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よくある質問 - (2015/08/14 (金) 00:04:59) のソース

ここではよくある質問を通して『完全マップ』を概観していきます。
補足・比較のため森沢さん以外の方のアドバイスも引用しています。

&bold(){Q. 中学レベルの文法っているの? いきなり音パケ・瞬間英作文やっちゃダメ?}

音読の効果(森沢)
>英語上達は端的に言って、「文構造・意味を把握している文を
>脳、音声器官を通じて出し入れすること」・・・。
>英文を理解しながら繰り返し自分の口から発して行く作業は、
>英語を、英語の語順で直接・瞬間的に受け入れる体質を養成し、
>リスニング力も含め英語の基底能力を総合的に高めてくれます。

つまり、「文法・構文・語彙などの知識」や「勘や推測に頼らない、文構造をしっかり把握する読み方」
を前提に、学んだ知識を使うための回路を作って、「わかっている」ことを「できる」状態にするトレーニングというのが
音読パッケージ・瞬間英作文の位置づけのようです。

&bold(){Q. 瞬間英作文って要はただの暗記じゃないの?}
瞬間英作文における暗記(森沢)
>一つのテキストを一回で覚えこもうとせず、軽めに何度も漆塗りを
>するように繰り返し、自然に長期記憶として刷り込んでいく・・・。
>自由に使いこなせる言語の文法・文型構造、語彙などは長期記憶されていて、
>車の運転やスポーツでの動きなどのように瞬間的な反応となっています。
「ゴリゴリ暗記」でなく理解・実感が伴っていることがポイントのようです。

また日本語の単語の置き換えでは英語にならないという事情からも例文の暗記は有効だそうです。

白井恭弘著『外国語学習の科学――第二言語習得論とは何か』より
>第二言語のデータベースを増やし、自然な表現を身につけるために、特に母語と第二言語の距離が遠い場合は、
>よく使う表現や、例文、ダイアローグなどを暗記することが効果的でしょう。

&bold(){Q. ○○は何周・何冊やればいいの?}
『スラスラ』より
>何冊やればいい?症候群からの脱却
>物事にはすべて個人のペースがあります。どれだけやればものになるのかは
>実際にトレーニングを行って初めて、その行程の果てで、結果的にわかるものです。
>ぜひ、あなた自身にとって必要な冊数を見つけ出してください。

&bold(){Q. TOEICで○○点取りたいんだけど?}
>英語力が上がれば自然とスコアも上がりますから、
>英語力をつける学習・トレーニングをしましょう。
>英語力そのものを上げずにTOEICスコアを上げる方法はないと思います。

&bold(){Q.瞬間英作文の特徴や注意点はどんなこと?}
森沢さんによる瞬間英作文の例文は、
>単に英文を表面的に暗記せず、文型の操作感を掴んで、
>基本文型の引き出し・結合能力を極限まで高める。
という目的に特化していて、「英作文の流し」や「熟成サイクル」に早く到達できるので、
「立て板に水」のごとく言えるようになるまでのプロセスが体感しやすいのではないでしょうか。

注意としては、日本語を足がかりにした練習だという点です。

『ポンポン話すための瞬間英作文パターン・プラクティス』より
>「日本文→英文」・・・のトレーニングで効果が上がりにくい人も出てきました。
>①自発的な発言でない引き金の日本文を読み解くのに戸惑ったり、抵抗を感じる。
>②日本文の内容のイメージ化がスムーズにいかない。
>補助輪として使うはずの日本語そのものに引きずり回されてしまうとなると本末転倒です。

確かに「日本文→英文」の練習は、正確に言おうとするほど日本語に細かく注目せざるを得ず、
「日本語の読み解き・イメージ化」というステップを避けられません。
その点では英文和訳と同様に、実質的に半分は日本語で考えているとも言えます。

また、最善を尽くして作った自分の英文が解答例と違ったときに、
そのよしあしを学習者が判定しなければならないという難題が起こります。
特に、英文の候補がいくつか思い浮かんだり、解答例との差異が微妙なときは、
自然で的確な英語に修正するには、その場でフィードバックがほしいところです。

