のバイトツマランナーは新曲作成中 11,212文字 裏第二回戦SS・図書館その2 なし 22,698文字...
  • 撫津美弥子
    撫津美弥子 ■キャラクター名:撫津 美弥子 ■キャラクター名読み:なでつ みやこ ■性別:女性 キャラクター設定 ボケだらけの友人に囲まれてすっかり大人びてしまった悲しい少女。 もはや一日にツッコミをしない日はなく、どんどんツッコミが板に付いていく。 気が強そうな目をしており、ツインテールがツッコミの度にするどく揺れる。 おしゃれにも興味がある年頃だが、友人の蛮行によって大人しく一日が終わる事は少ない。 特殊能力『"木瓜殺手刀"の美弥子』 「ツッコミ」をする事によって異常な現象をなかったことに出来る能力。 「能力名ひどくない!?なんで私の名前まで入ってるの!?」 ノリツッコミ等もポイントが高い。 「ポイントって何のよ?」 常識的に起こりえるツッコミどころのない事や(普通に斬られる、撃たれる等)ツッコミが遅すぎたり適切でない場...
  • 善通寺眞魚プロローグ
    プロローグ 希望崎学園の遙か西方の地、“四国”。 88カ所に張り巡らされた結界で護られた、謎の多き土地。 ある者は『黄金と暁の地』と語り、ある者は『“新潟県”以上の魔境』と語り、 『白亜の宮殿が聳えていた』『鰹の頭部を持った奇怪な生物に襲われた』 『水という水が茜色に輝いていた』『三日三晩踊る奇祭に参加した』…… 様々な文献、証言が飛び交いながら、どれが真実でどれが虚構か未だに解明されぬまま 噂が噂を呼び続ける、不可思議な土地である。 “四国”について、今の段階で確実に言えることは―― 88の結界に、綻びが生まれつつあるということ。 その結果――トラブルが発生しているということ。 この二点である。 ~~~ 「シャアアアアア……」 「まったく、どーなっちゅーがぜよ……  随分“アヤカシ”どもが騒ぎゆうが」 とある山中にて。 熊...
  • 門司秀次プロローグ
    プロローグ 「うぎゃあああああああ!!」 河川敷に絶叫が轟いた。 筋骨隆々たるモヒカンの大男が腕を抑えてのたうち回る。 「あーあー、もう。いい大人が腕の一本が折れたくらいで。さあ?」 転げまわる男をへらへら笑いながらヤンキー座りの少年が見下ろしている。 やや軽薄な印象もあるが見た目は悪くない。 爽やかなスポーツマンといった風情の学生服の少年は抜身の刀を巨大な筆に収めた。 仕込み筆である。 指で地面に何かを落書きしながらつまらなさそうに言った。 「峰打ちですから」 「お、俺の腕ゃーッ!?」 「腕がもげたわけでもないのにさ」 少年は有り得ない方向に曲がってしまった大男の腕を対して興味もなさそうにしばらく眺めたあと、携帯電話に着信があった事に気づいたのかスマートホンを操作する。 「あーもしもし、スンマセン。いやー、ちょっと戦闘中だ...
  • 羽白幾也プロローグ
    プロローグ  太陽が燦々と輝くある日のこと。子供は遊具で元気良く遊び、高校生と思わしき男子は二人でキャッチボールをし、ママさんたちはベビーカーとともに世間話をしている。  様々な人間が各々の目的をもってこの公園に集っている。そんな中、一人の男がベンチでうなだれていた。 「はあ……このままだとあと二日で金を使い果たしちまう……やっぱり俺ってダメなやつだな……」  残り所持金が4桁を切った財布の中身を見ながら羽白は呟いた。1周間前に行われた地下魔人格闘大会で優勝賞金100万円を手に入れた羽白だったが、1週間でほぼ使いきってしまった。  賞金を手に入れたその日にキャバクラに出かけ9割を使い果たし、その後もちょくちょく無駄遣いと浪費を重ねる生活をしていたのだ。当然の結果である。 「ああ~またやっちまったなあ~。無駄遣いしないって決めたのになあ~。どうして世の中ってこんなに誘惑が多いん...
