wiki クライムウェイヴ(Sysop読書録 活字をめぐる冒険) 内検索 / 「シェイン・マローニー Shane Maloney」で検索した結果

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  • シェイン・マローニー Shane Maloney
    シェイン・マローニー Shane Maloney 長編 ブラッシュ・オフ 1996 浜野アキオ訳
  • ブラッシュ・オフ
    ...1996) 作者:シェイン・マローニー Shane Maloney 訳者:浜野アキオ 発行:文春文庫 2002.12.10 初版 価格:\781  非常に正当なハードボイルドなのだが、いろいろな意味で特徴のある作品。まず、これが文春文庫オーストラリア・ミステリ・コレクションという、翻訳小説としては珍しい国で生まれた作品の一つであること。2002年末に三冊同時刊行されたのだが、どれも何らかのタイトルを獲得しているものらしく、この作品はオーストラリア推理作家協会最優秀長編賞を獲得している。別名ネッド・ケリー賞。オーストラリアのエドガー賞とも言われている由緒ある賞らしい。ミステリではあまり知られていない国の力のレベルを測るには手ごろな作品だというわけだ。 さて出自国についてはともかく、作品についてであるが、最初に描いたようにハメットやチャンドラーの流れを汲む非常...
  • ルー・バーニー Loo Berney
    ルー・バーニー Loo Berney 長編小説 ガットショット・ストレート 2014 細見瑤子訳 11月に去りし者 2018 加賀山卓郎訳 7月のダークライド 2023 加賀山卓郎訳
  • ガットショット・ストレート
    ガットショット・ストレート 題名:ガットショット・ストレート 原題:Gutshot Straight (2010) 著者:ルー・バーニー Lou Berney 訳者:細見遙子訳 発行:イースト・プレス 2014.08.30 初版 価格:¥1,900  『11月に去りし者』で久々に手ごたえのある筆力を持った作家と出会えたことが嬉し過ぎて、たった一冊のルー・バーニーの古い翻訳書を手に入れ、ようやくこの作家の世界と再会することができた。なるほど、前半はほぼロード・ノベル。こういう作風を得意とする作家である。  しかも善玉悪玉ともに人間味があり、捨て難い印象を残すため、文字通り、善悪入り乱れてのもつれにもつれ合う、ひっきりなしの逆転ストーリーであっても、読者の側に、さほどの混乱は起きない。だからこそ、この作者の筆力に、ぼくはまたも着目してしまう。  ...
  • 生贄の木
    生贄の木 題名:生贄の木 原題:The Chalk Girl (2011) 著者:キャロル・オコンネル Carol O Connell 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2018.03.16 初版 価格:\1,400  劇画的なまでのけれん味たっぷりな誇張により、常に超越的な存在として彫刻のように描写されてきたこの世で最も美しく冷たい女刑事キャシー・マロリーのシリーズ最新作。と言っても10ヶ月前に邦訳された作品。さらに言えば原作は2011年にUSA出版済み。  創元推理文庫の翻訳作品が原作出版から10年単位の遅れというのは今に始まったことではないのだが、そういった長い長い時差を経てもなお良作と呼べる物語(もう完結してしまったがR.D.ウィングフィールドのフロスト・シリーズや、新ミステリの女王ミネット・ウォルターズの作品群等含め)をしっかりと日本...
  • ジェーン・ハーパー Jane Harper
    ジェーン・ハーパー Jane Harper 長編小説 渇きと偽り 2016 青木 創訳
  • アマンダの影
    アマンダの影 (『二つの影』改題) アマンダの影 (創元推理文庫) 二つの影―NY市警キャシー・マロリー・シリーズ〈第2弾〉 (竹書房文庫) 題名:アマンダの影 (『二つの影』改題) 原題:The Man Who Lied To Women (1995) 作者:キャロル・オコンネル Carol O Connell 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2001.06.29 初刷 価格:\920  前作に続いて、本書も竹書房版を新訳で東京創元社が復刻させたもの。タイトルも『マロリーの神託』を『氷の天使』に、『二つの影』(1998年)を本書『アマンダの影』に改めた。前作で翻訳の読み難さゆえに、せっかくの個性豊かな本シリーズが読者に抵抗を感じさせていたのだが、務台夏子訳でこれらの作品は、すっかり人気シリーズとして定着し、読者を確実に魅了し続けていると聞く。 ...
