エオルゼア文藝部内検索 / 「狩人の目」で検索した結果

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  • 狩人の目
    ...決して外す事はない、狩人の目。 普通の人から見たら狩人も、弓術士も同じなのだろう。もちろん、弓術士には狩人に無い、戦いに対する技術がたくさんあり、冒険者となった私はそれに助けられて生きている。 でも、それでもやっぱり、あなたの職業は何?そう聞かれたら私は胸を張ってこう答えるだろう。 私は狩人。森の狩人よって…。  
  • シルファ・ルゥ作品集
    シルファシリーズ   兄と妹   月守の仮面   狩人の目   人形 シルファ・ベルシリーズ   魂の神殿(現在執筆中) アルメリアシリーズ   アルメリアの旅立ち   その他作品集  番外編や、それぞれのキャラを安定させるために試しに書いてみたものなど、上記シリーズと少し設定の違う作品をまとめてみました。   登場人物紹介 ・シルファ・ルゥ(ムーンキーパー ♀ 16歳):弓術士の少女。黒衣森の辺境にある貧しい狩人の村で生まれる。ボーイッシュでクールな物腰からしっかり者の印象が強い。また、口数が少なく、表情も薄いが決して感情まで薄いわけではない。 ・グノーム・ルゥ(ムーンキーパー ♂ 21歳):シルファの兄。弓、槍の名手で、村での狩りの中心を担いつつも自警団団長も務める実力者。正義感が強く弱者には優しい人格者であるが、妹のことが絡むと全てが崩壊する重度のシスコン。 ・ベロニカ・バイヨン(ム...
  • ベルとシルファ
        透き通った水面をふわふわとした湯気が、ゆるい風に乗って滑るように流れていく。目隠し用の板塀の向こうには、燃える様に赤く色づいた秋の木々が、のどかな午後の日差しを浴びて揺れていた。貸し切り用の露天風呂は私の想像よりも広々として、まるで美しい紅葉を一人占めにしているような気分だった。 ぶくぶくぶく…鼻の下まで湯につかった私の口から泡になった息が吐き出される。私は今、湯の中に隠れるようにうつぶせて岩陰から洗い場を覗きこんでいた。ジットリとした視線の先には一人の女性の姿。洗い場で私に背を向け、東方様式の木の腰掛けに座って身体を洗っているのは、私と同じミコッテ族の少女だった。 しなやかに引き締まった体は、雪の様に白いのに貧弱な様子はみじんもなく、かといってゴツゴツした印象も無い、あくまでも女性的なボディラインをしていた。肩の上で切りそろえられた、月の光を彷彿とさせる薄青い髪は、湿り気を...
  • 前夜
      夜の闇の中、甲高い金属音を響かせ、重々しい甲冑を纏った一団が駆け足で通りすぎる。私は脇に避けて一団に道を譲ると彼らの行く先を見つめた。おそらくナインアイビーに現れた帝国軍の一団の迎撃に向かうのだろう。何事か大声で喋りながら、彼らはカーラインカフェの前を抜け、そのまま夜の森へとかけ出していった。 村を出たあと冒険者となった私は、色々な出会いと経験を繰り返すうち、いつの間にかグリダニアを、そしてエオルゼアを守るために戦うようになっていた。それは多分、幾つかの幸運と…おそらくは成り行きからのことだと思う。 私はもともと正義感というほどのはっきりしたものを持っているわけじゃない。もちろん、子供の頃はヒーローに憧れていたけれど。冒険者になってからは、日々の生活と好奇心に背中を押されて、ただ走り続けてきただけ。多分そうだ。 だからこんな成り行きでもなければ、きっと私が角尊、カヌ・エ・センナ...
