wiki クライムウェイヴ(Sysop読書録 活字をめぐる冒険) 内検索 / 「ジェイド・タイガーの影」で検索した結果

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  • ジェイド・タイガーの影
    ジェイド・タイガーの影 題名:ジェイド・タイガーの影 原題:Jade Tiger (1982) 作者:クレイグ・トーマス Craig Thomas 訳者 田中昌太郎 発行 早川書房 1987.5.31 初版 価格 \1,800  前作ではレパードというハードウェアが登場し、これがほとんどファイア・フォックスと同じ発想であったにも関わらず、それらハードウェア類が大自然を舞台に縦横に活躍してくれたことで、ぼくらはなかなかクレイグ・トーマス作品ならではの大がかりなハード・スパイ戦の醍醐味というものを味わうことができたと思う。ところが本書はソフトウェアのスパイ戦。スパイ戦と言えば、これもC・トーマスはワン・パターンになるのか、いわゆる《もぐら》ものである。  とは言え本作は従来の《もぐら》ものに大きな一捻りが銜えられており、なおかつ英ソ対決という単純な図式...
  • クレイグ・トーマス Craig Thomas
    ...1981 菊池光訳 ジェイド・タイガーの影 1982 田中昌太郎訳 高空の標的 1990 田村源二訳 DC-3の積荷 1992 田村源二訳 無法の正義 1995 田村源二訳
  • 闇の奥へ
    ...パードを取り戻せ』『ジェイド・タイガーの影』では、複数ヒーローと共演で影が薄かったハイドだが、最近の作品での活躍を見てもわかるように、作者はこの孤独な工作員をオーブリー組の最も重要なヒーローとして配している。そしてパトリック・ハイドの最大の冒険となったのがこの『闇の奥へ』である。  トーマスの作品は一応全作シリーズとなっているので、本来は発行順に読む進むことをオススメする。初期作品はそれでも順番を無視して読んで十分楽しめるとは思うし、どの作品も面白さは一定水準に達している。ぼくは一応全作発行順に読んでみたのだが、唯一『ファイアフォックス』シリーズだけは、あまりにも話が連続し過ぎているが故に、続けざまに読んだ。印象としてはこれで正解だと思う。  前半のピークが『ファイアフォックス』であり『狼殺し』だとすると、後半のピークの作品がこの『闇の奥へ』であることは間違いないと思...
  • 高空の標的
    高空の標的 高空の標的〈上〉 (新潮文庫) 高空の標的〈下〉 (新潮文庫) 題名:高空の標的(上・下) 原題:The Last Raven (1990) 作者:クレイグ・トーマス Craig Thomas 訳者:田村源二 発行:新潮文庫 1990.1.25 初版 価格:上\560(\544)下\600(\583)  さて『闇の奥へ』以来アフガン方面にすっかり姿を眩ましていたハイド、衝撃の再登場である。本当に出だしがサスペンス満載で、話が例によって大がかりで、すぐにトーマス・ワールドに引き込まれちゃうのは、いつものパターン。  しかしもう、絶対許せないなあ、こんな題名。新潮社ってクライブ・カッスラーの本といい、なんちゅう趣味の悪い題名ばっかりつけるんであろうか? カドカワ版の『モスクワを占領せよ』以来のひどいタイトルだと思う、本書は。「最後の鴉」でい...
  • ハンティング・タイム
    ハンティング・タイム 題名:ハンティング・タイム 原題:Hunting Time (2022) 著者:ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver 訳者:池田真紀子 発行:文春文庫 2023.9.30 初版 価格:¥2,800  ディーヴァーの主力シリーズのリンカーン・ライムが、全身麻痺で動けないヒーロー(現代版アームチェア・ディテクティヴ)であるのに対し、近年になって登場したコルター・ショウはひとところに落ち着くことのない動く探偵である。初期シリーズであるジョン・ペラムに似ているが、そちらはロケ・ハンターという職業で、本シリーズ同様、米国内のあちこちに活躍の舞台を移していた。作者としてはペラムの進化型として、コルター・ショウのようなひとところに定住しない放浪型主人公を新たに生み出したのではないだろうか。  当初三部完結と言われた本シリーズ...
  • ジェイムズ・ディッキー
    ジェイムズ・ディッキー James Dickey  ジョン・ブアマン監督が新南部に展開した渓谷バイオレンス映画『脱出』は、このジェイムズ・ディッキーの原作だった。『白の海へ』も、ブラッド・ピット主演で日本ロケを施すという話題があったが掻き消えになった気配。第二の『ファーゴ』になったかもしれないコーエン兄弟の企画だっただけにとても残念だ。  凄まじい暴力をサバイバル小説を主軸に展開する、現代版「もっとも危険なゲーム」の書き手である。翻訳がほとんど存在しないのが寂しい。 長編小説 わが心の川 1971 酒本雅之訳 白の海へ 1993 高山 恵訳 ノンフィクション ニューヨーク・シティ・マラソンを走るために 常盤新平訳
  • ジェイソン・スター
    ジェイソン・スター  Jason Starr 長編小説 上司と娼婦を殺したぼくの場合(「あんな上司は死ねばいい」へ改題) 1997 大野晶子訳 嘘つき男は地獄へ落ちろ 1998 浜野アキオ訳
  • ロードサイド・クロス
    ロードサイド・クロス 題名:ロードサイド・クロス 原題:Roadside Crosses (2009) 作者:ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver 訳者:池田真紀子 発行:文藝春秋 2010.10.30 初版 価格:\2,381  リンカーン・ライム・シリーズからのスピンオフ・シリーズ、人間嘘発見器キャサリン・ダンスのシリーズ第二作である。  こちらでもまた、デジタル犯罪である。ここのところこの作者のみならず、犯罪に関する小説も映画もコンピューターやネットを駆使したネタが増えてきた。ある程度出尽くしたのじゃないかと思われるものでも、まだまだネタは尽きないとばかりに、さまざまな作者たちがアイディアを見せている現状を見る限り、ネットやコンピュータの領域というのは、エンターテインメントの一大マーケットとなっているありさまである。 ...
