アンビエンス系

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(文・白くろ) 空間系。ディレイとリバーブ、あとは3Dパナーとかのことを書こうかな。 **ディレイ 簡単にいうと、&bold(){入力された音を、その一定時間後に再度出力する}という簡素な装置です。 &bold(){ディレイタイム}をいじることによって音の返りの時間差を決めます。 &bold(){フィードバック}は音を&bold(){繰り返す回数}のパラメータです。 あとはディレイ音のボリュームとかのパラメータがあります。 あとディレイ音にローパスとかイパスフィルター等の周波数操作をかけることができ、この項目が実は遠近感の調節に大きな役割を果たします。 ディレイの効能として特に多用されるのは下ぐらいのもんだろうか。 ・&bold(){音を目立たせるための単純なエコー} これは、単純にやまびこ効果を付加して他の音より目立たせようということです。 これはリバーブでも言えることだけど、&bold(){残響があんまりない中で一つだけ残響が多い音があると、その音が他の音と「良い意味でなじまない」状態になり、結果的に目立って聞こえます}。ボーカルとかでこの手法が多いです。 8分の1音符とか16分の1音符にディレイタイムを設定するとタイミングを乱さなくなるので音楽的になじむとも言われますが、まあ好みだと思います ちなみにボーカルの場合は、サイドチェーン機能を使って、歌の切れ目だけディレイがかかるようにするというダッキングだかバッキングだかという手法が頻出だそうです。 ・&bold(){音を目立たせるためのダブリング効果的なエコー} ディレイタイムを50ms以下くらいまで小さくすると、音がダブったような感じで聞こえるようになります。 ・&bold(){ハース効果による定位} これはスレレオディレイとかディレイ音を左右に振れるタイプのディレイ限定の話ですが、 例えばスピーカーの右から原音だけを出していて、左からはディレイ音を、ディレイタイムをかなり小さく、原音と同じ音量で出している場合、音量は同じでも&bold(){先に音の出る右側に音が定位する}ように感じられるというもので、これを音響心理学でハース効果と読んでいます。 というのもこれは、人間は基本的に音の位置を認識するにあたって左右の耳の距離がもたらす音のタイミングのずれを、無意識のうちに計算に組み込んでいるため、音を出す側で事前にこの時間差を計算してしまえばそのような音響心理をもたらすことができるというわけです。 MIDI検定の本とかは1~20msでハース効果を起こせるみたいなことを書いてあったが、 最近自分で考えたら違う計算になったのでよくわからなくなってきた。  音の速さはだいたい秒速340m、これは1m=2.94ms、1cm=0.0294msの計算。 人間の左右の耳の距離(つまり頭の横幅)を20cmとすると、確実に発生する誤差は0.588msだけである。 1ms以下の数値を入力できないからという妥協だろうか? ディレイはあと奥行きの演出とかいろいろできると思うけどリバーブの項目で説明したいと思います。 **リバーブ 例えばディレイのディレイタイムを1/2とか1/4に設定しても「連続した感じの残響」を感じるにはなかなか難がありますが、これを1/8、1/16、1/32、1/64と近づけていくとどうでしょう、どっちかといえば連続感ぽいものを感じられる気がしてくるんじゃないでしょうか?電気回路上のリバーブはこの論理の延長線上にあります、すなわちディレイタイムを限りなく1/無限に近く、フィードバックをかなり多めに設定するディレイは理論的にリバーブと同じ効能を期待できます。このように&bold(){持続する残響音を加えるエフェクト)がリバーブです。 ついでにルームシミュレーター的な目線でも言っておくと、3次元空間で音が響いていることをシミュレートするとき、壁とかいろんなところから反響が返ってくると、乱反射した音はタイミングもバラバラで返ってきます。このようにリバーブ&bold(){は乱反射したほとんど無限大に近い数の反響音をシミュレートして空間をかたどる}というものでもあります。 リバーブの主なパラメータは &bold(){アーリーリフレクション}(初期反射音) 壁に最初にぶつかって返ってくる音のことです、初期反射の時間差が大きいほど壁との距離が遠い、つまり大きな空間であることを表現できます &bold(){リバーブタイム} 反射音が壁に何度もあたって聞こえてくる乱反射の部分の長さです。空間の広さとか吸音率と関係します &bold(){ダンピング} 高音域の減衰、もしくは低音域の減衰をかけるパラメータ(でも増幅の方向にかけることもできる) 周波数の高い音は、空気伝導中に減衰しやすい。