  • 潜衣花恋プロローグ
    プロローグ 私は自分の花恋という名前が苦手だ。 花や恋という字も、かれんという響きも、私のようなぶっきらぼうには似合わない。 早くに亡くなった両親がくれたものだから、もっと大切にしなければとは思うのだけれど 私のことを花恋と呼んでいいのは愛花姉だけということにしている。 「花恋」 非常に不本意なことではあるのだが、数少ない友人たちに私は極度のシスコンであると認識されてしまっているらしい。 いや、確かに愛花姉のことは大好きだし大事だけれど、シスコンとかそういうのではないはずだ。 両親が死んで、二人別々に親戚に引き取られそうになったところを「花恋は私が育てます。二人で生きていきます」と宣言し、有言実行してくれた愛花姉に感謝しない訳がないじゃないか。 まあ確かに小さいころに「私お姉ちゃんと結婚するー!」とか言ってた記憶はあるけれど、今でも本気で結婚できるとか...
  • 飯田カオルプロローグ
    プロローグ 肉皮ゲーリングという怠け者の男がいた。 三十歳になるまでニートしており、働きたくないという思いから 働かなくてもいい社会作りを公約として選挙に出馬するが最低票数で落選。 その後、日雇いの仕事と工場勤務を掛け持ちして選挙資金を稼ぎ、 住民票を移しながら全国どこかの県会議員選挙にほぼ毎年出馬しては落選し続けた。 40歳の時両親が死亡。同時に全国に染みついたダメ候補な自分のイメージを 消し去る為に生まれ変わる事を決意する。末期がんのホームレス飯田から戸籍を買い取り、 肉体労働で選挙資金を稼ぐと同時に変装用ゴムスーツの開発に取り掛かる。 46歳の時に試作スーツが完成するが実際に着てみるとどう見てもメタボなマネキンだったので 一から作り直す。この間、選挙に三回落選。 女装が得意な親族魔人数人からヒントを得て50歳の時に変装用ゴムスーツが完成...
  • 綾島聖プロローグ
    プロローグ 「――神父様。時計なんです」 その日の午後、綾島聖の部屋に訪れた相談者は、いささか様子が違っていた。 希望崎学園における生徒の悩みは、時に常識を遥かに超えることがある。 超常の能力を持つ《魔人》、ましてや思春期の未成年が集う学び舎なればこそ、 彼らが抱える問題の種類も通り一遍のものではない。 しかし、このとき、綾島にすがりついた少女の悩みは、 そうした希望崎特有の事情を差し引いてもなお特別であった。 少女の手には、どこか禍々しい懐中時計が握り締められていたのである。 「大宮さん。落ち着いてください」 綾島は、温和な笑みを崩さぬまま、優しく彼女の肩を支えた。 いまにも崩れ落ちそうな風情であったからである。 「まずは、事情を。そうでなくては、私もあなたの力になれませんよ」 「ああ、神父様」 大宮と呼ばれた少女は、目に涙を浮かべて...
  • シシキリプロローグ
    プロローグ 『花いっぱいの街には、もう帰れない』 祝薗盛華(ほうそのせいか)は、脳内がお花畑の魔人だった。 どのぐらいお花畑かというと、能力対象が半径20キロの全ての植物。あきれた広さである。 効果は、植物をちょっとだけ元気にする。それだけだ。 常時発動のパッシブで、出力の調整も効かない垂れ流し状態。 お陰様でわが町は緑と花の溢れる素敵な街だった。 植物が元気になるのは良いことばかりではなく、雑草は延び放題だし、花粉症シーズンは毎年大惨事だ。 だから、密かに彼女のことを恨んでいる人間は意外に多かったかもしれない。 たぶん盛華のFS名は「脳内お花畑」。少なくともFS15点以上。下手すると20点の極振り。 彼女の身体能力は普通の人間と全く変わりなく、いや、むしろ並以下だった。 そして、彼女は朗らかで、花と緑とこの街の人々を、心から愛していた。 そんな彼女だ...
  • 補陀落とろろプロローグ
    プロローグ 「アハーッ! ねえ! ねえ、キユさんッ! せんぱいを……あたしのせんぱいを、どこに隠したんです!? アハハッ!」  補陀落とろろの身体の下で――、とろろ汁の腐海に沈んだキユは口の中いっぱいに押し込まれたとろろ汁を必死に吐き出しながら……。泣いていた。 「アハハーッ!」  とろろがどろりとしたとろろ汁を右手に掬い上げ、己の股間へと激しく擦り込む。少女の小さな身体が異様なむず痒さに打ち震える。同時に左掌で掬ったとろろ汁をキユの菊門へと強く押し込むが、この残酷な仕打ちにも少年は身を震わせるばかり。まるで抵抗しない。彼はなおも泣きながら、答えた。 「ナマ子は……もう、帰ってこない……」 「アハッ? またそれですかァー? アハハハ! ねえ、どこに隠したんです? どこに……アハハッ!」 「虎の尻穴」からの卒業後、とろろが組織から与えられた最初...
