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電池の劣化防止 - (2011/05/29 (日) 21:50:08) の1つ前との変更点

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#contents ---- *電池の劣化防止 **リチウムイオン電池の取扱い注意 ***満充電状態での劣化進行 ●リチウム電池は &size(24){満充電}に近い状態や &size(24){高温}状態の時間が長くなる程 &size(24){電池劣化が早く進む}ので注意! ■電池残量と劣化し易さのイメージ図 |BGCOLOR(#FFCC99):0-10%&br()劣化:大|BGCOLOR(#99FF99):10-20%&br()劣化:小|BGCOLOR(#66CCFF):20--60%&br()劣化:最小|BGCOLOR(#99FF99):60-70%&br()劣化:小|BGCOLOR(#FFFF99):70-80%&br()劣化:中|BGCOLOR(#FFCC99):80--100%&br()劣化:大| ・ベイサンHPの『[[リチウムイオン電池の基礎>http://www.baysun.net/lithium/lithium12.html]]』より抜粋すると、「リチウムイオン電池は保存状態により劣化の程度が変化します。満充電に近く、保存温度が高いほど容量劣化が大きくなります。たとえば充電量が30%以下で、保存温度が15℃以下であれば、&bold(){1年間の保存でも数%の容量劣化で収まり}ます。一方、満充電で45℃で保存すると、&bold(){6ヶ月でも場合によっては60%程度の容量レベルにまで劣化する}こともあります。」とある。 ・また満充電とは逆で、バッテリー残量を完全にゼロにする様な&bold(){【完全放電】}も、バッテリーを傷めるのでNG。電動アシスト自転車の場合は制御装置が安全マージンを取り、完全放電前にアシストは止まるので完全放電を起こす可能性は少ない(残量が少ない状態で充電せず長期間放置した場合は危険だが)。 ・イメージとしては「&bold(){満充電状態のリチウム電池は内部に高密度のエネルギーを蓄積していて、充電量が多いほど電池が自分自身の内部エネルギーでダメージを受け易い}」と捉えておくと良い。残量を少なくして保管している間は、内部に溜まっているエネルギー量が少ないので、電池自身が受ける自傷ダメージも少なくて済む。 ・リチウム電池を長持ちさせるには、&bold(){できるだけ「満充電に近い状態の時間」を短く取る}事にある。たとえ満充電にしてもすぐ使用すれば問題ない。しかし、満充電の状態をずっと維持するほど電池にダメージが溜まっていく。 ---- ***良くない使い方 ■NGな使用例 満充電状態からちょっと使ってすぐまた満充電にする ・一番良くありがちで、尚且つリチウム電池にとって良くない間違いは、満充電状態から20%ほど使って帰宅したらすぐ充電器に突っ込み、満充電状態で保存する事。これだと常時&bold(){「残量が100%~80%」}の間をずっと維持してしまうので、&bold(){最も電池に良くない}使い方となる。 ・特に&bold(){「電池が減ったら不安になってすぐ満充電にしてしまう」という間違い}を起こす人が多いので要注意。「残量が50%~100%」の間で使うのと、「残量が50%~0%」の間で使うのでは、満充電状態に近付く前者の方が電池の劣化は激しくなる。 夏に直射日光の当たる場所において高温状態にしてしまう ・夏は電池が高温になり易く、劣化が進行しやすい状況にある。なるべく直射日光の当たる場所への長時間駐輪は避ける。やむを得ず日陰の無い炎天下に駐輪する場合は、バッテリーにタオルをかける等して少しでも高温になる状態を軽減する。 冬に極端な低温下で使う ・冬は高温による劣化の心配は無くなるが、低温になると電圧が下がるので、実質的な電池の性能は1~2割ほど落ちる。気温が上がれば性能が元に戻るので、寒い朝に使う場合は使用直前に暖かい部屋で常温まで暖めておくと良い(もちろん暖房の真下など高温はNG)。 ・0度を下回る程の低温だと、まともなパワーが発揮できなくなったり、充電できなくなる事がある。バッテリー製品全般に共通の特徴だが、&bold(){冬に常時10度以下になる様な寒冷地}での使用には不向き。春まで稼動休止状態になってしまう。また充電器も極端な低温の場所への設置は避ける。 ---- ***電池寿命の定義 ・リチウムイオン電池は、新品時が最も性能が高く、その後経年劣化で&bold(){電池容量(稼働時間)が毎年10%~20%ずつ低下}していく。電池劣化の進行速度は使用環境により異なってくる(後述)。 ■電池劣化のイメージ図(減少度合いは環境により変化) |BGCOLOR(#FFCC99):新品時100%>>>>>>>|BGCOLOR(#FFFF99):1年目85%>>>>>>|BGCOLOR(#99FF99):2年目70%>>>>>|BGCOLOR(#66CCFF):3年目55%>>>>|BGCOLOR(#CC99FF):4年目40%>>>| ・仮に&bold(){新品時に20km}走行可能な電動アシスト自転車を買った場合、時が経つに連れて徐々に経年劣化が進行し、&bold(){2年後には約14km}、&bold(){4年後には8km}、…等と、航続距離が低下していく。 ・メーカーの&bold(){「電池の寿命」}の定義は、&bold(){「電池の容量が約半分(50%~60%位)に減少した時」}を指す。つまり、「寿命」とは&bold(){「使用不可能」になる訳では無い}。容量が減るだけで使用は問題無くできる。 ・電動アシスト自転車ユーザーにとっての&bold(){「電池の寿命」}の定義は、&bold(){「自分が普段使う航続距離を下回った時」}となる。例え電池劣化が40%まで進行しても、自分の使いたい距離を走れていれば、まだそれは&bold(){自分にとっての「寿命」}とは言えない。 ・ただし、リチウムイオン電池の中には&bold(){「制御回路」}が搭載されていて、あまりに古くなった電池が充電中に発火するのを防ぐ為に、&bold(){「使用期限タイマー」}(言わば時限爆弾)の様な物が設置されている。 ・例えば3.0Ahや4.0Ah等の&bold(){Sサイズのバッテリーは約5年}、6.0Ah等のMサイズのバッテリーは約6.5年、8.0Ah等の&bold(){Lサイズのバッテリーは約8年}で、電池内回路の安全装置が働いて強制的に&bold(){使用不能}(エラーが出て充電できなくなる)になる。 ・よって、取扱いを極度に気にしすぎても時限タイマーでいずれは使えなくなってしまうので、&bold(){消耗品と割り切り、思い切り良くガンガン使う}心構えも大切。 ---- ***劣化を防ぐ使い方 ・よく電池の寿命を表す方法として用いられる表現の仕方は&bold(){「充電サイクル400回で寿命(容量が半減)」}等という表記の仕方。しかし、これは&bold(){「満充電→大深度放電(空っぽまで使い切る)」}と言う1サイクルの使い方でのカウントの仕方であり、リチウム電池への知識が無い一般の人が&bold(){劣化の激しくなる使い方}をした場合での測定方法となる。 ・もしリチウム電池の劣化が少ない&bold(){残量70%~30%の間}で使い、&bold(){長時間保管する時はなるべく残量を50%~30%位の間に近く}しておくと、電池の劣化を少なくできて理想的。 ・大事なのは、&bold(){「いかに満充電状態の時間を少なくできるか」}にあり、&bold(){充電回数をカウントする考え方では無い}。劣化の少ない領域で使えば、トータルの充放電量が500回分を越えていても、満充電→完全放電の500回よりは劣化を抑えられる。 ×劣化の激しい「満充電→空っぽ」で500回充放電 ○劣化の少ない「30%~80%」の領域で1000回以上充放電 ×室内保管時に満充電状態で保管 ○室内保管時は50%以下で保管 ・例えば自動車のハイブリッドカーは40%~80%の領域を行き来させて、劣化の激しい満充電状態を避け、&bold(){10年、10万km、数千回数万回の充放電回数}という長い“寿命”を持つ。充電回数だけをカウントしていては寿命は把握できない。 ・電動アシスト自転車の場合はハイブリッド自動車とは機構も電池の種類も異なるが、バッテリーの取扱いの基本は同じである。&bold(){充電回数よりも、満充電(完全放電)状態の時間をいかに少なくするか}が大事。 ---- ***やり過ぎに注意 ・ただし、&bold(){あまりに神経質になりすぎると、利便性を損なうので逆効果}となる。例えば劣化の少ない30%~80%内の領域だけで使おうとすれば、実質的に使用可能な電池容量は50%分しかなく、見かけ容量が半減したと同じ事になる。これでは劣化は少なくても&bold(){実質半分しか使えないのと同じで本末転倒}という見方もできる。 ・更に、リチウム電池には内蔵タイマー寿命が設定されてるので、&bold(){どんなに劣化を減らせたとしても、どうせ5年~8年後には必ず使えなくなる}。劣化など全く気にせず好きな様にガンガン使って、4~5年経ったら使い捨て、位に考えて開き直っておく位の方が、&bold(){道具に振り回されず}正しく道具を使いこなせるのかも知れない。 ・また、電池にとってはダメージの少ない残量20%~50%の領域でも、電動アシスト自転車の場合、バッテリー残量ランプが点滅する程に&bold(){残量が減ると電圧も低下してアシストパワーが低くなる}事がある。電池を気にして充電するのを躊躇い、アシストがフルパワー出せない様ではこれまた本末転倒である。 ---- ***長期保存の方法 ・「子供乗せ電動アシスト自転車だが、下の子が生まれるまで暫く使わない」など、長期的に使わない期間が出る場合も、やはり満充電状態は避けた方が無難。最も劣化の少ない、&bold(){残量50%の状態で冷暗所に保管}する。リチウム電池は自然放電が少ない方ではあるが、半年以上放置する場合等は時々チェックしておき、残量が減っていたら補充電を。 ---- ***バッテリーの診断モード リチウム電池は制御回路を内蔵しているので、バッテリーの劣化具合や総充電回数等を表示する&bold(){診断モード}がある場合が多い。 ・パナソニック製バッテリー診断方法の例 「満充電」の状態にして、バッテリーのボタンを5秒間押し続ける。 ・ヤマハ(ブリジストン)製バッテリー診断方法の例 残量ボタン20秒間押し続けると、今までの充電回数表示。 更に押し続けたままだと、今度はバッテリーの実容量が表示。 ※上記はあくまで一例であり、診断方法は各メーカーや車種によって違うので、各社の取説等で確認。 【例】ヤマハ製リチウムイオンバッテリーの診断方法の例 http://www.katocy.com/file/41/pzjoko.pdf ■例①バッテリーの今まで&bold(){充電した回数}を調べる。 【1】バッテリーの残量表示ボタンを、“20秒間”押し続ける。 【2】4つのバッテリーランプの点灯の仕方で、今迄の総充電回数が分かる。 |残量ランプ表示|総充電回数| |ランプ1つ遅い点滅|~0回~50回| |ランプ1つ点灯|~51回~100回| |ランプ2つ遅い点滅|~101回~150回| |ランプ2つ点灯|~151回~200回| |ランプ3つ遅い点滅|~201回~250回| |ランプ3つ点灯|~251回~300回| |ランプ4つ遅い点滅|~301回~350回| |ランプ4つ点灯|~351回以上| ■例②バッテリーの&bold(){劣化具合}を調べる。 【1】バッテリーの残量表示ボタンを、“30秒間”押し続ける。 【2】4つのバッテリーランプの点灯の仕方でバッテリーの実力容量が分かる。 |残量ランプ表示|バッテリー実容量| |ランプ4つ点灯|~実容量100%~75%| |ランプ3つ点灯|~実容量74%~50%| |ランプ2つ点灯|~実容量49%~25%| |ランプ1つ点灯|~実容量24%~0%| ---- ※参考サイト ■ベイサン・Li-ion電池の話 http://www.baysun.net/lithium/lithium.html リチウムイオン電池の寿命と劣化。