P&P クローバー企画内検索 / 「A-43」で検索した結果

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  • A-43
    作品リストへ 前へ 次へ A-43:04-00084-01:嘉納 海法よけ藩国 さん 「お使い」  「ソテナ、ソテナ、頼みがあるの」 村に住む男の子の、ソテナは、お母さんにいわれて、森の中の広場まで、お祝いに食べる木の実を、拾いに行きます  頭には、麦を編んだ、帽子をかぶり白いシャツをきて、水筒と、お弁当を持っちました。 「日が暮れるまでに帰るのよ」  お母さんに言われたとおり、大きくうなずくと、ソテナは元気に歩き出した。  森の中をてくてく歩き、いつまの広場に息ましたが、ほんの少ししか、木の実のがありません。 「どうしよう、これでは、とてもたりないわ」  仕方ないので、ソテナは、森の道を帰ろうと、歩き出しました。  段々夜がやってきて、森には夜が降りてきます、空には、月が浮かび上がり。  そうしてしばらくあるいていると、道...
  • A-46
    作品リストへ 前へ(携帯版) 前へ(PC版) 次へ A-46:25-00480-01:四方 無畏:羅幻王国 さん 「地を掘るニワトリ」 羅幻王国には砂の中を自由自在に泳ぎ回るニワトリが居る。 彼らが砂の中を移動するようになった理由は諸説あるが、今日はその中の1つを紹介しよう。 大昔、そのニワトリは大空を飛び回り、地上のあらゆる生命をその強靭な嘴で捕まえていた。しかし、あるとき地上に長い長い冬が訪れた。 海は凍り、大地は雪に閉ざされた。 空は絶えず強風が吹き荒れ、彼らは空を失った。 そして地上も吹雪が途切れる事は無く極寒の世界になった。 彼らは少しでも寒さを逃れるために雪に穴を掘った。 彼らはその強靭な嘴で雪を掘った。 寒さに震えながら何処までも掘った。 そうしていつの間にか彼らは土を掘っていた。 地中深くは外の気温に関係なくほとんど一定で暖かかっ...
  • A-43/コメントログ
    ○27-00518-01:od:ヲチ藩国 ○個人口座:1マイル ○最後まで語り口にひかれて読み進めました。ところで、ソテナくんは男の子ですよね?<「どうしよう、これでは、とてもたりないわ」 -- (27-00518-01:od:ヲチ藩国) 2008-07-03 23 35 28
  • A-41
    作品リストへ 前へ 次へ A-41:39-00709-01:西田八朗:アウトウェイ さん 「森の話~音楽会~」 森の中には魔女がいる 鬱葱と茂る藪を抜け 薄く光が差し込む森を抜け ぽつぽつと家が建つ村落を抜け 目の前に聳える大樹に寄り添うよう様に 魔女の住む家がある 白くも見える長い、銀の髪を持つ、美しい魔女がそこにはいる 家の中の魔女は今、部屋の中にあるピアノの音を確かめるように、鍵盤に指を走らせている ピアノの側には節くれだった杖と、魔女の帽子が置かれている 魔女の家の奥を覗けば、壁には魔女に似合わぬ鎧と剣がかけられて、他の部屋には子供用のベッドがある 魔女の同居人は誰なのだろう? …と、魔女がピアノから指を離す どうやら準備が整ったようだ 魔女は帽子を被り、杖を持つと、ドアの前に立った ドアを開ける前に、ピアノに向けて杖を振る...
  • A-42
    作品リストへ 前へ 次へ A-42:33-00750-01 黒野無明 無名騎士藩国 さん 「めぐり、つながるうた」 /*/ 少年は夢を見ていました。 とても悲しい夢。見ているだけでつらくなる夢。 そんな夢を見る日は、いつだって少年は眼を開き、夢から目を背け逃げ出します。 ただ、そんな世界で、いつも少年に届く音色がありました。夢の中、見ていられないほど辛い光景。ただ、それだけがある世界のはずなのに。世界に響く歌がありました。 それは、力強く、それでいて優しく暖かい歌。誰かのために歌われる歌。 けれど、その歌では少年の心を守ることはできませんでした。 だから少年は怖くて、いつも逃げていました。 何度も、何度も、何度も歌声が聞こえなくなるまで……。 そして、世界から歌が無くなりました。ただ、視界には暗く、悲しい不条理がまかり通る、誰もが逃げ出さざるを得な...
  • A-46PC
    作品リストへ 前へ(携帯版) 前へ(PC版) 次へ A-46:25-00480-01:四方 無畏:羅幻王国 さん 「地を掘るニワトリ」 羅幻王国には砂の中を自由自在に泳ぎ回るニワトリが居る。 彼らが砂の中を移動するようになった理由は諸説あるが、今日はその中の1つを紹介しよう。 大昔、そのニワトリは大空を飛び回り、地上のあらゆる生命をその強靭な嘴で捕まえていた。しかし、あるとき地上に長い長い冬が訪れた。 海は凍り、大地は雪に閉ざされた。 空は絶えず強風が吹き荒れ、彼らは空を失った。 そして地上も吹雪が途切れる事は無く極寒の世界になった。 彼らは少しでも寒さを逃れるために雪に穴を掘った。 彼らはその強靭な嘴で雪を掘った。 寒さに震えながら何処までも掘った。 そうしていつの間にか彼らは土を掘っていた。 地中深くは外の気温に関係なくほとんど一定で暖かかっ...