  • 刻訪結
    刻訪結 ■キャラクター名:刻訪 結 ■キャラクター名読み:ときとう ゆい ■性別:女性 キャラクター設定 都内の某私立女子中学校2年生。 襟の十字が特徴的な長袖のセーラー服と黒のストッキングに身を包み、 肩までくらいの長さの黒髪をもつ点は一般的な女子中学生と大差ないが、 頭の左上に付けている赤い花飾りと吸い込まれそうな黒い瞳が特徴的である。 7歳の時に両親を事故で失い、親戚の家に引き取られたが養親に酷く虐待された。 彼女の育った綾辻家は「裏」で名を馳せていた『危辻』(あやつじ)の系譜であり、その血を引く彼女を恐れたのだ。 虐待に耐えかねた彼女は『操絶糸術』(後述)で養親を殺害した。 現在は『刻訪』の住居兼事務所で会長・副会長夫妻と共に生活している。 幼い時に両親を失い親戚には虐げられた彼女は、『刻訪』の人々を家族のように慕いそして彼女もまた愛されるこ...
  • 猟奇温泉ナマ子プロローグ
    プロローグ 「あなたのセックスは悲しい……」  と、あの女は言った。寂しそうな顔を私に向けて……。  やめろ、そんな目で私を見るな!  思わず私は叫んでいた。 「馬鹿げたことを。セックスは人を支配する力! 私は貴様の力に敗れた! 支配されようが殺されようが構わん。……だが、私を。私を憐れむな!」  ウウッと唸り、私は膝をついた。目の前の女の顔を見ているだけで……準決勝で受けた愛撫の感覚が蘇り……私のおぱんつがビチョビチョに濡れていた……。  女の瞳からツウ――と一条の涙が零れ落ちた。 「ナマ子さん……セックスは、共に楽しむもの……。私はあなたと、もう一度セックスがしたい」 「ふざけるな――」  差し出された女の手を私はパシッと弾いた。くうッ――。その一瞬の接触だけで股間から激しく愛液が弾け飛ぶ。糞ッ、肉体が……身体が反応してしまう! エリ...
  • 山禅寺ショウ子プロローグ
    プロローグ ◆ 「「「何があっても三・千・字!絶対詰めるぞ三・千・字!!」」」 『ショウ子、……その……何故、自分の名を連呼しているんだ』 「山禅寺じゃなくて三千字!私にもよくわからないけど、私の内の何かが、そう囁くんだ。絶対厳守・三千字!って」 『囁くというレベルではなかったぞ……。絶叫だ。リベラル系市民団体のデモ行進かと思った』 「ふっくん。んなどうでもいい事でちんたらしてる暇ないよ!さっさと仕事を始めないと!」 山禅寺は振り返る。 パフブラウスの胸元に結ばれた赤いネクタイが風になびく。右耳のイヤリングがチャリンと音をたて揺れた。 無数のパイプの曲線と、固い鉄壁の直線で構成された黒い要塞が彼女の眼前いっぱいに広がる。 『原始共産軍魔人指令基地残党の壊滅が今回の仕事だ。兵士が百人、警備ロボットが二百体、魔人が五人。速攻で解決するには、少し...
  • 飴びいどろ
    飴びいどろ ■キャラクター名:飴 びいどろ ■キャラクター名読み:たがね びいどろ ■性別:女性 キャラクター設定 一子相伝で製造技術が伝えられる伝統工芸のガラス細工”ボヘミアン=切子”職人の65代目後継者。髪は黒いが眼は琥珀色。 現在19歳にして両親無し、15人いる弟妹の世話を1人でしている。工房の仕事だけでは生計を立てられないので法律違反行為もしているが、普段はそのような行為をしていると疑うことも出来ない程純粋な人間として振舞っている。 高校時代の親友や隣人に幸せのダイヤモンドなどと呼んでガラス玉を高価で売りつける事に抵抗は無い。信じられるのは自分と弟妹だけ。 試合空間に持ち込む物 ガラスのナイフ(透明度が高い物)×20 ガラスのナイフ(透明度が低い物)×10 ガラスの串×10 一升瓶一本とその中にたっぷり詰めてあるビー玉 父の置いて行った小瓶に入ったウ...