また、パズル的な文型操作ができるだけでは不十分だという指摘があります。

白井恭弘著『ことばの力学――応用言語学への招待』より
パターン・プラクティスについて
>問題点は、言語の意味に注意をむけなくてもできる・・・ことです。たとえば、
>「I go to the store.をHeに」と言われて、He goes to the store.に変える練習は、
>文の意味を考えなくても、動詞の形だけ考えればできてしまいます。
>むしろ文の意味など考えないほうが、うまくできます。

当然、森沢さんも瞬間英作文の回路だけでは
>使おうとする文型が頭の中で用意できているのに、
>そこに差し込む単語・フレーズが見つからず、宙を掻くような状態に陥る (『スラスラ』)
と注意喚起されています。

さらに、教材の例文が本当に「使える」のかという指摘があります。

James M. Vardaman著『毎日の英文法 頭の中に「英語のパターン」をつくる』より
>次の英文を、受動態(受け身形)に書き換えなさい。
>My neighbor will take good care of my cat while I am away.
>→Good care will be taken of my cat by my neighbor while I am away.
>この英文は「文法的に正しくとも」ネイティブが使うことはありません。
>多くの学生や学習者が使っているテキストを見ると、「たとえ文法的には正しくとも」、
>ネイティブも学習者も、おそらく一生使わないであろう例文がときどき見られます。
>せっかくトレーニングして身につけるのですからすべて使えるものでなくてなりません。

便宜上、森沢さんは端的にこう言い切っています。

『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』より
文型コンビネーションについて
>本編は実用例文集ではありません。
>解答例の英文は、文法・文型的に可能な文で、発話としての自然さは、多少犠牲にしています。
>丸覚えしてもなんのプラスもありません。

日本人による不自然な英語を直すという目的の教材でない限り、
例文は実際に使われる自然な言い方であるほうが学習者は安心して扱えるかもしれません。

&bold(){Q.瞬間英作文の第2ステージのゴールである中学英語とは?}
第2ステージの文型コンビネーションの焦点に「基本文型の持つ無限の応用性」があります。
>自然な話し言葉であれば、どれほど知的レベルの高い内容であれ、
>ほとんど中学英語プラス・アルファのレベルの英語で構成されているものです。(『スラスラ』)
ここでの中学英語(≒基本文型)とはどういう枠組みなのでしょうか。

学校英語について(森沢)
>限界が「わからせる」ことにあり、わかったことを「身につける」ようには機能しない・・・
>英語が実際に使えるようになるようなメソッドで教えられていない。
>英語を実用にするための学習プラニングが存在しない。

中学英語といってもそれを実際に使いこなすとなると、上の実情からいって中学レベルではなさそうです。
では、英語のほとんどを構成している中学英語が身についたという地点はどのあたりにあるのでしょうか。

第2ステージの完成
>頭の中であまり考えなくても英語が口から出てくるようになる
>高校入試レベルの長文なら、初見でも日本語訳からスラスラ英文が出てくる

この基準を高めに読み取ると、自分の発した英語がそのまま中学の教科書に
採用できるレベルであるとも言えそうですが、これは相当高いレベルではないでしょうか。
例えば、英検3級の読解の文章や準1級のライティングの解答例くらいの英語を
口頭でスラスラ言えるレベル、と言い換えてみてもいいかもしれません。

もちろん、第3ステージに進む基準をこれほど厳しくとらえる必要はないでしょうが、
学ぶからには、自分の英語が英語として自然で、意図がちゃんと伝わるという自信を持てるようになりたいところです。
第2ステージに限っても、次のような指摘があるように、「使える」というのはなかなか奥が深そうです。

田中茂範著『表現英文法』より
>「『使える』を実感しながら」とはどういうことでしょうか。
>「使える」という条件を満たすためには、「使い分ける」と「使いこなす」が鍵になります。
>「現在完了形と過去形の違いは何か」・・・「不定詞と動名詞の違いは何か」などは
>すべて使い分けるために必要な問いです。関係代名詞について知っていてもそれを有効に使えない、
>現在単純形が何であるかは理解していてもそれが現実にどのように使われるかがわからない、
>といった問題は「使いこなす」に関するものといえます。

&bold(){Q.瞬間英作文『スラスラ』(緑本)の後半の長いコンビネーションがやりにくい気がする?}
長いコンビネーションがやりにくい理由はいくつか考えられます。
①日本語文を最後まで読んで内容を整理しないと、英文のはじめすら確定できない。
②本から目を離して言うには、長い日本語文の内容を覚えておかなければいけない。
  (普段の会話で、用意した文章を見ながら話すことはあまりない。)
③「内容のあることを話す」という目的なのに、練習の焦点が実用性を犠牲にするほど文型結合に傾いている。

『スラスラ』のこの例文について見てみます。
>Although I teach Japanese to an American girl who came to Japan last year,
>I don't know how long it will take her to learn it.
パーツとなる単文としてはこんな感じでしょうか。
I teach Japanese to an American girl.
She came to Japan last year.
But I don't know...
How long will it take her to learn it?

