ダンガンロンパSSまとめwiki内検索 / 「kk13_258-261」で検索した結果

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  • kk13_258-261
    「ふぅ…今日も疲れたなぁ…そうだ、霧切さん、何か飲む?」 「そうね…じゃあ、いつも通りでお願いするわ」 ジャバウォック島での事件の後処理に追われた日の終わり、霧切さんとボクはそんな会話を繰り広げていた。 「はぁ…酷い目に遭った…。まさか本部の人たちがあんなにしつこく聞いてくるなんて…」 「あのね、苗木君…そのしつこい本部の人たちを振り切れたのは誰のおかげだと思ってるの?」 「うん、それは感謝してるって…ありがとう、霧切さん」 「まったく…あなた1人だと心配だったから付いて行ってあげたけど…案の定、だったわね。そのせいで寝不足気味だわ…。少し、仮眠を取らせて…」 そう言うが早いか、霧切さんはソファの上で寝息を立て始めた。 (ホントにありがとう…霧切さん…) いつもなら見られない彼女の無防備な寝顔を覗きこみ、コーヒーの準備を始めた。が、 「あっ、インスタントしか無いや…」 ...
  • kk13_275-285
    カセットコンロの弱火で煮えるすき焼き鍋の音だけが空しく響く。 苗木家の食卓に五人も座っているが、誰一人声を発しない状況が続く。 いや、家に帰ってきても会話らしい会話はあったけど、どこか余所余所しいっていうのか――。 「……このままじゃ肉が焦げてしまうな。さぁ、みんな食べようか?」 「え、えぇ」 「いただきます」 「……いただきます」 そんな雰囲気を打破するために一家の大黒柱である父さんが先陣を切った。 母さんも同意し、僕と霧切さんも目配せで鍋に箸を伸ばす。 「……どうして?」 そして、僕らが家に着てから一言もしゃべらず俯いていた妹がやっと喋った。 "喋った"というよりはつぶやいたという表現が合っていたけど。 「ねぇ、どうして? どうしてお父さんもお母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃんも平気な顔していられるの?」 ...
  • kk13_242-243
    「苗木君、ちょっといいかしら」  朝、食堂から出た所で霧切さんに声をかけられた。彼女は寝ていないのかどうか、珍しく疲れた表情をしていて、それでもしゃんと姿勢よく立っている。  僕は眉をひそめながら、 「霧切さん、ちゃんと寝ないとだめだよ」 「大丈夫よ。慣れているから」  そういう問題ではなく。  と、文句を継ぐまもなく霧切さんに手を取られ、ぐいっ、と強引に引っ張られる。 「ど、どこいくの?」  足をもつれさせながらそう尋ねても、 「いいから」  と、霧切さんは取り合ってくれない。  しかたなく僕は口を閉じて、ずんずんずんずんと早足のペースで進む彼女の隣にどうにか並んだ。  行き着いた先は図書室だった。 「入って」  寝不足で充血した目をしながら、霧切さんは僕を見てそう簡潔に告げる。なんか誘拐犯に脅されてるみたいだ、なんて思った。  図書室に入ると、霧切さんは司...
  • 霧切響子個人スレSS その13
    【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.13】 ※SSにはスーパーダンガンロンパ2のネタバレが含まれている場合があります。  閲覧の際は自己責任の下でよろしくお願いします。  備考欄に「※2ネタバレ」が記載されているものはネタバレが入っています。 レス ID タイトル 備考 40-48 OyIR3RPk 挙動不審な霧切さん 73-74 b5hcK31g 『シ○○ッ○』 前スレ924-930の続き? 78-80 bY0Zlv74 お母さんと呼ぶ 114-119 moZ6dfnX 前スレ924-930の続き 155-156 F7Mk1Wi8 妖艶霧切さん 173-176 YPifsfma なえぎり三題噺「子供ができる」「喧嘩」「鍋」 193-194 YPifsfma 「あるいはただのとばっちり」 199-202 AaGgeQ1r 実家帰省 ...
  • kk13_78-80
     その一言は僕にとって、まさに不覚と呼んでいい一言だった。 「あ、お母さ―――」  ん、と、最後まで言うことなく、僕の顔は朱に染まって口ごもる。立派なデスクに腰かけ本を読んでいた霧切さんが、僕の方を見てきょとん、とした。  昼下がりの一時。希望ヶ峰学園校舎の一室を借りて作られた霧切さんの事務所。  霧切さんを所長とし、僕をその助手として学園側に届け出て、その結果借りられたいわゆる部室のような場所に、僕と霧切さんはいた。  入口から入ってすぐのところに低いテーブルとそれを挟むように置かれた二つのソファ。そのさらに奥に霧切さんが座っている大きなデスク(霧切さんの自費らしい)があって、その背中に窓。そして小さなシンクが備えられている。  部屋の両脇には本棚と棚が混在していて、いろんな書類や霧切さんが持ち込んだ推理小説、僕が持ち込んだ娯楽小説や食器、電話などが置かれて...
  • kk13_40-48
     今日の霧切さんは、なんだか朝から挙動不審だった。 「霧切ちゃん、おっはよー」 「おはよう、朝日奈さん」 「おはよう、霧切さん、朝日奈さん」 「苗木もおはよっ。今日もいい天気だねぇ」 「っ、お、おはよ、う、苗木君」  ――訂正。正確には、僕に対して、挙動不審だった。  朝日奈さんの挨拶にはごくごく普通に、いつもどおりの返事をしていたのに、僕に対してはどこか気まずそうにそっぽをむいて。  何かあったのだろうか。というか、僕、何かしたっけ? 「こういういい天気の時はさぁ、やっぱ思いっきり泳いで、そんでドーナツをたくさん食べるに限るよね!」 「今日に限らなくったって、朝日奈さんはそればっかりな気がするけれど……」 「天気のいい日は特別なだって! それがわかんないなんて、苗木、人生の8割は損してるね! ね、霧切ちゃん?」  との朝日奈さんの言葉に、霧...