  • 月守の仮面
      …はっ…はっ… いつもより少し早い。聞きなれた私の息遣いだ。 逃げる獲物の頭を押さえる時、不意に仲間が危険な魔物に絡まれた時、相手の背後に素早く回り込む時…こんな風な息遣いになる。 ちょうど、今のようにだ。 生い茂る枝を、葉を揺らさないように茂みの中を駆ける。思い切り身をかがめて茂みを飛び出したとき、仲間に追われ必死に逃げる獲物が真正面を通過する形になる。ドンピシャだ。完全に背後に気が向いているのだろう、こちらに気づくそぶりすらない。私は素早く矢を番え狙いを定める。…角度が悪い。心臓を狙う事が出来ない。(ごめん…)心のなかで一言だけつぶやいて矢を放つ。森のなかで使い勝手のいい小ぶりな短弓からはじき出された矢は、狙い違わず獲物の後ろ脚の付け根に突き立つ。悲痛な叫びをあげて転がる獲物。悲しげな表情で後ずさろうとする小さな獣に私はゆっくりと歩み寄る。 私の表情は見えない、その筈だ。よく、...
  • ベロニカ戦記2-2
    2 太陽が高くなった昼下がり。午前中熟睡してすっきりした私は釣竿をもって友人を訪ねていった。 向かった先は、村で唯一の宿屋。 宿屋の主人の一人娘、ペトロブーナは私の幼なじみ。 私が訪ねてきたのに気づいてとたとたと奥からかけてきた。 「ブーナ、釣りいかない?」 「うん、いくいく」 ペトロブーナは私より少し背が低いミコッテ。 銀縁メガネでそばかす、きれいと言うよりは可愛い感じ。 二人で森の南側を下っていく。 30分ぐらい歩くと、渓流にさしかかる。 そこからさらに上流に向かって進んでいくと小さな滝が見えてくる。 ここが、私たち二人の秘密の釣り場、めったに人はこない。 今の時期はニジマスが良くつれる。 二人で並び大きな岩に座って、釣り糸を垂らしながら竿にあたりがくる感触を楽しむ。 ふと、ペトロブーナは口を開く。 「ベル、最近忙しそうだけど、何やってるの?」 「ええとね、お母さんに言われて、銃の組み...
  • レックスの星空 後編
    レックスの星空 後編 うっそうとした森の中、起伏がうねる大地と流れの速い渓流に足をとられながら、ルカさんは一生懸命走ります。 足は痛いし目も回って、おまけに服もボロボロです。 それでもルカさんは前を走っているひとを追いかけるように走り続けます。 そのひとは立ち止まり、ひときわ大きな大木の影に身を隠してルカさんを呼びました。 「どう、追ってきてる?」 「はぁはぁ、これだけ走りましたからね、きっと逃げ切ったでしょう・・・」 そう答えた瞬間、大木に矢が突き立ちました。 「くっ、ルカ、早く!」 「はい!」 雨の降るなかを二人は再び走り続けました。 薄暗い中全速力だったからでしょう。途中のくぼみに足を取られ、二人は人の背たけ程ある深さの穴に転げ落ちてしまいました。 しかし、それが幸いしてか、追っ手の目から一時的に逃れることができたようです。 「ルカ、大丈夫?」 「は・・・はい」 「参ったね、囲まれて...
  • 朝には笑顔を
    鳥たちが朝のコーラスを奏で、柔らかな朝日が床の木目をなでる。 カーラインカフェはいつものように穏やかな朝を迎えていた。 夜は騒がしい冒険者も朝は静かなものである。その多くが寝室で二日酔いに苦しんでいるのであろう。 むしろ朝早くから靴音高らかに階段を下りてくるような冒険者は稀と言える。 イリュリオ・フォアニケーはそんな珍しい冒険者の一人であった。 彼は衣服のパリっとした着こなしから几帳面さが、淀みない歩きから生真面目さが伺えるエレゼンの青年である。 その引き結ばれた口と睨みつけるような鋭い双眸は神経質という印象すら与える。 そんな彼がカーラインカフェのスペースに立ち入り、その眉間のシワを増やした。 人間嫌いを絵に描いたような顔を向ける先には一人の少女。幸せを噛み締めるようにソーセージを頬張るミコッテ。 彼女の薄っすらと青く色付いた髪は朝日に照らされて自ら淡く輝いているかのようである。 肌も色...