  • 折笠ネルプロローグ
    プロローグ さあ、さあ、御立会いの紳士淑女の皆様方。お目にかかり恐悦至極。 僕は折笠ネル。これより始まる、活劇の御案内を致す者。主演の一人でもございます。 どうぞ、そのまま御観覧をお願い致します。 では、本日の演目を御紹介致しましょう―― 折笠ネルプロローグSS『わたしこそが、その陽気な夜の放浪者なのです』 対戦レギュレーション 【戦場】 劇場 【時代】 過去 【戦闘領域】 劇場内 【勝利条件】 対戦相手の殺害、戦闘不能、降参、または戦闘領域離脱 対戦キャラクター:折笠ネル 【破壊力】 B+ 【運動能力】 B 【攻撃射程】 A 【耐久力】 C+ 【知力】 B+ 【精神性】 B+ 【特殊能力】 『廬斉夢蝶折据』:折紙で折った造形の具現化 対戦キャラクター:サンプル太郎 【破壊力】 A+...
  • 浅尾龍導プロローグ
    プロローグ 【古代】花園 戦闘領域:1km四方 今では存在しない花々が咲き乱れる大平原。 辺りにはむせるような花の香りに誘われた虫達が飛び回り這い回っている。 身を隠せるような物は無いので開始直後から気が抜けないか。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 見渡す限りの砂漠に佇む20代半ばの女、浅尾龍導(あさおたつみ)は逆手に持った長大な剣を足元に突き立てる。 120センチの剣身の半ばほどまで埋まったそれは、手を離すと自身の重みで徐々に傾きやがて倒れる。 「何でも切り裂く剣も砂が相手じゃ形無しだな」 やれやれと頭をふって場違いなバニースーツに包まれた体を折...
  • 飴石英プロローグ
    プロローグ 飴石英プロローグSS『痒い所はありませんか?』 ~http //www.music-note.jp/bgm/mp3/0723/musicbox.mp3~ 「硝子が割れる音が聴こえるんです」 目の前に座った少女はそう言った。 少女はキリコと名乗った。 「そう、ですか。他には?」 「少し足が痛みます」 清潔感のある白い部屋には僕と少女と看護師が居る。 消毒液の匂いがする。 「とても怖い思いをされましたからね。その時に感じた事が頭に蘇るというのは不思議な事ではありませんよ」 暴走した大型トラックが買い物客で賑わうショッピングモールに突っ込んだのは数時間前の事だった。 運転手は即死、多数の死者と怪我人がでた。 少女はその事故の只中に居たのだ。 幸いな事に少女は擦り傷だったが目の前で多くの人が死んだ。 見た目は落...
  • 飴びいどろプロローグ
    プロローグ 注 このプロローグは戦闘時のキャラクターの立ち回りをアピールする為の物なので、本編では使われない戦闘空間『樹海(現代)』を利用します。 あくまでも本編と被らないようにする為ですのでご勘弁お願いします。 緑、どこまでも続く密林。どこから出られるのか、出た先に何が有るのか、何も分からない森の中、対峙する2人の男女がいた。 女は作務衣にウエストポーチ、背中に紐で縛り付けた一升瓶を背負うという妙な姿をしていた。年齢は若いが、学生には見えない。 女の名は 「飴 びいどろ」。今この場に転送されたばかりであったが、男の事を見るなり驚きと怯えと敵意を交えた目を見せて、彼から距離を取った。 男の方はというとこちらも妙な姿をしている。いや、厳密に言うと、服装は着崩した上下グレーのスーツという街を歩いていても違和感が無い物だったが、手に持っている剣のような物が妙な存在感を醸...
  • 善通寺眞魚(裏)プロローグ
    プロローグ とある満月の夜。 “四国”のとある山中にて―― 曲がりくねった峠道で、二人の人物が対峙していた。 片方は、白黒の虎に跨った青年。 もう片方は、どこにでも居そうな老婆である。 その両者が――時速数十キロで併走しながら、視線を合わせていた。 「け、けけけけええぇぇぇっ!」 老婆が奇声と共に、手にした鎌を青年目掛けて投げつける。 青年は背負っていた筆を抜き、鎌を“払い”落とす。 「そんなにあわてて走らいでも良かろうに……っと」 「けけええぇぇっ!!」 老婆は妨害が無駄と悟るや、速度を一段と上げる。 青年は足元の虎に活を入れ、それに追い縋る。 「悪りいけんど、逃がすわけにはいかんちや」 目の前に、峠道特有の急カーブが差し迫る。 右に大きくうねった90°の大カーブの先は、奈落の谷底。 老婆は...