そして保存法 http://ameblo.jp/inu-o/entry-10353616943.html アップル・リチウム電池の充電 http://www.apple.com/jp/batteries/ ---- ---- **ニッケル水素電池の取扱い注意 ***ニッケル水素電池搭載車種 現在は殆どのメーカーの車種がニッケル水素からリチウム電池に移行し、今ではごく一部の低価格モデルやマイナーなメーカーが使っているのみとなっている。 ■ニッケル水素電池搭載モデル ・エネループバイクSPF(サンヨー) ・エネループバイクSPH(サンヨー) ・エネループバイクSPJ(サンヨー) ・アルフィットビビ(パナソニック) ・SE(ユニバーサルトライク) ---- ***過剰放電に注意 ・ニッケル水素電池の特徴と言えば、継ぎ足し充電等で&bold(){『メモリ効果』}が起こる点が挙げられるが、その点は定期的なリフレッシュ充電等でカバーできる。それ以上に危険なのは&bold(){過剰放電}を起こす事。 ・過剰放電とは、文字通り&bold(){バッテリーを完全に空っぽ}にしてしまう事。こうなると&bold(){バッテリーが致命的なダメージ}を受けて大きく性能が低下する。充電してもすぐに充電完了ランプが出て殆ど&bold(){充電できなくなって}しまう。 ・しかも一度過剰放電を起こしたバッテリーは&bold(){治癒する方法が無く、実質再起不能}に近くなる事も多い。ニッケル水素電池に取っては&bold(){不治の病}に近い、何としても避けねばならない状況と言える。 ・店頭で&bold(){前年度モデルの売れ残り}電動アシスト自転車のニッケル水素バッテリー等は、1年以上ストックされている間に過剰放電を起こして電池が死んでいる場合がある。「型落ち品が安かったから買ってきたけど、充電器に挿しても5分で充電が終わって、すぐ電池が切れる」と言った場合、ニッケル水素電池が過剰放電で死んでいる可能性がある。 ・自転車専門店など、ニッケル水素電池について知識がある店員が管理に気をつけていれば、1年以上前のモデル等は時々補充電して過剰放電を防いでいてくれる可能性もある。しかし&bold(){ホームセンターや量販店}の場合は特にそういった配慮無しに売られる。ニッケル水素電池搭載の型落ち品等を購入する場合は、購入前に「バッテリーがもし死んでいた場合に保証修理の対象や期間内になっているか」等をチェックを。 ---- ***残量管理時の優先順位 ・ニッケル水素電池の場合は、&bold(){満タンにするとメモリー効果}が起こり、&bold(){空っぽにすると過剰放電で再起不能に}なると言う、&bold(){板挟み}の状態にある。結局、取扱いの注意点はリチウム電池と似た様な感じで、&bold(){極端な放電や充電を避け、丁度良い領域を使う為に残量をこまめにチェックする}のがコツとなる。 ・メモリー効果の方は&bold(){見かけ容量が下がるだけで、リフレッシュ充電で改善も可能}なので、どちらかと言えば&bold(){過剰放電の方が重篤な事態を引き起こす}のでなるべく避けたい所。特にニッケル水素電池は&bold(){自然放電の量がリチウム電池よりも多い}ので、しばらく使わずにいた時には残量が減り易い。 ・ユーザーが過剰にメモリ効果を気にし過ぎる等で、残量が低い状態でも充電を行わないで居ると、その後しばらく自転車を使わない期間が続いた時に、うっかり充電を忘れたまま長期間放置して、完全放電させてしまい、バッテリーを駄目にしてしまうケースが稀に見られる。 ---- ***メモリー効果 ・ニッケル水素電池の場合は、&bold(){「メモリー効果」}が発生する。バッテリーを残り僅かな状態まで使いきってから充電しなかった場合、見かけ上の容量が低下する現象。 ①容量100%の状態 |BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★|BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★| ②50%だけ使いきる |BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★|☆☆☆☆☆| ③50%分だけ継ぎ足し充電 |BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★|BGCOLOR(#FF9999):★★★★★| ④50%の所で「残量0」と認識され50%分しか使えない |BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★|☆☆☆☆☆| ↑まだ50%残っているのに、②の状態を&bold(){「残量ゼロ」と記憶(メモリー)}してしまっている。 ・上図の様に、&bold(){継ぎ足し充電した時点の残量をゼロと認識してしまい}、本当な内部に十分な容量の電力が溜まっているのに、継ぎ足し充電した時の残量になると「電池切れ」と認識されて使えなくなってしまう事。あくまで見かけ上の問題なので、&bold(){物理的な劣化では無い}。 ・このメモリー効果を解消するには、&bold(){リフレッシュ充電機能}を利用して安全に解消するのが良い。もし手動で放電させようとして、強制的にランプ点灯させっ放しなどをした場合、万一手加減調整をミスして&bold(){過剰放電}させてしまうと取り返しが付かなくなる。 ・リチウム電池と同じく、過剰放電に近くなる程電池のダメージは大きくなるので、&bold(){リフレッシュ機能を多用し過ぎると、電池の劣化は早く}なる。 ・使える容量がどんどん短くなる現象に目を瞑れる状況なら、リフレッシュ充電を敢えて行わずに&bold(){残量40%~80%の間の領域}をなるべく使うようにして劣化を抑える事もできる。ただし、電動アシスト自転車の場合はニッケル水素電池が3.0Ahしか無いので、40%~80%の領域で使おうとすると僅か数kmしか走行できなくなるので現実的ではない。 ・このメモリー効果が起こる為に、ニッケル水素電池は残量の管理が難しい。 