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命の水~蒸留酒博物館 - (2007/08/11 (土) 22:44:35) の編集履歴(バックアップ)
eau-de-vie
直訳すると「命の水」。
この単語が示すものは、正確には「水」ではありません。
けれどある意味「水」。言い得て妙、というべきか・・・
これは「蒸留酒」を指す言葉です。
アルザスの西に連なるvosge山脈は多くの果物を産出することで知られており、その果物を使って昔から蒸留酒が作られています。アルザスワインに似た細い形の透明な瓶が目印で、お土産物屋で様々な種類のeaux-de-vieが並んでいるところを目にする機会もあるのではないかと思います。そのeau-de-vieの博物館が、vosge山脈の麓から少し入ったところにこっそり建っています。
「博物館」とは言っても、あるeau-de-vieメーカー(おそらくは家族経営の)が個人的に運営しているもので、大袈裟なものではありません。以前工場で蒸留酒の製造に使っていた道具や装置を並べつつ、趣味で集めた蒸留酒を展示しているというもの。広さは田舎のレストラン程度でしょう。
ですが、ここが面白いのは、ひと目見ただけで収集者の熱い情熱を感じる世界各国蒸留酒コレクションの数々と、それとは対照的な雰囲気を漂わせる蒸留酒製造道具との落差です。
後者は、系統的に並べられてはいるものの、所々解説が付いている程度で展示自体に気合が入っているようには見えません。解説はもちろんフランス語ですが、時折思い出したように併記されているのが何故かドイツ語やオランダ語。解説があってもあまり聞かない単語が混じっていたりするので、多かれ少なかれ予備知識と想像力を求められる内容となっています。
それらの間を縫うように置かれているガラスケースには、世界各国の蒸留酒が所狭しと並んでいます。
南仏名産のアニスの蒸留酒Pastisに至っては、RICARDや51,DUVALといった有名メーカーの販促グッズをガラスケース丸ごと一つを割いて展示する熱の入れよう。普通はガラスケースの中とはいえ埃を被っている場合が多々あるのですが、ここは違います。ケースに入っていない、大瓶のコレクションはさすがに埃を被っているものの、
激しく趣味を感じる展示スペースを抜けると、そこは試飲販売のスペース。この博物館を運営しているRene de Miscault(René de Miscault)というメーカの製品がずらりと並んでいます。
Rene de Miscaultが作っているのは、eau-de-vieだけではありません。他にliqueurやcreme de fruit、アルザスワインなどなど。また、松のliqueurや新製品として青いPastisなどもありましたので、
通常のPastisとは違う作り方をしているそうで(作り方を聞いたのですが、調べてみると混乱してよくわからなくなったので割愛します)、普通のPastisよりまろやかなのだそうです(試飲した方も同じことを言っていた)。
※creme de fruit(creme de cassis等)は、果物をアルコールに漬けてエキスを抽出したものに、砂糖を足して作ります。甘いお酒ですが、蒸留しないので、アルコール度が低めで果物の香りや色が残っています。
少し山の方へ入りますが、蒸留酒を比較的好んで飲まれる方なら、このミニボトルコレクションは楽しめると思います。
Musee des eaux de vie
85, rue du General Dufieux
68650 LAPOUTROIE
tel : 03 89 47 50 26
www.musee-eaux-de-vie.com
OPEN
12/25以外年中無休
9:00~12:00,14:00~18:00