  • ベルとグノーム
      暖かい午後の日差しを浴びてふわふわとしたまどろみの中にいた私は、いつの間にか自分が、チョコボが引く馬車を必死に押している事に気がついた。あ、これ…たぶん夢だ。しかもこれはただの夢じゃなくて昔の記憶…いつの夢かなぁ。 大きな荷物を満載した荷車はとても重くて、力自慢のチョコボ達と私がいくら力を込めても全く進もうとしない。…もう、なんで?なんでこんなに…。 その時私は、自分の足が膝近くまで泥に沈み込んでいる事に気がついた。荷車の車輪もかなりの部分沈み込んでしまっている。苛立たしげに足踏みをするチョコボの足が跳ねあげる泥で、荷車も、私の服もドロドロに汚れてしまっていた。 ここは湿地帯だったんだ。まずいな、早くここから出ないと…あと、なんだっけ?…あ、そうだ、ここから出たら足を洗って…靴下も変えなきゃ。感染症が怖いって言ってたもん…あれ、でも誰が言ってたんだっけ…確か…凄く、凄く大切な人…...
  • アルメリアの旅立ち
    目が眩むような日差しの下、風をはらんで大きく膨らんだ帆の先端、マストのてっぺんにとまったアホウドリが、波の音にあわせるように一声鳴いた。 船は追い風を受け、紺碧の海を滑るように進んでいる。あたしは波にあわせてゆるく上下するデッキの上に広がった綱を一つに纏める手を休め、真っ白な雲と真っ青な水平線の接する彼方を見つめた。午後の強い陽を照り返してキラキラと輝く海面のあちこちには海鳥が群れを成して飛び回っているところがある。ああいう所には小魚の群れがあるんだとドノヴァンが言っていたっけ。 それにしても今日は暑い、強い海風を浴びていても火照った体は冷めることなく、全身から流れ出た汗が薄い粗末なシャツをべったりと肌に張り付けた。あたしはシャツの襟もとを引っ張って汗の流れ落ちた胸元をあおぐと、視線を手元にもどして船上で使う太くて重い綱を束ねる作業に戻る。 「おい!アルメリア!そっちゃあいいから、ちょ...
  • 魂の神殿
    もうもうと立ち込める砂埃に咳き込みながら、必死に掴んだ細い腕を握り締める。かろうじて掴んだ腕の先にぶら下がっているのは真紅のローブを身にまとった小柄なミコッテ。しっかりと握り合ったお互いの腕一本を除いて彼女の体を支えるものは何もなく、ブラブラと揺れる足の下には崩れ落ちた瓦礫を飲み込んでいった真っ暗な穴がどこまでも続いていた。 悠久の時にさらされた遺跡の床がもろけていたのか、それとも何かの罠を踏んでしまったのか、小さな携帯用ランプの明かりを頼りに暗い通路を進んでいた私達の足元が、突如轟音とともに崩れ落ちたのだ。私はかろうじて崩れ残った床の縁につかまって、もう一方の手で床の裂け目から落下する友人の腕をつかむことが出来たが、それで精一杯。とっさのことだったので脚を踏ん張れる体勢でもなく、無様に尻餅をついた私はただ、彼女と残った床とをつなぐ命綱になる以上のことは出来そうもなかった。 「ベル!…大...
  • イリュりゅんとルールー
      「…はいよ!ドードーのグリルとランドトラップサラダお待ちどうさま!」 大勢の人でごった返す街路に面した食堂は満員の有様で、料理を運んできた太った女は、狭い店内を料理の乗った皿を頭上に掲げるようにして客をかき分けながら俺達のテーブルまでやってきた。 女はテーブルの上に皿を置くと、俺の向かいに座っているミコッテの娘に気づいて少し怪訝な顔をした。当然だろう、客は二人なのに料理が一人分なのだから。 「あれ、一人前でよかったかい?」 「ああ、いいんだ。これで合っている」 俺達のテーブルに食欲をそそる焦げ目のついたドードーのもも肉の香ばしい匂いが漂う。向かいの席から微かに息を呑む気配がしたが、俺は気にせずナイフでよく焼けた肉に切れ目を入れた。引き締まった肉の間から肉汁があふれだすと、ゴクリとつばを飲み込む音が聞こえたような気がしたが、それにも聞こえないふりをして切り分けた肉を口へと運ぶ。 し...