  • A-44
    作品リストへ 前へ 次へ(携帯版) 次へ(PC版) A-44:42-00537-01:吾妻 勲:星鋼京 さん 「おいしい時間」 おいしい時間 ―いつかどこかのあるところ。 ―小さなお店がありました。 ―静かできれいな丘の上。 ―甘くてステキないい香り。 ―おいしい時間の始まり始まり―。 ―*― 空が白んで少し後、今日はとっても良い天気。 小さなお店も起きだして、いつもの準備を始めます。 白い煙が輪になって、小さな屋根から一つ、二つ。 お店の周りのきれいなお花、お世話をするのはお姫様? いえいえステキなその人は、小さなお店のおかみさん。 きれいでとってもいい香り、おいしいお菓子を作るのは、 お話の中の王子様? いえいえステキなその人は、小さなお店のだんなさん。 小さなお店のご主人は、二人のステキな若夫婦...
  • A-40
    作品リストへ 前へ 次へ A-40:05-00141-01:銀内 ユウ:鍋の国 さん 「可愛い子には鍋をさせよ」 「兄ちゃん、ちょうだい!」 「いやだ!」  メガネを曇らせていると、そんな言葉が聞こえてきた。 「なんだ……?」  声のした方を見てみると小学生……ぐらいの男の子と幼稚園ぐらいの男の子が言い合いをしていた。 「にい……」  今にも泣きそうな弟くん。 「いやだ。だいたいこれは僕のお小遣いで買ったんだぞ。お前はヌイグルミ買ったんだからいいじゃんか」 「でもぉ」  兄の手にはおでんアイスが二つある。弟君は手に……ああ、王猫様ヌイグルミを持っている。 「それにしても……」  兄は両手に持ったおでんアイスを美味しそうに食べている。まぁ自分の小遣いで買ったのならかまわないだろうが……それでも...
  • A-45
    作品リストへ 前へ 次へ(携帯版) 次へ(PC版) A-45:06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦 「ションボリーナのお話」 いまはむかし、ここはどこか。 きんいろのかみをした、ションボリーナというおひめさまがおりました。 ションボリーナのくには、うみのむこうにあるくにとけんかをしていました。 くにとくにとのけんかを、せんそうといいます。 まいにちたくさんのひとが、せんそうのためにおもいよろいをつけて、 おおきなけんやゆみをもって、うみのむこうへたびだっていきました。 せんそうでは、たくさんのひとがしぬそうです。 しぬということは、もうにどとあえなくなるということです。 ションボリーナは、しょんぼり、しょんぼり。 どうしてけんかなんかするんだろう、はやくなかなおりすればいいのに、と、 まいにちぽろぽろないていました。 (応援...
  • 童話集携帯版第2章扉
    ... 無名騎士藩国 A-43 「お使い」   04-00084-01:嘉納 海法よけ藩国 A-44 「おいしい時間」   42-00537-01:吾妻 勲:星鋼京 A-45 「ションボリーナのお話」   06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦 A-46 「地を掘るニワトリ」   25-00480-01:四方 無畏:羅幻王国 ※A-19は欠番となります。 上へ 前へ 次へ(工事中) -
  • 参加投票者リスト
    ...A-30,A-32,A-43,A-45,B-12,B-15,B-18 29-00555-01:芒:になし藩国:1:A-01 36-00690-01:雹:神聖巫連盟:個人口座:1:A-08 36-00695-01:みぽりん:神聖巫連盟:個人口座:2:A-08,A-13 40-00736-01:えるむ:都築藩国:個人口座:3:A-08,A-22,A-26 42-00236-01:黒霧:星鋼京:個人口座:1:B-02 43-00406-01:榊遊:愛鳴之藩国:個人口座:1:A-45 イラスト投票者 国民番号:PC名:藩国:イラスト:投票数:投票作品No. 05-00122-01:矢上ミサ:鍋の国:イラスト:1:A-45 05-00143-01:八守時緒:鍋の国:イラスト:2:A-07,A-16 05-00131-01:ヤガミ・ユマ:鍋の国:1:A-4...
  • 童話集PC版第2章扉
    ... 無名騎士藩国 A-43 「お使い」(工事中)   04-00084-01:嘉納 海法よけ藩国 A-44 「おいしい時間」(工事中)   42-00537-01:吾妻 勲:星鋼京 A-45 「ションボリーナのお話」   06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦 A-46 「地を掘るニワトリ」   25-00480-01:四方 無畏:羅幻王国 ※A-19は欠番となります。 上へ 前へ 次へ(工事中) -
  • 参加投稿者リスト
    ...:海法よけ藩国:1:A-43 04-00085-01:青にして紺碧:海法よけ藩国:1:B-05 04-00770-01 不離参:海法よけ藩国:5:B-03,B-06,B-07,B-08,B-09 05-00141-01:銀内 ユウ:鍋の国:1:A-40 06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦:1:A-45 06-00735-01:むつき・萩野・ドラケン:レンジャー連邦:1:B-02 06-00806-01:空馬:レンジャー連邦:1:A-29 10-00040-01:ソーニャ/ヴァラ/モウン艦氏族/スターチス:世界忍者国:1:X-01 10-00212-01:桂林怜夜:世界忍者国:1:A-24 13-00274-01:槙 昌福:よんた藩国:2:A-06,A-17 13-00775-01:小野青空:よんた藩国:2:A-22,A-23 14-00288...
