生徒会SS

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生徒会SS



あっちん・T・アキカン



希望崎学園の校舎から少し離れたところにある小屋。

そこに向かってピョコピョコ駆けていく者(物?)がいる。

それは扉の前まで到着すると、必死でジャンプする。

体長約20cm。それでも取っ手に届くのだからたいしたもんだ。

だが、それが限界だった。

ぶら下がりながら足をばたつかせる。

“コンコンコン・・。”


「ん?あぁ、ヤツが来たみたいだな。おい、開けてやれ。」

“ぎぃ~っ”

「よう、よく来たな。今日はどんな指令を預かってきたんだ?」

「ち、違うメカ。今日は個人的に来ただけメカよ。」

「はぁ?何しに?」

「何しにって・・。明日はついに決戦メカよ~!!」

「おいおい、まさか参加するつもりかよ。」

「あんたは役立たずなんだから、お家に帰りな!!」

「そ、そんな冷たいこと言わないで欲しいメカ・・。あたちも仲間メカよ。」

「仲間じゃねぇよ!!」

「お前はただの“あの御方”からの使いだろ?せっせと伝言だけ預かってくればいいんだよ。」

「で、でもこの日のためにパワーアップしてきたメカよ。腕立てと腹筋も毎日忘れずにやってるメカ・・。」

「へ~、どうパワーアップしたって?」

「おい、もう、こんなのに構うなよ。作戦会議しよ~ぜ。時間の無駄だ。」

「いいから聞くだけ聞いてみようぜ。きっとおもしれ~から。」

「よくぞ聞いてくれたメカ。まずは王者の剣メカ!!」

「そして、これが光の鎧と勇者の盾メカ!!伝説の勇者が装備していたものメカよ。ゾーマだって倒せるメカ。」

「え・・・?プッ・・。マジで言ってるの?ぎゃははは・・・!!!」

「腹痛ぇ~よ!!」

「ちょっ!!おまっww これ、折り紙じゃん。」

「ちょっと貸してみ? ほら紙飛行機になったぜ。」

「お!俺にも貸してくれよぉ。」

「あ・・、投げちゃ駄目メカよ~。一生懸命折ったメカ。あたちの大切な武器メカ~。」

・・・・・。

「あ~ぁ、破れちまった。ほら、返してやるよ。ビリビリになったけど」

「うん、それと戦力外だから。さっさと帰ってくんないかな?迷惑なんだけど。」

「あ・・あぁ・・グスン・・。あ・・あたちも皆の力になりたかったメカ。一緒に番長Gを倒したかった・・大切な仲間になりたかった・・・メカ・・よ。」
「あ・・明日の決戦・・がんばって下さい・・メカ。・・・・陰ながら、応援・・しているメカ。」

トボトボとゆっくり外へ向かう。涙すら出てこない自分の体の構造を呪いながら・・。

「ふ~、あぶねえ。あんなのが参加してたら番長Gに舐められちまうよ。」

「あれ?あいつの後ろに何かくっついてないか?手紙みたいの。」

「あ、本当だ。」

“ピリッ”

「ん、どれどれ? おぉ、あの御方からのメッセージじゃんかよ。」

『新生徒会諸君!! 私は貴殿らを誇りに思う。私が援助を申し出てから、約一年。貴殿らの努力結果、憎き番長Gと対抗できうる組織を作り上げてくれた。明日の最終決戦に私が参加できないのが非情に残念だ。その代わりと言ってはなんだが、一つ兵器をプレゼントさせて欲しい。明日の決戦に非常に役に立つものだ。この手紙を貼り付けておいたアキカンの中にそれを入れておいた。おっと、今開けてはいけないぞ。裏に取り扱い説明を付けておいたから、良く読んでおいてくれ。
 それでは貴殿らの勝利を祈っている。   Kより』