  • 死者は眠らず
    死者は眠らず 題名:死者は眠らず 原題:No Rest For The Dead (2011) 作者:アンドリュー・F・ガリー Andrew F.Gulli,ジェフ・アボット Jeff Abbott, サンドラ・ブラウン Sandra Brown, トマス・H・クック Thomas H.Cook, ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver,ダイアナ・ガバルドン Diana Gabaldon, テス・ジェリッツェンTess Gerritsen,ピーター・ジェイムズ Peter James, J・A・ジャンス J.A. Jance, フェイ・ケラーマン Faye Kellerman, レイモンド・クーリー Raymond Khoury, ジョン・T・レスクワ John T.Lescroart, ジェフ・リンジー Jeff Lindsay,ゲイル・リンズ Gayl...
  • ロバート・ラドラム Robert Ludlum
    ロバート・ラドラム Robert Ludlum/ジョナサン・ライダー Jonathan Ryder/マイケル・シェパード Michael Shepherd ジェイソン・ボーン・シリーズ 暗殺者 1980 山本光伸訳 殺戮のオデッセイ 1986 山本光伸訳 最後の暗殺者 1990 山本光伸訳 マタレーズ暗殺集団シリーズ マタレーズ暗殺集団 1979 篠原慎訳 マタレーズ最終戦争 1997 篠原慎訳 マッケンジー・ホーキンス/サム・デヴェロー ・シリーズ 四億ドルの身代金 1975 山本光伸訳 マイケル・シェパード名義 白き鷹の荒野 1992 篠原慎訳 秘密組織カヴァート・ワン・シリーズ 冥界からの暗殺者 秘密組織カヴァート・ワン(Covert-One)1  2002 峯村利哉訳 ゲイル・リンズ共著 破滅の予言 秘密組織カヴァート・ワン(Covert-One)2  2002 峯...
  • ダン・カーニー探偵事務所
    ダン・カーニー探偵事務所 ダン・カーニー探偵事務所 (新潮文庫) 題名:ダン・カーニー探偵事務所 原題:The Mayfield Case and 10 Other stories (1967-1984) 作者:ジョー・ゴアズ Joa Gores 訳者:石田善彦 発行:新潮文庫 1990.06.25 初版 価格:\480  もはや、この一冊もハードボイルドの古典と呼ぶべきなのだろうか。ハメット風に感情描写抜きの簡潔なタッチ。タフな男たちとタフな仕事。余計な理屈抜きに生きてゆくことの重たさと、過酷さを日々繰り返してゆくだけの物語。  元来、仕事場の風景というのは、あまり小説という娯楽に適していないように思える。 「私立探偵が丸一日ひとつの事件に関わっていられるのは探偵小説のなかだけである」(「フル・ムーン・マッドネス」より)  二十四時間...
  • キャロル・オコンネル
    キャロル・オコンネル Carol O Connell キャッシー・マロリー・シリーズ 氷の天使(『マロリーの信託』改題) 務台夏子訳 1994 アマンダの影(『二つの影』改題) 務台夏子訳 1995 死のオブジェ 務台夏子訳 1996 天使の帰郷 務台夏子訳 1997 魔術師の夜 務台夏子訳 1999 吊るされた女 務台夏子訳 2002 陪審員に死を 務台夏子訳 2003 ウィンター家の少女 務台夏子訳 2004 ルート66 務台夏子訳 2007 生贄の木 務台夏子訳 2011 ゴーストライター 務台夏子訳 2013 修道女の薔薇 務台夏子訳 2016 ノン・シリーズ長編 クリスマスに少女は還る 1998 愛おしい骨 2008
  • 11月に去りし者
    11月に去りし者 [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 題名:11月に去りし者 原題:November Road (2018) 著者:ルー・バーニー Lou Berney 訳者:加賀山卓郎 発行:ハーパーBOOKS 2019.09.20 初版 価格:¥1,093  途轍もない実力を備え...
  • ジョナサン・ホルト Jonathan Holt
    ジョナサン・ホルト Jonathan Holt カルヴィニア・シリーズ カルニヴィア 1 禁忌 2013 奥村章子訳 カルニヴィア 2 誘拐 2014 奥村章子訳
  • 傷痕
    傷痕 傷痕(きずあと)〈上〉 (ヴィレッジブックス) 傷痕(きずあと)〈下〉 (ヴィレッジブックス) 題名:傷痕 上/下 原題:Shadow Man (2006) 作者:コーディ・マクファディン Cody Mcfadyen 訳者:長島水際 発行:ヴィレッジ・ブックス 2006.11.20 初刷 価格:上\680/下\720  これまでのサイコ・サスペンスを凌駕しようという作者の意気込みが、かなり直裁に感じられるサービス満載のスリラーである。少し前に読んだ『ダーティ・サリー』も『ブラック・ダリア』の映画化などで再燃する猟奇犯罪のニュー・ウェイブに敢えて乗って行こうというようなタイムリーな雰囲気が感じられたが、本作はそれに輪をかけたような超ニューウェイヴと言おうか。  一言で言うなら、ノンストップ・サスペンスという以外にない。ジェットコースター小説のカ...