  • A-45PC
    作品リストへ 前へ 次(携帯版)へ 次(PC版)へ A-45:06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦 「ションボリーナのお話」 いまはむかし、ここはどこか。 きんいろのかみをした、ションボリーナというおひめさまがおりました。 ションボリーナのくには、うみのむこうにあるくにとけんかをしていました。 くにとくにとのけんかを、せんそうといいます。 まいにちたくさんのひとが、せんそうのためにおもいよろいをつけて、 おおきなけんやゆみをもって、うみのむこうへたびだっていきました。 せんそうでは、たくさんのひとがしぬそうです。 しぬということは、もうにどとあえなくなるということです。 ションボリーナは、しょんぼり、しょんぼり。 どうしてけんかなんかするんだろう、はやくなかなおりすればいいのに、と、 まいにちぽろぽろないていました。 image...
  • 童話集PC版目次
    ... 無名騎士藩国 A-43 「お使い」   04-00084-01:嘉納 海法よけ藩国 A-44 「おいしい時間」   42-00537-01:吾妻 勲:星鋼京 A-45PC 「ションボリーナのお話」   06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦 A-46PC 「地を掘るニワトリ」   25-00480-01:四方 無畏:羅幻王国 ※A-19は欠番となります。 「誰かの笑顔のための物語」 B-01 「あなたにメリークリスマス」   26-00497-01:志水高末:たけきの藩国 B-02 「名前の無い海の物語」   06-00735-01:むつき・萩野・ドラケン:レンジャー連邦 B-03 「貴方はどなた?」(連作:B-03-01)   04-00770-01:不離参:海法よけ藩国 B-06 「人」(連作:B-03-02...
  • 童話集携帯版目次
    ... 無名騎士藩国 A-43 「お使い」 04-00084-01:嘉納 海法よけ藩国 A-44 「おいしい時間」 42-00537-01:吾妻 勲:星鋼京 A-45 「ションボリーナのお話」 06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦 A-46 「地を掘るニワトリ」 25-00480-01:四方 無畏:羅幻王国 ※A-19は欠番となります。 「誰かの笑顔のための物語」 B-01 「あなたにメリークリスマス」 26-00497-01:志水高末:たけきの藩国 B-02 「名前の無い海の物語」 06-00735-01:むつき・萩野・ドラケン:レンジャー連邦 B-03 「貴方はどなた?」(連作:B-03-01) 04-00770-01:不離参:海法よけ藩国 B-06 「人」(連作:B-03-02) 04-00770-01:不離参...
  • 全投稿作品リスト
    ...:文字数914 A-43 「お使い」   04-00084-01:嘉納 海法よけ藩国:08/06/20投稿:文字数1725 A-44 「おいしい時間」   42-00537-01:吾妻 勲:星鋼京:08/06/20投稿:文字数1476 A-45 「ションボリーナのお話」 ※イラスト付⇒PC版   06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦:08/06/20投稿:文字数1960 A-46 「地を掘るニワトリ」 ※イラスト付⇒PC版   25-00480-01:四方 無畏:羅幻王国:08/06/20投稿:文字数361 ※A-19は欠番となります。 B:「誰かの笑顔のための物語」部門 19作品 B-01 「あなたにメリークリスマス」   26-00497-01:志水高末:たけきの藩国:08/06/10投稿:文字数1978 B-02 「名...
  • A-45PCSP
    ご案内トップ 童話集表紙 前へ 次へ 「ションボリーナのお話」 霰矢蝶子:レンジャー連邦 いまはむかし、ここはどこか。 きんいろのかみをした、ションボリーナというおひめさまがおりました。 ションボリーナのくには、うみのむこうにあるくにとけんかをしていました。 くにとくにとのけんかを、せんそうといいます。 まいにちたくさんのひとが、せんそうのためにおもいよろいをつけて、 おおきなけんやゆみをもって、うみのむこうへたびだっていきました。 せんそうでは、たくさんのひとがしぬそうです。 しぬということは、もうにどとあえなくなるということです。 ションボリーナは、しょんぼり、しょんぼり。 どうしてけんかなんかするんだろう、はやくなかなおりすればいいのに、と、 まいにちぽろぽろないていました。 imageプラグインエラ...
  • A-45/コメントログ
    ○020003201:忌闇装介:akiharu国 ○個人口座:1 ○作品へのコメントをひとこと こういう話にとても弱いです。天国でションボリーナとお兄さんが笑っていてくれることを祈ります。 -- (忌闇装介@akiharu国) 2008-06-21 15 47 07 ○26-00500-01:月光ほろほろ:たけきの藩国 ○個人口座:1 ○毎日泣いているだけのお姫様が、運命に戦いを挑む物語。 涙のオアシスが今も人々を潤してくれる事に救われます。 -- (月光ほろほろ@たけきの藩国) 2008-06-29 12 27 36 ○22-00422-01:yuzuki:ビギナーズ王国 ○個人口座:1 ○優しくて可愛いいションボリーナが好きです。 いつかそのオアシスに行ってみたいと思いました。 -- (yuzuki@ビギナーズ王国) 2008-06-30 23 20 5...