  • 蛎崎裕輔プロローグ
    プロローグ 山が燃えている。 木がバチバチと音を立てて倒れていく。逃げ遅れた人たちの死体の焼ける臭いが鼻をついた。 北海道のにおいだった。これが北海道だった。 母さんが僕の手を引いてくれていた。僕を逃がそうと必死に走ってくれていた。 その時、山の方から大きな音が響いた。重低音と高音が混じっているような、とにかく怖い雄たけびだった。 エゾヒグマだ。いつも聞いている。エゾヒグマの声だ。 エゾヒグマが暴れているんだ。冬眠の出来なかったエゾヒグマが他の動物が木々に当り散らす。それもまた北海道ではよくあることだ。 僕は母さんに手を引かれながら、燃えている山をみていた。山は真っ赤だった。まるで地獄のように炎が地面を覆っていた。北海道の風景だった。 またエゾヒグマが雄たけびがあげた。エゾヒグマが立ち上がる。炎がその黒くデコボコとした皮膚を照らした。 怖い。そう思った。だけどこれが北...
  • 鈍亀の継嗣プロローグ
    プロローグ ■鈍亀の継嗣プロローグSS 叛逆のガールミーツヒューマノイド■ ■1:ダイダラボッチ■ AD1944年2月24日。 首都に大型爆撃機の編隊が大挙して来襲した。 大本営陸軍参謀本部の「戦況手簿」によれば、迎撃部隊の高射砲師団による砲撃は大型爆撃機の飛行高度に到達せず、首都はなすがままに蹂躙されたという。 ――――しかしそんな記述と並んで以下のような一文がその「戦況手簿」には記されている。 「B29(大型爆撃機)、11機の墜落を確認。墜落原因は墜落した機体を基に調査析中。現在のところ長距離航行の練度不足が有力。(現代語訳済)」 また、灼熱地獄と化したその日の首都から、幸運が重なった末生き残った者は後にこう語る。 「(前略) もう、町中真っ赤でなぁーんも見えんかった。 焼夷弾はそれこそ雨みたいだったし、空気が全部燃えちまってる...
  • 菊池一文字プロローグ
    プロローグ 『なあ、子供なんて拾ってどうするつもりなんだよ』 『だってさ、放っておくわけにも行かないじゃない』 『つってもよ、私達はこの世界の人間じゃないんだ。過度の干渉は避けるべきだ』 『だからだよ花恋。アタシたちがいなくなったら、誰がこの世界を守るんだ?』 『その答えがあの組織、か。……徹子。あんた、どれだけお人好しなのよ』 『今更ねえ』 『今更だな』 『……それに、さ。アタシたち、もういい年じゃない。子育ての経験をしておくのも悪く無いなって』 『……歳の話はやめろ』 ----------------------------------------------------- ――菊地徹子と潜衣花恋が戦いを終えて60年後。 「ふーっ、疲れたー!」 『お疲れ様です、菊池一文字様』 「いやはや、お疲れ様でございます」 銀のマントに赤い...
  • 撫津美弥子プロローグ
    プロローグ  私の名前は撫津 美弥子、どこにでもいるごく普通の小学六年生。  ちょっとおしゃれに興味がある本当にごく普通の小学六年生です。  ただ、そんな私の周りにごく普通ではないものが存在します。それは…… 「みやちゃんみやちゃん!さっきさ!おばあちゃんが困ってたからさ!助けてあげたんだよ、んで、お礼にこれもらった!」  唐突に現れ唐突に全ての要素を言い切り唐突に私の手にほいと手渡された物を私は見る。 「おにぎりだと思うんだよね」 「おにぎり?……」  うん、確かに黒くて丸いよね。  でもね、ただのおにぎりに、危ない音を発しながら燃え尽きていく火のついた紐はついてないと思う。  そしてこういう時、私がすべきことは一つしかない。 「……って、これはどうみても……爆弾じゃないのー!!」  瞬間、辺り一帯が光と熱に包まれる。  死...
  • メリー・ジョエルプロローグ
    プロローグ わたしはだれ 疑問は泡のように次々と浮かび上がり はじけて消える わたしはだれ? 「起動実験を最終フェーズに移行。器と【迷宮時計】との接続を確認」 身体から幾重にも伸びる配線と 肺まで満たす培養液 「異次元空間への干渉波安定しています」「素晴らしい成果です、イライザ博士」 わたしにとって世界とは強化プラスチックの向こう側 「やはり、人間の脳を経由するアクセスは【迷宮時計】の防御機構を刺激せずに済む。 これこそ【迷宮時計】の完全制御へと至る唯一の道筋。わたくしの考えは間違いではなかった」 『支配せよ』 わたしのからだの真ん中で 疼き続けるひとつの本能 『迷宮時計を支配せよ』 それがわたしのすべきことなの? 「検体の様子はどう」「脳波正常値。眠ったままです」 こわいゆめをみるの どこからき...