  • kk13_73-74
    『シ○○ッ○』 現在希望ヶ峰学園は冬休み中 クラスメートのほとんどは実家に帰ったり仕事だったりして現在学園にはいない 僕は実家に帰る前に部屋の掃除をしていた そして終わったころ外の空気を吸いたくなり屋上へと向かった ドアを開けると流れ込む冷たい冬の空気に身を震わせる 「寒くなってきたなぁ」 はぁ、と吐いた息は白くなり空へと消えていく ポケットに手を突っ込み目的のものを取り出す それを箱から出す 「うーん……手袋つけたままだとやっぱり剥がれないか」 仕方なく右手の手袋を外し封を破る 焼け爛れた右手が露わになるが気にせずそのまま箱の中身を取り出し口に咥える 希望ヶ峰学園の校章が描かれた黒い手袋をはめ直した 「……」 咥えたそれの味をかみ締める 久しぶりに見かけたこれを思わず衝動買いしてしまったけどこれは正解だった...
  • kk13_409-414
    「あっ」 と、声を上げた時には時、既に遅し。 僕の手から離れた食器は地球の重力に引かれるようにフローリングの床に落下した。 「あちゃー……」 割れちゃったか。 仕方なく古新聞とガムテープを用意する。 破片で手を切らないよう細心の注意を払いながら割れた食器を摘みあげる。 何層もの古新聞で包んだ後はガムテープでグルグル巻きにしてサインペンで"割れ物"と記入する。 「……おっと、もうこんな時間か」 余計な手間が増えたことで予定の出勤時間が迫っていた。 部屋着からスーツへ手早く着替える。 割れた食器の補充は今日の仕事が終わった後にでも補充するとしよう――。 ~ As You Like ~ 「おはようございます」 「おはよう、苗木君」 「ん、おはよう霧切さん。……おや?」 自分のデスクに座る...
  • kk13_321-329
     女性特有の柔らかさ、とでも言うのだろうか。  腕の中でたおやかな曲線を描く、その背中。  かさばったスーツを着ていないと、これほどまでに小さく、細くなってしまうのか。  僕よりも背が高くて、どんな時も冷静沈着で、振舞いも大人っぽくて、独りでも強くて。  そんないつもの霧切さんは、そこにはいなかった。  僕の腕によりかかっているのは、力を込めれば折れてしまいそうな、細身の女の子。 「あ、りがとう…」 「…いや、うん…」  戸惑った声。お互いに、だ。 「その、…酔っているみたいで・・」 「そうみたいだね。僕が来る前にも飲んでたんでしょ?」 「ええ、そう、ね…だから、その、苗木君…」  小さな肩が、きゅっ、と縮こまる。 「…腕を、離してくれないかしら。……胸に、当たっているから…」  言いにくそうにして、腕の中で、...
  • kk13_173-176
    「霧切さん、お鍋できたよ。机の上片付けてくれる?」 「わかったわ。今日は何鍋?」 「鴨鍋。ご飯はどうしようか。少しよそる? それとも全部おじやに回しちゃう?」 「少しいただくわ。おじやも楽しみだけれど、鴨肉をご飯なしで食べるのもなんだかもったいないし」 「了解。じゃ、少しよそっちゃうね」 「苗木君はなにかかける?」 「うーん、どうしよう。とりあえず七味と……霧切さんは?」 「そうね……レモン汁なんかどうかしら」 「鴨鍋にレモンって合うの?」 「さあ? でも、さっぱりしそうじゃない?」 ◇ 「いただきます」 「いただきます」 「……うん、美味しい」 「味が染みてるわね。お豆腐がすごく美味しい」 「お豆腐も、って言って欲しいかな。がんもも野菜も美味しいよ」 「鴨鍋に雁擬きってなんだか不思議な感じね」 「美味しければいいんだよ。お鍋だもの」 「そう...
  • kk13_502-505
    頭にバンダナを巻いたらエプロンを装着する。 「いざ進めやキッチ~ン♪ 目指すはチョコレート♪」 鼻歌を口ずさみながらキッチンに立つ。 無塩バター、砂糖、塩、卵、薄力粉。そして主役のチョコレート。 よし、材料は全て揃っているな。 早速腕まくりして僕は調理に取り掛かるのだった――。 ~ As You Like  take2 ~ 「おはよう」 「おはよう、霧切さん」 「おはよう苗木君。はい、これ」 朝の挨拶と一緒に可愛くラッピングされた四角い箱が手渡された。 そのまま自分のデスクに座らず十神君と葉隠君にも同じようにラッピングされた箱を手渡している。 僕ら男性三人衆は思わず顔を見合わせた。 そしてもう一度ラッピングされた四角い箱を凝視する。 うーん、霧切さんが男性陣みんなにチョコレートか――。 彼女も社交的になった...
  • kk13_632-634
    「猫カフェに行きましょう」  霧切さんが唐突に言い出した。僕は驚いて彼女の方を見る。わずかに頬を上気させている彼女の手には、何やらパンフレットのようなものが握られていた。 「猫カフェに行きましょう」  繰り返し言う霧切さん。大事なことなんだねわかります。僕は立ち上がって彼女に近づくと、その手に握られていたパンフレットをえいやっと抜き取った。 「三毛猫アメショシャム猫、オスメス子猫成猫みんなが振り向くあの子まで! どんなご要望にもお答えします!」  紙面いっぱいにひしめくねこネコ猫。上部にはポップな字体でそんな謳い文句が印刷されている。  僕は紙面から目を上げ、霧切さんを見た。目線がぶつかる。霧切さんは少し恥ずかしそうに目をそらす。 「……部室のポストに入れられていたのよ」 「そうなんだ……?」  納得しかけて、首を傾げ、もう一度紙...