  • ジェイコブを守るため
    ジェイコブを守るため 題名:ジェイコブを守るため 原題:Defending Jacob (2012) 作者:ウィリアム・ランデイ Wiliam Landay 訳者:東野さやか 発行:ハヤカワ・ミステリ 2013.7.15 初版 価格:\1,900  2003年、『ボストン、沈黙の街』。2007年、『ボストン・シャドウ』。そして2012年、本作。元地区検事補であるランディの本は10年間でたったの3作である。いずれも邦訳され、いずれも好評を期してきた作家であるが、法律家でありながら、そのことを匂わせる作家ではなかったランディのこれまでの二作は、純粋なミステリであり、警察小説であった。と同時に家族の愛情や葛藤を題材にしたヒューマンな小説であったように思う。  本書は、ようやく作家の本来の職業であった法律家の側面を前面に出したリーガル・サスペンスである...
  • ジェフリー・ディーヴァー
    ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver リンカーン・ライム・シリーズ ボーン・コレクター 1997 池田真紀子訳 コフィン・ダンサー 1998 池田真紀子訳 エンプティー・チェア 2000 池田真紀子訳 石の猿 2002 池田真紀子訳 魔術師(イリュージョニスト) 2003 池田真紀子訳 12番目のカード 2005 池田真紀子訳 ウォッチメーカー 2007 池田真紀子訳 ソウル・コレクター 2008 池田真紀子訳 バーニング・ワイヤー 2010 池田真紀子訳 ゴースト・スナイパー 2013 池田真紀子訳 スキン・コレクター 2014 池田真紀子訳 スティール・キス 2016 池田真紀子訳 ブラック・スクリーム 2017 池田真紀子訳 カッティング・エッジ 2018 池田真紀子訳 真夜中の密室 2022 池田真紀子訳 キャサリン・ダンス・シリーズ スリーピング・ドール...
  • ジェイムズ・リーズナー
    ジェイムズ・リーズナー James Reasoner 聞いてないとは言わせない 田村義進訳 2007
  • ジェイムズ・クラムリー
    ジェイムズ・クラムリー James Crumley  クラムリーを私に執拗に勧めたのは、まだ今のペンネームで作家になる前の馳星周だった。パソコン通信盛んだった時代、真夜中に一仕事終えた彼とのんだくれて、毎晩のようにしょうもないチャットをやった。酔いどれては現れる言葉の数々のなかに、アル中ハードボイルドのクラムリーはいいぞ、という自ら酔ったような言葉があった。私は突然、熱病に浮れたようにこの作家に取り憑かれたのである。  今思えば、クラムリーの破滅への美学は、どこかで馳のノワールへ繋がる心情をその頃から擽ってやまなかったに違いない。 ミロ・ミロドラゴヴィッチ・シリーズ 酔いどれの誇り 1975 小鷹信光 ダンシング・ベア 1983 大久保寛 ファイナル・カントリー 2001 小鷹信光 C・W・スルー(シュグルー)・シリーズ さらば甘き口づけ 1978 小泉貴美子 友...
  • 無頼の掟
    無頼の掟 題名:無頼の掟 原題:A World Of Thieves (2002) 作者:ジェイムズ・カルロス・ブレイク James Carlos Blake 訳者:加賀山卓朗 発行:文春文庫 2005.1.10 初版 価格:\771  微熱のように残る作品である。多かれ少なかれ、現代という都市性に委ねられた我々の日常生活から、いかに遠い隔たった場所へ連れて行ってくれるかというあたりは、小説というスタイルの醍醐味であるが、それこそこの物語は1920年代、禁酒法時代のテキサス。ジャズの街、ニューオーリンズから、荒くれた無法地帯である西部油田地帯へ、ロード・ノヴェルと、過去へのフェイド・バックを交えながら、丹念な歴史絵のタペストリーの如く紡ぎ出されてゆく。  『ワイルド・バンチ』を意識させるような、冒頭の銀行強盗シーンに始まる衝撃のストーリーは、過...
  • ダークライン
    ダークライン 題名:ダークライン 原題:A Fine Dark Line (2003) 作者:ジョー・R・ランズデール Joe R. Lanzdale 訳者:匝瑳玲子 発行:早川書房 2003.03.15 初版 価格:\1800  まだランズデール初心者であるのに、こんなに美味しいところからいただいてしまって本当によろしいのだろうか? 贅沢すぎて後が怖い、というのが今の読後感である。世界ミステリ界の頂点とも言えるMWA賞を受賞した『ボトムズ』に引き続き、ほぼ同じレベルで綴られてしまった最新作を読んでしまったのだから。 ちなみに巻末解説の池上氏は本書がランズデールの最高作品と断言している。ぼくはと言えば、どちらも甲乙つけがたい。しかし敢えてどちらかを選べと言われれば仕方ない、苦しみ迷いぬいた末に、やはりランズデールとの出逢いとなった『ボトムズ』に...