これを日本語と対応させると、文が長くなるほど日本語の語順に引きずり回され屈折してしまいます。
工夫としては、括弧などを書き込み、英語の語順で日本語をかたまりごとに読むという方法があります。
>僕は(去年日本にやってきた)アメリカ人の女の子 ∧ に日本語を教えているけれども、
>(彼女が日本語を覚えるのに)(どのくらいかかるか)僕にはわからない ∧ ∧。
>
>僕はアメリカ人の女の子に日本語を教えているけれども = Although I teach Japanese to an American girl
>去年日本にやってきた = who came to Japan last year
>僕にはわからない = I don't know
>どのくらいかかるか = how long it will take
>彼女が日本語を覚えるのに = her to learn it

虫食い文を作って(文法的キーワードをぬりつぶして)、完全な文をパッと言うという方法もあります。
>( ) I teach Japanese ( ) an American girl ( ) came to Japan last year,
>I don't know ( ) long ( ) will ( ) her to learn it.

より実践的にするには、内容を箇条書きで提示してストーリーとして組み立てるという方法も考えられます。
A) 僕はある女の子に日本語を教えている。
B) 彼女は去年アメリカから日本にやってきた。
C) 彼女が日本語を覚えるのにどのくらいかかるかわからない。
このストーリーであれば、ABのいきさつやCの理由について話をふくらませたり、
Aの前にこの話題の切り出し方はどうするか、BとCの間で話がやや転換するのでどうつなぐかといった工夫ができます。
もっとも、ここまでするのなら文型結合の例文で架空の話をするより、現実を題材にしたほうがいいかもしれません。

結局、長い文を言いたいときには伝えたい内容はすでに自分の頭の中にあって、
はじめから英文として組み立てながら順に口に出していけるので、
この本の練習を難しくしている①と②の要因は、現実の会話ではあまりかからない負荷なのかもしれません。

この点で、瞬間英作文のターゲットである「話し言葉」について次のように指摘されています。

日向清人・狩野みき共著『知られざる英会話のスキル20』より
>待ったなしにリアルタイムで進むという会話の特質に合わせて、話すほうも・・・
>話し言葉ならではの独特のルールに従って話しているのですから、・・・
>フルセンテンスを組み立ててから話そうとするのは賢明ではありません。
>話し言葉は決して書き言葉を音声化したものではないのです。

一方、③のまとまりのある内容を伝えることについては、一例として次のようなアドバイスがあります。

[[「相手が知っているかどうか」ということと情報の流れ - 科学英語を考える>http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/english/06.html]](トム・ガリー)より
>文章を書くときに決めなければならないことの一つに,どの順序で伝えたい情報を並べるか,ということがある。
>情報の流れの規則
> 古い情報(読者に知られている情報)は先。
> 新しい情報(読者に知られていない情報)は後。
>冠詞を正しく使用することにも,スムーズに流れる文章を書くことにも相手が知っているかどうかを考慮する必要がある。

つまり、この本の練習で養いたい「込み入った内容を表現する必要に応じて文型を結合する応用力」は、
伝える内容を整理・構成し、表現上の工夫が必要なときに発揮する力だと言えそうです。
「純粋に文型の結合練習のため」に作られた例文に対しては、
学習者自身でそれをどの程度実践投入できるか見極める必要があるかもしれません。
次の森沢さんの言葉はボキャビルについてですが、文型の例文についてもあてはまりそうです。

「不自然であったり、抽象的過ぎて、単語のイメージのつかめない例文」に対して
>相性が悪かったり、腑に落ちない・・・受け入れにくい例文は捨てて、
>英和辞典や英英辞典から理解しやすい例文を選べばいいのです。 
>多少面倒でも、能動的に接した単語やフレーズは自分の中に深く鮮明に刻み込まれるからです。