  • kk13_114-119
    前回のおさらい! 僕の妹が霧切さんに懐いて、家族候補生として強引に苗木家へ招待した。 いったい、どうなってしまうのか!? ――――― 勝手知ったる我が家の扉を開けると、玄関には母さんがいた。 「たっだいまー!」 「ただいまー」 「おかえりなさい二人共。……あら、そちらの女の子は誠君のお友達かしら?」 「はじめまして、おばさま」 「あらあら、誠君もこんなかわいいお嫁さんを連れてくるなんて隅に置けないわ……」 「ちょっと母さん……! クラスメイトの霧切さんだよ」 「はじめまして、霧切響子です」 「ふふっ、何もないところだけどゆっくりしていってね」 「はい、お邪魔します」 靴を脱ぎ、妹が履き捨てるように脱いだスニーカーもついでに揃えておく。 霧切さんのローファーが僕のスニーカーの隣に並ぶと目配せで階段の左隣にあるリビングに案内する。 ...
  • kk13_300-302
    『誕生日のプレゼント』 学園厨房 私は目の前の黒い物体と睨めっこしていた 「……どうしてうまくできないのかしら」 このままだと間に合わない…… 「おやおやぁ?何やら困っている様子ですねぇ~」 「!?」 振り返った先にいたのはモノクマ その手に何やら紙束を持っている 「普段料理なんてしない子が急にできる訳ないでしょ~」 「……」 「というわけではいこれ」 モノクマが私に紙束を渡してくるので受け取り読む 「これは……レシピ?」 「生徒の必要としてるものを揃えるのも学園長の仕事だからね~」 「……」 「じゃあ僕は帰るけど……決してアレンジしようなんて思わずそのレシピ通りに作る事。じゃあねー」 モノクマが去る それを確認して私はレシピを読み解いていく 「よし……」 そして私は再び厨房へと立った...
  • kk13_193-194
     自分の体型なんて、今まであまりきにしたことはなかった。  気にする余裕もないほどに張り詰めていた、というのもあるけれど、なにより同年代の子達と混じって生活することがあまりなかったからだと思う。  回りにいるのはみんな大人。それも、大抵は男性だ。  特殊な性癖でない限りまだ年端もいかない少女を女として見ることはなく、だから自分が女だと意識することもあまりなく。  服装こそ少女向けのものであっても、身体の変調にもあまり意識を向けることはなくて、周期的にやってくる怠さに自分の性別を教えられることも少なくなかったように思う。  そんな私の意識が変わったのは、間違いなく希望ヶ峰学園にやってきてからだろう。  同世代の子どもたち。私よりもずっと女らしい丸みを帯びた少女たち。そんな彼女らに熱い視線を向ける少年たち。  当初こそ色恋沙汰なんて面倒臭い、と思っていた私だったけれど、無愛...
  • kk13_155-156
    「ねえ苗木君、ちょっと来なさい」  窓辺に置いた椅子の上、月光を浴びながら霧切さんが僕にそう呼びかけた。 「どうしたの、霧切さん」  重厚な椅子の上、足を組んだ霧切さんは、羽織ったバスローブを少しはだけさせ、片手にウイスキーグラスを持ち、誘うような目で僕を見ていた。  降り注ぐ月光が、もともと色白な彼女の肌をさらに白く染める。まるで透き通るような白に。それでいて、頬の辺だけがほんのりと赤く、いつもと少し違う艶っぽさを醸し出していた。 「さ、ぼうっとしていないで、いらっしゃい」  誘われるがままに、僕は彼女へと近寄った。  眼前に立つと、そのまま手招きをされる。しゃがみなさい、の合図だ。それに従ってしゃがみこむと、まるで彼女に跪いているかのような気分になる。 「いい子ね、苗木君」  霧切さんの手が僕の頭に伸びてくる。言葉通り、いい子...
  • kk13_963-967
    「よっしゃあ!討伐ゥ~!!」 「乙ですぞ~」 食堂に、桑田君と山田君の声が鳴り響いた。 私がここに入ってきてからずっと、その2人と苗木君・不二咲君は食堂の隅っこのほうに集まり、何かをしていた。 「強かったけど、倒せてよかったよ。でも、まさか不二咲クンがあんなに上手だとは思わなかったな」 「えへへぇ…僕、強かった?嬉しいなぁ…」 「むむっ…可憐な見た目とは裏腹の強さで、バッタバッタとエイリアンを薙ぎ倒していくその姿…アリだなッ!」 「ねーよ!そもそも、不二咲は男だろーが!」 「その程度…障害と呼ぶのもおこがましい!」 「え…えっとぉ…10分くらい休憩挟んでもいいかなぁ?僕、ちょっと疲れちゃったぁ」 馬鹿2人はさておいて彼らの会話の内容から推測するに、どうやら彼らはエイリアンを討伐するゲームをやっているようだ。 おおかた、苗木君があのガチャガチャで当てた携帯ゲーム機を皆に...
  • kk10_262-265
    未来機関第十四支部の会議室にあるホワイトボードにはこんな言葉が記されていた。 "第12回 新世界プログラム・監視者デザイン会議" "No、モノクマ! Yes、プリティ!"をコンセプトにお題の動物から監視者のアバターデザインを決めていくという会議だった。 しかし、蓋を開けてみればその都度しっくり来るデザインが出ず、あれよあれよと気づいたら12回もやっていたというわけだ。 そして司会・進行の十神君が口を開く。 「腐川と朝日奈が欠席だが、過半数に達しているということで始めるぞ」 因みに朝日奈さんは世界食糧会議の特派員として出席している。 何でも世界の飢餓や栄養不足問題をプロテインで解決してくると意気込んでいた。 そしてもう一人、腐川さんは別人格のジェノサイダー翔が表立っているということで本部に軟禁、もとい拘束中。 ...
  • kk11_238-244
    「あら、霧切さん。こんな所で会うなんて奇遇ね」 「舞園さん」  放課後の図書室。  普段立ち入ろうとしないここで、舞園さんと出会った事には理由がある。  私の数少ない趣味の一つが推理小説を読む事。とは言っても有名な作品からからマイナーな作品まで、興味のある作品はあらかた読みつくしてしまっている。  入学当初に図書室に行き、置かれている推理小説を探してみたが、読んだ事のある作品ばかりだった。それ以降、読む物の無い図書室に行く理由も無く、入る事も無かったのだが・・・。 「霧切さんも読書?」 「ええ。推理小説以外の本を読んでみようと思って」  舞園さんが手に持っているのは300ページ程の文庫。私が視線を送っている事に気付いたのか、表紙を見せてくれた。  察せられないように見たつもりだったのだが、気付かれたらしい。相変わらず勘が鋭い。 ...
