『笑顔』 第二章

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  • 『笑顔』 第二章
    「ジジ」が『えっ』と呟くのを聞きながら、私は心臓の鼓動が早くなるのを感じました。 お願い、知ってて。 『・・・えっと、一応訊くけど』 「ジジ」が少し目を細めて言いました。 『その「道重さゆみ」って、あの「道重さゆみ」だよね?「三大魔道士」の?』 私はその聞き慣れない言葉に、少し考えてから答えました。 『・・・たぶん』 『多分!?』 『たぶん・・・その人。よくわからないけど、すごい人』 「ジジ」は目を丸くしてから・・・ゆっくり首を左右に振りました。 あ・・・もしかして、呆れられてる? 『・・・知ってるの?その人を』 私が訊くと、「ジジ」は私の方を見ないまま答えました。 『知ってるよ』 私はそれを聞いて、心臓の鼓動が爆発したのを感じました。 その場で立ち上がり、「ジジ」の体を掴もうとして・・・ その両手が、何もない空間を切りました。 『・・・え?』 『「え?」じゃないわよ!同じこと言わせないで...
  • 『笑顔』過去編 第二章
      その日から、はるなんは休みの日のたびに私の家に来るようになった。 自分の部屋で黙々と絵を描く私。 そのすぐ隣で、笑顔で私に話かけてくるはるなん。 それだけのことを、一日中繰り返すだけの休日。 はるなんは、本当に色んな話をしてくれた。 好きな食べ物の事。流行の映画や、アニメの事。楽しい遊園地の事。 でも、私はそのほとんどの内容が頭に入ってこなかった。 はるなんの話がつまらないわけではない。むしろ、私の知らないことを色々と教えてくれるのが、新鮮だった。 でも私は、絵を描きながら人と話すという器用なことができなかった。 私は、はるなんの話を聞き流しながら、たまに「うん」とか「そう」とか相槌を打つだけだった。 ・・・本当なら、絵を描くのを止めて話に集中した方がいいだろう。 でも、私ははるなんと一緒にいる時でも、構わずに絵を描き続けていた。 理由は、絵を描くことに集中していることで、こちらから話...
  • 外伝(続きもの)
    ...光(リリウム編) ・『笑顔』 第一章  第二章  第三章  第四章   過去編 第一章  第二章  第三章  第四章  第五章   真相編 ・魔法少女みずき☆マギカ   第一章  第二章  魔法少女みずき☆マギカ [真編] 叛逆の物語 ・ドラマティック モンスター   オマケ ・黒猫の追憶   ~その先にあるもの~   ~真実を照らす絆~ ・スプ水先生の奇跡 What is LOVE?(だーさく編) ロボキッス(まーどぅー編) インスピレーション!(だーさく編2) 愛しく苦しいこの夜に       続・愛しく苦しいこの夜に 涙ッチ(生ガキ編) Happy大作戦       Happy大作戦 ~実践編~ その場面でビビっちゃいけないじゃん!(だーさく編3) 抱いてHOLD ON ME(はがおが編) 私の魅力に 気付かない鈍感な人(はるまき編) 女友達(はーちぇる編) 色っぽい じれった...
  • 『笑顔』過去編 第一章
    ...かりました。じゃあ、『笑顔』ですね!」 「・・・え?」 「この絵のタイトルです」 そう言ってはるなんは、私の絵を私に見せるように掲げた。 「『笑顔』?」 「はい。だって、この人たちの名前が「スマイル」ならピッタリでしょう?それに、この人たちの顔!」 そして、「彼女たち」の顔を指差しながら、こう言った。 「皆、こんなに輝くほど素敵な笑顔をしているじゃないですか!!」 少し興奮した様子で、私の顔に絵を近づけてきたはるなんに、私は呆気にとられてしまった。 タイトルって・・・ 絵に、名前を付けるの? 「どうですか?」 「・・・えっと・・・」 私は、はるなんの紅潮した顔を眺めながら考えてしまった。 今まで、一度も自分の描いた絵には名前を付けるという発想すら湧いてこなかったけど・・・ 『笑顔』・・・『笑顔』か・・・ 悪く、ないかも・・・ 「はい、ありがとうございました!」 はるなんは、お礼を言...