  • マネー、マネー、マネー
    マネー、マネー、マネー マネー、マネー、マネー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 題名:マネー、マネー、マネー 原題:Money, Money, Money (2001) 著者:エド・マクベイン Ed McBain 訳者:山本 博 発行:ハヤカワ・ミステリ 2002.9.15 初版 価格:\1,200  珍しく序章が添えられている。本書は2000年末に書き上げ2001年9月に発刊となっている。まさに世界貿易センタービルへのテロに重なったとの意。事実がフィクションに重なってゆくことへの世界の脅威を静かに語りつつ、物語へ入ってゆく。  最初はあまりのぶつ切れな展開ゆえにわかりにくかったのだが、通常では見られなかった国、土地、職務の人々が登場し、これは確かに<87分署>シリーズだろうかと改めてカバーを確認したくなるほどにアップテンポの国際的スケールで...
  • ザ・ドロップ
    ザ・ドロップ 題名:ザ・ドロップ 原題:The Drop (2014) 作者:デニス・ルヘイン Dennis Lehane 訳者:加賀山卓朗 発行:ハヤカワ・ミステリ 2015.03.15 初版 価格:\1,300  一軒の酒場を舞台に、孤独な青年バーテンダー・ボブの周辺に巻き起こる、突風のようなできごと。始まりは、捨て犬との出逢いだった。  アイルランド系移民の集まるボストンの下町は、そのまま社会というボトルの底に沈んでしまったみたいな街であり、夢や救いに見放されたような淀んだ時間に、誰もが人生を弄ばれているかのような土地である。  そこに生きる印象深い人々と目立たぬ主人公ボブを巻き込むトラブル。読む進むうちに、これはスクリーンで観る映画のような物語だな、と思っていたら、なんと本書は、短編『アニマル・レスキュー』(2012年『ミステリ・マ...
  • マルコ・マルターニ Marco Martani
    マルコ・マルターニ Marco Martani 長編小説 老いた殺し屋の祈り 2019 飯田亮介訳
  • 魔術師の夜
    魔術師の夜 題名:魔術師の夜 上/下 原題:Shell Game (1999) 作者:キャロル・オコンネル Carol O Connell 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2005.12.28 初刷 価格:各\800  キャロル・オコンネルの作風はリアリティとはおよそ縁がない。むしろ現実世界から、どこまで遠くに飛ぶことができるかを、いつも実験しているように見えるところがある。  二作前でいきなり姿をくらました現職刑事のマロリーは、前作では故郷で一つの町を文字通り壊滅に追い込み、今また本作で都市の元の部署に帰ってきている。公務員とは思えぬ自由奔放振りが羨ましいが、元ストリート・チルドレンであり、善悪の彼岸に立つというヒロインの魅力は、そもそもそこにある。  これまでのどの作品も多くの点で、魔術・奇術・トリック・仕掛け・装置といったもの...
  • ブライアン・フリーマントル Brian Freemantle
    czzzzz*ブライアン・フリーマントル Brian Freemantle チャーリー・マフィン・シリーズ 消されかけた男 1977 稲葉明雄訳 再び消されかけた男 1978 稲葉明雄訳 呼び出された男 1979 稲葉明雄訳 罠にかけられた男 1980 稲葉明雄訳 追いつめられた男 1981 稲葉明雄訳 亡命者はモスクワをめざす 1985 稲葉明雄訳 暗殺者を愛した女 1987 稲葉明雄訳 狙撃 1989 稲葉明雄訳 報復 1993 稲葉明雄訳 流出 1996 稲葉明雄訳 待たれていた男 2000 稲葉明雄訳 城壁に手をかけた男 2001 稲葉明雄訳 片腕をなくした男 2009 戸田裕之訳 顔をなくした男 2012 戸田裕之訳 カウリー&ダニーロフ・シリーズ 猟鬼 1993 松本剛史訳 英雄 1994 松本剛史訳 爆魔 2002 松本剛史訳 プロファイリング・シリーズ 屍泥...