  • kk15_18-24
     久々の休暇だというのに、既に午睡で半分を費やしていた。  良くも悪くも、生産性のない趣味に没頭することは無いだろうと、自分を省みたことは幾度かあった。  仕事が趣味だ、と言えば、十神君にすら同情の視線を向けられたことを覚えている。  無趣味のまま過ごす一日が、これほどまで辛いものだと、久方ぶりに実感した。  目が覚めたばかりの私の頭の中を、重苦しい感覚が占めている。  テーブルの上に放り投げ、それでも捨て去ることは出来なかったその原因を、私は今日何度目か睨みつける。 「……、はぁ」  隣にいるはずの彼の面影を浮かべて、私は深く溜息を吐いた。  携帯電話に手を伸ばし、待ち受け画面を開く。  変わりない無機質な待ち受け画面。  それを見て、多少なりとも気分が沈んでいる自分に驚いた。  届くはずのないメールを、来るはずのない着信を、無意識に待...
  • kk12_268
    苗「…あの、霧切さん」 霧「……何?」 苗「……、…今着けてる下着の色を教えて下さい」 霧「……」 苗「……」 霧「…泣きそうな顔で、何を尋ねているのよ、貴方は…」 苗「いっそ思いっきり罵倒してください…」 霧「…疲れているの?」 苗「ごめん…セクハラだよね、いや、分かってて聞いたっていうか、あの」 霧「……いいわ、気にしていないもの」 苗「え?」 霧「どうせ大方、葉隠君あたりに罰ゲームで指示されたんでしょう?」 苗「いや、あの、……」 霧「ああ、庇わなくていいのよ。というか、貴方の反応で裏は取れたわ」 苗(葉隠君、南無……) 霧「下心があるワケじゃないのは分かってるから。『貴方には』怒ったり呆れたりしないわ」 苗「……うん、でも…その、やっぱりごめん」 霧「それにしても…相変わらず、病的なまでに隠し事が下手なのね。馬鹿正直の、苗木君?」...
  • kk14_23-28
    Q01.あなたの名前を教えてください 苗木:苗木誠です。十四支部所属です。 霧切:霧切響子。同じく十四支部所属。 Q02.年齢は? 苗木:多分20歳。 霧切:同じく。生年月日では一応私の方が年上ね。 Q03.性別は? 苗木:男です。 霧切:女。 Q04.貴方の性格は? 苗木:ほんの少しだけ前向きなところですね。 霧切:気になることはとことん調べる、かしら? Q05.相手の性格は? 霧切:バカ正直なところ。 苗木:大人びているけど年相応の女の子ってところが……痛っ! ちょっと、抓らないでよ!? Q06.二人の出会いはいつ? どこで? 苗木:希望ヶ峰学園だね。 霧切:記憶が消される前の話だとそうなるわね。 Q07.相手の第一印象は? 苗木:話しにくい人だったかも。 霧切:冴えない人。 Q08.相手のどんなところ...
  • kk11_198-201
     初めて会った年には、ブランド物の香水。  後で分かったことだけれど、実は男物を選んでしまっていたようで、その辺のドジっぽさは彼らしい。  その翌年には、ガラスの容器に入れられた一輪の薔薇。  撫子色の照明までついた可愛らしいもので、柄じゃないと言いつつも、内心嬉しかったりする。  よくもまあ、毎年律義にプレゼントをくれる男の子だ。  こちらとしてはお返しを選ぶのが大変なので、遠慮したいというのが正直な気持ち。  なにせ生意気な事に、その一つ一つがどこかオシャレで、いかにもプレゼントといったものばかりなのだから。  けれどもあの子犬のような笑顔で、「おめでとう」なんて言われながら手渡されて、どうにも毎年断れなかったりする。  なので、今年は先手を打ってみることにした。 「…苗木君。実は今年から、私の誕生日は廃止されたのよ」 「えっと、何言ってるの...
  • kk26_248-250
    「霧切、悪いが明日までにこのデータをまとめておいてくれ」 「A地区の被害状況について、本部に送る報告書の作成を頼む」 「救援物資の輸送が必要な地域の割り出しをお願いできるかしら、霧切さん」  上司からの頼み。否、命令。  立て続けに仕事を上乗せされ、内心頭を抱えるも――承諾以外の返事はあり得ない。  能力を買ってくれているのはありがたいけれど、それとこれとは話が別だ。  それでもデスク上のパソコンと向き合い、黙々と作業を消化していく事一体何時間経ったろうか。  日が傾いてくると徐々に人の数はまばらになった。私の仕事はまだ終わらない。  目の奥が疼痛を訴えてくるのを誤魔化すように、眉間の皺を指でぐりぐりと押さえる。 (……あっちは進展があったのかしら)  軽く伸びをして小休止。凝り固まった身体を解しながら同じく第14支部に勤めている元級友達...
  • 霧切響子個人スレSS その9
    【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.9】 レス ID タイトル 備考 25-30 7PHrQWMZ 寝不足霧切さん 225,233-238 hTcwS907,UOVbmTR/ ゲーマーと遊ぼう! 七海千秋が娘だった場合 243-252 pras1iL0 同窓会 272-276 rfe36ae4 やるときはやる苗木 324-325 ExAjXSuf 濡れる大捜査線 濡れて透ける 346-351 GSqJoVA9 濡れる大捜査線2 505号室を封鎖せよ! 324-325の続き 358-360 IKY2VJhP 雨宿り 383-388 jlaOnuTq 濡れる大捜査線3 346-351の続き 470-477 T6dZLdOi 長所 488-494 cyiyVuN+ 愛のMTB MTB 548-556 ugFgMY4H 濡れる大捜査線4(完) 383-388...