  • ジェイムズ・カルロス・ブレイク
    ジェイムズ・カルロス・ブレイク James Carlos Blake 長編小説 無頼の掟 2002 加賀山卓朗訳 荒ぶる血 2003 加賀山卓朗訳 掠奪の群れ 加賀山卓朗訳
  • アマンダの影
    アマンダの影 (『二つの影』改題) アマンダの影 (創元推理文庫) 二つの影―NY市警キャシー・マロリー・シリーズ〈第2弾〉 (竹書房文庫) 題名:アマンダの影 (『二つの影』改題) 原題:The Man Who Lied To Women (1995) 作者:キャロル・オコンネル Carol O Connell 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2001.06.29 初刷 価格:\920  前作に続いて、本書も竹書房版を新訳で東京創元社が復刻させたもの。タイトルも『マロリーの神託』を『氷の天使』に、『二つの影』(1998年)を本書『アマンダの影』に改めた。前作で翻訳の読み難さゆえに、せっかくの個性豊かな本シリーズが読者に抵抗を感じさせていたのだが、務台夏子訳でこれらの作品は、すっかり人気シリーズとして定着し、読者を確実に魅了し続けていると聞く。 ...
  • カメレオンの影
    カメレオンの影 題名:カメレオンの影 原題:The Chameleon s Shadow (2007) 作者:ミネット・ウォルターズ Minette Walters 訳者:成川裕子 発行:創元推理文庫 2020.04.10 初版 価格:¥1,400  実に5年ぶりのお目見えとなる作品。値段の割に邦訳が遅いのが気になる。この作家を思い出すのに、以下の前作『悪魔の羽』についての我がレビューを少し振り返りたい。 (以下前作レビュー) { 中編集『養鶏場の殺人・火口箱』を読んでから、少しこの作家への見方がぼくの方で変わった。≪新ミステリの女王≫と誰が呼んでいるのか知らないが、この女流作家はミステリの女王という王道をゆく作家ではなく、むしろ多彩な変化球で打者ならぬ読者を幻惑してくるタイプの語り部であるように思う。  事件そのものは『遮断地区』でも特に...
  • 血まみれの月
    血まみれの月 血まみれの月 (扶桑社ミステリー) 血まみれの月 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ) 題名 血まみれの月 原題 Blood On The Moon (1984) 著者 ジェイムズ・エルロイ James Ellroy 訳者 小林宏明 発行 扶桑社ミステリー 1990.07.25 1刷 1990.10.17 2刷 価格 \560(本体\544)  LA暗黒史四部作はシリーズものではあるが、特定の主人公を持たず、どちらかというと複数主人公の物語によるロス犯罪年代記という傾向が強い。だから、ロイド・ホプキンズという特定の警官を主人公としたこのシリーズには、エルロイに比較的遅くなって接触したぼくとしては、前々から興味を覚えていた。  まずLA四部作ほどのテンションがそれ以前の作品でも保たれているかどうかが気になるところであった...
  • ハバナの男たち
    ハバナの男たち 題名:ハバナの男たち 上・下 原題:Havana (2003) 作者:スティーヴン・ハンター Stephen Hunter 訳者:公手成幸 発行:扶桑社ミステリー 2004.07.30 初版 価格:各\838  何かリズムに乗れないと感じていたが、なるほど、巻末の作者謝辞を読んで納得。同じアール・スワガーのサーガに代わりはないのに、なぜこれほど今までの疾走感を失い、アールに存在感がないのかという疑問に、それは応えている。この作品は、初めてハンターがアイディアに枯渇し、編集者のアイディアを頂いて書いた作品であるのだ。  舞台は革命以前のキューバ。タイトルどおりのハバナに、密命を帯びてやってくるアールというだけで、なんだかアールという人格を不自然に弄んでいる印象があったし、彼の胸中に存在する闘いへのモチベーションが他作品とダントツに...
  • ジェイムズ・A・マクラフリン James A. McLaughlin
    ジェイムズ・A・マクラフリン James A. McLaughlin 長編 熊の皮 2018 青木千鶴訳
  • ビッグ・レッド・テキーラ
    ビッグ・レッド・テキーラ 題名:ビッグ・レッド・テキーラ 原題:Big Red Tequila (1997) 作者:リック・リオーダン Rick Riordan 訳者:伏見威蕃 発行:小学館 2002.12.20 初版 価格:\1,810  『ホンキートンク・ガール』に同じくテキサス南部の町サンアントニオを舞台にした素人探偵トレス・ナヴァーのデビュー作にして、アンソニー賞、シェイマス賞とダブル受賞の、あちらではそこそこ評価を受けているシリーズである。未訳の第三作からはハードカバーに昇格する。  エドガー賞を射止めた第二作よりも、ぼくとしては第一作の本書をお薦めする。なぜならトレス・ナヴァーの自分探しの旅としては、12年前保安官であった父が殺された事件を追跡し始める物語のほうが相応しいからである。父が目の前で殺されたにも関わらず、トレスは現実に目を...