  • レックスの星空 前篇
    レックスの星空 僕はマーモットのレックス。 僕の自慢は、ふさふさで柔らかいこの大きなシッポと、ばつぐんのジャンプ力。 でも一番の自慢はレックスという僕の名前。 とっても強そうな名前でしょう? 友達のルカちゃんが付けてくれた名前なんだ。   ルカちゃんとの出会いは一年半くらい前のこと。 その頃の僕は一人だった。お父さんとお母さんが死んでしまってからずっと、誰とも話すこともなく、くるみの木の下で静かに くらしていたんだ。 春先はまだ夜の冷え込みがきつくて、僕は凍てつく夜空の下で震えていたんだ。そんな時、声を掛けてくれたのがルカちゃんだ った。 「大丈夫?あなた、ひとりぼっちなの?」 うん。 もちろん言葉は通じないのだけれど、なぜか僕達は心で会話ができた。不思議なことだけどその時は疑問にも思わなかった。 遠くから聞こえてきた他の人の声「ルカ、どうしたの?」 「マーモットの子供が独りでかわいそうな...
  • Chat Bar Crescent moon
      Chat Bar Crescrnt moon  いらっしゃいませ。ようこそチャットバー・クレッセントムーンへ。  ここは小説好き、創作好きのためのチャットルームです。創作の合間に、お仕事やゲームにつかれた時に、お酒を片手にお気に入りの作品や創作へのこだわりなどを熱く語り合って見ませんか?  もちろん、ノンアルコールもございます。ソフトドリンクも豊富に用意してございますよ。さあ、まずは中へどうぞ。ゆったりと大人の夜をお過ごしくださいませ。  なお、バーからこちらにはお戻りになれませんのでご注意くださいませ・・・。                                        チャットルーム入り口                
  • 夢の続きを
    「…リィ…サ…リィ…」 …遠くで声がする…人の声?…何だろう、これは…あたしを呼ぶ声…? 「…さん、…お前さん!」 「わぁ!なになに!?」 突然身近で聞こえた大声にびっくりして飛び起きると、そこは二頭立てのチョコボが引く駅馬車の中だった。心臓のドキドキを抑え、少し上がっている息を整えて見回すと、向かいに座っているオジサンが心配そうな顔でこっちを見ているのに気がついた。どうやら今の声はこの人のものらしい。 「よう、大丈夫かい?だいぶうなされてたみたいだけど…」 あたしの顔を覗き込むように見つめてくる視線をついとそらして額に浮かんだ汗を拭った。いつの間にか眠っていたみたい。あたしはまだドキドキしている胸を抑えて、上がった息を整えた。 「顔色が良くないぜ?…エーテルに酔ったかな?」 なんだろう、何かひどく嫌な夢を見ていたような気がするけど、よく思い出せない。あたしは心配気なオジサンに大丈夫...
  • ベロニカ戦記2-1
    二章 ウルダハへ 1 今日は朝から雨が降りしきっている。 雨音のせいでいつもより少し早く目が覚めた私は、始業前で静まり返っている一階の工房へおりて行く。 工房の隣は休憩所になっていて、部屋の中央には原木から切り出した無垢のマホガニー材で作られた大きなテーブルが置いてある。 テーブルの奥にある小さな椅子に錬金職人のエシルターニャさんが腰掛け、髪をゆっくりとくしけずっている。 彼女は日中、数ヶ月前に工房の隣に建設された、レンガと厚いガラスで覆われた炉にこもっていて、     そこで、聞いたことの無いもの、ええと、何だったかな、「半分なんとか」を作っている。 とにかくあまり顔を合わせることが無ので、私はこの機会にいつも気になっていた疑問を投げかけてみることにした。 「エシルターニャさん、おはようございます」 「ああ、ベル。おはよ」 「何でいつもアンベリーおばさんと喧嘩ばっかりしてるんですか?」い...