もっとも、長いコンビネーションによって「単純な基本を組み合わせるだけで、
一般の人には離れ業のように見えることがたやすく成せる」という可能性は示されています。
というのも、上の例文のようなまとまった内容の「初見の」日本語(他人が考えていること)を、
サラッと読んで(聞いて)正確に頭に入れ、英語として自然な表現で、聞き手にわかりやすい流れで、
次々とばね仕掛けのように言う瞬間英作文というのは、同時通訳のようなレベルだからです。

&bold(){Q. 発音教材ってやったほうがいいの?}
音読パッケージにおける音について、
-音声的な残像として耳に残っているモデル発音を忠実に再生する
-完全なリスニング能力とは、何を聴いても完璧なリピーティングができること
-仕上がったとき、・・・テキストのどの英文のどの部分だろうと、完璧にリピーティングができる
などのポイントが示してありますが、音と反復について見てみます。

リピーティングやシャドーイングでは音以外の点でも集中力・処理力がいります。
1)スピードについていくこと
2)一言一句正確に再現すること
3)意味をはっきりとらえること

3は「実際にその英文を自分で言っているような発話実感を込める」と表現されていますが、
意味は一度納得がいけば(特に和訳を見れば)、それ以降は毎回意味解釈をしなくても済むようになります。
また、繰り返すうちに次に何が来るかわかって待ち受けられるため1や2も楽になってきます。
つまり反復によって記憶するほど、123はよくできるようになります。

これらができるようになるのはよいのですが、記憶に頼りすぎると聞き取りが不十分でも、音パケの形としては仕上がってしまいます。
では、純粋に聞き取りの精度を高めるステップはどこでしょうか。
「先行リスニング」と「聴き解き」がこれにあたりそうです。
つまり、文字を見ず、文脈から推測もせず、耳に残せる音声的な残像が聞き取る力であり、
文字による「聴き解き」で補っている部分が、聞き取れるようにしたい音だということです。
このギャップを埋めるには、発音教材によってリズム、イントネーション、音の変化などの
英語の音声的特徴を意識しておくと効果がありそうです。

聞き取りの精度が上がると、自分の声もよく聞こえるようになるので、
声の出し方を調整してモデルにすり合わせていくことが、かなり自力でできるようになるはずです。
ノンネイティブの発音(accent)は、その人の英語力の高さにかかわらず、あきらかなそれで話す人もいるので、
サイクル法で100回反復して「内在化される英語」は、モデルの音そのものではなく、
自分の耳でフィルタリングされ、自分で繰り返し発した音として蓄積されるのかもしれません。

以下は音の重要性についての指摘の例です。

白井恭弘著『ことばの力学――応用言語学への招待』より
>言語習得の一番大変なところは、リアルタイムでどんどん流れてくる音を、すぐさま意味として理解すること、
>そして、頭の中で言いたいと思っている内容を、音声言語としてものすごいスピードで口に出さなければならないことです。
>
>つまりどんどん流れてくる音を意味に結びつけるというプロセスが、言語習得の本質なのです。

鳥飼玖美子監修『はじめてのシャドーイング―プロ通訳者の基礎訓練法で、英語の“音”感覚が飛躍的に身につく』より
>シャドーイングの効果
>1 復唱ができれば理解度がアップする
>2 スピードの速い音声も聞き取れるようになる
>3 英語の音のデータベースが増える
>4 集中力が上がる

一方で、実際に話すときには相手に伝えるのが目的ですから、
上の『はじめて・・・』ではポイントをすっきりとこうまとめてあります。

>(1)自分はこういう理由でこう読むというという、自分なりの読みのポリシーがはっきりしていること
>(2)聞いている人にわかりやすい読み方になっていること

&bold(){Q. 音読パッケージが難しすぎる・やさしすぎるんだけど?}
教材の難易度に応じて負荷を調整できます。
(難)精読的 ← 音読パッケージ → 瞬間英作文的(易)

難しい教材では、音・文構造・意味をじっくりと落とし込む精読的な音パケになります。
◆リピーティングの長さ
ついていける長さで区切って丁寧にいきます。
◆文字からのリピーティング
テキストを読み上げる音読だけでなく、1文(フレーズ)見てから目を離してリピートします。
音声のリピーティングより時間的な余裕ができます。