  • ノー・セカンドチャンス
    唇を閉ざせ 題名:唇を閉ざせ 原題:Tell No One (2001) 著者:ハーラン・コーベン Harlan Coben 訳者:佐藤耕士 発行:講談社文庫 2002.10.15 初版 価格:上下各¥990 コーベンのノン・シリーズ翻訳作品第一作は、軽ハードボイルド・タッチのマイロン・ボライター・シリーズとは趣きを変えた、重厚なノンストップ・バイオレンス・スリラー。  山と湖の自然とギャングの横行するストリートのどちらもが舞台となる、ニューヨークの隣町ニュージャージーは、作者の生まれ育った土地らしく、生き生きと活写されている。人も街も生命感たっぷりで、お洒落だったり猥雑だったりの変化に富んでいる辺りは物語を豊かにしているように思われる。  本書は8年前の殺人事件で犠牲なっていたはずの愛妻が、主人公である小児科医師の周辺に現れるという奇妙...
  • james ellroy
    ジェイムズ・エルロイ James Ellroy <ノワールの核>  自ら母が殺害され、その犯人は今もって不明。悪の獣道を歩んできたエルロイは、天才的で破壊的な文体を駆使して、世界に暗黒のクロニクルをつきつけてみせた。今も、母の死を見つめ、闇に潜む暴力を捜し求めるエルロイの、魂の悲鳴が綴ってきたその作品群は、エルロイの生そのものであるように見える。唯一無比の圧倒。現代のドストエフスキー。これまでに出逢った世界最高峰の作家、エルロイは間違いなくその一人である、と豪語しよう。 ホプキンズ三部作 血まみれの月 1984 小林宏明 ホプキンズの夜 1984 小林宏明 自殺の丘 1986 小林宏明 1950年代、ロス暗黒史四部作 ブラック・ダリア 1987 吉野美恵子 ビッグ・ノーウェア 1988 二宮 馨 LAコンフィデンシャル 1990 小林宏明 ホワイト・ジャズ 1...
  • 唇を閉ざせ
    唇を閉ざせ 題名:唇を閉ざせ 上/下 原題:Tell No One (2001) 著者:ハーラン・コーベン Harlan Coben 訳者:加藤耕士 発行:講談社文庫 2002.10.15 初版 価格:各¥990  コーベンのノン・シリーズ翻訳作品第一作は、軽ハードボイルド・タッチのマイロン・ボライター・シリーズとは趣きを変えた、重厚なノンストップ・バイオレンス・スリラー。  山と湖の自然とギャングの横行するストリートのどちらもが舞台となる、ニューヨークの隣町ニュージャージーは、作者の生まれ育った土地らしく、生き生きと活写されている。人も街も生命感たっぷりで、お洒落だったり猥雑だったりの変化に富んでいる辺りは物語を豊かにしているように思われる。  本書は8年前の殺人事件で犠牲なっていたはずの愛妻が、主人公である小児科医師の周辺に現れるとい...
  • 嘘と聖域
    嘘と聖域 題名:嘘と聖域 原題:Legacy Of Lies (2020) 作者:ロバート・ベイリー Robert Bailey 訳者:吉野弘人訳 発行:小学館文庫 2023.2.12 初版 価格:¥1,080  マクマートリー教授シリーズ4部作の後を引き継いだのは、彼の教え子ポー・ヘインズだった。作中の弁護士稼業を引き継いだのではなく、シリーズ主人公を引き継いだという意味である。ポーはマクマートリーのラグビーと法律の教え子であるわけだが、マクマートリー・シリーズでは、ポー以外の教え子も数人(リック・ドレイク、レイレイことレイモンド・ピッカルー、パウエル・コンラッド、ウェイド・リッチーなどなど)副主人公として活躍していた。ここでポーが主役を引き継いだのには、いろいろなわけがあったろう。  いずれにせよポーが主役となれば前シリーズで、二作目のサブ主人...
  • ホンキートンク・ガール
    ホンキートンク・ガール 題名:ホンキートンク・ガール 原題:The Widower s Two-Step (1998) 作者:リック・リオーダン Rick Riordan 訳者:伏見威蕃 発行:小学館文庫 2004.3.1 初版 価格:\695  テキサス州を舞台に女性カントリー・シンガーのデビュー劇を巡って巻き起こる連続殺人事件。現代にしては、いわゆる相当に地味な事件であり、時代遅れでローカル色豊かなカントリー&ウェスタンという音楽ジャンルの上に展開するこの人間悲喜劇は、派手さもなければ、取り立ててアピールするほどのアクションもさしてない。どちらかと言えば、人間たちが本音や虚言で語り、自然や季節がそれを取り巻いているゆったりしたリズムで、すべてが進んでゆく。  逆に言えば、失われた開拓史時代からの連綿とした流れを意識したかのような南部エンターテ...