電池劣化を抑える為に40%~80%の間で使いたい しかし、メモリー効果が起こるので見かけ容量が少なくて使いにくい 逆に継ぎ足し充電しないで毎回使い切ってると劣化が進む メモリー効果起きても我慢して使うか、リフレッシュ充電(寿命縮む)か悩む この辺りの管理の面倒さ(精神的な不便を感じる度合い)が、ニッケル水素電池が敬遠され、メモリ効果と過剰放電のバランスを気にする気苦労が無くて管理の楽なリチウム電池に移行して行った理由の1つでもある。 (リチウム電池も全く問題が無い訳でなく、高温と満充電に弱いという弱点はある) ---- ***長期保存の方法 ニッケル水素は&bold(){自己放電量がリチウムより多い}ので、しばらく使わない時は残量を時々チェック。 くれぐれも&bold(){過剰放電}に注意。 ※参考サイト ■ニッケル水素電池の落とし穴 http://allabout.co.jp/gm/gc/54398/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54398/2/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54398/3/ ■ニッケル水素電池の落とし穴2 http://allabout.co.jp/gm/gc/54399/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54399/2/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54399/3/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54399/4/ ----
#contents ---- *リチウムイオン電池の劣化条件 **【1】満充電に近いほど劣化が進む &size(16){&bold(){◆残量と電池劣化のイメージ図}} &blankimg(rekka01.jpg,width=400,height=158) ・以下、ベイサンHPの『[[リチウムイオン電池の基礎>http://www.baysun.net/lithium/lithium12.html]]』より引用。 リチウムイオン電池は保存状態により劣化の程度が変化します。 満充電に近く、保存温度が高いほど容量劣化が大きくなります。 たとえば【充電量が30%以下で、保存温度が15℃以下】であれば、 【1年間の保存】でも【数%の容量劣化】で収まります。 一方、【満充電で45℃】で保存すると【6ヶ月】でも 場合によっては【60%程度の容量レベルにまで劣化】することもあります。 ・上記の引用の例は「満充電で45℃を半年間」など、性能テスト用の極端な条件での話であるが、&br()現実でも「真夏日に炎天下放置」等、一時的な状態であれば高温状態は起こりうるし、&br()また、&size(18){&bold(){「満充電ほど劣化が激しい」}}という事を知らずに、&br()ちょっと減ったらすぐ継ぎ足し充電して、&size(18){&bold(){常に満タンにするクセ}}がある人は、&br()知らない間にバッテリーにとって良くない使い方をしている事がある。 ・リチウム電池を長持ちさせるには、できるだけ&size(18){&bold(){「残量が多い状態の時間」を短く}}取る事にある。&br()たとえ満充電にしても&bold(){すぐ使用}すれば問題ない。&br()しかし、満充電の状態をずっと維持するほど電池にダメージが溜まっていく。 ・また満充電と逆の、バッテリーを完全にゼロにする様な&size(18){&bold(){完全放電}}もバッテリーを傷める。&br()&bold(){長期間乗らない}場合は、&size(18){&bold(){残量を50%前後}}にしてから保管しておくと良い。 &blankimg(rekka03.jpg,width=158,height=145) ---- **【2】高温になるほど劣化が進む &size(16){&bold(){◆温度と電池劣化のイメージ図}} &blankimg(rekka04.jpg,width=400,height=104)  ・リチウムイオン電池は&size(18){&bold(){高温}}になる程、劣化が激しく進行する。&br()イメージとしては、以下の様に捉えておくと保存のコツを捉え易いかも知れない。 リチウム電池は内部に高密度のエネルギーを蓄積していて、 高温になる程&残量が多い程、電池内部のエネルギーが活性化し、 電池が自分自身のエネルギーで自傷ダメージを受けやすくなる ・低温&残量が少ない状態で保管している間は、内部に溜まっているエネルギーの動きも少なく、&br()電池自身が受ける自傷ダメージも少なくて済む。&br()だが高温に熱されると、例え少ない残量でも内部のエネルギーが活性化してダメージが増える。&br()更に「&size(18){&bold(){高温}}かつ&size(18){&bold(){満充電}}」という状態だと、リチウムイオン電池にとって最悪の条件となる。 ---- **【3】経年劣化で容量が減る &size(16){&bold(){◆経年劣化のイメージ図}}…あくまでイメージ。実際にこの通りに容量が減る訳ではない。 &blankimg(keinen_rekka01.jpg,width=400,height=183) ・電池劣化の進行速度は使用環境により異なってくるが、概ね以下の通り。 新品時が最も性能が高く その後は経年劣化で 毎年約10%~20%ずつ低下 ・仮に&bold(){新品時に40km}走行可能な電動アシスト自転車を買った場合、&br()時が経つに連れて徐々に経年劣化が進行し、&bold(){2年後には約28km}、&br()&bold(){4年後には16km}、…等と、航続距離が低下していく。 &size(16){&bold(){◆劣化による距離低下のイメージ図}}…あくまでイメージ。実際にこの通りになる訳ではない。 &blankimg(keinen_rekka03.jpg,width=400,height=391) ---- *『寿命(半減期)』と『真の寿命(使用限界期)』 **【1】メーカー定義の『寿命』=『容量半減』 メーカーが【寿命(交換の目安)】と定義してる状態は 電池容量が【新品時の約半分】になった時のこと 使用不能の状態ではないので注意 ・メーカーの「&bold(){電池の寿命}」の定義は、「電池の&bold(){容量が約半分}(50%~60%位)に減少した時」を指す。&br()つまり、メーカーが「&size(16){&bold(){寿命}}」と言ってる状態は、いわば「&size(16){&bold(){半減期}}(容量半分になるまでの期間)」の様なもので、&br()「&size(16){&bold(){使用不可能}}」になる訳では&size(16){&bold(){“ない”}}ので注意。容量が半減してるだけで使用自体は問題無くできる。 ・通常&bold(){「寿命」}と言われると&bold(){「全く機能しなくなる状態」}をイメージするので間違えやすい。&br()「寿命400回って書いてあるから400回充電したら途端に動かなくなるのかな」等と&bold(){勘違い}しないように。 ---- **【2】真の『寿命』=『使用限界』 リチウムイオン電池には【内蔵回路】があり 使用から一定期間が経過すると 強制的に使用不能になる【真の寿命】が来る ・リチウムイオン電池は老朽化が著しく進んだ場合の発火等の事故を防ぐ為に、&br()バッテリーに内蔵した回路が&bold(){使用回数や使用年数等をカウント}していて、&br()一定期間を過ぎると強制的に使用不可能になる仕掛け(自殺回路)が入っている。 ・例えば「[[YAMAHAバッテリー互換表>http://www.yamaha-motor.jp/pas/battery-img/battery.pdf]]」には使用限界条件が下記の様に掲載されている。 &size(16){&bold(){◆2011年以降 長生きバッテリー}}の『寿命(半減期)』と『真の寿命(使用限界期)』 |&size(16){&bold(){電池の種類}}|&size(18){&bold(){8.1Ah}}|&size(18){&bold(){6.0Ah}}|&size(18){&bold(){4.3Ah}}| |&size(16){&bold(){半減期}}&br()&size(14){(電池容量が&bold(){約半分}になる回数)}|&size(16){&bold(){700~&br()900回}}|&size(16){&bold(){700~&br()900回}}|&size(16){&bold(){700~&br()900回}}| |&size(16){&bold(){使用限界条件}}&br()&size(14){(&bold(){強制使用不可}になる年数)}|BGCOLOR(#eac):&size(24){&bold(){9年}}|BGCOLOR(#eca):&size(24){&bold(){8.5年}}|BGCOLOR(#eca):&size(24){&bold(){8.5年}}| &size(16){&bold(){◆2010年以前 通常バッテリー}}の『寿命(半減期)』と『真の寿命(使用限界期)』 |&size(16){&bold(){電池の種類}}|&size(18){&bold(){8.1Ah}}|&size(18){&bold(){6.0Ah}}|&size(18){&bold(){4.3Ah}}|&size(18){&bold(){2.9Ah}}| |&size(16){&bold(){半減期}}&br()&size(14){(電池容量が&bold(){約半分}になる回数)}|&size(16){&bold(){350~&br()400回}}|&size(16){&bold(){350~&br()400回}}|&size(16){&bold(){350~&br()400回}}|&size(16){&bold(){800~&br()900回}}| |&size(16){&bold(){使用限界条件}}&br()&size(14){(&bold(){強制使用不可}になる年数)}|BGCOLOR(#eea):&size(24){&bold(){8年}}|BGCOLOR(#aea):&size(24){&bold(){6.5年}}|BGCOLOR(#aee):&size(24){&bold(){5年}}|BGCOLOR(#aee):&size(24){&bold(){5年}}| ---- **【3】ユーザーにとっての『寿命』とは? 「劣化して縮んだ走行距離」が 「自分が走りたい距離」よりも 短くなった時が その人にとっての【寿命】となる ・ユーザーにとっての&bold(){「電池の寿命」}の定義は、&bold(){「自分が使いたい距離を下回った時」}となる。&br()例え電池が半減以下まで劣化しても、それが自分が普段走りたい距離を上回っていれば、&br()まだそれは&bold(){その人にとっての「寿命」}とは言えない。 &size(16){&bold(){◆ユーザーによる「寿命」の違い}}…同じ車種でも人により「寿命」は違う。 &blankimg(keinen_rekka04.jpg,width=400,height=201) ・上図の様に、例え同じ容量のバッテリーでも、図のAさんとBさんでは「寿命」が違う。 ・1日20km走りたい&bold(){Aさんにとって}は、劣化で&bold(){20km走れなくなった時が寿命}なので、&br()上図の車種の場合は&bold(){約2年}で早くも&bold(){Aさんにとっては「寿命」}と感じられる。 ・1日10kmしか走らない&bold(){Bさんにとって}は、劣化で&bold(){10km以下になるまでは寿命とは言えない}ので、&br()上図の車種の場合は&bold(){約4年}使ってもまだ&bold(){Bさんにとっては「寿命」ではない}。 ・Aさんにとってはこの車種は容量不足なので、もっと大きいバッテリーの車種を選ぶべき、となる。 ・このように、&size(18){&bold(){「寿命」とは相対的なもの}}である。