  • 3_274
    山田「うおおおおお、何故だぁぁ!何故僕の麗しのメイド喫茶案が敗れたというのだぁ!!」 葉隠「俺は寝てたから良く知らんが、まぁ決まったものはしようがない。諦めが肝心だべ」 山田「くそぅ、せっかく不二咲千尋殿が乗り気になったというのに、あそこでセレス殿の反対さえなければ!」 葉隠「まぁまぁ、元気出せって。そうだ、さっきの結果、どうしたらうまくいってたか特別に占ってやるべ」 山田「いやぁ、今更そんなもの占ってもらっても困るというか‥、意味ねーじゃん」 葉隠「むむむむ‥、来たぞ! これは‥!!」 山田「あ、あのセレス殿!」 セレス「あら山田君。どうしたのです?さっそく衣装についての話し合いですか?」 山田「い、いえ。実はその‥、先ほどセレス殿に言った言葉を訂正させて頂きたくてですね‥」 セレス「先ほどの言葉?」 山田「拙者‥、いや、僕が本当に見たかった...
  • kk16_11-13
     要は、希望ヶ峰学園宿舎に一匹の野良猫が居着いた、という話だ。 「ただいま…っと」  部屋のドアを開けようとして、それよりも先に灰色の毛玉が中から飛び出して来た。  どうやら鍵を閉め忘れていたらしい。  部屋の中を見るに、何か荒らされていたというわけでもなかった。せいぜい、枕が裏返っていたくらい。  どこから入りこんだのか、あるいは誰かが手引きでもしているのか。  警備の目を上手い具合にすりぬけて、この猫はちょくちょくこの宿舎を徘徊している。  餌をやる生徒もあれば、邪険にして追い払う生徒もあり。僕はどちらかというと前者だ。  …けど、懐かれているワケではないらしい。悲しくも。  鞄をベッドの上に放り投げ、すぐに部屋を後にする。  猫の行き先には、心当たりがあった。 「…隣いいかな、霧切さん」 「……それは、この仔に聞いてくれる?」 ...
  • kk9_25-30
    「んっーー」 腕を突き上げて伸びをする、背中の筋が伸びた。それと同時に少しだけ眠気が覚める。 「どうしたの霧切さん?腕を伸ばしたりして、なんだか眠そうだね」 まだ教室には私達しかいないようで、私の隣に座る苗木君が話しかけてきた。 「寝不足なのよ。――最近どうしても解けない謎があって、ね」 「霧切さんでも解けない謎があるんだ?」 「えぇ、その謎について知れば知るほど謎が深まっていくのよ」 何せ今まで経験したことの無い問題なのだから 「……すごく難しい問題みたいだね。僕で良かったら少しは手伝うよ」 「霧切さんの助手だし、役に立ちたいんだ」 「……助手、ね……。結構よ」 そんな義務感で手伝うなんて、言わないでほしい 「――あなたに手伝ってもらう方が余計にややこしくなるもの」 「そんなー」 「気持ちだけ受け取っておくわ、ありがとう苗木...
  • 3_206-207
    朝日奈「さくらちゃん!! 食堂でメイド喫茶でもやってみない?」 大神「あ、朝日奈!? メイド喫茶と言うとメイドの服を着て 客を主人呼ばわりする…あれか?」 朝日奈「そうそう! さくらちゃんも知ってるんだ!!」 大神「そういえば聞いたことがあってな… されど、我にそのような服など着こなせるのだろうか…」 朝日奈「気合で大丈夫だよ!!」 大神「…そこまで言うのなら…」 数分後 食堂 山田「ふぅ…おなかが減ったであります… って、朝日奈葵殿っ!?」 朝日奈「おかえりなさいませ!!ご主人様!!」 山田「な、何故にメイド服を!?」 朝日奈「えへへ~、似合うでしょ~。」 山田「た、確かに似合いますが… まだまだですな。」 朝日奈「え?何で?」 山田「ありきたりすぎるのです!! テンプレどおり過ぎて刺激が足りないの...
  • k20_268-269,271-274
     やっぱり苗木君に似ているわね、というのが話してみた感想。 「誰とでも友達になれるのが私の特技です!」と自負するだけはある。  こまるちゃんが話題を出して、苗木君がたしなめながらもみんなに振る。  仲の良い兄妹ね――ちょっと焼いてしまうくらい。  私が来てからだいぶ時間が過ぎたけれども、会話は尽きない。  今日来ていないメンバーの話や高校生活のこと。  今自分たちがどんなことをしているかを聞くだけでも楽しかった。 「あ、僕ちょっとお手洗い言ってくるね」  会話がひと段落したところで苗木君が席を立った。  はいはーいとこまるちゃんが笑顔で見送る。  と、苗木君が見えなくなった途端。  こまるちゃんがやおら表情を真剣にしたかと思うと 「え、えーっとですね……女性の方にだけ聞いてほしいことがあるんです……」  そう切り出...
  • t_25
    苗木「あ、腐川さん携帯買ったんだね」 腐川「な、何。悪いの?」 苗木「そんなことないよ!ね、番号交換しない?」 腐川「!!!っ、か、感謝しなさいよ。してあげるわ」 ピッピッ・・・(交換中) 苗木「出来た!テストするね」 腐川「ああっ!?だ、駄目よぉ!!」 『おい腐川。おい腐川。おい腐川。』 苗木「・・・」 腐川「・・・ うきゃあああああっ!笑えばいいわ!」 苗木「腐川さん」 腐川「ひいっ!?な、何よ」 苗木「そのデータ、『おい』の所だけくれないかな。」(真顔) 十神「あいつら・・・」 その後、苗木が手に入れたデータを山田に編集してもらって配信してたのはまた別の話
  • kk14_756-758
    ソファでくつろぎながらテレビを見る――。仕事の後によくある光景だ。 でも、僕らのよく観る番組はバラエティではなくサスペンスドラマだったりする。 けれど今日はどうにもドラマの内容が頭に入らなかった――。 と、いうのも晩酌のお供に開けた口コミで評判の発泡酒が予想以上に美味しく、頭がボーっとして登場人物の会話が今ひとつ記憶できない。 右耳から話の内容が入ってきて、そのまま左耳を通り過ぎるような感じ。 そんなものだからテレビの映像より目の前の光景に興味が湧いてくる。 僕の右隣に座り、食い入るように画面を見つめる響子さんの方に傾くのだった――。 ~ キリキス vol.2 ~ 「ね、ね、響子さん響子さん」 「……なに? 今いいところなの」 「こっちで観ない?」 ポンポンと自分の膝を叩き、もっと傍で一緒に観ないかと誘ってみる。 「イヤ」 ...
