メモ2

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ブラジル新時代 堀坂浩太郎
はじめにより

 ブラジルは南米の大国である。国土面積は世界で5番目で、南米の48%を占める。南北、東西それぞれに4,300キロの距離を有し、エクアドル、チリの2カ国を除く、南米の9カ国およびフランス領ギアナと国境を接し、国境線の長さは1万7,500キロにも及ぶ。人口は新世紀開始時点で、1億7,000万人を突破し、南米の49%を擁して世界で5番目である。経済規模は、世界銀行の『世界開発報告』(World Bank[2003])によると、2001年時点の国内総生産(GDP)で世界11位。南米経済の44%がブラジルによって担われている。

①
1930年代までの大土地所有層によるかとう政治がつづいた旧共和政時代。1822年のポルトガル王国からの独立・帝政化、1889年の共和政移行にもかかわらずである。

②
1930年から45年までのジェツリオ・バルガス大統領時代。近代化の遅れに恐れをいだいた若手軍人たちのクーデタに後押しされて政権の座につき、第二次世界大戦終了まで独裁制をつづけた。

③
戦後のポピュリズムの時代。選挙によって政府首班や議員を選出し形式的には民主主義体制をとりつつも、大統領の個性とリーダーシップが強く反映した。

④
64年~85年までの長期軍政の時代。キューバ革命(1959年)など冷戦の深化という緊迫した国際環境の下で、国家安全保障と開発優先主義(desenvolvomentarismo)をイデオロギーに掲げ、「上から」の工業化を急速に推し進めた。

⑤
85年3月以降の再民主化の時代。ルーラ政権の誕生までに約18年が経過し、この間にサルネイ、コロル、フランコ、カルドーゾの4人の文民大統領が登場した。


ブ辞典
(佐藤美由紀)
 連邦の構成単位は、連邦、州、連邦区、市である。米国と同様に、連邦憲法が他の構成単位に帰属させていないすべての権限を有する原則ではあるが、ブラジルの場合、憲法がかなり広範な権限を連邦に留保しているので、州の権限事項はその分制約されることになる。例えば、民法・商法・刑法・訴訟法・選挙法・農業法・海法・航空法・宇宙法・労働法は、連邦の立法事項である。

(小倉明浩)
 1990年に就任したコロル大統領は、経済低迷からの脱却を、ブラジル・モデルからの転換によって達成しようとした。同年の新工業・通商政策において、対外開放経済への転換(貿易・投資の自由化)と政府の役割の縮小(規制緩和、民営化など)を通じて、経済構造改造を図る方向を明確にした。政府が資産配分を主導するのではなく、市場の昨日を信頼し経済の介入を排するという新自由主義的(市場志向的)開発戦略への転換である。
 コロル政権は、輸入自由化や大規模な民営化計画を実現する。しかし、政府の経済への関与や外資への規制を定める1988年憲法の制約、またコロルの汚職疑惑によって、十分な成果をあげることができなかった。とりわけ国際通貨基金(IMF)との債務返済をめぐる合意が遅れたことは、構造改革への外資の支援を求める上で大きなマイナスであった。この結果インフレを悪化させ、改革は成果を挙げられなかった。

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