  • 殺意の教壇
    殺意の教壇 題名:殺意の教壇 原題:The Last King Of Texas (2000) 作者:リック・リオーダン Rick Riordan 訳者:林 雅代 発行:小学館文庫 2005.5.01 初版 価格:\752  『ビッグ・レッド・テキーラ』『ホンキートンク・ガール』に続く「見習い探偵トレス・ナヴァー」シリーズの第三弾。ドン・ウィンズロウの『ウォータースライドをのぼれ』がドタバタ調で、完成度という意味ではイマイチの出来だったあたりと比較して、同じ見習い探偵でも今回は、ニール・ケアリーより、トレス・ナヴァーに軍配が上がったという気がする。  トレスは無表情でユーモラスな一人称の探偵だが、何よりも酒の飲み方や、台詞への懲り方など、若いながらもミロ・ドラゴビッチを意識したようなデカダンスが感じられる部分、さすがテキサス育ちといったタフガイ...
  • ハリウッド・ノクターン
    ハリウッド・ノクターン 題名:ハリウッド・ノクターン 原題:Hollywood Nocturnes (1994) 著者:ジェイムズ・エルロイ James Ellroy 訳者:田村義進 発行:文藝春秋 1997.01.20 初版 価格:各\2,400(本体\2,330)  LAシリーズは、その読者にとってはある種、終わってしまった祭り、もしくは吹き過ぎて行った狂気の疾風……であると思う。多くの血が流れ、多くの真実が闇の中に埋もれて行ったが、未だに熱っぽさの残る物語として、ぼくたちの生涯にどこかで疼き続けてゆくように思えてならない。  LAシリーズのあの悪夢と情念の日々。死んでいった多くの取り憑かれた男たち。彼らが作者の分身であることは、この作者の本を読めば読むほど確信に近くなってゆく。異常な過去に彩られた狂気の半生の後に開始された作家活動と...
  • ホプキンズの夜
    ホプキンズの夜 ホプキンズの夜 (扶桑社ミステリー) ホプキンズの夜 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ) 題名 ホプキンズの夜 原題 Because The Night (1984) 著者 ジェイムズ・エルロイ James Ellroy 訳者 小林宏明 発行 扶桑社ミステリー 1990.07.25 1刷 1990.10.1 2刷 価格 \600(本体\583)  凄いなと思うのは、この作品がシリーズ前作『血まみれの月』とほとんど間髪を置かずに発表されていること。作者が続け様に仕上げたのだとすると、よほどこのロイド・ホプキンズという特異なキャラクターが、作者の中でざわめいていたに違いない。  まともな学校教育をほとんど受けていないエルロイというこれまた特異なキャラクターにペンを執らせるものは何なのだろうと考えると、なにかしら背筋の...
  • 拳銃使いの娘
    拳銃使いの娘 題名:拳銃使いの娘 原題:She Rides Shotgun (2017) 著者:ジョーダン・ハーパー Jodan Harper 訳者:鈴木恵 発行:ハヤカワ・ミステリ 2019.1.15 初版 価格:¥1,700-  アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)新人賞受賞作品。早川書房は海外作品の受賞作品を半年から一年くらいで日本語版にして出版してくれる稀有な版元である。中でもポケミスは早撃ちにかけては名の知れた叢書なので、ぼくは八割方は読んでいる。新たな作家に出会うことも多い。本書デビューとなったこのジョーダン・ハーパーみたいな活きのいい作家と。  少女が犯罪者の父親と逃亡し逆転勝利を、目指すロード・ノヴェルである。のっけから彼等の殺害指令が全米に出される。超重警監房にいる犯罪グループのボスから発される。少女は、父親と同じ拳銃使いの眼...
  • ミステリガール
    ミステリガール 題名:ミステリガール 原題:Mystery Girl (2013) 作者:デイヴィッド・ゴードン David Gordon 訳者:青木千鶴 発行:ハヤカワ・ミステリ 2013.6.15 初版 価格:\1,900  『二流小説家』はちなみに面白かったのか? とあなたはぼくに問われるかもしれない。でもぼくはあなたにきっと答えることができない。あるいはぼくはこう答えるかもしれない。ミステリとしてはどうかと思う。謎解き部分はあるけれどもそう秀逸な流れでページを繰る手が止まらないというスピード感覚があるわけでは全くない。むしろ忍耐を強いられると思うので、よほど本の好きな人、活字中毒者たちに対してしかぼくは正直なところ薦めたくないんだ。  『ミステリガール』はどうだったのか? とあなたはぼくに問われるかもしれない。ぼくはきっとこう答えるしかな...
  • 死者は眠らず
    死者は眠らず 題名:死者は眠らず 原題:No Rest For The Dead (2011) 作者:アンドリュー・F・ガリー Andrew F.Gulli,ジェフ・アボット Jeff Abbott, サンドラ・ブラウン Sandra Brown, トマス・H・クック Thomas H.Cook, ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver,ダイアナ・ガバルドン Diana Gabaldon, テス・ジェリッツェンTess Gerritsen,ピーター・ジェイムズ Peter James, J・A・ジャンス J.A. Jance, フェイ・ケラーマン Faye Kellerman, レイモンド・クーリー Raymond Khoury, ジョン・T・レスクワ John T.Lescroart, ジェフ・リンジー Jeff Lindsay,ゲイル・リンズ Gayl...