  • 天樹ソラプロローグ
    プロローグ 「天樹ソラ プロローグSS『いつか彼を忘れてしまうであろう私のための備忘録』」 『現在 廃墟世界』  ふと気が付くと、手元に自分の頭で影ができていた。  空を見上げると、ちょうど真上に太陽が来ていた。  公園のベンチに座ってノートを書き始めた時には、太陽は登り始めたばかりだったのに。いつの間にこんなに時間が経ってしまったのだろうか。  時刻を確認しようとカバンを開く。  いつも時計を入れてある手前の内ポケット、中には何も入っていない。  ちょっとアレっ、と思ってから時計はもう無いことを思い出し、苦笑が漏れる。  時計を失ってから、何日がたっただろうか。  頭では分かっているはずなのに、染み付いた習慣はどうしても抜けてくれない。  苦笑いに合わせて、お腹からも音がした。そういえば、今日は朝から何も食べていない。  誰かに聞かれていたら恥ずかし...
  • 刻の辻斬りプロローグ
    プロローグ  乾いた砂、乾いた風。  そしてそこに燦々と輝く太陽は、そこに住まう獣達にとっては当然常に存在するごく当たり前の存在である。  しかし、今この場に舞う風と砂埃は、獣達にさえ到底受け入れられるものではなかった。  戦闘空間、サバンナ。時代は、過去。 「はッ……その程度かよ……拍子抜けだな……!」  砂塵の霧の中、一人の男の目の前には巨大な剣を手にした女が存在している。  女はこともなげにその剣を構えると、再び飛び出すように強く地面を蹴り、砂埃を舞わせた。  また同じ手か。そう考えた次の瞬間には女は既に男の目の前に存在していた。  能力かどうかはともかく、この女は高速移動剣術を得意としている。  まさに目にもとまらぬ速さと言った所か、男にはその動きを見切る事が全く出来なかった。  だが攻撃自体は単調そのもの、初見で自分を殺しきれなかった時点で大...
  • 山禅寺ショウ子 真本格プロローグSS
    山禅寺ショウ子 真本格プロローグSS ◆山禅寺ショウ子 真本格プロローグSS 「「「何があっても・三・千・秒!絶対詰めるぞ・三・千・秒!」」」 地獄のような一人大合唱を終えると、探偵は感想を求めるようにせかせかと懐中時計を開いた。 懐中時計が口をきく。『ショウ子……』 「はい」探偵は答えた。 『ことあるごとに叫ぶそれは、一体なんなのだ?』 「わかんないよ!でも何か叫びたくなるんだ。私の能力と関係してるのかもね」 『ふむ………………』 喋る懐中時計――通称『ふっくん』は、思案するように眼を閉じた。 彼の腹に収まった秒針だけが、コチコチと音を起てる。 「ちょっと」と探偵。 「ちょっと、ちょっと、ちょっと、考えてる暇なんてないよっ!急がないと!今日の仕事を!」 『そうだな』 三千秒探偵――山禅寺ショウ子は振り返った。 パフブラウ...
  • 千葉時計草(伊藤日車)プロローグ
    プロローグ  ――京都・中梅(なかうめ)工房製、第十一期醸造生「遠藤之本格中梅ヶ日車(えんどうのほんかくなかうめがひぐるま)」、第三等級認定。探偵として一定の水準に達したるを認む。以後、精進されたし。  続き、汝の稲(いな)に蔵された魂(たま)に告げる。  五箇条の誓文をもって、真実に辿り着くべし。  一に、人工探偵は、被害者たる可能性のある全ての人間に危害を加えてはならない。  二に、人工探偵は、可能な限り加害者の身命を擁護しなくてはならない。  三に、人工探偵は、可能な限り自分の存在を保持しなくてはならない。  四に――  その第一声を理解したことは、今でも覚えている。  相手は誰だったか、生みの親か、名付けの親か、探偵の家か――。  「ねぇねぇ、向日葵(ひまわり)、ひまわり」  ……! 白昼夢とは、自分らしくもない。肩を揺さ振ら...