  • 兄と妹
    子供のころから雨は嫌い。特に、たいして強いわけでもないのに、じっとりと身体にまとわりつき、尻尾の芯まで濡れるような霧雨。そう、ちょうど今日の雨のような。 今日は久しぶりに寝坊をした。グリダニアに出てからは昼に起きる生活にも慣れ、ここ最近はすっかり早起きになっていたはずなんだけど。一度はいつもの時間に目覚めたけれど、ふわふわの毛布から出ていた耳が室内の湿気を感じ取り、私は小さく呻いて毛布のなかに耳まで潜りこんで丸くなった。…いつからだろう、音も無く降り注ぐ霧雨を窓も開けずに感じ取れるようになったのは。毛布のなかでぼんやりとそんな事を考えているうちに二度眠の魔力にまとわりつかれ、私は眠ってしまったようだ。 カーライン・カフェで遅い朝食をとりながら、ぼんやりと窓の外を眺める。薄暗い店内は閑散としていて、カフェ自慢の巨大なステンドグラスも、今は七色の光を床に落としてはいない。雨とはいっても身動...
  • Phantasy Star Online2 Scarlet Flowers
        ――― 1 アフィン ヒューマン・ニューマン・キャストの三種族により構成された惑星間航行船団、通称「オラクル」。宇宙の片隅にある小さな星に生まれた我々人類が、遥か外宇宙への進出を可能としたとき、新たな歴史は始まった。 新光歴283年。すでに「オラクル」の活動範囲は数多くの銀河に渡っていた。外宇宙にて、新たに発見された惑星には調査隊として組織された「アークス」が降下し、調査と交流を行う。そしてまた、次の惑星へと渡り新たな探索と発見を繰り返す。それこそが君たち「アークス」の役割である…とこれは目の前のモニターでアークスの偉そうなおっさんが熱く語っている内容。アークス候補生が試験前に見る映像講習の最後なんだろうけど、あまりに大仰すぎてなんだか嘘っぽく見えちゃうね。 おっと、俺の名はアフィン。ニューマンのレンジャーを目指すピッカピカの研修生ってとこさ。今は正式なアークスになるための試...
  • 人形
    「本当にいいんですかぁ~?まぁ~、あなたがそう言うのなら良いんですけどねぇ~…じゃあ、また何かあったらいつでもどうぞぉ~」 全く心のこもっていない笑顔で手を振るララフェルの係官に背を向け、薄暗いアルダネス聖櫃堂を後にする。 ひんやりとした屋内からうって変わった肌を焼く砂漠の強い日差しの下、埃っぽい石段を降りながら、私はイライラと足元の小石を蹴り飛ばす。壁に当たって跳ね返った小石は道端の露店に飛び込み、あ!…っと思った時には雑多な商品を弾き飛ばして盛大な破砕音が響いていた。 「くぉらぁ!てめこの猫!」 慌てて逃げ去ろうと思ったのもつかの間、店主らしき男に首根っこを掴まれる。みると、陽に焼けた無精髭だらけの顔にたくさんの傷痕を残した人相の悪い…いや、はっきり言ってしまえば柄の悪い男で、粗末な敷物の上に並べられた商品らしき品々もなんだか怪しげなものばかりだった。 「ご、ごめんなさい!」 慌て...
  • シルファ・ベル 第二話
    砂混じりの乾いた風が吹く街、ウルダハ。エオルゼア一の交易都市として名高いこの砂漠の城塞には、エオルゼア各地はもとより、交易の途絶えているはずの帝国の品々までが露店に並び、ここで手に入らないものはエオルゼアのどこを探しても見つからないという商人たちの軽口すら、なまじ冗談ではないと思わせるくらいだった。 私は堅牢な城壁に沿って外周をめぐる大通りにテーブルを広げたカフェで、遅めの朝食のあとのコーヒーを飲んでいた。コーヒーはグリダニアではまだ珍しい豆を使ったお茶で、深く、コクのある苦味と独特の香りが魅力だ。 「…ふぅ、お腹いっぱいだよ。それにしてもすごい品数だよね。ベル、これで本当に一人前なの?」 「うん、なんでもこのあたりの遊牧民の伝統なんだって。人をもてなすときには食べきれないくらいの量を出すのが礼儀みたい」 小さめのテーブルから零れ落ちそうな小皿の群れを見直して、あらためてため息が出る。...