壁にぶつかると反射性が強いが、吸音材であれば吸音されやすい。ホールとかスタジオとかは基本的に吸音性のある壁なので、基本的に&bold(){広くて遠い音ほど高音域に減衰が起こる}と考えてよい。 一方周波数の低い音は、基本的に高い音と全く逆の性質を示す。でもあんまりふくらみすぎてもわっとすることがあるからそういう時はローを小さくするとすっきりすることがある。 ここでディレイの話に戻ると、ディレイ音にローパスフィルターをかけたりして高音域減衰をかけると距離感を演出できたりする。 ということでリバーブは空間演出だとか音像定位に大きな役割をはたす。あと、リバーブを浅くかけると近くに、深くかけると遠くに定位する感じになったりする。だからひとつだけリバーブをかけない楽器があれば目立ったりするし、ディレイのときも言ったけどその逆でも目立ったりする。 あと、MIDIとかうすっぺらい貧弱音源を無理やり豪華っぽくすることもできる、これはコンサートホールで演奏すること自体に豪華感があるという人間の社会心理のせいなのかなあ ただしサンプリングレートとかビットレートとかCPUによる音質への影響が強い。だから88.2kHzとか96kHzの24bitとか32bitは大事なんだそうな ちなみにというかわりと大事なんだけど高価なリバーブは「&bold(){コンボリューションリバーブ}」という、実際にサンプルされた残響をもとに計算し残響をシミュレートするタイプがあってリアリティがある。 **3Dパナー リバーブとかルームシミュとかにも精通するんだけど、&bold(){音像に横+縦+奥行きという方向での定位感を与えるやつ}。 理論的には、左右関係は、パンポットとかハース効果とかでできる。 上下関係は、まああんまり人間の耳は強くないのだが、一般的に低い音は下に、高い音は上に音像が定位するらしい、だからこれは楽器編成に気づかえば特に問題ないんかもしれへんが、まあそれでも気になるなら周波数いじりとか、天井と床の反射をシミュレートするとかなんだろう。 で、前後関係は、リバーブの項目で言ったような周波数いじりとか、コンプで書いたようなこと、 そういうようなことをシミュレートするのが3Dパナーというのが簡単な説明かなあ 2010.7.25[[白くろ>http://musiko.mikosi.com/]]
(文・白くろ) 空間系。ディレイとリバーブ、あとは3Dパナーとかのことを書こうかな。 **ディレイ 簡単にいうと、&bold(){入力された音を、その一定時間後に再度出力する}という簡素な装置です。 &bold(){ディレイタイム}をいじることによって音の返りの時間差を決めます。 &bold(){フィードバック}は音を&bold(){繰り返す回数}のパラメータです。 あとはディレイ音のボリュームとかのパラメータがあります。 あとディレイ音にローパスとかイパスフィルター等の周波数操作をかけることができ、この項目が実は遠近感の調節に大きな役割を果たします。 ディレイの効能として特に多用されるのは下ぐらいのもんだろうか。 ・&bold(){音を目立たせるための単純なエコー} これは、単純にやまびこ効果を付加して他の音より目立たせようということです。 これはリバーブでも言えることだけど、&bold(){残響があんまりない中で一つだけ残響が多い音があると、その音が他の音と「良い意味でなじまない」状態になり、結果的に目立って聞こえます}。ボーカルとかでこの手法が多いです。 8分の1音符とか16分の1音符にディレイタイムを設定するとタイミングを乱さなくなるので音楽的になじむとも言われますが、まあ好みだと思います ちなみにボーカルの場合は、サイドチェーン機能を使って、歌の切れ目だけディレイがかかるようにするというダッキングだかバッキングだかという手法が頻出だそうです。 ・&bold(){音を目立たせるためのダブリング効果的なエコー} ディレイタイムを50ms以下くらいまで小さくすると、音がダブったような感じで聞こえるようになります。 ・&bold(){ハース効果による定位} これはスレレオディレイとかディレイ音を左右に振れるタイプのディレイ限定の話ですが、 例えばスピーカーの右から原音だけを出していて、左からはディレイ音を、ディレイタイムをかなり小さく、原音と同じ音量で出している場合、音量は同じでも&bold(){先に音の出る右側に音が定位する}ように感じられるというもので、これを音響心理学でハース効果と読んでいます。 というのもこれは、人間は基本的に音の位置を認識するにあたって左右の耳の距離がもたらす音のタイミングのずれを、無意識のうちに計算に組み込んでいるため、音を出す側で事前にこの時間差を計算してしまえばそのような音響心理をもたらすことができるというわけです。 