「お、おい・・。ちょっと待て!!」

「やっぱり、アキカンちゃんの力が必要かなぁ~って思ったりして。えへへ」

「え?ほ、本当メカ~!!」

「う、うん・・。お前がいないと勝てないかなぁって。な、なぁ、そう思うだろ?」

「え?お・・おう。俺は最初からアキカンの力が必要だと、うん、思ってたぜ!!」

「さっき、折り紙壊しちゃって・・その、ごめんなさい。」

「あ、気にしてないメカよ!!それより仲間と認められた方が嬉しいメカ!!明日はこの破れた紙飛行機で戦うメカ。友情の証メカ!!」

「そ、そっか。・・じゃあ、俺らは作戦を詰めるから、アキカンはもう帰って休んどきな。明日に備えとくんだぞ。」

「はいメカ!!今とっても幸せメカ。こんなに優しくされたの生まれて初めてメカよ。」

「明日は番長Gをメッカメカにするメカよ~!!!」

「お、おうよ。じゃ、明日な。転んで体に穴を開けたりすんなよ~。」

「もちろんメカ!バイバイメカ~。」


「ふ~、帰ったか・・・。」

「しかし、コタ・・いや、“あの御方”もとんでもないものをくれたなぁ。」

「あぁ、だが、使い方次第で強力な武器になることは間違いないな。くくく・・。」

「あいつも可哀相なヤツだよな~。ま、アキカンだから仕方ないか。」

「今幸せみたいだし、他のアキカンに比べたらマシなんじゃね?」

「そっか~、そうだよな!! ははは・・・!!」


あんかけ



「このトロトロ感は、期待できますね~。温度も34℃。一番リラックスできる温度です。・・・さて、肝心の部分は・・。うん、この粘り具合はいい!!さらに優しく循環し、最適な圧力で包み込む・・・。完璧です!!」

あんかけは満足していた。今までの研究の成果がついに最終段階まで進んだのだ。

「で、では早速、自分の体で実験を・・。」

小麦粉が部屋の中で舞い上がり、優しくあんかけに張り付いていく。それらは勢いを増し、ほど良い熱を持ちながら、ついに全身を包み込んだ。

「この体全体が浮いている感覚。そして、小麦粉に混ぜてあるアロマのかすかな香り・・。とてもよい感じです。」

「あ、ぬぉ~・・。このチ○コが吸い込まれる感覚。素晴らしい!! うっ・・。」
「あ、・・あぁ・・。らめぇ・・。そんなとこ刺激したら、らめぇぇええ!!!!」

射精と同時に小麦粉はどこかに消え去った。

「ふぅ・・。やっぱり最高だね!こんなに気持ち良いものなのに、みんなは防御能力としか見てくれなかったもんな・・。」
「でも、さすがにここまで感度を上げれば・・。グヒヒw」

「あ、そうだ。次郎丸さんと鳩子さんの分はどうしよう? 」

これは問題だった。童貞のあんかけにはサッパリ分からない分野である。
でも、女の子だけ無機質な小麦粉で包むわけにはいかなかった。彼にもプライドがある。彼女たちにも気持ちよくなってもらいたい。

~2週間後~

あんかけは駅前の繁華街に向かっていた。
路地を少し入ったところで1軒の古い建物がある。
人目を気にしながら、あんかけは地下へと降りていった。
看板には『魔人ご用達、大人の玩具屋』と書いてあった

「おやっさん、例のもの出来たかい?」

「もちろんだ。これだよ。文字通り最新作だ。」

そう言いながら、茶色い紙袋を渡す。

「どれどれ・・。ん?どこが最新作なんだ?店に置いてある方が太くて大きくない?」

「フフ・・。これだから若い者は・・。大きければ良いってもんじゃないんですよ。大事なのはフィット感ですよ。当店の自信作です。騙されたと思って使ってみてくださいよ。」

あんかけは店から出ると、部屋に篭って、手に入れたそれの大きさや形、そして動きを忠実に観察し続けた。
そして、ついに完璧に小麦粉でコピーすることに成功したのだ。

「や、やっと全て完成した!!完全なる防御、完全なる快楽を追求した小麦粉が・・。」

ここ何ヶ月間かの研究の成果、努力の結果が今ここで発揮される!!


死怒美洒巣



「チッ・・。ヘロインが切れかかってやがる。」
手が震えている・・。

自分を「パンクの精神」と崇拝する人間は多い。
だが、この呼び名は嫌いだった。
別にパンクなんか、音楽なんか全く興味はないのだ。

気付いたら、ベーシストになっていて
気付いたら、ヘロインにはまり
気付いたら、客を殴っていた。

何故、引けもしないベースなんか持たされているのだろう?