  • kk14_619-621
    浴室用洗剤の泡と共に浴槽の水垢をシャワーの水で簡単に濯いでパネルの"湯はり"ボタンを押したらお風呂の準備は完了した。 後はお風呂が沸くまで待つだけとネクタイを緩めながらリビングに戻ると、響子さんが二人掛けのソファを独占するように横になっていた。 「あっ、ごめんなさい……。こんな行儀の悪い格好で」 「いいよ、そのまま足伸ばしてて。お仕事お疲れさま」 「あなたの方もお疲れ様」 申し訳なさそうに肘掛の部分に乗せていた足をどかそうとしたので、やんわりと止めておく。 長時間の運転で足が張っているのだろう。 少しでも早くその痛みから解放できるようにするのが支えるパートナーの務め。 お風呂が沸くまでのしばしの間、フローリングの床に座って待つくらい何のそのだ。 ~ キリキス vol.1 ~ 「響子さんの運転、隣で見ていたけどカッコよかった...
  • kk10_959-961
    日直の仕事で授業に使う資料を図書室から取りにいく途中のことだった。 「これも因果律の運命か、死を告げる堕天使よ……!」 教室の廊下に立っている一人の生徒が僕らを、正確には霧切さんをジッと見つめていた。 ――両手に水の入ったバケツを持たされながら。 ~ ガンダム、廊下に立つ! ~ 小声で"知り合いなの?"と聞いてみると、霧切さんは首を横に振る。 「死を告げる堕天使よ、貴様の能力が本物かどうか俺様が直々に試してやろう……。ジャッジメントだ!」 素通りしようと思ったけど僕らの前に立ちはだかるのだった。 こっちは急いでいるっていうのに――。 「……その妙な呼び名をやめてもらえないかしら?」 「フッ、何をほざくかと思いきや……。貴様ら一族のみに与えられた能力、俺様の前で隠し通せるとでも思ったか?」 「一つ確認す...
  • kk11_607-612
     あからさまにわざとらしいモノには、あからさまに純粋なものがよく似合う、と聞いた。  今、その出で立ちを見て、僕はそれを実感する。 「……何、じろじろと」 「いや、…似合うな、と思って」  特に照れるでも嫌がるでもなく、霧切さんはただ首を傾げた。  その仕草の、似合うこと。  『雪女』、だそうだ。  白地に仄かな群青色が宿った、帯まで本格的な意匠の着物。  雪の結晶をかたどった、透明な髪飾り。  仮装というよりはコスプレに近い装いだけれど、どこか浮世離れした彼女の雰囲気と相まって、 「…うん、似合うよ、やっぱり」 「…褒めてるのかしら、それは」 「え? や、そりゃ、まあ…」 「……貴方は邪気の無い人だから良いけれど。妖怪の出で立ちが似合うと言われても、反応に困ってしまうわ」  ああ、そういうことか。 「いや、うん…妖怪という...
  • kk12_900
    ボクトケイヤクシテマホウショウジョニナッテホシインダ 画面に移る白いマスコットみたいなキャラが喋るとそのままエンディング曲が流れはじめた。 「あっ、第1話が終わったみたい」 「……苗木君もこういうアニメを見るのね」 「山田君が貸してくれたんだよ。暇なら苗木誠殿も見てはいかがかなって言われて」 ノートパソコンを不二咲くんから借りて僕が山田君から借りたDVDを見ていた。 そこに霧切さんが来て何も言わず隣に座り観賞してたんだけど…… 「こんな得体の知れない存在にいきなり魔法少女になれ、だなんて言われてなる少女がいたら見てみたいわね。」 「ははは……」 どうも霧切さんには不評みたいだ。 ちなみに僕としては第1話を見た限り面白いとは思ったけどね。 ボクハ、キミタチノネガイゴトヲナンテ...
  • kk11_456
    苗木君と霧切さんが未来機関でそれなりに親密になったら 霧切さんが苗木君にいろいろ捜査とかの手ほどきをしているんだけど 自分の教えた技術で、逆に苗木君に追い込まれてしまえばいい、という妄想 霧「…つまり、動揺している人間を見定める手段が必要になるの。ここまではいいかしら」 苗「うん」 霧「個人差はあるけれど…視線の動きや頬の色に着目するのが一番分かりやすいわね」 苗「他には?」 霧「そうね……手が冷たくなっていたり、あとは…手で唇や鼻を触るというのも…」 苗「なるほど…けど、それでも認めない相手には、どうしたらいいの?」 霧「一番は、相手の矛盾を突いて論破して、追い詰めて自白させることね」 苗「な、なんか…エグイね、表現が」 霧「……必要な事よ、探偵業には」 苗「……じゃあさ、霧切さん」 霧「何?」 苗「…僕、霧切さんの...
  • kk12_960
    ある日の放課後 『ギイイィィィヤアアアアアァァァ!!!!!』 叫び声とともにTV画面がのほとんどが赤色の何かで埋め尽くされる。 眼を背けたくなる光景だが我慢する。正直一人で見てたらDVDの再生を停止してたかもしれない。 だけど隣にいる人物の存在がリモコンに手を伸ばそうとする感情をギリギリで踏みとどまらせる。 超高校級の探偵、霧切響子。 いつの頃からか彼女が暇な時、こうして放課後一緒に映画のを見る事が多くなっていた。 きっかけは他愛ない会話のその時やってた映画の内容について盛り上がったからかもしれない。 本日のジャンルはスプラッタホラー、正直画面が赤いのは苦手だ。血の色が違う色だったら平気なのに……。 などと考えながらなるべく画面を注視しないようにしながら(それでも過激なシーンでは反応してしまった)鑑賞が終わった。 「リアルな表現が売りらしいけど...