  • もし今夜ぼくが死んだら、
    もし今夜ぼくが死んだら、 題名:もし今夜ぼくが死んだら、 原題:If I Die Tonight (2018) 作者:アリソン・ゲイリン Alison Gaylin 訳者:奥村章子 発行:ハヤカワ文庫HM 2020.3.25 初版 価格:¥1,260  真夜中に盗難車に轢かれ、死んだ少年。橋の下に落下した車。逃走した罪深き何者か。殺人事件というよりも突発的な事故のようにも見えるある夜の出来事を中心にして本書は、スタートする。場所はハドソン川流域の町ヘヴンキル。著者が住むのは同じくニューヨーク州ハドソン川流域のウッドストックだそうである。何と……!  エドガー賞、通称ペーパーバック賞受賞作品……にしては、やはりテーマは重たい気がする。最近のアメリカ小説でよく読むタイプのドメスティック・ミステリーであり、社会現象とも言えるネット虐めによる社会的暴力に真向...
  • アメリカン・タブロイド
    アメリカン・タブロイド 題名 アメリカン・タブロイド 上/下 原題 American Tabloid (1995) 著者 James Ellroy 訳者 James Ellroy 発行 文芸春秋 1998.2.1 初版 価格 各\2,381  エルロイはやはり人を食っている。次々と視点を変え、文体を変え、作風を変えるんは今に始まったことはではない。しかし『ホワイト・ジャズ』から、のこのテンポの変化はやはり、これまでの読者を手玉に取ったものとしか言いようがない。  たいていは同じ主題、個のバイオレンスを低調音とした悪のアメリカ史を書いていながら、一作一作の作品のトーンを変えてしまうのは、見事としか言いようがない。この作品では、進行する物語をいくつもの【挿入文書】でサンドイッチしながら、読者の側を素晴らしいテンポで引き込んでゆ...
  • マ行作家
    マ行作家 フィリップ・マーゴリン マイケル・マーシャル デイヴィッド・マーティン アレックス・マイクリーディーズ コーマック・マッカーシー エイドリアン・マッキンティ クレア・マッキントッシュ ロス・マクドナルド クイーム・マクドネル コーディ・マクファディン エド・マクベイン ジェイムズ・A・マクラフリン アリステア・マクリーン ホレス・マッコイ グスタボ・マラホビッチ マルコ・マルターニ エルザ・マルポ デイヴィッド・マレル シェイン・マローニー ヘニング・マンケル ジャン=パトリック・マンシェット ジグムント・ミウォシェフスキ ギョーム・ミッソ ベルナール・ミニエ レックス・ミラー リズ・ムーア レミギウシュ・ムルス アンドリュー・メイン ヴィクター・メソス ウォルター・モズリイ カルメン・モラ ピエテル・モリーン
  • カ行作家
    カ行作家 フィリップ・カー フィリップ・カーター サイモン・カーニック ドナート・カッリージ モンス・カッレントフト シーナ・カマル エリック・ガルシア デイ・キーン ヴィクター・ギシュラー バリー・ギフォード カート・キャノン ローリー・R・キング A・J・クィネル ケイト・クイン デイヴィッド・グーディス ダニヤ・クカフカ クリストファー・クック トマス・H・クック ジュリー・クラーク マイクル・クライトン ブレイク・クラウチ ジェイムズ・クラムリー ベン・クリード ジャン=クリストフ・グランジェ キミ・カニンガム・グラント ジョン・グリシャム アゴタ・クリストフ ウィリアム・ケント・クルーガー デイヴィッド・クレイ ロバート・クレイス マシュー・クワーク アリソン・ゲイリン ポール・ケイン ジャック・ケッチャム ダグラス・ケネディ ラーシュ・ケプレル ジョー・ゴアズ マイクル・コナ...
  • サ行作家
    サ行作家 マイケル・サイモン トーマス・サヴェージ コートニー・サマーズ ジェイムズ・サリス ベン・サンダース ジョン・サンドフォード フェルディナント・フォン・シーラッハ グラント・ジャーキンス ホリー・ジャクソン ハロルド・ジャフィ レイ・シャノン セバスチアン・ジャプリゾ マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー ベルンハルト・シュリンク マイケル・シェイボン ジョゼ・ジョバンニ マウリツィオ・デ・ジョバンニ ジェイソン・スター リチャード・スターク ドメニック・スタンズベリー マリア・V・スナイダー ウィルバー・スミス シェイマス・スミス スコット・スミス ミッチェル・スミス トム・ロブ・スミス メアリ=アン・T・スミス カリン・スローター セーアン・スヴァイストロプ ボー・スヴェーンストレム ピーター・スワンソン アレクサンデル・セーデルベリ レイ・セレスティン
  • ヒート・アイランド
    ヒート アイランド ヒートアイランド (文春文庫) ヒートアイランド 題名:ヒート アイランド 作者:垣根涼介 発行:文芸春秋 2001.7.15 初版 価格:\2.048  この作家についてはタイトルが何を表しているのかよくわからないのだが、最後に文章の中にタイトルを埋め込んで拍手って感じで終わらせたい、そんなところがあるのだろうか。その辺りの感覚はともあれ、内容はデビュー作よりも緊張感で上を行っていて、ちょうど『ワイルド・ソウル』への通過点になっているように思われる。  車へのこだわりが前作に通じるもので、この作家よくよく車が好きなのに違いない。銃に関してこだわりもあるから、やはり大藪以来の和製ハードボイルドのMONO志向は継いでいるといったところか。  商社や旅行代理店の勤務経験を経て培われたのが、日本国内のせせこましい経済に絡め取られた...