&br()長距離走りたい人にとっては「2年で足りなくなるから、寿命が短すぎるよコレ」という車種でも、&br()短距離使用の人にとっては「何言ってるの?4年以上は使えるから寿命長いよコレ」となり、&br()同じバッテリー容量の車種でも、その人の求める走行距離によって寿命は変動する。 ・「○○回使って半減したから寿命」と&size(18){&bold(){回数}で決まるものでは&bold(){ない}}。&br()メーカー表記の「○○回」という&size(18){&bold(){回数表記}}に惑わされず、&br()自分にとっての寿命は、&size(18){&bold(){1日に走りたい距離}}を基準にして考える事が重要となる。 ・もっとも、前述「【2】使用限界」の自殺回路で強制使用不可能になる年数を超えて使う事はできない。&br()最長で8.1Ahの9年なので、自分にとってコストパフォーマンスの良い容量を選ぼう。 寿命は人によって違う 寿命は回数で考えず、距離で考えよ ---- ---- *バッテリーを長持ちさせる方法 **【1】残量管理のコツ &size(16){&color(black,#FFCC99){【誤】&bold(){満充電}状態からちょっと使ったら、すぐまた満充電にしてしまう}} &size(16){&color(black,#66FFFF){【正】&bold(){満充電}状態にしたらすぐ使い、ある程度空になるまで使い切る}} ・多い間違いは、満充電状態からランプが1個消えただけでもすぐ充電器に突っ込み、常に満充電状態で保存する人。&br()これだと常時&bold(){「残量が100%~80%」}の間をずっと維持してしまい、&bold(){最も電池に良くない}使い方となる。 ・ここは、&bold(){満充電にしたらすぐ使う}事と、1回充電したらある程度まで&bold(){使い切る}事を意識するとベター。&br()満充電でも、すぐ使って残量を減らせば電池のダメージは少ない。&br()またある程度残量を減らすまではむやみに継ぎ足し充電しない方が、残量低目の時間が増える。 &blankimg(rekka02.jpg,width=200,height=145)  &size(16){&color(black,#FFCC99){【誤】&bold(){満充電}状態からちょっと使ったら、すぐまた満充電にしてしまう}} &size(16){&color(black,#66FFFF){【正】&bold(){満充電}状態にしたらすぐ使い、ある程度空になるまで使い切る}} ・電動アシスト自転車のバッテリー場合は、本体・充電器・バッテリーの各&bold(){制御装置}が&bold(){安全マージン}を取る。&br()走行中に「ランプ点滅→ランプ消灯でアシスト停止」しても本当にゼロになったのではなく、&br()完全放電する前にアシストを止めていたり、&br()充電器が本当に危険なレベルまで充電する事は避けたりするので、&br()通常の使い方では完全放電や過剰充電を起こす可能性は少ない。 ・ただし、いくら賢い制御装置でもユーザーの保存状況までは管理できない。&br()残量ランプが点滅してアシストが止まっても、制御側は余裕を持たせて残量を多めに残してくれているが、&br()その残量が少ない状態の後に充電せず、ユーザーがしばらく電動アシストに乗らずに忘れて、&br()&bold(){残量少ないまま充電せずに何ヶ月も放置}すると、完全放電させる危険がある。&br()「&i(){なんか~、前に使った時にぃ~、走ったらランプ消えたからそのまま置いといてぇ~、&br()その後すっかり自転車乗らなくて忘れててぇ~、半年ぶりにスイッチ付けたらぁ~、&br()電池が凄い減りが早くなってるんですけどぉ~、なんでぇ~?}」等と、&br()無頓着で自転車にあまり乗らないユーザーだと、&bold(){完全放電でバッテリーを駄目にする}危険がある。 ---- **【2】温度管理のコツ &size(16){&color(black,#FFCC99){【誤】夏に&bold(){直射日光の当たる炎天下に長時間置き}、高温状態にしてしまう}} &size(16){&color(black,#66FFFF){【正】なるべく&bold(){日陰に置く}か、タオル等で&bold(){直射日光や高温を避ける}}} ・夏は電池が高温になりやすく、高温では電池の出力は上がる反面、劣化は進行しやすい状況になる。&br()よって、なるべく直射日光の当たる場所への長時間駐輪は避ける。 ・やむを得ず日陰の無い炎天下に駐輪する場合は、&bold(){バッテリーに白いタオルをかける}等して高温状態を軽減する。&br()特に&bold(){黒色バッテリー}は、白色バッテリーと比べて&bold(){輻射熱で熱く}なりやすいので注意。 ・高温がまずいからと言って、決して冷蔵庫には入れない事。電池内部が結露して壊れるので厳禁。 &size(16){&color(black,#FFCC99){【誤】冬に&bold(){極端な低温下}で使う。暖房やカイロの近くに置く}} &size(16){&color(black,#66FFFF){【正】使用前に常温の場所に暫く置く。&bold(){寒冷地の冬はなるべく乗らない}。}} ・冬は高温による劣化の心配は無くなるが、低温になると電圧が下がり、電池性能は&bold(){1~2割ほど落ちる}。&br()気温が上がれば性能が元に戻るので、寒さによる見かけ上の容量減やパワー減はあくまで一時的な機能低下。&br()高温劣化の様に一度罹患したら永続的に容量が減って戻らなくなる事はない。 ・寒い朝に電池が冷えていた場合は、使用直前に部屋で常温まで暖めておくと良い。&br()ただし暖房の真下やコタツ等で一気に温度を上げるのはNG。またカイロ等で部分的に高温にするのもNG。&br()電池内のセルが均等な温度にならないので性能が出せない。最悪の場合はダメージを受ける。 ・0度を大幅に下回る程の低温だと、航続距離が著しく減少したり、充電できなくなったりする事がある。&br()バッテリー製品全般に共通の特徴だが、バッテリーは極端な低温化での使用には不向き。&br()「寒冷地の冬の移動手段に使えないか?」