
騒ぎのある所に、ダバ・マイロードありってね!
ポセイダル軍の用いるガストガル系HMと、反乱軍のヤーマン系HMの技術が融合した新世代ヘビーメタル。原型はエルガイムのコピー機であるB級ヘビーメタルのディザードをベースに、ポセイダル軍の惑星トライデトアルのドヴァ基地の技術者メッシュ・メーカーが独自に新規開発した可変A級ヘビーメタルである「アモンデュール・スタック」。それをキャオがどさくさにまぎれてかっぱらい、更に試運転した当該機をギャブレーに酷評されたメッシュもキャオに「うちに来れば開発が継続できる」と誘われてダバの一行に加わり、二人が開発を担当した。強奪時に壊された頭部の代わりにガストガル星で発掘されたブラッドテンプル3号機の頭部を接続すると共にスパイラルフローシステムと360度全天囲モニターを組み込んで完成させたカスタムマシン。損壊したアイセンサーもエルガイムから転用している。腰部にランチャー用のプラグを6基搭載。バッシュが使っていたバスターランチャーを戦闘後に手に入れ、主武装として装備している。その際に改良が加えられ、ランチャーモードでの使用でさながらスナイパーのような働きをすることもあった。
スペック
| 分類 | ヘビーメタル、A級ヘビーメタル |
| 生産形態 | 改修機 |
| 頭頂高 | 23.9m |
| 全高 | 29.9m |
| 全備重量 | 36.8t |
| エネルギー | 電力、ソーラーパワー |
| 装甲材質 | ジーンプラ(FRPのような物) |
| フレーム | ムーバブルフレーム:Mサイズ |
| 開発者 | ミラウー・キャオ、メッシュ・メーカー |
| パイロット | ダバ・マイロード |
| 初登場作品 | 重戦機エルガイム 第27話「ミステイク・ラブ」(1984年8月11日放送) |
パイロットプロフィール
- ダバ・マイロード
オルドナ・ポセイダルに滅ぼされたヤーマン族カモン王家の生き残りで、本名はカモン・マイロード。養父ダバ・ハッサーの死後、彼の残したハンドメイドヘビーメタル・エルガイムを持って、親友ミラウー・キャオと旅に出る。当初は立身出世のためにポセイダル正規軍への入隊を志していたが、エルガイムを狙うリーリン一家との争いの中、アマンダラ・カマンダラの100万ギーンの手形を手に入れ、それをアマンダラに届けようとした結果、ポセイダル軍との戦いに巻き込まれていく事になる。
身長:180cm/体重:62kg/年齢:18歳/出身:コアム星ウーゴル/CV.平松広和
身長:180cm/体重:62kg/年齢:18歳/出身:コアム星ウーゴル/CV.平松広和
武装
- セイバー
エネルギーで刀身を構成した剣。未使用時は腕部に内蔵。
- ハンドランチャー
腕部のセイバーを発射装置としてビームを撃ち出す。
- ランサー
セイバーの槍バージョン。
- Sマイン
円盤状の爆弾で、相手に投げ付けて使用する。普段はバインダーに収納されている。起爆には化学反応を用いる為、レーザーやミサイルの直撃を受けても誘爆しない。
- パワーランチャー
ヘビーメタルに標準装備されたビーム兵器。腕部に装備。プローラー形態でも使用可能。
- バスターランチャー
改造して出力が向上した特注製。通常使用の「ランチャー」と最大出力の「バスター」のモードを使い分ける。プローラー形態では右側面に懸架して使用する。本来は、バッシュの装備品であったが、調整不良で遺棄されたものを上記の通り再調整・改造して用いている。コードは3本に増えており、腰部右側に接続して使用していた。
- バインダー
エルガイムのものと違い折り畳み式になった盾。裏側にセイバーやSマインを格納している。打突武器としては使いにくくなった。両肩に装備可能だが、バスターランチャー装備とプローラー形態を両立するためには右肩側を外す必要がある。
ドラゴニュートの人形劇では…
Episode7「反撃開始」にて初登場。ビルバインと共に蜃気楼の連れて来た援軍として登場した。撮影にはROBOT魂を使用している。
名台詞
- 「ドッキングセンサー!」
エルガイムのコックピットになる小型バイク「スパイラル・フロー」をエルガイムに収納する際に発する台詞。音声登録の類と思われていたが、後にキャオやアムがエルガイムで出撃した際にもこの台詞を言っており、「単なるロボットアニメ的な出撃時の決め台詞」という衝撃の事実が発覚する。もっとも音声によるコマンド入力という可能性もあるが(ようするに「誰が」言うのかは関係なくこの「言葉」を認識することでドッキングが開始される仕様)、言わないで出撃する事もあるため真相は不明。
