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ドイツが作った対フランス要塞 - (2007/09/28 (金) 19:48:21) のソース

<p>マニアック度★★★★★<br>
<font color="#999999"><font size=
"1">言葉がわからないと厳しいので、辛めに判定</font><br></font>行きにくさ★★★★☆<br>
<font color="#999999" size="2"><font size=
"1">遠くないところに集落はあるけれど・・・</font><br></font><br>
ストラスブールの西約30kmほどのところにあるMutzigというところに、ドイツ統治時代に作られた地下要塞があります。<br>
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アルザスで近代の要塞といえばマジノ線ですが、ここはマジノ線とは一線を画するもの。マジノ線との違いを説明するならば、「マジノ線より古い時代のもの」という一言に尽きます。<br>
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何しろ、この要塞が作られたのは20世紀初頭のこと。普仏戦争でナポレオン三世が破れ、アルザスロレーヌ地方(と言われるけれど、実際はアルザス全域に当たるBas-Rhin/Haut-Rhin両県とロレーヌ地方の現Moseille県のみ)がドイツへ割譲された後~第一次世界大戦開戦の頃になります。1936年に竣工したマジノ線から、少なくとも20年は遡るという年代モノです。なお、この場所に造られた理由は、Bas-Rhin県の県都ストラスブールとMoseille県県都であるメッスに作られた要塞の、射程を補う意味だったそうです。<br>
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古いが故に、というよりはむしろ「その後一度戦争が起こったため」と言うべきか、当時要塞内で実際に使用されたものは残念ながらほとんど残っていません。あるのは、運び出すことが難しかったと思われるもの・・・発電機やパン焼き釜、調理用の大鍋といった大物ばかり。そのため、内部は閑散としています。<br>
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そして、展示物の少なさを説明で補う形になるために、ガイドの解説が必然的に長くなります。よって、解説(ドイツ語かフランス語)がわからなければ、かなり辛い2時間が待ち受けることになります。<br>
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しかもですね、仮に言葉がわかったとしても、日常会話では到底使わないような単語が出てくるという落とし穴があるんです(大砲、将校、トーチカ、等々)。従って、ガイドツアーの言葉が多少理解出来るだけでなく、戦争モノに興味があって予備知識がある人でないと、面白いと感じないかもしれません。<br>
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言葉さえわかれば、戦争映画と言えば第二次世界大戦の頃<br>
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Muzigは第一次世界大戦時に使われた要塞ですが、戦争に興味の無い人間なら「何故第二次世界大戦で使わなかったのか?」という素朴な疑問が浮かぶと思います。<br>
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考えられる理由は「防衛方向が違ったから」と「古かったから」。防衛方向については、第二次世界大戦開戦時にフランス領だったアルザスにおいて、ドイツ領時代に作られた要塞に存在の重要性が見出せないことは地図から容易に想像出来ます。ストラスブールに要塞があるのなら、そっちで十分ですから。<br>
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そして、古いというのは老朽化という意味ではありません。この頃は近代化が飛躍的に進んだ時期で、第二次世界大戦が戦車などの重火器の時代であったのに対して、第一次世界大戦は馬や銃剣を使った時代です。その時代の古さが、数少ない展示物から見て取れるのです。<br>
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たとえばこれ。<br>
要塞周辺を偵察するためのものです。<br>
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さすが1910年代の代物だけあって、原理は非常に原始的。<br>
人一人が入れる程度の鉄製のカプセルに、兵士をトロッコよろしく走らせるものです。<br>
カプセル内には、舵も駆動動力もブレーキすらありません。そして身を守る為の銃器も。<br>
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或いはこれ。<br>
右は将校の軍服です。正面から頭に剣を振り下ろされると致命傷になるというので、正面から振り下ろせないようにヘルメット(?)の頭頂部に突起が設けられています。騎馬・銃剣の時代ならではの代物と言えます。<br>
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(中央は、ドイツ統治時代に独仏国境に掲げられていた国名標です。ドイツの国名標は、「永久にここが国境である」という意味で鉄製のきちんとしたものを、対するフランスは「ここは暫定国境、いずれ返してもらう」という意思表示から、木製のちゃちな代物を置いたそうです。フランスの思惑通り、第一次世界大戦終結後に取り戻す訳ですが)<br>
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チケットを売っているところに「危険だから、施設内に250人以上の人間を入れちゃダメ」という国防省の通達が出てました。<br>
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<strong><u>Fort de Mutzig<br></u></strong>18, bld Clemenceau<br>
67180 Mutzig<br>
tel: 06 08 84 17 42<br>
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<a href="http://www.fort-mutzig.eu">www.fort-mutzig.eu</a> 英仏独<br>
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ドイツ語での予約・問い合わせは<br>
Zeppelinstrasse 23<br>
76709 Kronau<br>
tel: 07253/31393<br>
<br>
<strong>OPEN</strong><br>
ドイツ語とフランス語のガイドツアーのみ。<br>
所要時間2時間半。</p>
<table style="width: 303px; height: 128px" cellspacing="1" cellpadding="1"
width="303" border="1">
<tbody>
<tr>
<td> </td>
<td><font size="2">7/1~9/15</font></td>
<td>
<p><font size="2">4/1~10/31<br>
(左記期間を除く)</font></p>
</td>
</tr>
<tr>
<td><font size="2">仏語</font></td>
<td><font size="2">10:00,14:00,15:00,16:00(無休)</font></td>
<td><font size="2">14:00,15:00,16:00(土日のみ)</font></td>
</tr>
<tr>
<td><font size="2">独語</font></td>
<td><font size="2">10:30,13:30,14:30(無休)</font></td>
<td><font size="2">13:30,14:30<br>
(土日のみ)</font></td>
</tr>
</tbody>
</table>
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グループは、ツアー出発時間に制限なし(要予約)<br>
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<strong>行き方<br></strong>車<br>
正確には、Mutzigの隣町<br>
公共交通機関<br>
多分無理</p>