  • アメリカン・デス・トリップ
    アメリカン・デス・トリップ 題名 アメリカン・デス・トリップ 上/下 原題 The Cold Six Thousand (2001) 著者 ジェイムズ・エルロイ James Ellroy 訳者 田村義進 発行 文藝春秋 2001.9.15 初版 価格 各\2,381  『アメリカン・タブロイド』から6年。USAアンダーワールド三部作の第二作が漸く到着した。待ちに待たれたエルロイ、久々の長編。  JFKという名の祝祭に終わった前作。ダラスの熱い一日。葬られた者。悪と秘密を抱えたまま通り過ぎて行く者たちの夏は一度幕を閉じた。  そして本作。ダラスへ向かう者の登場。若造。父の差し金。クランとマフィアとヴェガスの物語が火を噴き始める。殺人と買収と裏切りの時代が、ぎりぎりと軋み始める。前作以上の密度で。重さで。風圧で。  ジ...
  • 最後の審判
    最後の審判 題名:最後の審判 原題:The Final Reckoning (2019) 著者:ロバート・ベイリー Robert Bailey 訳者:吉野弘人 発行:小学館文庫 2021.12.12 初版 価格:¥1,100  胸アツ四部作の掉尾を飾る力作の登場である。前作が三作目なのにタイトルが『ラスト・トライアル』。そこまでを読んでいない方には、このレビューは前作含めてのネタばれなのでご注意。しかし……。  そもそも第一作『ザ・プロフェッサー』から癌を患ってしまった老主人公なので、第三作目で再発し、第四作目での確実な死が予告されている物語である。読み側としての覚悟はネタばれでなくてもある程度求められるのが本シリーズを通しての「時は過ぎゆく」という大テーマであるかに見えてくる。  こうした哲学的テーマの重低音の上に展開するのが今回は、血の匂...
  • タ行作家
    タ行作家 アルネ・ダール フレデリック・ダール トレント・ダルトン マーク・チャイルドレス/チルドレス レイモンド・チャンドラー エリオット・チェイズ ジョセフィン・テイ デイヴィッド・C・テイラー マレール・デイ ジェフリー・ディーヴァー ウィリアム・ディール カレン・ディオンヌ ジェイムズ・ディッキー フィリップ・K・ディック ハンナ・ティンティ ボストン・テラン ジャナ・デリオン ピーター・ドイル スコット・トゥロー リチャード・ドハティ ゾラン・ドヴェンカー クレイグ・トーマス ロス・トーマス マイケル・ドブズ ルパート・トムスン ローリー・リン・ドラモンド オリヴィエ・トリュック ジェレミー・ドロンフィールド ジム・トンプスン
  • 罰金
    罰金 罰金 (ハヤカワ・ミステリ文庫―競馬シリーズ (HM 12-8)) 題名:罰金 原題:FORFEIT (1968) 著者:Dick Francis 訳者:菊池光 発行:ハヤカワ文庫HM 1977.1.15 初版 1990.10.31 8刷 定価:\520(本体\505)  【ネタバレ警報】  この小説は状況設定そのものが一種のネタであるため、大きなネタバレとは言えないけど、これから話すことから一応読書の興趣を削がれるかもしれないので、未読の方は注意して戴いた方がいいかもしれません。もっとも推理小説などのトリックばらしとは違って、「肝心要のネタをばらしてしまう」というニュアンスのネタバレはないつもりです。「こんなネタが知れてたからと言ってフランシス作品の価値は下がるまいよ」とお考えの方も多いかもしれません。しかし逆の向きの方にはご注意申し上げておき...
  • コールド・コールド・グラウンド
    コールド・コールド・グラウンド 題名:コールド・コールド・グラウンド 原題:The Cold Cold Ground (2012) 著者:エイドリアン・マッキンティ Adrian McKinty 訳者:武藤陽生訳 発行:ハヤカワ文庫HM 2018.4.15 初版 価格:¥1,900  粘度を少し落としたジェイムズ・エルロイ。LA暗黒史を背景にしたポリス・ノワールで突出した感のあるエルロイは、よく知られたアメリカ暗黒=禁酒法、マフィア、ヴェガス、赤狩り、J・E・フーバーといった時代を背景にしているが、このエイドリアン・マッキンティの方は、北アイルランドの現代史を背景に、エルロイ・ノワールに作品を少しでも近づけようとしている。作家も主人公も、その鼻っ柱の強さにとにかく冷や冷やさせられながらも、謎解きを基調としたアイルランド・ノワールとして存分に楽しめるシリーズ...
  • TOKYO YEAR ZERO(トーキョー・イヤー・ゼロ)
    TOKYO YEAR ZERO(トーキョー・イヤー・ゼロ) 題名:TOKYO YEAR ZERO(トーキョー・イヤー・ゼロ) 原題:Tokyo Year Zero (2007) 作者:デイヴィッド・ピース David Peace 訳者:酒井武志 発行:文芸春秋 2007.10.10 初版 価格:\1,762  ジェイムズ・エルロイは、ジェイムズ・エルロイだ。彼の創作活動を突き動かすものは、母を殺した殺人者を追跡するという盲目的衝動であり、母を殺した時代、母が何故殺されたのか、母は何者であったのか? といった欠如した愛への渇望であり、到達されぬ目的への不条理感であるように思う。そんな一貫した方向性を内に外に露わにしてやまない彼のような作家には誰もなることはできない。  エルロイという作家に出くわして、自分もエルロイのような凄まじい作品を書きたいという...