- 「変なところに当たるな!」
第6話より。劇中でパワーランチャーを撃ったときの台詞。ゲームでも戦闘中の台詞として採用されている。ちなみに「変なところ」とは、コックピットなど、相手のパイロットの生死に関わる部位を指しており、ダバの優しさが垣間見える台詞である。余談であるが、SRWで印象に残ったのか、2007年放送のテレビアニメ『らき☆すた』でパロディとして使われている。
- 「スト、スト、スト…やるのね!?」
第9話より。身の潔白を証明すべく、ストリップをしようとしたレッシィに対して。
- 「皆もよく聞け!レッシィだって戦ってるんだ!いつまでもレッシィが生きてるなんて思うな!その時誰が代わって戦うんだ!? それはキミかもしれない、キミかもしれない。レッシィがいる間に学ぶものは学ぶ。それは俺だっていつ死ぬかわからないからだ!その時に誰かが代わらなければポセイダルを倒せないってことを、どうしてわかってくれないんだ!」
第16話より。戦い方を教えようとするレッシィに反発するキャオを修正し、反乱軍全体に激を飛ばす。ダバの言葉はステラの金銭よりも兵達の心を動かし、大きな被害を受けていた反乱軍の士気を呼び戻した。
- 「ポセイダル…見るがいい!お前に逆らうものはいくらでもいるということを!」
第18話より。ガストガル星の首都スヴェートに強引に突入、支配の象徴である巨大ポセイダル像の顔面にパワーランチャーを叩き込んで。
- 「騒ぎのある所に、ダバ・マイロードありってね!」
同話ラスト。鉱山惑星パラータを解放し、次の目的地に向かう際に残した決め台詞。
- 「自分だけが上等な生き方をしていると思うなよ!」
第23話で、クロソを騙っていた男を撃墜したネイに対し激昂して。高貴な生まれでありながら選民思想を持たず、平等な世界を望んでいる事を象徴するセリフ。
- 「最後までやらなきゃ分からないなんて、人生ってヤツは…!」
正規軍にスパイとして雇われていた単なる女たらしだった男が、反乱軍の伝説的英雄「クロソ将軍」として死んでいった様を見届けて。その言葉は最後の最後になって自身にも降りかかったのかもしれない…。
- 「やめろ…人を殺すと…君はもう普通の娘に…なれなくなるぞ! 不確かなままで人を殺す…ゲホッ、後悔するぞ…それで良ければやりな」
第24話より。シャワー中にミヤマ・アスフィーに暗殺されかけての台詞。
余談
- 前々作『戦闘メカ ザブングル』でウォーカー・ギャリアが出たり、前作『聖戦士ダンバイン』でビルバインが出た際も、オープニングに絵の差し替えはあれど曲は変わらなかったが、こちらは新オープニングの歌詞やアイキャッチの番組タイトルに「マーク2」とあり、名実ともに後半主役機の扱いを受けている。
- 一方で、主人公の搭乗機という役目を1号機メカであるエルガイムに最後の最後で奪い返されるという経緯を辿った珍しい主役機である(他の代表的な例は『機動戦士ガンダム00』のダブルオーライザー。2号機メカが先に大破したため、という経緯も似ている)。
- 先代の(所謂「一号ロボ」)エルガイムMk-Iが純白の美しい機体だったのに対し、本機は灰色の機体色になっており、頭部ユニットも細長い狐目(典型的な永野眼)である。どこか悪役然とした、主役機としては異質な機体であるが、そのデザインは放送当時から話題を呼び、今なお評価が高い。
- 『機動戦士ガンダムSEED』の監督をした福田己津央氏がクリエイティブプロデューサーを務めている『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で、本機のバスターランチャーがカスタマイズパーツとして販売されていた。
- 『機動戦士ガンダムSEED』に登場するガンダム群の額に刻印されたイタリア英数字は、チーフアニメーターである重田智が本作のデザインを気に入って採用した事をインタビューで発言している。
- 永野氏のラフイラストによると最終決戦の大破後には大幅な改修を受け、多数の武器を装備した爆撃機形態「プローラーII」として使用されたとある。
添付ファイル