  • A-40/コメントログ
    ○020003201:忌闇装介:akiharu国 ○個人口座:1 ○作品へのコメントをひとこと 道端鍋!!さすが鍋の国と思わせる文化の違いがおもしろかったですw パフェ鍋食べてみたいです。 -- (忌闇装介@akiharu国) 2008-06-21 15 45 14
  • A-45PC/コメントログ
    【テンプレート】 ○03-00045:久珂あゆみ:FEG ○個人口座:1 マイル ○ 切なくて素敵なお話でした。 -- (久珂あゆみ@FEG) 2008-07-03 20 30 16
  • 人気投票結果発表
    ご案内トップ メニュー 携帯用メニュー 全投稿作品リスト 「ネコリスと子供たちに語る物語」人気投票結果発表 大変長らく、お待たせしました! 企画「ネコリスと子供たちに語る物語」にお寄せいただきました投稿作品の 人気投票の結果をご報告申し上げます。 A部門:子供たちに贈りたい物語 第1位 09票:A-16 「龍と姫君」  26-00500-01:月光ほろほろ:たけきの藩国 さま   携帯版 , PC版 第2位 09票:A-45 「ションボリーナのお話」  06-00147-01:霰矢蝶子:レンジャー連邦 さま   携帯版 , PC版 第3位 08票:A-08 「ナデオニ」  00-00655-01:沙崎絢市:天領 さま   携帯版 , PC版 B部門:誰かの笑顔のための物語 第1位 04票:B-02 「名前の無い海...
  • A-12
    作品リストへ 前へ 次へ A-12:34-00430-01:薊:リワマヒ国 さん 「ふたつの光」 遠い昔。遠い世界のどこかに、人と星が共存する世界がありました。 その世界の国々には光が溢れ、花も虹もきらきらと輝いて見えました。 しかし、いつの頃からか世界には少しずつ影が広がり始め、国は次第に闇に覆われていきました。 月の住む国も、闇に覆われた国のひとつでした。 常闇の中ではどれほど明かりを燈そうとも光が広がることはなく、光源を離れた光は深い闇に吸収されてしまいます。 暗闇で過ごす日々が続く内に花や作物は枯れ、人の心も荒んでいきました。 この闇を晴らすためにはとても強い光が必要だったのです。 月は輝けぬ我が身を嘆き、光を捜しに旅に出る決意をしました。 今の自分にできることはそれだけだと。 どこかにきっとこの闇を退けられる光がある。そう信じて月は旅...
  • A-11
    作品リストへ 前へ 次へ A-11:14-00288-01:深夜:後ほねっこ男爵領 さん 「冬を追い払った男の子の話」 これはどこか遠くの、ずっと昔のお話。 冬は長く雪が降り、春と共に小川は流れ、夏の日差しはすぐに消え去り、秋が訪れる頃には山は冬支度を始める。 そんな、北の国のお話。 その国の冬は長く、そして、毎日のように雪が降りました。 お日様が照る日は少ないのに、雪はあとからあとから降ってきます。 ですから、その国に住む人たちは、冬の間、ずっと肩を寄せ合って、暮らしていました。 だけど、そんな暮らしがどうしても嫌になった一人の男の子がいました。 だって、雪が降っている間は、外で遊べませんし、友達にも会えません。 雪が降らない日は、色々な用事を、急いで済ませてしまわなければいけません。 男の子は思います。 あんまりにものんびりやってくる春がいけ...
  • A-11/コメントログ
    ○11-00232-01:雅戌 ○A-11:「冬を追い払った男の子の話」 ○個人口座:1 ○あ、小さい子に聞かせてみたいな。と素直に思えるお話でした。 特に男の子に、感情移入し易いお話なのではないかと思います。 オチがもう少し強ければ理想的ですね。面白かったです。 -- (舞花@スタッフ(代理投票)) 2008-07-01 01 43 06 ○27-00518-01:od:ヲチ藩国 ○個人口座:1マイル ○「冬にしては珍しく晴れた日」リアル北国ってこんな感じなんですよ……寓意とリアルの同居が素敵です。 -- (27-00518-01:od:ヲチ藩国) 2008-07-03 23 56 25
  • A-07
    作品リストへ 前へ 次へ(携帯版) 次へ(PC版) A-07:42-00236-01:黒霧:星鋼京 さん 「甘くないケーキ」  13歳の誕生日は、とても苦い物だった。  そのころ、私は何も知らない女の子だった。もう中学生なんだからと、その日、両親は誕生日を祝ってくれなかった。そして気付いたら、私は怒って、泣いていた。だけど両親にもっと怒られて逃げ出した。  私は大好きな祖父に泣きついた。  祖父はいつも優しかった。このときも祖父は「よしよし」と頭を撫でてくれて、誕生日プレゼントを渡してくれた。  それはブローチだった。銀縁の四角い物で、綺麗なエメラルドのはめ込まれている。今なら高そうだと思っただろうけれど、そのときはただ、綺麗だな、と思った。  たったひとつの誕生日プレゼント。私は嬉しくて嬉しくて、ありがとうと言って、また泣いてしまった。  それが、無き祖母の...
  • A-26
    作品リストへ 前へ(携帯版) 前へ(PC版) 次へ A-26:36-00689-01:藻女:神聖巫連盟 さん 「影の薄い子」 昔、影の薄い子がいました。 一緒に遊んでいても誰も名前を知らず、いつの間にか現れていつのまにかいなくなっているそんな子どもでした。 その子の名前は誰も知らないけれど、誰も気に留めることなく仲良く遊んでいました。 けれど、いつしかその子と一緒に遊ぶ子ども達がいなくなりました。 もう子どもと一緒に遊ぶような歳じゃなくなったのだろうかとしばらく噂されましたが、元々名前も知られていなかったのですぐにそんな噂も消えていきました。 けれど、それからすぐ、夜道を歩いていると誰かの足音がついてくるという話が聞かれるようになりました。 初めのうちは物の怪の仕業だとかいう噂もありましたが誰から言い出したのか名前のない子が忘れられたのが寂しくてついてきていると言い出...
