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インヴィジブル・モンスタ-ズ - (2007/06/17 (日) 02:00:20) の最新版との変更点

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*インヴィジブル・モンスタ-ズ #amazon(4152084936,right,image) 題名:インヴィジブル・モンスターズ 原題:Invisible Monsters (1999) 作者:チャック・パラニューク Chack Palahnuik 訳者:池田真紀子 発行:早川書房 2003.0531 初版 価格:\2000  倒錯と眩暈と疾走感でたっぷりと読みごたえのある、まことに凄まじい小説が登場してきた。  ページを開いた途端、血だまり。そして、こちらを向いたライフルの銃口。階段を降りてくる美女の向こうに広がる炎。圧倒的なスタートアップから、散乱した過去を集める旅へと読者は引きずられる。  物語の順序が一見ばらばらで、錯乱している主人公の深層心理を覗いているかのようだ。美女でモデルだったヒロインは、運転中に銃撃を食らい、顎の骨をカササギに食べられ、顔と声を失ってしまう。彼女を撃ったのは誰なのか?   彼女の両親は死んだ兄シェーンの亡霊と暮らし、彼女の親友は彼女の恋人と衣装を奪う。謎の美女ブランディ、運転手のセスと共にメルセデスを駆る旅はどこに続くのか。カナダ国境を越え、ラスベガスへ、そして南へ。どこでもない場所へ。  この作品に登場する人物たち。誰もが狂っている。性も年齢も曖昧で、正常と狂気の境目は見え難い。顔を失って見えないモンスターなのに、なぜタイトルが複数形なのかずっとぼくは気になってしまう。誰もが見えないモンスターなのだろうか? 見た通りのものではないのだろうか?   人間の何が、彼女を銃撃させることになったのか、人間の何が一体火を放ち、血だまりを作ったのだろうか? 人間の何が自分を破壊しようとしているのだろうか。この本に描かれたものはそういった不可解な衝動たちである。  破片。そう言ってもいいような文節のちらばり。イメージのフラッシュバック。 > 物語をくれ。 > フラッシュ > 衝動の真相をくれ。 > フラッシュ。  すべての破片が徐々にめくれ上がり、その都度、あまりの驚愕に声を挙げそうになる。徐々に衝動が何であったか、その真相が、過去が、正体が明らかになる。すべてが明らかになるとき、銃口が火を噴きすべてが燃え上がる。人間の限りなき悲痛さと究極の嫉妬が火花を散らしてゆく。単純な愛を求めていただけだというのに……。 (2003.07.02)
*インヴィジブル・モンスタ-ズ #amazon(4152084936,right,image) 題名:インヴィジブル・モンスターズ 原題:Invisible Monsters (1999) 作者:チャック・パラニューク Chack Palahnuik 訳者:池田真紀子 発行:早川書房 2003.0531 初版 価格:\2000  倒錯と眩暈と疾走感でたっぷりと読みごたえのある、まことに凄まじい小説が登場してきた。  ページを開いた途端、血だまり。そして、こちらを向いたライフルの銃口。階段を降りてくる美女の向こうに広がる炎。圧倒的なスタートアップから、散乱した過去を集める旅へと読者は引きずられる。  物語の順序が一見ばらばらで、錯乱している主人公の深層心理を覗いているかのようだ。美女でモデルだったヒロインは、運転中に銃撃を食らい、顎の骨をカササギに食べられ、顔と声を失ってしまう。彼女を撃ったのは誰なのか?   彼女の両親は死んだ兄シェーンの亡霊と暮らし、彼女の親友は彼女の恋人と衣装を奪う。謎の美女ブランディ、運転手のセスと共にメルセデスを駆る旅はどこに続くのか。カナダ国境を越え、ラスベガスへ、そして南へ。どこでもない場所へ。  この作品に登場する人物たち。誰もが狂っている。性も年齢も曖昧で、正常と狂気の境目は見え難い。顔を失って見えないモンスターなのに、なぜタイトルが複数形なのかずっとぼくは気になってしまう。誰もが見えないモンスターなのだろうか? 見た通りのものではないのだろうか?   人間の何が、彼女を銃撃させることになったのか、人間の何が一体火を放ち、血だまりを作ったのだろうか? 人間の何が自分を破壊しようとしているのだろうか。この本に描かれたものはそういった不可解な衝動たちである。  破片。そう言ってもいいような文節のちらばり。イメージのフラッシュバック。  物語をくれ。  フラッシュ  衝動の真相をくれ。  フラッシュ。  すべての破片が徐々にめくれ上がり、その都度、あまりの驚愕に声を挙げそうになる。徐々に衝動が何であったか、その真相が、過去が、正体が明らかになる。すべてが明らかになるとき、銃口が火を噴きすべてが燃え上がる。人間の限りなき悲痛さと究極の嫉妬が火花を散らしてゆく。単純な愛を求めていただけだというのに……。 (2003.07.02)

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