易しい教材では、リピーティングの完成をゴールとせずハードルを上げます。
◆日本語からの再現
>長文読解の仕上げとして、読解した英文を、日本語訳からそっくり再生するというトレーニング・・・
>も基本さえ仕上がっていれば、さして難しいことではありません。 

日本語からの再現をゴールとする音パケは、瞬間英作文の第3ステージと同じ効果が期待できます。
目指す状態を森沢さんは次のように表現しています。
>アクティブ・ボキャを作るためには、同じ単語・フレーズを、異なる文、文脈で何十回、何百回と口にすることにより、
>無意識層で単語・フレーズが何重にも重複しながら、押し合い、へし合いをしている状態を作ることが必要です。
>そうして初めて、なにかを言おうとする時、必要な語句が、引き出すまでもなく、押し出され、自ら飛び出してくるようになります。
参考
[[必ず英語力が付く、正しい音読10の方法 | 英語教育2.0 日本の教育をこう変えよ!>http://toyokeizai.net/articles/-/27928]]

&bold(){Q. ボキャビルはいつからやればいいの?}
>単語をボキャビルによってどんどん定着させていけるのは、構文・文法・基礎語彙などが
>有機的に自分の中に取り込まれ、「英語体質」とでも言うべきものができ始めてからです。
◆&u(){4000~5000語(大学入試標準レベル・英検2級)程度}
ここまでは音パケや精読などの文脈中で自然に習得します。
◆8,000語(英検準1級)程度
英字新聞や易しい文体のペーパーバックが読め、TOEICで高得点を取れるようになります。
◆13,000語(英検1級)程度
ペーパーバックや雑誌などたいていのものは楽しんで読めます。
◆2万語~
TIMEやNewsweekなどの高級雑誌がぐっと身近に感じられるようになります。

ボキャビルと多読(森沢)
>ボキャビルは単語集で覚えるだけではだめで、実際に会話や読書の中で使うことによって
>辞書的な意味だけでなく、使われ方、ニュアンスなど単語のいわば個性がわかってきます。
>多読はこうした単語に対する実感作りにもっとも効力を発します。
>
>貪欲に、そして享楽的に好きなものを好きなように読んでください。
>読むうちに語彙が増え、それがまた読みを楽にするという好循環を味わうでしょう。
>読むことは言語の使用能力を本質的に向上させます。

ボキャビル関連サイト
[[英語の語彙力の測定テスト~英単語のボキャブラリーレベル計測試験~ - Weblio>http://uwl.weblio.jp/vocab-index]]
[[英単語力の測定 - 知っている単語数を5分で無料測定>http://www.wordengine.jp/vcheck]]
[[Test Your Vocabulary>http://testyourvocab.com/]]
[[Word frequency: based on 450 million word COCA corpus>http://www.wordfrequency.info/free.asp?s=y]] 米語5000語リスト
[[WORDCOUNT>http://www.wordcount.org/main.php]] 86,800語リスト

[[A New General Service List (1.01)>http://www.newgeneralservicelist.org/]]には英語の90%を占める3000弱の単語が掲載されています。
意味的な比重を無視して数字だけ見れば、これ以外の単語をどれだけ覚えてもたかだか10%ですので、
ボキャビルによって高まる力と話すために必要な力とでは、やや方向性が違うのかもしれません。

森沢さん自身『どんどん』でこんな体験を紹介されています。
>ペーパーバックはすでに150冊程度は読破し、定期購読していたニューズウィークも
>一週間で次の号が来る前にきっちり読み切ることができ・・・ニュースやインタビューなどもかなり聴き取れるのに、
>話すこととなると、簡単な文でも、すらすらとは発することができませんでした。

