アルザスには、城跡が数多く存在します。
「城」とは言っても、ロワール川沿いの古城群のような、いわゆる「居城」ではありません。
東にライン川、西にヴォージュ山脈を配するアルザス地方は、東からの侵略に対する防衛に対して、最適の地理条件を備えていると言えます。そのため、防衛拠点としての「山城」がいくつも造られており、
それを物語るかのように、道路地図では城の存在(chateau)を確認出来ます。
しかしながら、そのほぼ全てが遅くともフランス革命頃までに落城または放棄され、その後管理されること無く崩壊しています。屋根と床・天井が落ちて外壁だけが残っているものも少なくありません。その中で唯一城としての体裁を保っているのが、アルザス中部Selestatの近くにあるHaut-Koenigsbourg城です。
実は、この城も他の例に漏れず、数百年放置されたためにかなりの部分が一度崩壊しています。しかし、19世紀末にアルザスがドイツ領となった際、当時のドイツ皇帝がHaut-Koenigsbourg城創設者の末裔であったことから、皇帝が大々的な修復を指示し、湯水の如く金を注ぎ込んで修復させたのです（末裔云々のくだりは、どこかで読んだと思ったのですが、出典元が見つかりませんので誤認かもしれません）。
天気の良い日は、数十キロ先のライン川まで見渡せます。
、展示されている武器や調度品は全て「城が現役であった時代のもの」であって、城内で本当に使われたものではありません。
私の知る限り、有料で公開されているアルザスの城は他に二つあります。が、一つはまともに残っているのが城壁だけといった風で(Hohlandsbourg)、もう一つは岩盤を利用した大きな城ですが(Fleckenstein)、上部の風化が激しく、原型を留めていません。
Chateau du Haut-Koenigsbourg
chât Haut Koenigsbourg
67600 ORSCHWILLER
tel : 03 88 82 45 82
※タウンページで調べるとここがヒットしますが、
地図上の位置が明らかに違うので、事務所かもしれません。
Haut-Koenigsbourg城HP（英・仏・独語）
行き方
車
A35の17番出口からD424を経由してD159（Kintzheim方面）へ。
そのまま看板に従って山を登る。
公共交通機関
旅行会社のバスツアーに組み込まれている場合もあるが、路線バスはない
※Tour de Franceを御覧になるような自転車好きの方なら、自転車で登るのもいいでしょう。Saint-Hippolyteの街中からD
1bに沿って登る他、いくつかルートがあります。
他の廃墟となっている城は、見晴らしのいい場所に建っていて、多少は山道を自力で登らねばならないことから、ハイキングにはもってこいです。どんな城がどこにあるかは、このあたりが参考になります（仏語のみ）。