  • スプリング・ハズ・カム・フォー・マイ・フェア・レディ
    スプリング・ハズ・カム・フォー・マイ・フェア・レディ 切り裂きジャックが死んだらしい。 とんだ間抜け野郎だ。 だが、ロンドンの闇がすべて排除されたと思ったら大間違いだ。 まだ俺がいる。 切り裂きジャックの義兄弟、バネ脚ジャック様がな! (題名のスプリングって、そっちのスプリングなのーっ!?) なんだ? 時空を超えた突っ込みが飛んできたぞ? まあいい。 俺は、切り裂くだけしか能がないリッパーの奴とは違う。 両足をバネに変える最強の能力『ドクター・ナカマツ』で、世界を恐怖で染め上げてやる。 (能力名が時空を超えてるんだけどーっ!? ていうか、シェルロッタの能力の完全下位互換で最強とか言ってるーっ!?) 誰だよお前、うるさい幼女だな! 能力ってのは本体性能が伴ってこそ最強なんだよ! 見よ、ロンドン橋を軽々と飛び越えるこの身体能力! ...
  • 刻訪朔プロローグ
    プロローグ 1  夏休みが明けてひと月が過ぎ、迫りくる中間テストの気配がにわかに強まってきたこの頃。  昼下がりの希望崎学園高校は、魔人が多いといえども高校生の集団の多分にもれず、今日もかしましい。  いつも通りの昼食の時間ですらはしゃげるのが、若さに与えられた特権なのだろうか。 「たっだいまー!焼そばパンゲットだぜ!」 「おかえり、元気。今日も元気だね」 「それはダジャレなのか!?んんー??」 「いや、違うけど」  死闘を制した友人を気だるい雰囲気で迎えた彼が、今回の主人公である。  体格は中肉中背、黒髪M字バングにブレザー、部活は帰宅部という、流行りのラノベの主人公のような見た目がメタ的には逆に特徴的な 彼は、男女分け隔てなく接することができるスキルに美男美女だらけの世界で普通の見た目であるというスキルも有している、いわゆる隠れリア充主人公だった...
  • 本葉柔 vs 時ヶ峰堅一(その4)
    本葉柔 vs 時ヶ峰堅一(その4) 川沿いに植えられた桜の花もあらかた散って、葉桜の季節になろうとしている。 連休を間近に控え、誰もが浮き足立っている四月下旬。 私は交差点の角の塀の陰にこっそりと隠れて、あいつが来るのを待ち受ける。 (遅刻遅刻ー、ってね) 左手には、こんがりキツネ色に焼けた美味しいバタートースト。 誰が見ても一切怪しくない遅刻しそうになって慌ててる美少女だ。 尾行を重ねることによって、時ヶ峰堅一の通学ルートは完全に把握した。 偶然を装って角から飛び出して、激突する。完璧な計画。 塀の向こうから、時ヶ峰の足音が聞こえてきた。 足音だけでも、はっきりと彼だとわかる。 歩幅が広く、力強い足音を聴いてるだけで、背の高い彼が真っ直ぐに背筋を伸ばして姿勢よく歩く姿が目に浮かぶ。 バタートーストを口にくわえて突撃準備。 自分のおっぱいに手を当てる。 ...
  • ツマランナープロローグ
    プロローグ 【ツマランナーへ】 突然死んでしまってごめんな。実は俺と凛は迷宮時計争奪戦というのに参加しとってん。 最初は俺も優勝してさっさと日常に戻ろうと思ってたんやけど、凛も参加者と知ったから 二人で相談してここで諦めてもええと思った訳よ。正直しんどかった。ほな、な。 PS:俺らの死体触ったら俺の言った事の意味分かるけど参戦の義務が発生するから注意しろよ! 【ツマっちへ】 詳しい事は大体チンネンが書いてたから私からは特に何も。 PS:あの世ではもっと上手い人と組むから後追いするなよ! 後、有名なグループのマネして中途半端なパンチラしてるけど止めた方がいいと思う。 ツマランナーが遺書に目を通したのはスタジオで首を吊った二人を降ろしてからだった。 彼の全身に時計盤が浮かび上がり、迷宮時計についての知識が流れ込んでくる。 「先に遺書に目が行く様に...
  • 裏第二回戦SS・図書館その3
    裏第二回戦SS・図書館その3 『火曜日、資源ゴミ、旅のはじまり』 CONTENTS ■ボーダリアンの宣誓 ■AT2014年12月17日潜曜日、本葉柔の世界、東京都内の雑木林 ■迷宮時計の秘密 その2 ■AD2044年12月17日土曜日、コウの世界、成金氏の邸宅 ■迷宮時計の秘密 その15 ■AD2014年12月17日金曜日、ツマランナーの世界、スタジオ跡地 ■迷宮時計の秘密 その9 ■AD1748年12月17日火曜日、基準世界、ボーダリアン図書館本館・開架エリア ■迷宮時計の秘密 その5 ■AD1748年12月18日水曜日、基準世界、ボーダリアン図書館・中央庭園 ■迷宮時計の秘密 その7 ■AD1748年12月18日水曜日、基準世界、ボーダリアン図書館・喫茶室 ■迷宮時計の秘密 その3 ■AD1944年2月24木曜日、基準世界、首都東京・学徒動員工...