  • 『笑顔』過去編 第三章
    ...で出会った、あなたの『笑顔』です」 「あの絵に描かれていた、「彼女たち」の笑顔・・・私はそれを見た途端、ものすごい衝撃を受けました。そうだ、笑うというのはこういうことだ」 はるなんに笑顔が浮ぶ。優しい、笑顔だった。 「そして、こう思いました。こんなにに素晴らしい「笑顔」が描ける人間が、笑えないはずがないって」 私は、はるなんの笑顔を呆然と見つめていた。 笑顔の、絵? まさか、それだけで・・・? 「で・・・でも、私は・・・」 「そうですね。そこで出会ったあなたは、全然「笑顔」を見せてくれませんでした」 はるなんはそう言って、笑いながらも少し困った顔をした。 「だから私は、あなたに笑ってもらう為に、様々な「努力」を始めたんです」 「・・・努力?」 「はい。先ほどのあなたの疑問の数々です。それが、私の「努力」の結晶なんですよ」 努力の結晶・・・ 私は、自分が抱いていた疑問を再び思い浮...
  • 第三章 深まる混迷
      衣梨奈がさゆみの前に連れてきたのは、コケティッシュな雰囲気を持つ小柄な少女だった。 「この娘も手を貸してくれると言うんで連れてきちゃったんですけど、大丈夫ですか?」 衣梨奈の言葉に、困ったように腕組みをするさゆみ。 「うーん、手助けしてくれるのは確かにありがたいんだけどね。 大丈夫かと聞かれると、本編との兼ね合いもあるからこのタイミングだと 色々問題があるというのが正直なところなんだよねぇ」 半ば独り言のように呟きながら考え込んでいたさゆみだったが、 しばらくしてついに吹っ切れたのか、衣梨奈の隣にたたずむ少女に声をかける。 「うんわかった。じゃあ、あなたは今回初登場のオダベチカって 名前の娘だということにしておくけど、それでいいかな?」 「はい、わかりました!」 いかにも楽しげな様子で快活に返事をするオダベチカ。 「詳細はもう生田から聞いてるね。じゃあさっそくだけどエネルギーを注入させ...
  • 『笑顔』 第三章
    私は、この「М13地区」で生まれ育ちました。 私の親・・・私の母は、私が生まれてすぐに他界してしまって、 私は父と二人暮らしをしていました。 父は、元々は魔道士協会で働いていた魔道士でしたが、 私が生まれるときに退職して、この町に移り住んだそうです。 魔道士の父の血を受け継いだ私も、一応魔法を使える才能を身につけていました。 でも・・・私は、魔法の研究を全然せずに、ずっと好きな絵ばかりを描いていました。 絵画は父の趣味だったんですが、いつのまにか私の趣味に代わり・・・ それが、私の生きがいになっていきました。 極端に人見知りな性格も災いして、友達と呼べる子は全くいなくて、 学校へ行ってもいつも一人ぼっちでした。 優しい父はそんな私を心配してくれつつ、私の描いた絵をいつも褒めてくれました。 それが嬉しくて、私はどんどん絵画の世界にのめり込んでいきました。 そのうち、私の描いた絵が、町の絵画コ...
  • 第一章 異界からの誘い
      「ったく、どこ隠れてんだよまーちゃんは」 家の中を探し回りながら遥が毒づいた。 優樹にやろうやろうとせがまれ、軽い気持ちで始めた2人だけのかくれんぼ。 いくら広い道重邸とはいえ所詮は室内。隠れられるところも限られているし 本気で探せばすぐに発見できると高を括っていたが、これが驚くほどに見つからない。 きっとどこか絶好の隠れ場所を見つけて、絶対に見つかりっこないだろうと ニヤついているであろう優樹の顔を想像して、無性に腹が立ってくる。 「おっかしーなぁ、もう一通り探したはずだけど。 確かこの先には部屋もなかったはずだし。……あれ?」 遥の記憶では行き止まりだったはずの廊下の先に見慣れないドアを見つけ、思わず足を止める。 もしかしてこの中に優樹が隠れているとか? 「おーい、まーちゃんいるかーい」 コンコンコンとドアを叩きながら声をかけてみるも反応は皆無。 まあもし本当にいたとしても返事はし...
  • 『笑顔』 第一章
    これは、私が始めて道重さんに出会った時の話です。 それは私にとって「大切な存在」との出会い・・・ そして「笑顔」との出会い。 私がその「古本屋」でバイトしようと決めた理由は、実はあまり覚えていないんです。 でも、多分「本屋のバイトぐらいなら私にもできるかも」程度の考えだったと思います。 店に入ってみると、想像以上に狭くて薄暗い店内でしたけど、見た感じ誰もいませんでした。 お客さんはまだしも、店員さんの姿も見えません。 「ごめんくださーい」 声をかけましたが、返事がありません。何回か繰り返しても同じです。 本棚の少し奥にテーブルと椅子が見えたので、誰かが来るまで座って待たせてもらおうと思いました。 椅子を後ろに引いて、持っていたサイドバックを背もたれにかけてから、私はもう一度店内を見渡しました。 私以外誰もいない店内は、どこかシュールで・・・ まさか店員さん、店をほっぽってどこかに出掛けて...