  • kk11_436
    霧「……ケホッ、ごホッ、……はぁ」 苗「…霧切さん、どうしたの? なんか熱っぽい?」 霧「……そうね…ちょっと昨日から、寒気も…」 苗「ちょっと熱測るね」ピトッ 霧「きゃっ……」 苗「うーん…ちょっと熱いかな」 霧(お、おでこが……な、苗木君のくせにナマイキね…) 霧(なにか仕返しを…) 霧「……苗木君。お願いがあるのだけれど」 苗「何? あ、何か買ってこようか? 冷たいものとか…」 霧「それもいいのだけれど…汗をかいてしまって気持ち悪いの」 苗「あ…そ、そっか! ごめん、気が利かなくて…」 霧「構わないわ、別に」 苗「じゃ、じゃあ僕、ちょっと外に出て…」 霧「温かいタオルで体を拭いて、それから着替えるのを手伝ってくれれば」 苗「……!?」 霧「どうしたの、苗木君」 苗「い、いや、ちょっと、言ってる意味が…」 霧「まさか貴方は、困って...
  • kk12_798-805
    「……朝日奈さんは、放っておいていいのかしら」  拝啓、未来機関同課所属の諸先輩様方及び朝日奈さん。  もしも今日僕が帰らぬ人となったら、僕のノートパソコンをけっして開けることなく処分してください。 「あの、霧切さん、僕は」 「…随分綺麗になったわね、彼女。精神的にも大人になったし。相談や愚痴の相手にはもってこいじゃない」 「……」  私とは違ってね、と、開いた扉のチェーンを外すことなく、隙間から睨みつけてくる霧切さん。  確実に、不機嫌だ。  いや、あれだけ怒らせて、話をしてくれるだけでもありがたいとは重々承知しているけれども。  けれども、これは。  どうして部屋の内側から吹きつけてくる風が、外気よりも寒々しいのか。  そして、どうして今まで楽しかった思い出が頭の中を駆け巡っているのか。  いやいや大袈裟な、そんな、謝りに来...
  • kk12_722-725
    『違、うよ』  考えずに、反射で喋る。  助けを求めるような彼女の声に圧されて、勝手に口が動いてしまった。  それでも、ならば何故、と、縋るような瞳がさらに問うてくる。  本当に、差し出そうだなんて考えていたわけじゃない。  出来ることなら僕だって、あの人に霧切さんを近づけたくはない。  でも、あの先輩に頼まれたのも本当だ。どうにかして霧切さんを連れて来い、と。  苗木、お前は霧切ちゃんの何なんだ。  守るとか考えてんなら、お門違いだぞ。  恋人でもなんでもねえんだろ、たかだか数年俺らより付き合い長いだけで、彼氏面すんなって。  お邪魔だよ、俺らにとっても、彼女にとっても。  誰を選ぶかなんて、霧切ちゃんが決めることで、お前が指図する権利なんてないだろ。  分かったな、絶対連れてこいよ。  どこかで否定したかった、僕が彼女を縛ってしま...
  • kk15_321-325
    朝、寝ぼけ眼で寄宿舎の食堂に足を運び朝食を摂る。 寮に住んでいる僕ら本科の学生では当たり前の出来事だったが、たまに"超高校級"と呼ぶにふさわしいとんでもない出来事に遭遇することがある。 今日がそんな日だった――。 「おはよう苗木君。隣、いいかしら?」 「あ、霧切さんおはよう。どうぞ座って」 小鉢の縁で生卵を軽く叩き、ヒビを入れていたら霧切さんが隣の席に座る。 そして玉子の殻が混ざらないようにゆっくりと小鉢へ割る。 「……寝癖、ついてるわよ」 「あははっ、ごめん。朝ご飯食べ終わったら整えておくよ」 少量の醤油を垂らしたら箸でぐりぐりとかき混ぜる。 白身と黄身、醤油が一つに混ぜ合わさったら茶碗のご飯の上に。 さらにご飯とかき混ぜ、白いご飯が瞬く間に黄金色へと変わる。 略称TKG。玉子かけご飯の完成だ。 いざ、実食――...
  • k2_259-267,286-300
     轟々と燃える、焼却炉。 『霧切、俺のことは気にするな!』  裏切り者が、叫ぶ。  幾度となく繰り返される、あの日の夢。  この夢は過去の記憶をなぞるだけ、故に私はその結末を知っている。だからこそ、恐い。  あの時の私は、探偵への憧れと、事件解決への焦燥、そして名誉の渇望を抱いた、  どうしようもなく愚かしい子供でしかなかった。 『…彼の命は助けてくれるのね…?』  落ち着いて振舞おうとすればするほど、私の声や体は震え、冷たい汗が体中を伝う。 『ああ、いいぜ。きっちり30秒間な』 『…』  私は自ら、燃え滾る炎の中に、自分の両手を差し出した。 『うあ゛ぁあああぁぁああぁああああっ!!!!』  場面は一転して、見慣れた教室の一角が、私の主観から映しだされる。 『ね、霧切さんの手袋の下の秘密、知ってる?』 『知らない。っていうかアレって、なん...
  • 霧切響子個人スレSS その7
    【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.7】 レス ID タイトル 備考 26-35 BPdVJ+QK サンタギリさん 87-88 EZlZAWD7 「わたしのお父さん」 118-120 OYy6A2xb 仕返しの仕返し 132-134 fbq077rd カラオケ 138,139,141,151,154,156 pDMBrCWF 初日の出 195-200 O7xyFB7g 初詣・前編 205-210 O7xyFB7g 初詣・中編 214-221 O7xyFB7g 初詣・後編 229-230,245-248 W1FZhyLu,q+ucsloR コンセプション ナエギリ編 微エロ? 382 tRlLYYDm 美人局 445-447 fmIHUu/e ナエギリ観光記 470-476 djBo1R9M ナエギリ宿泊記 1/2 445-447続き 485...