  • アリステア・マクリーン Alistair Maclean
    アリステア・マクリーン Alistair Maclean 長編小説 女王陛下のユリシーズ号 1955 村上博基訳 ナヴァロンの要塞 1957 平井イサク訳 シンガポール脱出 1958 伊藤哲訳 最後の国境線 1959 矢野徹訳 北極戦線 1959 森崎潤一郎訳 恐怖の関門 1961 伊藤哲訳 黒い十字軍 1961 平井イサク訳 イアン・スチュアート名義 黄金のランデヴー 1962 伊藤哲訳 悪魔の兵器 1962 平井イサク訳 原子力潜水艦ドルフィン 1963 高橋泰邦訳 八点鐘が鳴る時 1966 矢野徹訳 荒鷲の要塞 1967 平井イサク訳 ナヴァロンの嵐 1968 平井イサク訳 麻薬運河 1969 矢野徹訳 巡礼のキャラバン隊 1970 高橋豊訳 北海の墓場 1971 平井イサク訳 歪んだサーキット 1973 平井イサク訳 軍用列車 1974 矢野徹訳 地獄の綱渡り 1975 矢野徹...
  • 陪審員に死を
    天使の帰郷 題名:陪審員に死を 原題:The Jury Must Die (2003) 著者:キャロル・オコンネル Carol O Connell 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2014.02.21 初版 価格:\1,300  美貌の超クールな刑事キャシー・マロリー、そのシリーズ第7弾。え? まだ7作目だったの? と正直思った。一作一作が濃いせいか、もっと長くたっぷりと付き合ってきたシリーズのように思えてならないのだが、実はまだたったの7作目。一作目からここまで執筆された時間はしかし20年の長きに渡るものだそうだ。なるほど。じっくり書く作家らしいシリーズ。外れのないストーリーテリング。それでいて際立ったキャラクターを次々と生み出すフリーク・ストーリー。まさに唯一無二のオリジナリティを有したシリーズと言っていい。  前作ではマロリーの乳母(し...
  • ブラック・ナイフ
    ブラック・ナイフ ブラック・ナイフ (Hayakawa Novels) 題名:ブラック・ナイフ 原題:SHADOW PREY (1990) 作者:JOHN SANDFORD 訳者:真崎義博 発行:早川書房 1993.6.30 初版 価格:\1,800(本体\1,748)  シリーズを時間を置いて読むと前作の記憶がほとんど失せてしまい、人物的、または時間的な繋がりに関する興趣がすっかり失せてしまうといういい読書例がこの本であった。靄のかかった前作の記憶を刺激するような場面が頻発するにも関わらず、ダヴンポート刑事とその周辺を思い出すのはなかなか困難なのである。やはりシリーズものをとことん楽しむには一気読みに限る、とつくづく思うが、なかなかそうも言ってられないのが新刊追跡者たちの辛いところなのである。  さて本書は、前作とはまたがらりと趣向を変えて、叛アメリカ...
  • 流出
    流出 題名:流出 上/下 原題:Charlie s Chance (1996) 著者:ブライアン・フリーマントル Brian Freemantle 訳者:戸田裕之 発行:新潮文庫 1999.9.1 初版 価格:各\705  チャーリー・マフィンのシリーズを現段階で大きく分けると3つに分類が可能かなと思う。『消されかけた男』『再び消されかけた男』のチャーリー・マフィン登場編。人気のあるところである。その後『呼び出された男』『罠にかけられた男』『追いつめられた男』と鳴かず飛ばずの作品でチャーリーの評価は急落した。そしてその後の『亡命者はモスクワをめざす』でこのシリーズは復活する。言わば登場編、凋落編、復活編と大きく3つに分類したいところなのである。  『亡命者はモスクワをめざす』以降は次第に作品も長編化、大作化し、物語はよりねちねち度を増してき...
  • 渇きと偽り
    渇きと偽り 題名:渇きと偽り 原題:The Dry (2016) 作者:ジェイン・ハーパー Jane Harper 訳者:青木 創 発行:ハヤカワ・ミステリ 2017.4.15 初版 価格:\1,800-  原題は"The Dry"。なので邦題も『渇き』だけの方が良かった。完結なタイトルは好みなのだ。  オーストラリア発の邦訳作品は滅多に手に入らないので、南半球ミステリとはかなり興味深い。ここでの『渇き』とは、ずばり乾燥のことである。オーストラリアでは雨に恵まれず長期的な干魃に身まれた挙句、大規模な山火事に発展することもあると言う。雨と湿度の多い日本に住んでいるぼくらには想像すべくもない水不足事情の下で本書はスタートする。  幼い子供まで含めた農場の一家惨殺という衝撃的な開幕の地に、かつてこの土地を追いやられた主人公が帰郷...