  • 注意事項
    ☆基本的なルール ・エオルゼア文藝部(以下、文藝部)に参加された方には、◯◯(作者名)作品集というページを1ページ使って頂き、その中を自由に使っていただきます。具体的なイメージは、管理人シルファ・ルゥのページを見てイメージを掴んでいただくと解りやすいと思います。どうしてもこういった作業が苦手な方はご相談ください。多少お待たせすることもあるかもしれませんが、こちらで代理でページを作ることも可能です。 ・参加者がいじることができるのは、基本的に自分の作品集の中と、そこからリンクした各作品の中、そして「異世界作品集」の中のみとなります。メニューやトップページ、他人の作品集などは変更しないようにしてください。 不明な点、部内でのトラブルなどは管理人までメールをおねがいします。 ☆掲載作品について ・基本的にFF14及びFF14新生エオルゼアの二次創作物をメインにしていますが、他の作品の二次創作...
  • 名も無き戦士第二話
    タイトル:名も無き戦士 第二話:訓練 今日の相手は俺と同じ剣術士だ。 キャリアは俺よりやや上といったところだが、何度か試合の様子を見る限り、勝てない相手ではなさそうだった。 試合開始の合図と同時に一歩前に。 相手は動かない。む? つんのめったかのように、タタッと数歩前に出る。大抵の対戦相手はこれに釣られて前に出るものだが、こいつは相変わらず剣と盾を構えながらこちらの様子を伺っている。 これはまずい。こういう相手は苦手だ。 俺の戦法は基本的にフェイントで相手を惑わして隙を突く。正攻法は苦手だ。 だが乗ってこないならしょうがない。普通に間合いを詰めて・・・・と、相手が急に突きかかってきた。 「くっ」 反射的に剣でいなそうとするのを押しとどめ、盾で攻撃を弾く。相手の体勢が崩れたところを狙おうとしたが、しっかり盾を構えていて隙が無い。 相手はそれ以上突きかからず、元の位置に戻る。 そうか・・・・こ...
  • 第三話
    タイトル:名も無き戦士 第三話:閃拳 体が動かない・・・・ 指一本も動かす事ができない・・・・ のろのろと見上げる。ニヤニヤ笑っている女の顔が見えた。 「なんだい、もう降参かい?」 「少し・・・・休ませてくれ・・・・」 「だらしないねぇ。アタシの若い頃はこの倍は練習したもんだよ」 本当かよ・・・・もし本当なら、なんて化け物だ。 「まあ、しょうがないか。無理な訓練は返って筋肉を痩せさせちゃうからね。今日はここまでにしよう」 言うなりリックの母さん・・・・ライラは右手で俺の首根っ子を掴むや、軽々と持ち上げて肩に担いだ。 あれだけ動いた後でもこのパワーかよ・・・・・確かに化け物だ。 キャンプの真ん中の焚き火の前に、無造作に俺を放り出した。 「いてて・・・・もう少し丁寧に扱ってくれ」 「何言ってんだい。文句があるなら自分で歩いて戻ってきな」 言うと自宅でもあるテントに潜り込み、何やらごそごそした後...
  • 名も無き戦士
    タイトル:名も無き戦士 第一話:少年 物心がつく頃は闘技場で鎧を磨いていた。 それしかする事がなかったし、それをするように命じられていたからだ。 次は武器の手入れ。 慣れないうちは刃で怪我もしたけれど、段々慣れて怪我もしなくなり、闘士の試合を見ているうちに何となく武器の使い方も覚えてきた。 鎧の着かただってわかる。 いつかは俺も、闘士として闘技場で戦うんだろうな、って漠然と思っていた。 暇な時はウルダハに近い難民キャンプに遊びに行っていた。 ウルダハの子供とは、どうも話が合わない。何となく見下されている気がする。 難民キャンプの子供も、みなどこか暗かったり荒んでいる子が多かったが、一人だけ、やけに陽気で前向きな子がいた。 リックと名乗るその子が、いつも俺の遊び友達だった。 棒切れで闘士ごっこをしたり、手製の弓矢でマーモット狩りをしたりして一日を過ごす。 うまくマーモットが狩れた時は、リック...
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