  • 3代目スレ SSまとめ
    【希望が峰】ダンガンロンパキャラ萌え総合 【3日目】 SS レス ID タイトル キャラ・傾向 備考 14-17 LCae9Jcb 全員 39-40 Pv3foiXf 山田×セレス 43-44 LCae9Jcb 超高校級の残念 江ノ島 48-50 GpSOrEhs もう幾つ寝ると 全員 98-99 ui3QQDi0 山田×セレス 112-192 BKhxwKFR 【新春ダンガンバトル】 ~前編~ 全員 152-160 LlccmfFB 全員 167-168 EV2brOQU 全員 黒幕交代 206-207 YY6nUhKt 朝日奈、大神、山田 メイド喫茶 209-211 pZCJOkV2 昼食のパン 苗木x戦刃 263,265 1FH++JPa 学園祭の出し物 全員 学園祭ネタ 274 7v7B14MZ 山田、セレス他 263,265の続き 283-288...
  • 霧切響子個人スレSS その2
    【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part2 レス ID タイトル 備考 48 nOecuONv 新年・全員 61-62 q7jbqw7h 前スレ919-920・中編 68-73 TbpZ4wsA 前スレ965-966・後編 78-80 8lEYS2Sp 幼児退行 121 yyEDDkCA 浮気談義 195 dEssGC+t キャンプネタ 214 joVGE21q 226-230 a4kyvqMh 混浴ネタ 259-267,286-300 DKmh/sR9,jx1yxKL2 火傷 311-314 wTFyVGDQ 僕の好きな人は(前編) 苗霧ラブシリアス? 327-328,330 HaX/rmV+ 61-62・後編 349-358 1cz8epR3 飲酒ネタ 372-377 riBZuSGW 猫霧さん 422-427 N8R1BbaE...
  • kk10_62-64
    「霧切さん!大丈夫?」 「ええ。なんとかね」 汗ひとつ垂らさずに、霧切さんはあくまで冷静に玄関のドアの鍵を閉め、チェーンをかける。 霧切さんの話によれば、僕の家に超高校級の絶望の残党が向かっているとの未確認情報があったらしい。 無いとは思うが万が一の事があるかもしれないという事でこうして駆け付けてくれたみたいだ。霧切さんは優しいな。 「未来機関の重要メンバーである苗木君を狙う…あり得ない話ではないから、念には念を入れないとね」 霧切さんは心配そうにつぶやくと、持っていたビニール袋から長い鎖を取り出し、ドアをがんじがらめにして強く縛り付ける。 さらには板を用意し、絶望しそうなバットで小窓にガコンガコンとクギをさしていく。 「ちょ…いくらなんでもやりすぎじゃ」 「ここは7階だから、外から入るとしたらこのドアと廊下に面してる備え付けの小窓くらいしかないの...
  • kk10_40-44
    私たちがあのコロシアイ学園生活を乗り切り。希望の象徴として全国にTV放映されていたのは知っていたが。 そのことにこんな反響があるとは思いもよらなかった。 「あなたがあの苗木誠君? 放送見てたわよ、すっごくカッコよかった!」 「テレビで見るより小っちゃくてかわいい~」 「そ、そんな……///」 「ねぇ? 彼女いるの?」 「どうかな苗木君? わしの娘なんかは」 「いやぁ……恐縮です。僕なんかに……」 ………………なによデレデレして。 私が昼休憩から戻る際にロビーを通りかかったら、彼の姿が見えた。何人かが彼を囲んで談笑してる。つい癖で物陰に身を潜め聞き耳を立ててしまった。 どうやら機関の仲間たちと話しているようだが。 ………………。 人類史上最大最悪の絶望事件により、世界中が絶望に覆われてもなお希望を捨てなかった人たちが学園を出てすぐの私...
  • kk16 844-851
      「……苗木君、ちょっといいかしら」  幾度目かの自由時間。  学園の探索も滞り、当初の生活と比べれば穏やかな日々が続いていた。  いつものように朝食会に顔を出し、仲間たちと談笑を交わし、自室に戻ろうとしていたところで、珍しい相手に呼びとめられた。 「どうしたの、霧切さん?」 「…この後、用事とかあったりする…?」  振りかえって、僕はギクリとする。  声の主、霧切さんが、まるでモノクマに対峙している時のような表情を浮かべていたからだ。  眉をしかめ、深刻そうに唇を結んで。  驚いて、条件反射のように首を振る。 「…そう。なら、私の部屋に来て」 「え、」 「……いいわね」  有無を言わさず、と言った語調で、口早に言い捨てると、霧切さんは背を向けて食堂を出て行ってしまった。  心臓が嫌な跳ね方をした。  というのも、これまでも何回か二人で話をすることはあったけれど、彼女の方から僕...
  • kk9_358-360
    とあるバス停にて 「ツいてないね、予報では午後から―なんて言ってたのに」 「あくまで天気予報は予想でしかないのよ。外れる事なんてザラよ――それに山の天気は変わりやすいもの」 「それにしたって天気も空気を読んで欲しいよ。折角、霧切さんがスパッと事件を解決したのに」 「……そうね、でも被害者を悼む涙雨ともとれるんじゃないかしら」 「そうだよね、ゴメンね。不謹慎なこと言っちゃって」 「いいえ、私も雨が憂鬱なのは同じだから…探偵の性とはいえ事件に巻き込まれるのも、ね」 僕達二人は、僕がたまたま当てた福引きの日帰り旅行に来ていた。 ちょうどペア券だったし、運良く霧切さんの予定も空いていたので、勇気を出して誘ってみた。 一応、普段頑張ってる僕へのご褒美って名目で。 普通に誘ったんじゃ断られるかもしれないし、助手として頑張ってる僕の労をねぎらうという形にしてもらった。 ...
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