  • 惨影
    惨影 題名:惨影 原題:The Upright Man (2005) 作者:マイケル・マーシャル Michael Marshall 訳者:嶋田洋一 発行:ヴィレッジブックス 2009.07.18 初版 価格:\980 『死影』『孤影』に続くストローマン三部作完結篇の登場であり、本来待ちに待ったというべきなのだろうが、続編出版の度に相当に時間が空いてしまうので、せっかくの凝りに凝った複雑なストーリーを、記憶掘削から開始して理解してゆくのが実のところ大変である。  主人公は三部作を通してずっと捜査側の三人である。元CIAのウォード・ホプキンス、連邦捜査官のニーナ・ペイナム、そしてしばらく地の底にもぐって時々足跡だけを見せる謎だらけの元刑事ジョン・ザント。  二作目『孤影』では、地下に潜るザントを置いて、ウォードとニーナを主体に描いていた。ザントは...
  • 狼が来た、城へ逃げろ
    狼が来た、城へ逃げろ 狼が来た、城へ逃げろ (1974年) (世界ミステリシリーズ) 題名:狼が来た、城へ逃げろ 原題:O Dingos, O Shateaux (1972) 作者:ジャン=パトリック・マンシェット Jean-Patrick Manchette 訳者:岡村孝一 発行:ハヤカワ・ミステリ 1974.10.31 初版 価格:\420  30年前にはポケミスは、こんな値段だったんだなあ。今ではほとんどポケミスは1000円を越えてしまい、和製ハードカバーとさして変わらない価格になってしまった。ポケットに入らないばかりの厚さになったものも多く、ポケットマネーでは購入意欲に少し足りないくらいの勿体ぶった叢書になっちまった感がある。  でもこの420円の本は、実は絶版本でなかなか手にすることができない。4000円以上でネット古書店から仕入れるしかなく...
  • マルタの鷹
    マルタの鷹 題名:マルタの鷹 原題:THE MALTESE FALCON ,1930 作者:DASHIELL HAMMETT 訳者:小鷹信光 発行:ハヤカワ文庫HM 1988.6.15 初刷 1991.9.31 4刷 価格:\560(\540)  『赤い収穫』に続いては本書『マルタの鷹』。『デイン家の呪い』はついこないだまで御茶ノ水丸善にあったのが油断して売れてしまい、以後神保町界隈からもBOOKS《深夜+1》からも姿を消してしまい、入手できなくなってしまったのである。  さて『マルタの鷹』は中学時代に図書館から借りてちっとも粗筋がわからなくてつまらない思いをして返した作品。しかし現在読み直してみると、さほど複雑なストーリーではなく、よく「ハードボイルドの基本」として挙げられるこの作品の、シンプルでしかも濃密な魅力が味わえるのである。粗筋のわかりづ...
  • 夜と昼
    夜と昼 夜と昼 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-29) 題名:夜と昼 原題:Hail,Hail,the Gang s All Here! (1971) 著者:エド・マクベイン Ed McBain 訳者:井上一夫 発行:ハヤカワ文庫HM 1980.05.15 1刷  少しよそ見をしている間に、秋になってしまった。冬に読み始め、秋までになんとかと思っていた<87分署>シリーズもまだまだ未読が残っている。十月末から十一月初旬にかけて、作者のエド・マクベインが来日する。ぼくは何とか彼に会いにいくつもりだが、それまでに何冊読み了えておけるものだろうか。  さて本書は、シリーズの総集編みたいなものだ。出演刑事のオールスター夜昼対抗捜査合戦といったところか。第一部「ナイト・シェイド」と第二部「デイ・ウォッチ」の二部構成になったおり、まるまる二十四時間の間に起こるいく...
  • クイーム・マクドネル Caimh McDonnell
    クイーム・マクドネル Caimh McDonnell ダブリン・トリロジー 平凡すぎて殺される 2016 青木悦子訳
  • 孤影
    孤影 孤影 (ヴィレッジブックス) 題名:孤影 原題:The Upright Man (2002) 作者:マイケル・マーシャル Michael Marshall 訳者:嶋田洋一 発行:ヴィレッジブックス 2007.1.20 初版 価格:\940  何と言っても前作『死影』のインパクトの強さが忘れられない。熾火のように灼熱をたくわえ残しながら、一年半というもの、このシリーズを待ち続けた。三人の主人公、一人の狂った殺戮者。この追走と逃走のゲームは、三部作を手にするまで、終わることがない。  前作では、ウォード・ホプキンス(CIA)とジョン・ザント(刑事)の二つの違ったストーリーが、殺戮のクロスファイアの中で合流するまでのミステリアスな緊張が、何と言っても印象に残る。二つの流れに絡んでゆく女性捜査官ニーナの存在がクールで魅力的である。  本作でも、三...