自分の意思で動いたことなど今までなかった。
というより、自分の意思を持ったことが一度もなかった。

それが怒りを増幅させる。
自分が本当にやりたいこと、そんなものは何もなかった。
何をやっても、そう感じる。
全ては誰かの手のひらの上で踊らされている。
この思考も誰か、いやヤツの思惑のウチだろう。

怒りが欲しい。全てを忘れるくらいの。
本当の自由を手にいれられる程の・・。

胸をカミソリで切り刻む。「FUCK」と
かすかな痛みが不思議な高揚感を与えてくれる。

このイラついた感情を吐き出したい。

“全てを破壊せ”

ポケットの中にある全てのヘロインをボンペイサファイアのビンの中に入れシャッフルする。
一気にジンを飲み干すと手の震えは止まった

「あぁ、ちょうどいいのが目の前にいるじゃんかよ。」

この怒りは永遠に消えやしない。
こいつらを殴っても何も変わらない。
それは・・・分かっている。

だけど・・・。

もう自分を止めることなんか出来やしないんだ・・・・。


スカラ・カーン


眼前に敵を捉え、漢――スカラ・カーンは、自慢の拳を握りしめ・・・・・・構える。

『魔人拳』

暑さ数十センチにも及ぶコンクリートすら粉砕しうる、彼のその能力を受けた者は数多く
その人知を超えた凄まじい威力の前に膝を屈した者も、受けた者達の数だけ存在していた


神速のごときスピードで、薄汚れた廊下を駆ける。
ところどころに付着した毒々しい色の血痕は、先に倒れた味方の血か、敵の血か。
通常の人間であれば、恐怖を呼び起こすその痕跡を目にしても、しかし――彼の心には一瞬のゆらぎもない。
なぜならば、彼は、現希望崎において、最高峰の脳筋バカなのだから。


今、彼の頭の中にあるのはただひとつ。
この自慢の拳を持って、眼前の敵を――粉砕する。それだけだ。


接近するスカラ・カーンに気づいたのか、敵は・・・・・・いや、的は、その両腕を組み、防御姿勢をとった。



だがそれも、無駄なこと。
彼の拳はまさに一撃必殺。いかなる防御も防壁も、彼の能力の前には意味をなさない。
時計の秒針が3度時を刻むころには、全ては終わっている。


勝利は既にスカラの手に
敗者はただ、力なく床に横たわるのみ。


猪狩信吾1



猪狩「あ、あぶないって・・。廊下は走ったらダメなんだよ~。」
死怒「あぁ?もう敵が目の前にせまっているのになに悠長なこと言ってるんだ、てめぇは?いいからそこドケ!!!」

死怒は、猪狩の胸ぐらをつかむと、軽々と放り投げた。

猪狩「イテテ・・。どうしても走っていくというのかい?」
死怒「あたりめーだボケ!!歩いていって反撃されたらどうするんだ?気付かれたら不意打ちの意味ねーだろ?」
猪狩「それでも僕は友達を走らせるなんて危険な目に合わす訳にはいかない。」

猪狩は両手を広げて死怒の前に立ちふさがった。

“ボゴォッ!!”

有無を言わさず死怒の鉄拳が飛ぶ

死怒「ったく・・。何なんだよ。うぜぇ~・・。意味わからね~とこで邪魔すんなよ。」

猪狩(痛え・・。超痛え~。それに怖い・・。殺されるかもしれない。足が震えてるよ。
でも・・、逃げちゃダメだ!!逃げちゃダメだ!!)

猪狩は必死の思いで死怒の足にしがみつく。

死怒「てめぇ~、本気で俺を怒らせやがったな!!番長Gの前にコイツで死んでみるか?あ?」

死怒はついに自慢のベースを取り出した。

とうとう猪狩は観念したように言う。

猪狩「分かった・・。そこまでの決意があるなら、もう止めはしないよ。でも少しでも危険が短くなるように細工をさせてくれないか?」

四方の空間がぐにゃりと曲がる、と同時に前方の景色がせまってきた。

「ふん・・・。」

まだ怒りがおさまらない死怒は、猪狩を蹴飛ばすと番長Gへ向けて走っていく。


・・・・・。

“プルルル・・・・。プルル・・・。”

猪狩「あ、会長ですか?小竹様の指示通り、死怒の怒りをMAXにさせたまま特攻させました。
スカル「うむ、ご苦労。そのまま次の支持を待て。」


猪狩信吾2


みんな死んだ。
突如現れたあの謎の人間。
過去、いくとどなくダンゲロス・ハルマゲドンの戦いの場に訪れ、状況を混沌とさせてきた、恐ろしい敵の手によって、多くの味方が死んでいった。

だが、戦いは終わっていない。



この戦いは、その乱入者を倒すために行われてるのではなく
番長たちを倒し、この学園に新たな秩序を築くためなのだから


だからこそ、猪狩は涙をぬぐって自らの力を使う
勝利をこの手につかむために。死んでいった友達に報いるために


空間をゆがめるこの力を。ただ、仲間と創る新たな世界に向けて――

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