  • ア行作家
    ア行作家 ポール・アードマン ジェフリー・アーチャー ディーパ・アーナパーラ エヴァ・ヴョルク・アイイスドッティル バリー・アイスラー グレッグ・アイルズ アイザック・アダムスン エース・アトキンス イゴール・デ・アミーチス トーヴェ・アルステルダール マーヴィン・H・アルバート カーリン・アルヴテーゲン ビクトル・デル・アルボル カトリーヌ・アルレイ ロベルト・アンプエロ マックス・アンナス デイヴィッド・アンブローズ ユージン・イジー ジャネット・イヴァノヴィッチ アーナルデュル・インドリダソン ジョン・ヴァーチャー アンドリュー・ヴァクス フレッド・ヴァルガス クリス・ウィタカー フレッド・ウィラード ティム・ウィロックス R・D・ウィングフィールド ドン・ウィンズロウ チャールズ・ウィルフォード ロノ・ウェイウェイオール ドナルド・E・ウェストレイク ジャン・ヴォートラン ミネッ...
  • 雨の影
    雨の影 題名:雨の影 原題:Hard Rain (2003) 作者:バリー・アイスラー Barry Eisler 訳者:池田真紀子 発行:ヴィレッジブックス 2004.01.20 初版 価格:\800  前作『雨の牙』に続く日米ハーフの殺し屋ジョン・レインのシリーズ第二作。前作に引き続き東京を舞台にして、CIAや政治の黒幕に追われながら、新たな陰謀の火種に巻き込まれるサバイバル戦を繰り広げる。大沢在昌あたりが書いてくれると、もっときりっとしてくれると思うのだが、そこがハードボイルド作家とアイスラーの違い。アイスラーの作品は、ハードボイルドは対極にあるほどにウェットで書かれているのだ。叙情に流される一人称文体というのが、どうもナルシスティックで、嵌まり切れない部分である。  根が真面目な作者なのだろう。三年しか日本に駐在していなかった人にしては、あ...
  • ハイ・シエラ
    ハイ・シエラ 題名:ハイ・シエラ 原題:High Sierra (1940) 作者:W・R・バーネット W.R.Burnett 訳者:菊池 光 発行:ハヤカワ・ミステリー 2003.02.15 初版 価格:\1100  自分が生まれるよりずっとずっと前に書かれた作品が今頃になって邦訳される。そんな不思議な機会は滅多にあることではないだろう。  ハンフリー・ボガートが初主演をもらった記念すべき映画であったにも関わらず、1941年の大変古い映画に過ぎない。日本では劇場公開より先にTV放映されてしまったのだそうだ。その時のタイトルは『終身犯の賭け』。もちろんそのタイトルがこの本の内容を表したことには全然なっていない。実際に『ハイ・シエラ』のタイトルで劇場公開されたのは1988年なんだそうだ。いつ接したとしても古い作品であったことには変わりはないわけだ。...
  • エリオット・チェイズ Elliott Chaze
    エリオット・チェイズ Elliott Chaze 長編小説 天使は黒い翼をもつ 1953 浜野アキオ訳 キール・セントジェイムズ・シリーズ さらばゴライアス 1983 ミスター・イエスタデイ 1984 ダビデの標的 1985 川上純一訳
  • 嘘つき男は地獄へ堕ちろ
    嘘つき男は地獄へ堕ちろ 題名:嘘つき男は地獄へ堕ちろ 原題:Nothing Personal (1998) 作者:ジェイソン・スター Jason Starr 訳者:浜野アキオ 発行:ヴィレッジブックス 2004.6.20 初版 価格:\780  雑巾と言うものは汚いものを拭く前には、目立たないけれどもけっこう清潔な一枚の布だ。しかし雑巾はそれで汚いいろいろなものを拭いた後、バケツに汚水を搾り出し、ねじりこむようにしたときには、全く違ったものに形を変えて見える。匂いがつき、多くの汚れを吸い取り、そしてあっさりと廃棄される。  この作品は、一見平和に過ごしてきた二組の愛情溢れる(はずの)夫婦が、まるで一枚の雑巾のように、多くのものを吸い取り、溜め込み、そしてぎゅうっと捩じられ、最後には捩じ切られる間際まで行ってしまう物語だ。じわじわと追い詰められ、絡...
  • ラ行作家
    ラ行作家 C・A・ラーマー C.A.Larmer クラム・ラーマン ロブ・ライアン ギャビン・ライアル ロバート・ラドラム イアン・ランキン ジョー・R・ランズデール ウィリアム・ランディ ジェイムズ・リーズナー アレックス・リーヴ リック・リオーダン ジャック・リッチー ジョン・リドリー デイヴィッド・リンジー ジェフ・リンジー アンデシュ・ルースルンド カルロ・ルカレッリ ピエール・ルメートル べン・レーダー ドロレス・レドンド エルモア・レナード デニス・レヘイン(ルヘイン) ローリー・ロイ アッティカ・ロック ジャン=バティスト・ロッシ レナード・ローゼン デイヴィッド・ローン マイケル・ロボサム J・D・ロブ
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