  • 修道女の薔薇
    修道女の薔薇 題名:修道女の薔薇 原題:Blind Sight (2016) 著者:キャロル・オコンネル Carol O Connell 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2020.03.13 初版 価格:¥1,480  550頁。いつもなら二日ほどあれば読めるペースなのだが、6日かかった。これがキャロル・オコンネルに取り組むときのきっとぼくの平均的ペースである。スピーディに読み進めない。きっと作者もスピーディには書いていない。すごく丹念に凝りに凝ったレトリックを駆使して、本シリーズのヒロイン、キャシー・マロリーを描こうとする。木彫りに入れられる丹念な彫刻刀のような筆致で、肌理細かく。  それほどこだわりぬいた作風。この作家の個性。マロリーのさらにスーパーな個性。拾い親である亡き刑事ルイ・マーコヴィッツに育てられた孤独な孤児。天性のハッカーで、目的...
  • ジョセフィン・テイ Josephine Tey
    ジョセフィン・テイ Josephine Tey グラント警部シリーズ フランチャイズ事件 1948 大山功訳 美の秘密 1950 河田清史訳 時の娘 1951 小泉喜美子訳
  • デニス・レヘイン(ルヘイン)
    デニス・レヘイン(ルヘイン)  Dennis Lehane 長編 ミスティック・リバー 加賀山卓朗訳 2001 シャッター・アイランド 加賀山卓朗訳  2003 ザ・ドロップ 加賀山卓朗訳 2014 コグリン家三部作 運命の日 加賀山卓朗訳 2008 夜に生きる 加賀山卓朗訳 2012 過ぎ去りし世界 加賀山卓朗訳 2015 私立探偵パトリック・ケンジー・シリーズ スコッチに涙を託して 鎌田三平訳 1994 闇よ、我が手を取りたまえ鎌田三平訳  1996 穢れしものに祝福を鎌田三平訳  1997 愛しき者はすべて去りゆく鎌田三平訳  1998 雨に祈りを鎌田三平訳  1999 ムーンライト・マイル 鎌田三平訳 2010
  • ゴーストライター
    ゴーストライター 題名:ゴーストライター 原題:It Happens In The Dark (2013) 著者:キャロル・オコンネル Carol O Connelle 訳者:務台夏子訳 発行:創元推理文庫 2019.3.15 初版 価格:¥1,480  氷の天使キャシー・マロリーのシリーズ最新作。実は、前々作『ルート66』感動の最終章を境に、確実に我らが美しきソシオパス刑事マロリーは、変化を遂げたように思う。  機械の如く無感情に見える彼女の中で何かが少しだけ変わった。ほんの片鱗に過ぎないかもしれないが、ある種の愛情に近いもの、優しさ、女性らしさのようなものが加わってきたように、ぼくには思えてならない。  そんなものはおくびにも出さないという不愛想さは、無論かつてのままである。どう見ても、常時、鋼鉄の鎧で武装しているように見える。ホルスター...
  • レイ・シャノン
    レイ・シャノン Ray Shannon 長編小説 男殺しのロニー 2003 鈴木 恵訳
  • 天使の帰郷
    天使の帰郷 題名:天使の帰郷 原題:Flight Of The Stone Angel (1997) 作者:キャロル・オコンネル Carol O Connell 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2003.02.28 初刷 価格:\1,100  新聞広告でこの本の出版を知った日、広告のよくある例に洩れず、作中のあるパラグラフが引用されていた。天使=マロリーを見つめる誰かが、彼女の帰還をじっと見つめる下りで、これがとてもインパクトに満ちていた。  ぼくはその瞬間から、この本が女刑事マロリーのハードボイルド・シリーズであることを知り、一作目から順に読んでゆこうと誓った。この本の引用されていたあの一文に辿り着くために。  FADVの過去の感想を振り返ると、ある一部の読者たちから熱狂的な賛辞を受けているシリーズであることを改めて認識した。まるで...
  • 愚者(あほ)が出てくる、城塞(おしろ)が見える
    愚者(あほ)が出てくる、城塞(おしろ)が見える 題名:愚者(あほ)が出てくる、城塞(おしろ)が見える 原題:O Dingos, O Shateaux (1972) 作者:ジャン=パトリック・マンシェット Jean-Patrick Manchette 訳者:中条省平 発行:光文社古典新訳文庫 2009.1.20 初版 価格:\552  中条昌平が岡村孝訳の『狼がきた、城へ逃げろ』をタイトルからして誤訳であるして、自分がもっとマンシェットの雰囲気をと、ペンを執り直し、改めて訳したものだそうだが、見た限りでは、訳者なんていうレベルではなくマンシェットのラディカルなパワーしか感じることができなかった。  他者訳のタイトルを批判しながら「愚者」を「あほ」と読ませたり「城塞」を「おしろ」と読ませたり、いかにランボオの中原中也訳をイメージしたからと言ってマンシェッ...