  • A-07/コメントログ
    ○020003201:忌闇装介:akiharu国 ○個人口座:1 ○作品へのコメントをひとこと 優しさを持つということの難しさを考えさせられるいい作品でした。 -- (忌闇装介@akiharu国) 2008-06-17 18 15 01 ○12-00265-01:矢上麗華:土場藩国 ○支払い口座:個人口座 1マイル ○作品へのコメントをひとこと 純粋に楽しませていただきました。祖父と孫の関係がステキですね。 -- (矢上麗華@土場藩国) 2008-06-29 20 55 33 ○04-00112-01:うにょ:海法よけ藩国 ○個人口座:1マイル ○作品へのコメントをひとこと 素直にいい話しだなと思いました。 -- (うにょ@海法よけ藩国) 2008-06-30 22 15 34 ○26-00496-01:竹上木乃:たけきの藩国 ○支払い口座:個...
  • A-32
    作品リストへ 前へ 次へ A-32:14-00798-01:たらすじ:後ほねっこ男爵領 さん 「なんにもできない女の子」 ある小さな村に、いつも物影に隠れている女の子が居ました。 友達が遊んでいるのを見ているだけ。 誰かが遊ぼうと誘えば、 「私、なんにもできないもん」 と言って物陰に隠れてしまいます。 輪に入らない女の子は、最初のうちは熱心に誘われましたが何が何でも加わらないのでそのうち誰も誘わなくなってしまいました。 物陰から、ただ皆が遊んでいるのを見ているだけです。 女の子は、自分が一緒に遊んでも何も出来ないから皆の迷惑になると思っていました。だから、女の子はただ見ているだけで十分だったのです。 見ているだけでも一緒に遊んでいる空想を何度も繰り返しながら、それでいいのだと思っていました。 その日はいつもと同じように、女の子は物陰から楽しそうに遊ぶみん...
  • A-03
    作品リストへ 前へ 次へ A-03:43-00397-01:ヒオ・スクル・ヒルダ:愛鳴之藩国 さん 「たいそう大きな黒猫の約束」 昔々たいそう大きな黒猫がいました。 体がおおきく、生まれつき力が強かったので他の猫たちをよく怖がらせて遊んでいました。 だからどの猫も怖がってそのたいそう大きな黒猫に近づきませんでした。 ある日たいそう大きな黒猫は人間の女の子と会いました。 たいそう大きな黒猫はその人間の女の子にいいました。 「おれは強いぞ。怖いだろう。」 人間の女の子は首を振ります。 「あなたを怖いとはおもいません。」 たいそうおおきな猫はたいそうおおきな体をさらに大きくしてなぜだと問いかけました。 人間の女の子は答えます。 「私にはあなたよりもこわいものがあるからです。」 たいそ...
  • A-02
    作品リストへ 前へ 次へ A-02:39-00712-01 相葉 翔 アウトウェイ さん 「星の願いごと」 静かにいつもこのそらに輝いている この輝きが届く場所ではどんな思いで見ている人がいるのだろう 笑顔?期待? 絶望?不安? 悲しい思いでは見て欲しくないと願う 出来るのは輝くことだけ でもそれだけしか出来なくても 太陽みたいに心を照らせる 真っ暗な中でいくつも輝き 月と一緒に照らしてる 悲しみを出さないように 優しく いつも優しく でもそれは夜明けまでのお手伝い 夜があければ太陽が力強く照らしてくれる 強く とても強く 太陽にある強さと月や星の優しさ それが見ている側に届いているのだろうか 届かないのなら 夜空を切り...
  • A-18
    作品リストへ 前へ 次へ(携帯版) 次へ(PC版) A-18:35-00688-01:ウル:ゴロネコ藩国 さん 「掃除をした猿」 遠い遠い場所のお話。  そこには多くの猿が住んでいて、とても便利な国でした。しかしその国は便利を求めるあまり、汚れがどんどんひどくなっていったのです。そこで猿の王さまは、一匹の猿に国の掃除を命じました。 「我が国は非常に有害なゴミが溜まっている。君にはそれを取り除いてもらいたい」  一匹の猿は、王の命ならとそれをありがたく受け入れました。  まず一匹の猿は王宮と街の掃除をしました。  王宮と街はみるみるうちにきれいになっていき、王さまはとても喜びました。街の猿たちも大喜びで、一匹の猿をほめたたえました。  次に一匹の猿は川へ行き、岸辺や川の中を掃除して、魚が住めるようにしました。これに漁師たちは大喜び。これでまた魚が取れると一匹の猿に...
  • A-01
    作品リストへ 前へ 次へ A-01:01-00005-01:テル:るしにゃん王国 さん 「ヴィオラと吼える谷」 るしにゃん王国、森と湖の国に小さな村がありました。  丘陵を臨む山地には、巨大な爪か、もしくは強大な雷で抉られたように、大きく深い谷が佇んでいます。人々は険しい谷を背に、山の木々に抱かれるように静かに暮らしていました。  狩猟と採取は男の仕事、女は谷から溢れる水を汲む仕事を受け持っていました。皆は7つになった日から村の仕事を分担し、協力して暮らすのです。  三日月が輝く夜、ヴィオラは7つの誕生日を前に眠れずにいました。  それはけしてわくわくとした期待や、新しい仕事に対する緊張が理由なのではありません。  新たな仕事を受け取るにあたって、子供達はお手本を受けます。まず簡単な仕事を。例えば背の低いりんごの木を習ったり、歩き易い近くの泉を習ったり。 ...