と考える人も居るが、寒冷地では性能をフルに発揮できないので、&br()実質的に「電動系の自転車は春まで半ば稼動休止状態になる」と思っておいた方が無難。 ・それほど寒くない地域でも、&bold(){冬は夏に比べ航続距離が1~2割ほど低下}する。&br()これはバッテリーの仕様なので我慢するしかない。暖かくなる春の訪れを待ちましょう。 ---- **【3】長期未使用時の保存のコツ &size(16){&color(black,#FFCC99){【誤】残量が&bold(){カラッポや満タン}の状態で長期間放置する。}} &size(16){&color(black,#66FFFF){【正】長期間使わない予定の時は、&bold(){残量を約50%}にして保存。}} ・「子供乗せ車を上の子の時に使っていたが、下の子が大きくなるまで暫く使わない予定」など、&br()長期的に使わない期間が出る場合も、やはりカラッポ状態や満充電状態は避けた方が無難。&br()最も劣化の少ない、&bold(){残量50%の状態で冷暗所に保管}する。 ・リチウム電池は自然放電が少ない方ではあるが、空に近い状態で放置すると完全放電の恐れがある。&br()&bold(){数ヶ月~半年以上}使わず保管する場合等は時々チェックしておき、残量が減っていたら補充電を。 ---- ---- *バッテリーの診断モード ・リチウム電池は制御回路を内蔵しているので、劣化具合や総充電回数等を表示する&bold(){診断モード}がある場合が多い。 ・パナソニック製バッテリー診断方法の例 【満充電】の状態にして、バッテリーのボタンを【5秒間】押し続ける。 ・ヤマハ(ブリジストン)製バッテリー診断方法の例 残量ボタンを【20秒間】押しっぱなしにすると、今までの総充電回数表示。 更に【10秒間】程押し続けたままだと、今度はバッテリーの実容量を表示。 ※上記はあくまで一例であり、診断方法は各メーカーや車種によって違うので、各社の取説等で確認。 &size(16){&bold(){◆例1:ヤマハ製バッテリーの診断方法の例}} ↓2009年ブレイス(リアルストリーム)の診断モード http://www.katocy.com/file/41/bra09battery.pdf ↓それ以外のタイプの診断モード http://www.katocy.com/file/41/pzjoko.pdf ↓旧型の残量表示の無いニッケル水素の診断モード http://www.katocy.com/file/41/pznijiko.pdf &size(16){&bold(){◆例2:ヤマハ製バッテリーの今まで&bold(){充電した回数}を調べる}} 【1】バッテリーの残量表示ボタンを、&bold(){“20秒間”}押し続ける。 【2】4つのバッテリーランプの点灯の仕方で、今迄の&bold(){総充電回数}が分かる。 |残量ランプ表示|総充電回数| |ランプ1つ遅い点滅|~0回~50回| |ランプ1つ点灯|~51回~100回| |ランプ2つ遅い点滅|~101回~150回| |ランプ2つ点灯|~151回~200回| |ランプ3つ遅い点滅|~201回~250回| |ランプ3つ点灯|~251回~300回| |ランプ4つ遅い点滅|~301回~350回| |ランプ4つ点灯|~351回以上| &size(16){&bold(){◆例3:ヤマハ製バッテリーの劣化具合を調べる}} 【1】バッテリーの残量表示ボタンを、&bold(){“30秒間”}押し続ける。 【2】4つのバッテリーランプの点灯の仕方でバッテリーの&bold(){実容量}が分かる。 |残量ランプ表示|バッテリー実容量| |ランプ4つ点灯|~実容量100%~75%| |ランプ3つ点灯|~実容量74%~50%| |ランプ2つ点灯|~実容量49%~25%| |ランプ1つ点灯|~実容量24%~0%| ---- ※参考サイト ◆[[ベイサン・Li-ion電池の話>http://baysun.net/ionbattery_story.html]] ◆[[リチウムイオン電池の寿命と劣化。そして保存法>http://ameblo.jp/inu-o/entry-10353616943.htm]]l ◆[[アップル・リチウム電池の充電>http://www.apple.com/jp/batteries/]] ◆[[シャープ・バッテリーパックを長持ちさせたい>http://sharp-usersnet.jp/pcstudio/disp.asp?cno=5&tbno=0&dno=155]] ◆[[ソニー:ノートパソコンのバッテリー寿命を長持ちさせる方法>http://hotstreet.vaio.sony.co.jp/article/article.php?id=48004]] ---- ---- *ニッケル水素電池の取扱い注意 **ニッケル水素電池の搭載車種 現在は殆どのメーカーの車種がニッケル水素からリチウム電池に移行し、今ではごく一部の低価格モデルやマイナーなメーカーが使っているのみとなっている。 ◆ニッケル水素電池搭載モデル ・エネループバイクSPF(サンヨー) ・エネループバイクSPH(サンヨー) ・エネループバイクSPJ(サンヨー) ・アルフィットビビ(パナソニック) ・SE(ユニバーサルトライク) ---- **過剰放電に注意 ・ニッケル水素電池の特徴と言えば、継ぎ足し充電等で&bold(){『メモリ効果』}が起こる点が挙げられるが、&br()その点は定期的なリフレッシュ充電等でカバーできる。それ以上に危険なのは&bold(){過剰放電}を起こす事。 ・過剰放電とは、文字通り&bold(){バッテリーを完全に空っぽ}にしてしまう事。&br()こうなると&bold(){バッテリーが致命的なダメージ}を受けて大きく性能が低下する。&br()充電してもすぐに充電完了ランプが出て殆ど&bold(){充電できなくなって}しまう。 ・しかも一度過剰放電を起こしたバッテリーは&bold(){治癒する方法が無く、実質再起不能}に近くなる事も多い。&br()ニッケル水素電池に取っては&bold(){不治の病}に近い、何としても避けねばならない状況と言える。 ・店頭で&bold(){前年度モデルの売れ残り}電動アシスト自転車のニッケル水素バッテリー等は、&br()1年以上ストックされている間に過剰放電を起こして電池が死んでいる場合がある。&br()「型落ち品が安かったから買ってきたけど、充電器に挿しても5分で充電が終わって、すぐ電池が切れる」と言った場合、&br()ニッケル水素電池が過剰放電で死んでいる可能性がある。 ・自転車専門店など、ニッケル水素電池について知識がある店員が管理に気をつけていれば、&br()1年以上前のモデル等は時々補充電して過剰放電を防いでいてくれる可能性もある&br()。しかし&bold(){ホームセンターや量販店}の場合は特にそういった配慮無しに売られる。&br()ニッケル水素電池搭載の型落ち品等を購入する場合は、&br()購入前に「バッテリーがもし死んでいた場合に保証修理の対象や期間内になっているか」等をチェックを。 ---- **残量管理時の優先順位 ・ニッケル水素電池の場合は、&bold(){満タンにするとメモリー効果}が起こり、&br()&bold(){空っぽにすると過剰放電で再起不能に}なると言う、&bold(){板挟み}の状態にある。&br()結局、取扱いの注意点はリチウム電池と似た様な感じで、&bold(){極端な放電や充電を避け、&br()丁度良い領域を使う為に残量をこまめにチェックする}のがコツとなる。 ・メモリー効果の方は&bold(){見かけ容量が下がるだけで、リフレッシュ充電で改善も可能}なので、&br()どちらかと言えば&bold(){過剰放電の方が重篤な事態を引き起こす}のでなるべく避けたい所。&br()特にニッケル水素電池は&bold(){自然放電の量がリチウム電池よりも多い}ので、&br()しばらく使わずにいた時には残量が減り易い。 ・ユーザーが過剰にメモリ効果を気にし過ぎる等で、残量が低い状態でも充電を行わないで居ると、&br()その後しばらく自転車を使わない期間が続いた時に、うっかり充電を忘れたまま長期間放置して、&br()完全放電させてしまい、バッテリーを駄目にしてしまうケースが稀に見られる。 ---- **メモリー効果 ・ニッケル水素電池の場合は、&bold(){「メモリー効果」}が発生する。&br()バッテリーを残り僅かな状態まで使いきってから充電しなかった場合、見かけ上の容量が低下する現象。 ①容量100%の状態 |BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★|BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★| ②50%だけ使いきる |BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★|☆☆☆☆☆| ③50%分だけ継ぎ足し充電 |BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★|BGCOLOR(#FF9999):★★★★★| ④50%の所で「残量0」と認識され50%分しか使えない ↓まだ50%残っているのに、②の状態を&bold(){「残量ゼロ」と記憶(メモリー)}してしまっている。 |BGCOLOR(#66CCFF):★★★★★|☆☆☆☆☆| ・上図の様に、&bold(){継ぎ足し充電した時点の残量をゼロと認識してしまい}、&br()本当は内部に十分な容量の電力が溜まっているのに、&br()継ぎ足し充電した時の残量になると「電池切れ」と認識されて使えなくなってしまう事。&br()あくまで見かけ上の問題なので、&bold(){物理的な劣化では無い}。 ・このメモリー効果を解消するには、&bold(){リフレッシュ充電機能}を利用して安全に解消するのが良い。&br()もし手動で放電させようとして、強制的にランプ点灯させっ放しなどをした場合、&br()万一手加減調整をミスして&bold(){過剰放電}させてしまうと取り返しが付かなくなる。 ・リチウム電池と同じく、過剰放電に近くなる程電池のダメージは大きくなるので、&br()&bold(){リフレッシュ機能を多用し過ぎると、電池の劣化は早く}なる。 ・このメモリー効果が起こる為に、ニッケル水素電池は残量の管理が難しい。 電池劣化を抑える為に劣化の少ない40%~80%の間で使いたい しかし、メモリー効果が起こるので見かけ容量が少なくて使いにくい 逆に継ぎ足し充電しないで毎回使い切ってると劣化が進む メモリー効果起きても我慢して使うか、リフレッシュ充電(寿命縮む)か悩む ・この辺りの管理の面倒さ(精神的な不便を感じる度合い)が、ニッケル水素電池が敬遠される理由でもある。&br()メモリ効果と過剰放電のバランスを気にする気苦労が無くて管理の楽なリチウム電池はその点は楽。&br()(リチウム電池も全く問題が無い訳でなく、高温と満充電に特に弱いという弱点はある) ---- **ニッケル水素電池の長期保存 ニッケル水素は&bold(){自己放電量がリチウムより多い}ので、しばらく使わない時は残量を時々チェック。 くれぐれも&bold(){過剰放電}に注意。 ※参考サイト ◆ニッケル水素電池の落とし穴 http://allabout.co.jp/gm/gc/54398/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54398/2/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54398/3/ ◆ニッケル水素電池の落とし穴2 http://allabout.co.jp/gm/gc/54399/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54399/2/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54399/3/ http://allabout.co.jp/gm/gc/54399/4/ ---- ----

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