  • 過ぎ去りし世界
    過ぎ去りし世界 題名:過ぎ去りし世界 原題:World Gone By (2015) 作者:デニス・ルヘイン Dennis Lehane 訳者:加賀山卓郎 発行:ハヤカワ・ミステリ 2016.4.15 初版 価格:\1,600-  コグリン三部作の完結編。警察小説としての『運命の日』では長男のダニー・コグリンを、ギャング小説としての『夜に生きる』では三男のジョー・コグリンを描いたシリーズ最終編は、ジョー・コグリンのその後、前作より10年後の世界を描く。少し前に紹介された『ザ・ドロップ』という小編も含めて、最近は裏社会に材を取ることの多いこのところのルヘイン。  本書は裏社会を描いているものの、実は背景としては太平洋戦争真っ只中である。つまり現代人にとってはもはや過ぎ去った時代であると同時に、暴力的な暗黒組織にとっても、ラッキー・ルチアーノが収監中とい...
  • マイケル・マーシャル
    マイケル・マーシャル Michael Marshall ストローマン三部作 死影 2002 孤影 2004 惨影 2005
  • 殺す警官
    殺す警官 題名:殺す警官 原題:The Business Of Daying (2002) 作者:サイモン・カーニック Simon Kernick 訳者:佐藤耕士 発行:新潮文庫 2003.9.1 初版 価格:\781   こういう作品を読むと、英国のミステリが非常に多様化してきたことを痛感させられる。英国ミステリと言えば、シャーロック・ホームズからアガサ・クリスティと、古典的で謎解きを謳歌した手法から始まったが、一方では多の冒険小説の書き手を生み、ジャンルはとりわけはっきりしていたイメージがある。その中で謎解きをしながらも冒険小説的エッセンスを持つディック・フランシスというロングラン向けの人気作家もこつこつと作品を世に送り出してきた。あるいは諜報部員の屈折と勝利のための戦いを書き込んできたC・トーマスや、フリーマントルのチャーリー・マフィンシリーズ。 ...
  • ポリス・アット・ザ・ステーション
    ポリス・アット・ザ・ステーション 題名:ポリス・アット・ザ・ステーション 原題:Police At The Station And They Don t Look Friendly (2017) 作者:エイドリアン・マッキンティ Adrian Mckinty 訳者:武藤陽生 発行:ハヤカワ文庫HM 2022.6.25 初版 価格:¥1,660  ショーン・ダフィのシリーズも6作目を数える。宗教対立と内戦下の北アイルランド、キャリックファーガスの田舎警察を舞台にした毎作のストーリーも凄いが、プロテスタントとカトリックの対立、政治思想の対立で分裂する世界一危険な国家に生きる状況を背景にして、この主人公の個性を描出する作家の書きっぷりも凄い。  それでいながらこのシリーズでは食っていけなくなり、ウーバーの運転手で生活を凌いできたという現実の作家の生活っぷりも...
  • レイトショー
    レイトショー [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 題名:レイトショー 上/下 原題:The Late Show (2017) 著者:マイクル・コナリー Michael Connelly 訳者:古沢嘉通 発行:ハヤカワ文庫HM 2020.02.14 初版 価格:各¥880  楽しみ...
  • マイクル・コナリー Michael Connelly
    マイクル・コナリー Michael Connelly  LA市警ハリウッド署刑事、通称ハリー・ボッシュ(本名ヒエロニムス・ボッシュ)。エルロイの暗闇に通底する過去を持つボッシュの物語では、ぼくらは事件そのものを読みながら、より深くボッシュその人の人生を読み取っている。ボッシュをいつもエネルギッシュに動かしている深い情念の底にあるものを捜す旅に、ぼくらは彼自身とともに出かけてゆく。他のシリーズには得られない屈曲点の多さが、激しく燃え上がる男ボッシュを否が応でも浮き立たせてゆく。妥協なきシリーズは今もまったく眼を離せない緊張に満ちている。 ハリー・ボッシュ・シリーズ ナイトホークス 1992 古沢嘉通 ブラック・アイス 1993 古沢嘉通 ブラック・ハート 1994 古沢嘉通 ラスト・コヨーテ 1995 古沢嘉通 トランク・ミュージック 1997 古沢嘉通 堕天使は地獄へ飛ぶ(「エ...