  • A-13
    作品リストへ 前へ 次へ A-13:00-00804-01:あんどーなつ:天領 さん 「ごみ姫さまのお話」 ※一部改稿がありました。 わたし達は生きている限りゴミを出します。食べ物やその容器、ポリ袋、いらなくなった電化製品やおもちゃ、その他いろいろ。それらのゴミは廃棄物処理場に運ばれてるのはみなさん知っていることでしょう。ごみになる前は何かしらの夢だったもの。例えば飛行機のラジコンは少年にとっての夢だったでしょう。それらがごみとなり運ばれる場所はいつしかドリーム・アイランド、つまり夢の島と呼ばれるようになりました。 そんなところに住んでいる女の子が一人。髪もぼさぼさで服はぼろぼろ、顔や足は汚れ、歯抜けの顔で笑い、近寄るだけでひどい匂いがします。たった一人しか住んでいないからそこは彼女にとっての王国。彼女は夢の島のお姫様でした。名前を付けるとしたら、ごみ姫様でしょう...
  • A-38
    作品リストへ 前へ 次へ A-38:39-00709-01:西田八朗:アウトウェイ さん 「林の話~冒険~」 林の中にはオバケが居る 町中で、そんな噂が広がったのは、春の初めの頃 風が強い日の事だった この町には、一本の大樹を中心にして広がる林がある 大樹はこの町の観光名物で、林に隣接するように大きな公園も作られた その公園で、ゴミ回収をしているオジサンが、林の奥から奇妙な音が聞こえた、って言っていたことが噂の元だ やんちゃな子供達が噂に興味を持って林に向かったけれど、誰も居ない筈の林の奥から変な音が聞こえたと、顔を真っ青にして帰ってきた そんな林の入口に、少年が一人立っている この町では見かけない肌の色をしている 彼は最近この町を訪れた少年だ つまりは異邦人である 彼はまだ、この町に友達が居ない 肌の色が違う 瞳の色が違...
  • A-29
    作品リストへ 前へ 次へ A-29:06-00806-01:空馬:レンジャー連邦 さん 「ふけない涙」 空を見上げれば運が良ければ君達にも見れるかもしれない。不思議な箒を担ぎ、空を走る女の子の姿を。その子は世界中旅して回る悲しみを払う掃除婦。名前はユメル。笑顔を振りまき心の中の悲しみを払う為に世界中の空を駆け回る可愛い可愛い女の子。今までに幾百幾千も悲しみを払い、涙を拭いてきた。でも払うことができなかった事もある。今日はそのお話。 ユメルは今日も空を駆ける。雲を蹴って風に乗り、テッテテッテと駆け巡る。すると耳に泣き声が飛び込んできた。老婆の泣き声だ。ユメルは地上に舞い降りて泣いている老婆の所へ向かった。 その老婆は墓地に居た。ユメルは駆け寄って話しかける。 ユメル「こんにちはお婆ちゃん。ちょっといいかしら?」 老婆はびっくりしながらも落ち着いて、...
  • A-06
    作品リストへ 前へ 次へ(携帯版) 次へ(PC版) A-06:13-00274-01:槙 昌福:よんた藩国 さん 「虫愛でる姫君」 これは僕の夢のお話です。 その日、僕は蝶でした。 春の日差しをその背に浴びて、風とワルツを踊ります。 甘い花の香りに誘われて、僕は一人の姫君に出会いました。 それは虫愛でる姫君と呼ばれる、可愛らしき姫君でした。 姫君は私を手に乗せて 「ちょうちょさん。ちょうちょさん、あなたの羽はどこまで飛べるの?」 と言いました。 「そんなの分からないよ。」僕は答えました。 姫君は少し悲しそうな顔をして 「そう、私にもあなたの様な羽があったらよかったのにね」 と言いました。 僕は不思議に想い、くるりと触覚を丸めて尋ねます。 「どうしたのさ。...
  • A-21
    作品リストへ 前へ(携帯版) 前へ(PC版) 次へ A-21:35-00681-01:YOT:ゴロネコ藩国 さん 「男の子と女の子とペンギンのお話し」 あるところに、男の子と女の子とペンギンがいました。 男の子はいじめられっ子でした。 女の子はとても元気な子で、男の子がいじめられてるといつも助けにきてくれました。 ペンギンは男の子の友達でした、男の子がペンギンと話していると 人がペンギンと話すのはおかしいとまた他の人にいじめられましたが、 それでも男の子はペンギンに話しかけ続けました、友達だからです。 女の子は男の子に会うたびにいつも凄い速さで一方的におしゃべりをしていきます。 いじめられて泣いていた男の子はいつもそれで元気になります。 女の子は男の子に会うたびにいつも男の子の背中をバチーンと思い切り叩いていきます。 男の子は背中が痛くて嫌でし...