&bold(){Q. 完全マップで身につける英語力とは?}
森沢さんの[[英語力を解剖する>http://homepage3.nifty.com/mutuno/04_dissect/04_dissect.html]]というページのレベル表を、[[NHKサイトのCEFRレベル表>http://eigoryoku.nhk-book.co.jp/cefr.html]]とおおまかに対照したものです。
|COLOR(green):レベル1|英語の訓練をまったくせず、学校で漫然と授業を受けてきた一般的日本人のレベル。|
|COLOR(green):CEFR A0|ごく簡単な表現を聞きとれて、基本的な語句で自分の名前や気持ちを伝えられる。|
|COLOR(blue):レベル2|大学受験時代英語が得意。多少の実践的訓練に手をつけ、センテンスによるコミュニケーションができ始める。|
|COLOR(blue):CEFR A1|日常生活での基本的な表現を理解し、ごく簡単なやりとりができる|
|COLOR(green):レベル3|コミュニケーションの用に足る英語力の入り口。単独の海外旅行でもそれほど不自由はしない。|
|COLOR(green):CEFR A2|日常生活での身近なことがらについて、簡単なやりとりができる。短いメモやメッセージが書ける。|
|COLOR(blue):レベル4|英会話がかなりでき、英語のできる人で通る。留学が可能。|
|COLOR(blue):CEFR B1|社会生活での身近な話題について理解し、自分の意思とその理由を簡単に説明できる。&br()簡単だが、首尾一貫した文章を作れる。|
|COLOR(green):レベル5|英語で仕事、生活の会話全て流暢にこなせる。英語を話すことで疲れない。|
|COLOR(green):CEFR B2|社会生活での幅広い話題について自然に会話ができ、明確かつ詳細に自分の意見を表現できる。|
|COLOR(blue):CEFR C1|広範で複雑な話題を理解して、目的に合った適切な言葉を使い、論理的な主張や議論を組み立てることができる。|
|COLOR(blue):レベル6|くだけた会話も、映画・TVドラマも完全に理解できる。自然な文体でミスのない英文をすらすら書ける。|
|COLOR(blue):CEFR C2|ほぼすべての話題を容易に理解し、その内容を論理的に再構成して、ごく細かいニュアンスまで表現できる。|
|COLOR(green):レベル7|すべてにおいて母語と同じレベル。言語学上でいう狭義のバイリンガル。|

完全マップにある(ない)項目を"The Four Strands"(Paul Nation)にあてはめた表です。
|BGCOLOR(khaki):CENTER:The Four Strands|BGCOLOR(khaki):CENTER:完全マップ||
|Language-Focused Learning|文法 精読 ボキャビル|発音|
|Fluency Development|音読パッケージ 瞬間英作文||
|Meaning-Focused Input|多読|多聴|
|Meaning-Focused Output||会話 スピーチ ライティング|
参考
[[バランスのよい英語学習法の目安/アルコムワールド>http://alcom.alc.co.jp/users/253143/diary/show/293504]]
[[英語高地トレーニング ~英語力向上による英検1級、TOEIC990点取得法~>http://eigo-kochi-training.com/index.html]]

会話について(森沢)
>実際の会話には特有の間・呼吸があります。この流れにスムーズに乗るためには・・・場数を踏む必要があります。
>と同時に、会話練習で効果を上げるためには、基礎学習・トレーニングを積み、一定のリスニング力、
>瞬間的に英文を作り出す能力、基礎語彙などを持っていることが大前提です。

基底能力と駆使能力(森沢)
>基底能力は文法・構文や語彙の「知識」とその知識を円滑に活動させるための「回路」の2つの側面があります。
>ある人がどれだけの英語を使えるようになるかは、その人の基底能力に決定されます。

>(瞬間英作文の)第3ステージに足を踏み入れ、しばらくトレーニングを続けた時点で、
>英語を外国語として十分に使いこなせるようになっているでしょう。

必ずしも第2ステージまでの種まきを終えてから、後で「収穫」するのではなく、
駆使能力を直接測れるスピーキングやライティングのテストや、ネットで受けられる様々なレッスンを活用して、
基底能力と駆使能力を同時に高めるプランも考えられます。

森沢さんの実験的アプローチ(『どんどん』)
>当時の私は奇妙な野心を持っていました。海外で暮らしたり、学校に通うことなしに・・・
>自然言語を、たった一人で、教材の学習だけで身につけるという、いわば試験管の中で
>人工的に生命を培養することに似た行為を実現することでした。

このように森沢さんは基底能力を独習でとことん高める方法を追及されたようです。
一方、具体的な目標(例えば英語で生活できる・仕事ができる・留学できるなど)が決まっている学習者には
基底能力を目に見える駆使能力として固めていく道しるべがあるとありがたいのですが、
完全マップでは、基底能力のほうがメインになっているようです。