  • 血塗られた一月
    血塗られた一月 題名:血塗られた一月 原題:Bloody January (2017) 著者:アラン・パークス Alan Parks 訳者:吉野弘人 発行:ハヤカワ文庫HM 2023.06.25 初版 価格:¥1,420  訳者で本を選ぶ。ぼくにとっては珍しくないことだ。翻訳家の方は依頼されて訳す仕事もあれば、翻訳者自らが押しの作品を出版社に提案することで自分の仕事を作ることもあるらしい。本書の訳者である吉野弘人氏と言えば、ロバート・ベイリーの胸アツ作品群で知られる方なので、遅まきながら気になった本書を手に取る。  本書はグラスゴーを舞台にしたスコットランド・ミステリー。背カバーには<タータン・ノワール>とあるが、タータンとはタータンチェックのことなのだね、なるほど。舞台も1973年と半世紀前なのである。アイルランドを舞台にしたエイドリアン・マッキン...
  • 男殺しのロニー
    男殺しのロニー 題名:男殺しのロニー 原題:Man Eater (2003) 作者:レイ・シャノン Ray Shannon 訳者:鈴木 恵 発行:ヴィレッジブックス 2005.9.20 初版 価格:\850  LAを舞台に、わけありの男や女が複雑に絡み合い、サバイバルを繰り広げる展開は、まさにエルモア・レナードを髣髴とさせる作品である。レナードに少し湿り気を与えて、よりバイオレンスを強調した世界と言ってもいいかもしれない。  女性映画プロデューサーのロニーは、とあるバーで、凶暴な殺し屋ニオン叩きのめしてしまった。一方で、仮釈放中のエリスは、メキシコ人ギャングのアヤラ兄弟に立ち向かい、二人を病院送りにしてしまう。復讐と殺意に燃える二組の悪漢と、わけありの過去を持て余す女と男。  さらに多くの人間たちを巻き込んで、LAに血の嵐が吹き荒れる。...
  • ホーカン・ネッセル Håkan Nesser
    ホーカン・ネッセル Håkan Nesser ファン・ヘーテレン・シリーズ 終止符(ピリオド)中村友子訳 グンナル・バルバロッティ・シリーズ 殺人者の手記 2007 久山葉子訳 短編集 悪意 久山葉子訳
  • 泥棒は選べない
    泥棒は選べない 泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ文庫) 泥棒は選べない (ハヤカワ・ミステリ 1348) 泥棒は選べない (1980年) (世界ミステリシリーズ) 題名:泥棒は選べない 原題:Burglars Can t Be Choosers (1977) 作者:ローレンス・ブロック Lawrence Block 訳者:田口俊樹 発行:ハヤカワ・ミステリ 1980.04.15 初版 1988.10.31 3版価格:\780  まずは、私がこのシリーズに関しては、すっかり遅れてきた読者であるということから告白しなければなるまい。一方でマット・スカダーのシリーズや短編集、他のノンシリーズ長編など、この作家の作品は大好きで次から次へと手にとってきた一方で、なぜこのシリーズに食指が伸びなかったのか、我ながら不思議でならない。  スカダーものが陰であれ...
  • アラン・パークス Alan Parks
    アラン・パークス Alan Parks ハリー・マッコイ・シリーズ 血塗られた一月 2017 吉野弘人訳 闇夜に惑う二月 2019 吉野弘人訳
  • アンドリュー・メイン Andrew Mayne
    アンドリュー・メイン Andrew Mayne 生物学探偵セオ・クレイ・シリーズ 生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者 2017 唐木田みゆき訳 生物学探偵セオ・クレイ 街の狩人 2018 唐木田みゆき訳
  • 命果てるまで
    命果てるまで 命果てるまで (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-20) 命果てるまで (1979年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 題名:命果てるまで 原題:So Long as You Both Shall Live (1976) 著者:エド・マクベイン Ed McBain 訳者:久良岐基一 発行:ハヤカワ文庫HM 1979.11.30 1刷 価格:\420  本シリーズを読み始めた年、春の時点でこの一冊が見つからなかった。他にも入手するのに苦労した作品が少なからずあったのだが、どれもNIFTYの書籍宅配で探し当てることができていた。しかしこの『命果てるまで』だけは現在再版予定がわかりません、とつれない回答。ぼくがこれを書店で偶然見つけ手に入れたのはつい先月のことである。この本のためにシリーズ読破のペースをわざわざ遅らせてきたのも事実である。長いシリーズを順...
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