  • 魔法少女みずき☆マギカ 第一章
      下校後一緒に帰っていた聖と香音は、夏の暑さを全身で感じていた。 「あっっっっつぅぅぅぅぅい」 「暑いねえ」 二人は、駄菓子屋の前の自販機でジュースを買って飲んだ。冷たくて美味しい。 「あれ?そういえば、えりちゃんと里保ちゃんは今日どうしたんだろ」 「なんか、魔法の修行するからって先に帰ったみたい」 「はー、暑いのによくやるね」 「・・・」 「ん?どうしたの聖ちゃん」 元気がない様子の聖を、香音は心配した声で聞いた。 聖は、ため息をつきながら語った。 「なんか、えりぽんと里保ちゃんは魔法使いなのに、聖は普通の人間だから、 入り込む隙がないっていうか・・・悔しいっていうか、なんというか」 「あー、要は「じぇらしー」ってやつね」 「そっそんなんじゃなくて!!」 慌てる聖に、香音は飲み終わったジュースの缶を握りつぶしながら笑った。 「香音ちゃん・・・それ、スチール缶・・・」 「でもさ、私たち...
  • 本編28 『月夜の憂鬱』
    ▼ 里保と衣梨奈の眼前には不思議な光景が広がった。 海の上に無数の岩がじっと浮かんでいる。 それが月光の影を帯びて、黒々と空を埋め尽くしていた。 辺りには不思議な魔力が漂っている。 そして岩岩の間の遥か向こうに、僅かに目的の島の影が見えた。 いよいよ、三大魔道士”西の大魔道士”の島に辿り着いた。 そこで今いったい何が起こっているのかは分からない。 さゆみは当然もう到着しているだろう。 果たして聖と香音はそこにいるのだろうか。 西の大魔道士とはいったいどんな人物なのか。 改めて緊張感を増しながら、二人はやや速度を落とし 浮かぶ岩を避け島を目指した。 と、前方に魔力を感じる。 巨大な魔力。 島よりも手前に、まるで二人を待ち受けるようにその魔力はじっと存在を主張していた。 里保と衣梨奈はいよいよ速度を緩め、顔を見合わせた。 そこにある魔力はさゆみの物ではない。 となると、これほど巨大な魔力は、...
  • 本編17 『大魔女のワガママ』
    ▼ さゆみが数歩歩くと目の前の道路をトラックが横切った。 その側面に書かれたロゴに見覚えがある。 さゆみは振り返り、車が自宅の前に停まったのを見て引き返した。 それと同時に、その名前を思い出す。 家具屋さんだ。 車から見覚えのある中年の男性と若い男性が降り 門の前に立つさゆみに恐縮気味に頭を垂れた。 「どうも、遅くなってすみません。机をお届けに参りました。 …もしかしてお出かけでしたか?いや、どうもタイミングが悪くて」 「いえ、ピッタリのタイミングです。どうも有難うございます」 頭を下げるおじさんに、さゆみはニコリと微笑んだ。 後ろで若い男の人がさゆみの笑顔に見蕩れてポカンと口を開けている。 遥と優樹の為の勉強机が届くのをすっかり忘れていた。 それが今届いたことは、この上ないいいタイミング。 きっと遥がいるうちに届いていたら、また気にしてしまっていただろう。 そして今さゆみがまさに思いつ...
  • 本編29 『えりぽんとさくら』
    ▼   「なるほどなぁ。要するに道重が、自分らが因子持ちやから仲良くしてくれたんとちゃうかって不安やねんな」 夢の中で、聖と香音とつんくはまったりと話していた。 辺りの景色は相変わらず暗く、雨が滴っていたけれど 不思議とつんくと話すことが心地いい。 要領を得ない聖の断片的な言葉から、つんくは驚くほど的確に気持ちを読み取ってくれた。 そうしているうちに、聖自身も、自分が何をそんなに悩んでいたのか その全貌を見出し始めていた。 「そう、ですね…。そうなんだと思います」 聖の言葉に香音も肯いた。 目覚めているうちに香音と意思を確かめ合うことが出来ていない。 だから、隣で肯いてくれることに聖はほっとしていた。 同じ思いでいてくれたことに。 「やっぱりその…因子ってやつのせいなんですかね…。道重さんたちが…」 香音が言葉を発する。 戸惑いがあるのだろう、言葉の歯切れが悪い。 「そうやろな。 せやけ...
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