  • 山口祥勝プロローグ
    プロローグ  東京都大田区に本社を持つ『和谷』といえば、居酒屋チェーン店のフランチャイズから独立した、飲食・介護・有機農業など幅広い分野でめざましい業績を上げる大企業として有名だ。  一方で、悪評もある。年休二日、月あたりの平均時間外労働280時間、賃金の非払いといった劣悪な労働環境が噂されていることに加え、会長である渡来充の「365日24時間、死んでも働け」「メシを食える店長は二流。食事を必要としなくなって初めて一流」といった問題発言ゆえにだ。  しかし、現在に至るまで『和谷』が労働基準法違反を摘発されたことはない。政界にもパイプを持つ渡来が厚生労働省に根回しして、労働基準監査が来ないというのも理由の一つ。しかし最大の理由はそこではなく、劣悪な環境に置かれたはずの従業員たちが、全く内部告発を行わないということにあった。 「い、いや、やめて……やめてぇー!」  女性の悲鳴...
  • ウィッキーさんプロローグ
    プロローグ ―某月某日8:35― 「ハイ――」 いつものように受話器をとった受付番は、その聞こえてきた声に自分の耳を疑った。 いや事前に聞いてはいたのだ、聞いてはいたのだが、それでも天地がひっくり返るほどの衝撃を受けた。 それはそれほど『力』のある声であったのだ。 『”グッドモーニングー!!”』 てれれれてれれれれれ♪てれれれれ♪ グッドモーニングー!!IKEMATU! 瞬間、彼の脳裏にかつて毎日見ていた朝の番組の懐かしいあのコーナー、あのテーマ曲が、つた走った。 「ひゃっ  ヒャハー!!!!ウィッキーさんだーーーーーー!!! 本物キター!!」 彼は端的に言ってその番組の大ファンだったのだ。 元々普段からテンション高めの受付(*当番制)ではあったが今日はいきなりテンション最高潮の クライマックスに達していた。 これは今でも稀によくあるこ...
  • 雨竜院暈々プロローグ
    プロローグ  ――死にたくない。  ――暑い。渇く。痛い。焼ける。熱い。  ――死にたくない。 「ん……」  ガラリとドアの開く音が、雨竜院暈々の眠りを覚ました。 「げ! 姉ちゃん」  続いて、ドアを開けた弟・暈哉の声が微睡みをすっ飛ばして彼女の意識を現実へ引き戻す。  暈々は入浴中、湯に浸かったまま眠りに落ちていた。 「あら、暈哉。ずいぶん大胆な覗きね。ダメよ、義理とはいえ姉なんだから」 「ちげーよ!! 姉ちゃんそ(・)の(・)状(・)態(・)じゃ外から入ってるってわかんねーじゃん!!」  暈哉がそう叫ぶ。  今の暈々の肉体は湯と同化した状態だった。暈々は湯船に盛られた39℃のゼリーと化し、そこに顔だけが元の形で浮かび上がっている。  同性愛者の暈哉だが、喩え女体に興味津々のヘテロな中学二年生でもこの裸体(?)に欲情するのは厳しいに違いない。 「俺も夕...
  • 一切空プロローグ
    プロローグ 「皆様、正面スクリーンをご覧下さい……では10億円より開始いたします……30、35、38……50。50億。52。55……」  壇上に登った男が非人間的な数字を矢継早に積み上げる。ホールに居並ぶ参加者達は各人思い思いの虚栄に身を包み、高度に記号体系化された無言のジェスチャーでそれに応える。10メートル四方ほどの絢爛なその競売会場は、奇妙に冷え切った熱気に支配されていた。 「60。61。65……」  古川商会は戦後より60年ほどの歴史を持つ美術品専門の競売会社である。市井の人々の口には決して上らぬその名は、社会表層の皮を一枚潜ればまるで流行りの唱歌のごとく広くに知られている。それはこのちっぽけな同族経営の旧有限会社が、魔人の手によりこの世に生み出された尋常ならざる美術品を入手するための、ほぼ唯一の入り口であることによる。 「72億。72億……他の...
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