  • A-36
    作品リストへ 前へ 次へ A-36:39-00709-01:西田八朗:アウトウェイ さん 「木の話~帰郷~」 砂塵舞う金の海 男は一人砂漠を歩いていた 纏っている外套は、幾年幾月経ったものか、襤褸にしか見えない ボサボサに伸びた白髪と白髭には、砂と埃がこびりついていた 日に焼けた肌は赤黒く、腕も脚も細く、とても目前に広がる砂漠を踏破できるとは思えない 次第に歩みも遅くなり、瞳の輝きも薄れていく しかし、彼の歩みは止まることはなかった 彼は戦士であった かつて彼の世界では大きな戦争が起きた 彼の故郷は、主戦場から遠く離れた地にあったが、彼は戦士としての自分の使命を果たすために、妻と子を残し戦場へ向かった 戦場へ向かう彼を、妻は涙を隠し、再び会えるよう祈りを込めて、ハープの音に歌を合わせて彼を送った 子は、彼に、家族の名を刻んだ手製のハーモニカを渡して...
  • A-05
    作品リストへ 前へ 次へ A-05:26-00058-01:多岐川佑華:たけきの藩国 さん 「男の子と星降る夜のお話」  世界は7の月になると星が降って滅びるんだよ。  そう言われていた頃がありました。  その話を聞いていた一人の男の子がいました。  男の子はその話を「面白い」と思いました。世界が滅びる瞬間に立ち会えるなんて。  男の子は毎晩空を見上げて星が降るのを待ちました。  望遠鏡を覗いては、星が降るのを待っていました。  そんなある夜の事です。  今日も男の子は星を見ていました。  何かが光りました。  男の子はびっくりして光る方向を望遠鏡で覗き込みました。  望遠鏡から円盤状のものがフラフラと落ちてくるのが見えました。  男の子はその円盤状のもの何なのか知りたくて、近付いてみる事にしました。  近くで見る円盤状のものは、ちょうど子供一人...
  • A-35
    作品リストへ 前へ 次へ A-35:00-00778-01:エド・戒:天領 さん 「よろこびのうた」 暗いところで泣いている子供がいた。 子供の周りには何もなく、ただ暗い闇だけが広がっていた。 子供はうずくまって、耳を塞いでいた 「なにも聞きたくない、なにもみたくない、何も…感じたくない」 呪文のように紡がれる言葉は、ただ闇に吸い込まれていった。 子供は世界を拒み続けた。 ずっと、ずっと… それこそ気の遠くなるほどの長い間、子供は世界を拒み続けて… 気づけば子供は青年になっていた。 誰とも触れあわず、語り合わず、何とも関わらずに生きてきた青年は声を無くしていた 表情を無くしていた そんな青年はある日、突然何かを感じた 青年の世界に突然飛び込んだ変異 青年は顔を上げて辺りを見回した。 何も変わらない、闇が...
  • A-04
    作品リストへ 前へ 次へ A-04:26-00498-01:二郎真君:たけきの藩国 さん 「ある勇者のお話」 むかしむかし。とはいえないぐらいの、ちょっと昔。 ある世界に、正義の勇者がいました。 彼は己の正義を貫き、悪を退治する、まっすぐな人でした。 倒した悪は数知れず、彼は悪を倒す剣を振りかざし、人々によくこう言いました。 「悪は必ず滅びる。そして、人に迷惑をかけるヤツは俺が許さない」 その勇者はあるとき、人々の集まるところで正義を語りました。 「北の大国に人々を苦しめる悪い王様がいると聞く。そんなヤツは許せない。皆もそう思うだろ?」 『そうだ。どんな理由があっても、民衆を苦しめる王様なんて悪いヤツに決まってる。いつものように成敗してください』 人々は勇者の事を良く知っているので、迷惑そうにしながらも、表面上は笑顔で口々に言いました。大人ってこんな...
  • A-20
    作品リストへ 前へ 次へ A-20:26-00723-01:でいだらのっぽ:たけきの藩国 「りゅうにつかえるいちぞくのおはなし」 ある所に、とても武に長けた、強い強い一族がありました。 彼らは闘争を繰り返し、だんだんと勢力を伸ばしていったのです。 次第に一族の領土は拡がり、大きな国をつくるまでになりました。 その国は平和でしたが、野蛮な部分も残っていました。 彼らの長は、最も武に長けた、一族で一番強い者でなければならなかったのです。 だから、この一族の長となるため、人はみな来る日も来る日も、己を鍛え続けたのです。 この国には、一つの伝説がありました。 どこかの山奥に、世界で一番の力を持った、恐ろしい姿をした龍が宝を守って隠れている、という伝説です。 あるとき、一族の長となった若者が龍を探しにいきました。 彼は一族で一番強かったので、戦う相手がいなか...
  • A-33
    作品リストへ 前へ 次へ A-33:29-00548-01:下丁:になし藩国 さん 「魔王の子守唄」 暴れ者の魔王がいました 彼は退屈が嫌いで、いつも暴れては国や町を壊していました 人々は魔王を見ると怖くなって逃げ出してしまいました 魔王の強さは皆が知っていたので誰も手を出そうとはしなかったのです 「物足りない、満たされない、毎日が退屈だ、もっと変化に富んだ毎日が欲しい」 魔王は、そう思いました そんなある日、魔王の元に一人の勇者が現れました 「貴方が魔王ね。はじめまして、私は貴方にあって話したい事があったの」 魔王は答えます 「いかにも俺が魔王だ。一人で乗り込んでくるその度胸に免じて話を聞いてやる」 勇者はまだ年端もいかない女の子でしたが、彼女はは臆する事無く言いました 「お願いがあるの、これ以上、国や町を壊さないで欲しい」 それを聞いた魔王はこ...