MIDI検定の本とかは1~20msでハース効果を起こせるみたいなことを書いてあったが、 最近自分で考えたら違う計算になったのでよくわからなくなってきた。  音の速さはだいたい秒速340m、これは1m=2.94ms、1cm=0.0294msの計算。 人間の左右の耳の距離(つまり頭の横幅)を20cmとすると、確実に発生する誤差は0.588msだけである。 1ms以下の数値を入力できないからという妥協だろうか? ディレイはあと奥行きの演出とかいろいろできると思うけどリバーブの項目で説明したいと思います。 **リバーブ 例えばディレイのディレイタイムを1/2とか1/4に設定しても「連続した感じの残響」を感じるにはなかなか難がありますが、これを1/8、1/16、1/32、1/64と近づけていくとどうでしょう、どっちかといえば連続感ぽいものを感じられる気がしてくるんじゃないでしょうか?電気回路上のリバーブはこの論理の延長線上にあります、すなわちディレイタイムを限りなく1/無限に近く、フィードバックをかなり多めに設定するディレイは理論的にリバーブと同じ効能を期待できます。このように&bold(){持続する残響音を加えるエフェクト)がリバーブです。 ついでにルームシミュレーター的な目線でも言っておくと、3次元空間で音が響いていることをシミュレートするとき、壁とかいろんなところから反響が返ってくると、乱反射した音はタイミングもバラバラで返ってきます。このようにリバーブ&bold(){は乱反射したほとんど無限大に近い数の反響音をシミュレートして空間をかたどる}というものでもあります。 リバーブの主なパラメータは &bold(){アーリーリフレクション}(初期反射音) 壁に最初にぶつかって返ってくる音のことです、初期反射の時間差が大きいほど壁との距離が遠い、つまり大きな空間であることを表現できます &bold(){リバーブタイム} 反射音が壁に何度もあたって聞こえてくる乱反射の部分の長さです。空間の広さとか吸音率と関係します &bold(){ダンピング} 高音域の減衰、もしくは低音域の減衰をかけるパラメータ(でも増幅の方向にかけることもできる) 周波数の高い音は、空気伝導中に減衰しやすい。壁にぶつかると反射性が強いが、吸音材であれば吸音されやすい。ホールとかスタジオとかは基本的に吸音性のある壁なので、基本的に&bold(){広くて遠い音ほど高音域に減衰が起こる}と考えてよい。 一方周波数の低い音は、基本的に高い音と全く逆の性質を示す。でもあんまりふくらみすぎてもわっとすることがあるからそういう時はローを小さくするとすっきりすることがある。 ここでディレイの話に戻ると、ディレイ音にローパスフィルターをかけたりして高音域減衰をかけると距離感を演出できたりする。 ということでリバーブは空間演出だとか音像定位に大きな役割をはたす。あと、リバーブを浅くかけると近くに、深くかけると遠くに定位する感じになったりする。だからひとつだけリバーブをかけない楽器があれば目立ったりするし、ディレイのときも言ったけどその逆でも目立ったりする。 あと、MIDIとかうすっぺらい貧弱音源を無理やり豪華っぽくすることもできる、これはコンサートホールで演奏すること自体に豪華感があるという人間の社会心理のせいなのかなあ ただしサンプリングレートとかビットレートとかCPUによる音質への影響が強い。だから88.2kHzとか96kHzの24bitとか32bitは大事なんだそうな ちなみにというかわりと大事なんだけど高価なリバーブは「&bold(){コンボリューションリバーブ}」という、実際にサンプルされた残響をもとに計算し残響をシミュレートするタイプがあってリアリティがある。 **3Dパナー リバーブとかルームシミュとかにも精通するんだけど、&bold(){音像に横+縦+奥行きという方向での定位感を与えるやつ}。 理論的には、左右関係は、パンポットとかハース効果とかでできる。 上下関係は、まああんまり人間の耳は強くないのだが、一般的に低い音は下に、高い音は上に音像が定位するらしい、だからこれは楽器編成に気づかえば特に問題ないんかもしれへんが、まあそれでも気になるなら周波数いじりとか、天井と床の反射をシミュレートするとかなんだろう。 で、前後関係は、リバーブの項目で言ったような周波数いじりとか、コンプで書いたようなこと、 そういうようなことをシミュレートするのが3Dパナーというのが簡単な説明かなあ 2010.7.25[[白くろ>http://musiko.mikosi.com/]]

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