  • A-15
    作品リストへ 前へ 次へ(携帯版) 次へ(PC版) A-15:26-00500-01:月光ほろほろ:たけきの藩国 さん 「翼が欲しかった少年」 あなたには誰にも負けないものはありますか? 自慢できるものが無かったら、それはいけないことなのでしょうか?  *―*―*―*―* 昔々、鳥に憧れた少年がいました。その子は空を夢見て、自由に空を羽ばたくことを願いました。自分は地面に足がついていて、ひどく、こう、不自由な感じがしました。 (あれだけ自由に飛べたら楽しいだろうな)と思いました。 (空を飛べたら、みんなもすごいって言ってくれるぞ)とも思いました。 少年には他の友達のように自慢できるものが無かったのです。走るのも一番じゃないし、頭もそんなに良くない、と思っています。 (あぁ僕が鳥だったら空を飛べるし、楽器だったらキレイな音で鳴るのにな…) でも少年は鳥で...
  • A-24
    作品リストへ 前へ 次へ(携帯版) 次へ(PC版) A-24:10-00212-01:桂林怜夜:世界忍者国 さん 「クルミと月夜の物語」  深い深い森の中。小さな村の更にはずれから、もっと森の奥に入ったところに綺麗な泉が湧いていた。泉の傍らには小さな祠があって、その祠の正面に大きなクルミと小さなクルミが何年も仲良く暮らしているのだ。  クルミの子供は母さんが大好きだった。森のどのクルミも、母さんほど大きな葉っぱは見たことが無いし、赤い綺麗な花を咲かせるのも母さんだけ。クルミの子は母さんと同じ形の小さな小さな葉っぱが自慢だった。  母さんは毎晩、月が昇って森の動物達が眠る頃、クルミの子供にお話を聞かせてあげる。鹿のじいさんが大昔に泉に映った月を飲み干そうとしたこと、去年巣立った鳥が今年も母さんの頭に巣を作ったこと。母さんは何でも知っていた。  ある晩、クルミの子供は母さ...
  • A-08
    作品リストへ 前へ(携帯版) 前へ(PC版) 次へ A-08:00-00655-01:沙崎絢市:天領 さん 「ナデオニ」  目が合った。 ネコリスと。  ごちそうさまと食器を洗い場に置きに行って、ふと目の前を見たら目が合っ た。星空の見える窓、そのガラスの反対側に手乗りサイズのネコリス。  窓は開けられない。 目を合わせたままゆっくりと廊下まで戻って、まだそこにいることを確認して から一気に駆け出す。廊下から玄関を飛び出し、裸足で家を半周してあの窓の 外側へ飛びつく。  が、ネコリスはもういなかった。 負けた。 ダッシュ力が足りないのか。今度の体育の授業は50m走を練習しよう、そう しよう。  天気のいい日は気分もいい。 ふと空を見上げると、目が合った。 ネコリスと。  屋根の上に、子猫ぐらいのネコリスがいた。昼寝中だったのか寝...
  • A-14
    作品リストへ 前へ 次へ A-14:34-00771-01 皆見一二三:リワマヒ国 さん 「ボク」 ここはともて暗い世界、ボクしかいない、なにもない世界 どこか暖かい世界、なぜかはわからないけど暖かい世界 ボクしかいないから考えたことなんて、考えるなんてしたことないけど ほんのり暖かい――― たまにボクを呼ぶなにかが聞こえる、意味はわからないけど ボクしかいないから、聞こえてくるのがなんなのかわからないけど、聞こえてるのかもわからないけど 感じる――― ボクは手探りで周りを探ってみる、でもやっぱりなにもない 考えたことなんて一度もないから、考える必要なんてない世界だから ただ漠然と思っただけかもしれない ここから出てみたいな――― そのときはじめて世界が変わった気がした 知らなかっただけかもしれないけど、知ろうともしな...
  • A-34
    作品リストへ 前へ 次へ A-34:26-00497-01:志水高末:たけきの藩国 さん 「星かがやく夜」 ――雨の降る夜遅く、空を見上げる少年がいました ――酒臭い男は問いかけます 「こんな時間にどうした」 「明日、晴れるか心配なんです」 「明日、何があるんだ」 「七夕です。織姫と彦星が会えるか心配で」 ――空には一面の雲、星々のまたたきをさえぎっていました ――少年は空をにらみつける ――雲よ去れとでも言いたげに 「君は、どうして二人が会えるか心配なんだ」 「二人は、一年に一度しか会えないんです」 ――少年の目は、責めるように男の目をとらえます 「会えなかったら、悲しすぎます」 ――男は諭すように答えます 「大丈夫、宇宙(そら)はきっと晴れているはずだ」 ――少年は空の向こうにある、宇宙を見上げま...
  • A-37
    作品リストへ 前へ 次へ(携帯版) 次へ(PC版) A-37:00-00565-01:那限逢真・三影:天領 さん 「ある旅人のお話」 /*/  それはどことも違う場所。  どことも違う時間。  全てがこことは違う世界。  そんな世界で当てもなく旅をする旅人がいました。  旅人は心のどこかが欠けていて、旅人は虚ろな心で旅をしていました。  ある時、旅人は樹の下で雨に打たれていました。  とても冷たい雨なのに、旅人は雨の中でぼんやりしていました。  ふと気がつくと、同じ樹の下で倒れている女の子がいました。  旅人は気紛れで、そう本当に気紛れで女の子を助けることにしました。  助けられた女の子は旅人の後ろをついて歩くようになりました。  不思議になった旅人は、ある時女の子になんでついてくるのかと尋ねます。 「貴方が私を助けたから、私も貴方を助...
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